「花北最終講義より」

退職して少し時間ができたので、
備忘録を兼ねて、
少しずつ過去のことを
まとめてみることにしました。

今回は、3月16日に行った、
私の最終講義からその一部を
記しておきたいと思います。

講義は、1年生3クラスずつを
55分2セットに展開して行われました。

オープニングアイスブレイクは「移項の歌」。

数学大好きさ~♪のところで、
皆に「スキスキ!」と
合いの手を入れてもらいながら
気持ち良く歌わせていただきました。

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ロックバージョンで演奏しました。

実はツェッペリンの
Immigrant Song「移民の歌」の
リフを使おうと思ったのですが、
そんなマニアックなことをしても
誰も気づかないと思ってやめました(笑)。

続いて、今年のセンター試験の問題と
昨年の東大の問題を扱いました。

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生徒みんなの目が輝いていて、
とても楽しく、充実した時間を
過ごすことができました。

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この中から、センターⅠAの
集合の問題のところを
ショート動画にまとめてみました。



生徒とは最初で最後の授業なので、
今回はあまり知られていない
ベイチ図の紹介というテーマで
授業を展開してみました。


尚、動画は、放送部の生徒が
秘かに撮ってくれたものです。
仕掛けていただいた八重樫先生
ありがとうございます。

ベイチ図は複数の集合の
結びや交わりを表すのにとても便利。

ベイチ2次

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授業で扱ったのは3次のベイチ図ですが
4次のベイチ図も少し説明しました。

ベイチ4次

授業の中で、5次以上のベイチ図は
どのように表せるか
という問いを投げかけたところ、

何と離任式の日に、4人の1年生が
校長室に訪れてくれました。

こんな図を示してくれました。

ベイチ5次

それだけではありません。

ある生徒はABCDの4次のベイチ図は、
ABC3の3次のベイチ図を2つ並べて、
一方をDが含む形にすればよい、
そして、この方法を使えば、
何次でも拡張できることも
説明してくれました。

素晴らしい!

また、立体にするアイデアを
話してくれる生徒もいました。

中でも面白かったのは、
ベイチ図からベイチ図への写像を考え、
その写像を集合とみなすというアイデアです。


例えば、6次のベイチ図は、
図のような写像で表すのだそうです。

ベイチ6次

この話してくれたO君は、
総合的な学習の自由研究で
このことを研究したいといってくれました。

嬉しいですね。

4人との数学談議、とても楽しかったです。

さて、最終講義の授業に戻ります。

最後の生徒のお礼の言葉は、
私の講座がふっとぶほど凄すぎて・・。

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感動するとともに、
今回の授業を仕掛けてくださった
花北数学科の先生方の思いやりに感謝です。

夜の部は紫波町の「サ・カ・バ真魚板」で
数学科の送別会。

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人の温かさに触れた一日でした。

 

第23回全国高校集会

明日から4月1日までの2日間、
数学教育協議会
第23回全国高校集会が
岩手大学で行われます。

明日は、11時から
「教具展」と「おもちゃ箱」という
楽しいお祭りイベントがあります。

午後からは、長きにわたって
数学セミナーの編集長をされていた
亀井哲治郎さんの講演があり、
その後、2時間程講座を担当します。

今年度最後の仕事であります。

私の他の講座担当者は、
先日お世話になったばかりの
琉球大の伊禮先生、
北海道を中心に数学の啓蒙活動を
行っている成田先生、
京都橘大の森原先生
という重鎮達であります。

私の講座のタイトルは

「38年の数学教員生活に悔いばかり
~子どもたちから学んだことあれこれ~」

というもので、好きなことを
漫談チックに語らせていただこうと思います。

もしよろしければご参加ください~。

「おもちゃ箱」は
数学の教員でなくても楽しめます!

要項はこちらです→




 

最終講義

数学科の先生方が気を遣ってくださり、
私の最終授業を企画してくれました。

3月16日(金)13:35から、
1年生を3クラスずつ分けて
55分の2コマ連続で行います。

沖縄に出かける前日ではありますが、
張り切って最後の授業を
やりとげたいと思います。

こんなカンジで進めようと思っています。

①オープニング「移項の歌」10分

②今年のセンター試験より
【テーマ1】
君は「ベイチ図」を知っているか15分
【テーマ2】
深い学びってなんだろう 15分

③昨年の東大の問題に挑戦
【テーマ3】
教具で概念の「見える化」を 15分

よかったらどうぞ気軽に
のぞきにきてくださいませ。

場所は多目的教室です。

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「数列の和マニアック系」

久しぶりに数学の記事を書きます。
今回はマニアック系です。

初項a公差dの等差数列の
第n項までの和は

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と表すことができます。

この式の右辺を展開してみましょう。

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更に、コンビネーションの記号を用いると

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と表すことができます。

なぜ、このように表せるのでしょう。
次の図で説明します。

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これは数列の下方に階差を、
上方に和をつくっていった図です。

これを見ると、例えば、第6項までの和は
aが6回、dが15回
足されていることがわかりますね。

つまり、求める和は、
a,dがそれぞれ何回足されるかを
調べればよいということですね。

この足される回数は、
上に示した図を見れば、
次のような道順の数を
数えあげることに
対応していることがわかります。

<aの足される回数を示す図>

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<dの足される回数>

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このことから、等差数列の和は
コンビネーションを用いて
表されることがわかるわけです。


では、この考え方を用いて
いくつかの数列の和を考えてみましょう。


では、階差数列が等差数列になるような
数列を考えてみます。

例えば

2,3,7,14,24・・・

この数列の第n項までの和を求めてみましょう。

一応、普通の求め方は以下の通りです。

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では、これを、
コンビネーションによって求めてみましょう。

図のように数列の和と階差数列を作ってみます。

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すると、第n項までの和は

数列の初項2
第一階差数列の初項1
第二階差数列の初項3

の3つの数が何回足されているかを
考えればいいわけですね。

第6項までの和を考えてみましょう。

それぞれの数が送り込まれる様子を、
次のような図で示します。

<2が送り込まれる様子>

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<1が送り込まれる様子>

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<3が送り込まれる様子>

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よって、第6項までの和は
12+15+60=87となりますね。

すると、第n項までの和は
次のようにして求めることができます。

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ついでに一般項も求めておきます。

まず、階差数列の第n項までの和が

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であることから、

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オマケとして、ベキ乗和を求めてみましょう。

ベキ乗の数列は、差分をとっていくと、
何回目かに必ず等差数列になりますね。

その階差数列の初項を調べれば、
ベキ乗和は決定されるわけですね。

平方和

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を考えてみましょう。

第一階差数列は

3,5,7,9,・・・

第二階差は

2,2,2,2,・・・

つまり、1,3,2が
何回足されるかの数え上げです。

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同様に、立法和、4乗和も記しておきましょう。

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ちなみに、ベキ乗和を差分化していくのは、
ライプニッツのアイデアです。
私は、差分と微分の親和性について
授業で説明する時にこの話題を
しばしば取り上げています。



最後に、予防線を張っておきます。

私は、数学の先生方に、
このような、教科書にはない
面白話題やマニアックな手法
などの話をよくするのですが、
それに対して、めちゃ面白がってくれる人と
顔が曇って、話題をそらそうとする人の
2つのパターンに分かれます。

後者の人はだいたいこんなことを
言ってきます。

「これって授業で教えているんですか?」

「こんなことを教えるとかえって
混乱するんじゃないですか」

「面白いかもしれないけれど
本校の生徒にはムリ」


あ~あ。脱力。
共に数学を語るに足らず。

彼らになぜ数学を教えるのかと聞くと
きっとこう答えるのです。

生徒に受験を乗り越えさせたい
教科書をわかりやすく教えたい
生徒にテストで良い点数をとらせたい

これは一見、「生徒のため」
のようにみえます。
事実彼らは「生徒のため」という言葉を
錦の御旗のようによく使います。

恐らく、生徒との間にも
そういった関係性が成立して
授業をまわしているんだろうな、と思います。

「先生これってでるの」
「出すからやっとけ」
「でもこっちは今は覚えなくていいから」

とかね。

でもねえ。

私には、むしろ生徒を信頼していない
上から目線のように感じるのです。

「生徒のため」を連呼する人にかぎって
教える内容を狭めたり、
生徒を箱庭に入れて過剰にコントロールし
自由な学びを奪っている。


生徒はノーリミットであることを知っていて、
教師ができることなんて生徒の背中を
ちょっと押すことに過ぎないことも知っていて、
そして、教師自身が、
教科の面白さにハマっていて、
そのエロスを子どもたちに降り注ぐ。

そんな教師に私はあこがれるのです。

ちょっと脱線してしまいましたね。

失礼しました。



 

黒橋の鉄人セミナー2日目の話題

先週は3日間、
黒橋の鉄人セミナーを行いました。

その2日目に扱った2017年の東大の問題。


02ベクトルの分解東大

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一応上写真のような解答を行ったのですが、
途中、2人の生徒に協力してもらい
輪ゴムを使った簡単な演示をしたら
わりと講評でした。

そこで、昨日、
校長室で再現動画を撮ってみました。

東大のベクトルの問題ですが、
実は中学校の知識(比例)だけで
理解できるかと思います。

尚、カメラマンは副校長先生です。




退職したら
こんなワンポイント動画をたくさん作ろうかな。