第23回全国高校集会

明日から4月1日までの2日間、
数学教育協議会
第23回全国高校集会が
岩手大学で行われます。

明日は、11時から
「教具展」と「おもちゃ箱」という
楽しいお祭りイベントがあります。

午後からは、長きにわたって
数学セミナーの編集長をされていた
亀井哲治郎さんの講演があり、
その後、2時間程講座を担当します。

今年度最後の仕事であります。

私の他の講座担当者は、
先日お世話になったばかりの
琉球大の伊禮先生、
北海道を中心に数学の啓蒙活動を
行っている成田先生、
京都橘大の森原先生
という重鎮達であります。

私の講座のタイトルは

「38年の数学教員生活に悔いばかり
~子どもたちから学んだことあれこれ~」

というもので、好きなことを
漫談チックに語らせていただこうと思います。

もしよろしければご参加ください~。

「おもちゃ箱」は
数学の教員でなくても楽しめます!

要項はこちらです→




 

最終講義

数学科の先生方が気を遣ってくださり、
私の最終授業を企画してくれました。

3月16日(金)13:35から、
1年生を3クラスずつ分けて
55分の2コマ連続で行います。

沖縄に出かける前日ではありますが、
張り切って最後の授業を
やりとげたいと思います。

こんなカンジで進めようと思っています。

①オープニング「移項の歌」10分

②今年のセンター試験より
【テーマ1】
君は「ベイチ図」を知っているか15分
【テーマ2】
深い学びってなんだろう 15分

③昨年の東大の問題に挑戦
【テーマ3】
教具で概念の「見える化」を 15分

よかったらどうぞ気軽に
のぞきにきてくださいませ。

場所は多目的教室です。

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「数列の和マニアック系」

久しぶりに数学の記事を書きます。
今回はマニアック系です。

初項a公差dの等差数列の
第n項までの和は

suretuwa-03.png

と表すことができます。

この式の右辺を展開してみましょう。

suretuwa-04.png

更に、コンビネーションの記号を用いると

suretuwa-05.png

と表すことができます。

なぜ、このように表せるのでしょう。
次の図で説明します。

sureruwa-01.png

これは数列の下方に階差を、
上方に和をつくっていった図です。

これを見ると、例えば、第6項までの和は
aが6回、dが15回
足されていることがわかりますね。

つまり、求める和は、
a,dがそれぞれ何回足されるかを
調べればよいということですね。

この足される回数は、
上に示した図を見れば、
次のような道順の数を
数えあげることに
対応していることがわかります。

<aの足される回数を示す図>

suretuwa-18.png


<dの足される回数>

suretuwa-02.png

このことから、等差数列の和は
コンビネーションを用いて
表されることがわかるわけです。


では、この考え方を用いて
いくつかの数列の和を考えてみましょう。


では、階差数列が等差数列になるような
数列を考えてみます。

例えば

2,3,7,14,24・・・

この数列の第n項までの和を求めてみましょう。

一応、普通の求め方は以下の通りです。

suretuwa-10.png

suretuwa-11.png


では、これを、
コンビネーションによって求めてみましょう。

図のように数列の和と階差数列を作ってみます。

suretuwa-06.png

すると、第n項までの和は

数列の初項2
第一階差数列の初項1
第二階差数列の初項3

の3つの数が何回足されているかを
考えればいいわけですね。

第6項までの和を考えてみましょう。

それぞれの数が送り込まれる様子を、
次のような図で示します。

<2が送り込まれる様子>

suretuwa-08.png

<1が送り込まれる様子>

suretuwa-09.png

<3が送り込まれる様子>

suretuwa-07.png

よって、第6項までの和は
12+15+60=87となりますね。

すると、第n項までの和は
次のようにして求めることができます。

suretuwa-12.png

ついでに一般項も求めておきます。

まず、階差数列の第n項までの和が

suretuwa-13.png

であることから、

suretuwa-14.png


オマケとして、ベキ乗和を求めてみましょう。

ベキ乗の数列は、差分をとっていくと、
何回目かに必ず等差数列になりますね。

その階差数列の初項を調べれば、
ベキ乗和は決定されるわけですね。

平方和

suretuwa-15.png

を考えてみましょう。

第一階差数列は

3,5,7,9,・・・

第二階差は

2,2,2,2,・・・

つまり、1,3,2が
何回足されるかの数え上げです。

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同様に、立法和、4乗和も記しておきましょう。

suretuwa-20.png


ちなみに、ベキ乗和を差分化していくのは、
ライプニッツのアイデアです。
私は、差分と微分の親和性について
授業で説明する時にこの話題を
しばしば取り上げています。



最後に、予防線を張っておきます。

私は、数学の先生方に、
このような、教科書にはない
面白話題やマニアックな手法
などの話をよくするのですが、
それに対して、めちゃ面白がってくれる人と
顔が曇って、話題をそらそうとする人の
2つのパターンに分かれます。

後者の人はだいたいこんなことを
言ってきます。

「これって授業で教えているんですか?」

「こんなことを教えるとかえって
混乱するんじゃないですか」

「面白いかもしれないけれど
本校の生徒にはムリ」


あ~あ。脱力。
共に数学を語るに足らず。

彼らになぜ数学を教えるのかと聞くと
きっとこう答えるのです。

生徒に受験を乗り越えさせたい
教科書をわかりやすく教えたい
生徒にテストで良い点数をとらせたい

これは一見、「生徒のため」
のようにみえます。
事実彼らは「生徒のため」という言葉を
錦の御旗のようによく使います。

恐らく、生徒との間にも
そういった関係性が成立して
授業をまわしているんだろうな、と思います。

「先生これってでるの」
「出すからやっとけ」
「でもこっちは今は覚えなくていいから」

とかね。

でもねえ。

私には、むしろ生徒を信頼していない
上から目線のように感じるのです。

「生徒のため」を連呼する人にかぎって
教える内容を狭めたり、
生徒を箱庭に入れて過剰にコントロールし
自由な学びを奪っている。


生徒はノーリミットであることを知っていて、
教師ができることなんて生徒の背中を
ちょっと押すことに過ぎないことも知っていて、
そして、教師自身が、
教科の面白さにハマっていて、
そのエロスを子どもたちに降り注ぐ。

そんな教師に私はあこがれるのです。

ちょっと脱線してしまいましたね。

失礼しました。



 

黒橋の鉄人セミナー2日目の話題

先週は3日間、
黒橋の鉄人セミナーを行いました。

その2日目に扱った2017年の東大の問題。


02ベクトルの分解東大

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一応上写真のような解答を行ったのですが、
途中、2人の生徒に協力してもらい
輪ゴムを使った簡単な演示をしたら
わりと講評でした。

そこで、昨日、
校長室で再現動画を撮ってみました。

東大のベクトルの問題ですが、
実は中学校の知識(比例)だけで
理解できるかと思います。

尚、カメラマンは副校長先生です。




退職したら
こんなワンポイント動画をたくさん作ろうかな。


 

至福の数学三昧日和

昨日は、黒橋の鉄人セミナー初日ということで、
3年生80人に講座を行いました。

内容はベクトルの基本のおさらい。
明日から本格的な演習です。

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素直で一生懸命な生徒達に囲まれ、
気持ちよく120分を終えることができました。

生徒たちには冒頭に話したことですが、
私はこうしてお膳立てしてもらった中で
六方踏んで気持ちよく
講座をさせてもらっているけれど、
これを日々行っている3年生の先生方は
本当に大変だと思います。
あらためて敬意を表したいと思います。


さて、この講座を終えて、校長室に戻ったら、
先日私に手紙をくれた数学大好き少女の
Kさんが訪ねてくれました。

2人でニコニコウキウキしながら、
しばらくの間、数学談議に
花を咲かせました。

Kさんは、数学の授業が楽しいこと、
数学の美しさ、考えることの楽しさ、
問題が解けたときの気持ちよさ、
自分が味わった爽快感を
他の人に伝えることの喜びについてなど、
目を輝かせながら話してくれました。

ただなかなかその思いを分かち合う人が
周囲にいないとのこと。
(わかりますわかります)

話しをしながら、昔、進学塾SEG代表の
古川昭夫先生が書かれていた
「教育理念」を思い出しました。

以下それを引用します。

私たちが目指すことは、
すでに皆さんの心の中にある
「数学を好きになる心」を育てることです。

そして、それこそが数学を得意になる
唯一の「王道」だと信じています。
それでは、どうすれば
「数学を好きになる心」を
育てることができるでしょうか? 

それには、数学が楽しいと思っている教師に
習うことがまず必要です。

数学が楽しいと自らが信じていて、
自らも楽しみ、その楽しみを
他の人と分かち合いたいと思っていて、
しかも、生徒がどんなところで
間違えやすいかをわかっていて、
注意深く教えてくれる教師に出会えば、
自然に誰だって
数学に興味がわいてくるものです。

その上で、数学の美しさ・
考えることの楽しさを
自分自身で体験することが欠かせません。

いくら感動的な絵を見ても、
自分で絵を描かない限り、
絵を描く技術は上達しません。

数学の技術も、
自分自身で手と頭を動かさない限り
伸ばすことはできません。

でも、好きなことなら、
そのために努力することは
苦痛ではないはずです。
(以下略)



Kさんには、
「博士の愛した数式」と
「数の悪魔」を貸しました。

「今度は『博士の愛した数式』の感想を
校長先生と語り合いたい」

と屈託なく話し、Kさんは校長室を後にしました。


そんなKさんと数学談議を楽しんだ後、
一人ホワイトボードに向かって
センター試験のちょっとしたポイントを
2つほど書いて遊びました。

【その1】集合の問題

マトリクス型の図を作れば
どんな問題でもどんと来いです。

s-20180116center-02.jpg

因みに2014年は、
4つの集合の問題が出ましたが
それも同様の図でできます。

カルノー図2014

尚詳しくはこちらにその記事があります。

センター試験集合について→★★

【その2】微積の問題

これもセンター試験定番。

s-20180116center-01.jpg

centerbiseki-02LT.jpg

centerbiseki-01L.jpg

「接線の一発式」、
「差の式」からの「まるごと積分」。
これで[1]は3分で終了です。

こんなことをやっていたら、
学校施錠の時間になっていて、
慌てて帰路につきました。


いやあなんという至福の数学日和。