数学化サイクルと銀林ダイヤグラム

昨日、岩手大学において
日本教育方法学会
第51回大会が行われました。

今回は、51回という歴史の中で、
初めてアクティブラーニングが題材として
取り上げられたとのことでした。

私も問題提起をさせていただきましたが、
時間制限の中で、
言いたいことを伝えきれませんでした。

伝えたいポイントを
フォーカスしていなかったことが原因。
いろいろと反省させられました。

10月25日(日)はお茶ノ水女子大学で、
今度は日本カリキュラム学会主催の
秋のセミナーで同様の発表を行うので、
そのときはもう少し論点を整理したいと思います。

さて、昨日の課題研究Ⅰの
「アクティブラーニングを問い直す」の中で、
コーディネータの松下佳代先生(京都大)から
過去の教育実践のリソースという文脈で、
数学教育協議会(AMI)の
「数学的問題解決の図式」が紹介されました。

これは、「銀林ダイヤグラム」
とも呼ばれているもので、
数教協では早くから提唱され、
それに基づいた優れた実践の数々が
紹介されています。

PISAが数学的リテラシーを説明する際に
しばしば用いられる図式の
「数学化サイクル」と類似性があり、
そういう意味で、時代が数教協に追いついた
という評価が学会内でなされていたことに、
驚くとともに、勇気づけられる思いをしました。

AMIの「数学的問題解決の図式」と
PISAの「数学化サイクル」を
以下に図示して比較してみます。
AMI銀林ダイヤグラムLT

PISAサイクルLT


「数学的問題解決の図式」では
現実世界の問題を、
数学の問題に定式化し、
それを計算などにより解を得、
その解を解釈することによって
現実世界の問題解決につなげていく
という流れです。

PISAの「数学化サイクル」は、
図において次の①~⑤の
段階によって示されます。

①現実問題から始める。
②数学的概念によって構成し、
 関連する数学を特定する。
③仮説の設定、一般化、定式化などによって
 数学の問題へと変換する。
④数学の問題を解く。
⑤数学的な解答を現実の状況と
 照らして解釈する。

両者に共通して言えることは、
数学の学習とは、
数学の教科書に書いてある問題を
次々と解いていくことではなく、

将来にわたり、
現実における問題解決を迫られる
様々な状況の中で、
数学的なアイデアを用いて推論し、
行動していくために行われるものである
ということです。

私は、そこには「生きる力」という
視座があるのではないかと思います。

つまり、より豊かな、
価値ある人生を送るために、
あるいは、
社会に貢献するためにこそ、
数学の学びがあるということです。

そのように考えると、
一方的に定義・公式を説明し、
問題演習を繰り返すような授業ではなく、
自ら問題意識を持ち、
他者とのコミュニケーションを行い、
協働で問題解決を行うような学習、
すなわち、アクティブラーニングの必要性を
一層感じるのです。


 

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