即時フィードバック

先日の講演後、参加されたある先生から
「講演の中で盛岡三高や大野高校の何人もの
先生方をホメていたことが印象的だった。
自分も明日から積極的に生徒をホメますよ」
と言われました。


話しは昔に遡りますが、
8月8日・9日(土日)に、
キャリア・クエスト様主催
「みんなのための教える技術」
(インストラクショナルデザインの理論と実践)
のセミナーに参加しました。

このセミナーに参加した大きな目的は、
8月23日(日)に名古屋のSANNOフォーラムで、
数学のAL型授業を行うことになっていたので、
そこに役立てる手法を、
向後先生から学びたかったからです。

名古屋では、6人1組の30グループ
計180名でのAL型授業
(数学の教員は60人)
ということだったので、
これは真剣にやらねばと思い、
一念発起したわけです。

そして、結果として、
このセミナーの経験を
バッチリ活かすことができ、
本当にありがたかったです。

さて、今回はそのセミナーの内容から、
ホメることに因んで
「即時フィードバック」
について記したいと思います。

「即時フィードバック」とは、
スモールステップで
トレーニングを進める過程において、
相手の行動に対して瞬時に声をかけ、
やる気を刺激していく方法です。

「シェイピングゲーム」
というワークを行いました。

まず、動物役とコーチを決めます。
私のグループではジャンケンの結果、
私が動物役となり、
コーチはゴルフのレッスンプロをされている
女性の方になりました。

動物役に、ある行動をコーチが
教えることがゴールです。

班員が私に与えた行動は

「チョウチョのように手をパタパタさせながら、
その場でケンケンする」

というものでした(何と厳しい課題でしょう!)。

私は、無言で手を上げたり下げたり、
クルクル回ったり、腕を組んだり、
ジャンプしたり座り込んだり等々、
様々な行動をします。

その動きをコーチがよく観察して、
与えられた内容に近い行動をした瞬間に
「よし!」の声をかけます。

つまり「ホメる」という行為です。
コーチが使える言葉は
「よし!」だけに限定されています。

例えば、手を少し挙げた瞬間に
コーチから「よし!」の声がかかります。
そこで、「手を上げる」という行為が
正解である行動に
含まれていることがわかるわけです。

私は、指導者から
「よし!」の声をもらうために、
無心で様々な動きをし続けます。

コーチは私の行動の
適切な瞬間を捉えて
「よし!」の声をかけます。

そうして、スモールステップを踏んで、
部分的に「よし!」をもらった行動を
統合・構成させながら、
少しずつ完成に近づいていくわけです。
もちろん行動を繰り返すうちに、
だんだんハードルが上がっていきます。

ところが、何ということでしょう。

5分位で、目的の行動に
到達することができたのです!

「よし」の声一つで!


即時フィードバック恐るべし。

さて、

私は、このゲームを経験して、
こんなことを感じました。

● 共に創るという感覚
一連の活動をハタから見ると、
コーチが言葉で
私を調教していくように見えますが(^^);
実は、そうではありません。

この活動の肝は、
「コーチが何を教えたか」、
ではなく、
「学習者が自分で何を獲得したか」
ということです。

あるいは、コーチと学習者が
協働で創り上げた(課題を乗り越えた)、
ということでもあると思います。

だから、行動が完成した時、
コーチも私も同じ達成感が
あったように思います。

もし、課題がクリアできなかったら、
その責任は学習者に向けるのではなく、
即時フィードバックのスキルが不足していた
コーチに向けられるものでしょう。


● ホメることから生まれる信頼感
コーチの方とは初対面でしたが、
使う言葉は「よし!」だけで、
ホメることを限定しているので、
ゲームの中において、コーチへの
絶対の信頼感が生まれることが実感できます。


● 非言語によるコミュニケーション
使う言葉が「よし」だけでも、
実は、ちょっとした表情の変化、目の動き、
声の強弱といったノンバ―バルな
コミュニケーションによる、
「それは違うよ」
「その行動はもうOKだから
違うことをやりなさい」
といった情報が暗黙の内に
伝わったというのもあります。


50を過ぎたおっさんが、汗だくになって、
数分間ひたすら分けのわからない動きで
踊り続ける姿は、
知らない人が見ると
「大丈夫かこの人」
なのではありますが、

身体を動かし、経験することによって、
多くの気づきや学びがありました。

普段から、教授パラダイムから
学習パラダイムへ、などと
口幅ったいことを言っている私ですが、
この活動の中にも
多くのヒントがあったのです。

高校教育の場においても
非常に参考になる内容でした。

皆様ありがとうございました。

シェイピグゲーム
達成の瞬間!写真は、キャリア・クエスト代表の
齋藤みずほさんの記事から引用させていただいたものです。
みずほさんは、思ったとおりの素敵過ぎる方でした。


 

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