生きる力

昨日、

「中学・高校におけるキャリア教育を考える
『キャリア教育支援者養成講座』基礎編」

に参加しました。

とても充実した内容で、
4時間があっという間に過ぎました。

私の所属したグループの4人のメンバーは、
昨年度教育センターで
キャリア教育に関する研究発表を行った高校の先生、
青森県から駆けつけた
高い問題意識を持った中学校の先生、
各種司会や講演、そして「ドリームマップ」という
キャリア教育プログラムの普及に
ご活躍されているCDA
(キャリアデベロップメントアドバイザー)の方、
高校・大学の就職支援や
キャリアコンサルティングを行っている
フリーランスのキャリアカウンセラーの方と、
バラエティに富んだ、
そして、志の高いメンバーでした。

非常に中味の濃いディスカッションができ、
私は、このメンバーなら、このまま夜通し話し合い、
具体的なキャリアプログラムの提起まで
進めることもできるのではとも思いました。

最近、教育現場で耳にする言葉に
「外部リソースの活用」とか
「アウトソーシング」というものがありますね。

公教育の側から発せられるこの言葉には、
私は、何となく「上から目線」的な
印象を持ってしまうのですが、
いずれ、今、学校現場において必要なのは、
他業種・他職種、校種間の
積極的な連携だと思います。

特に、キャリア教育や、
アクティブラーニングを推進するには、
キャリアコンサルタントや
キャリアコーディネーターの方と、
学校レベルだけではなく、
教師個人レベルでの交流が
必要ではないかと思います。

さて、このグループワークの中で、
「生きる力とは何か」
というテーマで討議が行われました。

皆さんは、「生きる力とは何か」
と聞かれて何とこたえるでしょうか。

「確かな学力・豊かな心・健やかな体」
と答えるのでしょうか。

教員採用試験や管理職試験だったら
「正解」なのでしょうね。
でも、それはあなた自身の
心から発せられた言葉でしょうか。

現場でなぜキャリア教育が進まないか。

講師の工藤倫子先生はこう言います。

キャリア教育とは汎用性がないもの。
だからどこの学校でも、
同じマニュアルで同じトークをしてはいけない。
自分たちの目の前にいる生徒を見つめ、
そこから
「私たちの学校のキャリア教育」
を語り合い、つきつめて考え、
目標や指導内容を決めていくべきもの。

ところが、多くの学校では、
マニュアルに則って
一様に行おうとするから、
生徒の心に響いていない。


私は、以前八戸に勤務し、
進路部会の事務局を担当していたとき、
県内の学校に宛てた通信で
次のようなことを発信したことがあります。

「キャリア教育」の目的を、
「自分らしさの追求」や「自分の関心の明確化」
に基づく将来選択であると、
判で押したように強いられる生徒にとっては、
社会の中で自己実現せねばならない
という切迫感が強まり、
結果として安直な就活志向や、
学問へのこだわりを放棄した
資格信仰に流れたり、
あるいは自分の好きなことに
こだわり続ける「夢追い型」的志望へ
駆り立てられている
というのがよくある状況です。


さて、そこで、このワークでは、
「生きる力とは」「キャリア教育とは」
「何のために働くか」という問いに対して、
「自分の言葉」で語れるか
ということに焦点があてられました。

それは、とりもなおさず、キャリア教育が、
それを進めようとする教師の生き様と
連動しているということにも繋がっています。

話しを戻します。

私たちの班で出された
「生きる力」の答えは次のようなものでした。

○自分で自分の道を選択する力
○人から支援を引き出す力
(人のために動く・人と関わろうとする能力・感謝する心)
○他人と良好な人間関係を作り発信できる力
○知識を自分や他人や社会のために活用できる力
○失敗や挫折しても、しなやかに立ち直る力
(楽観的・順応的・軸を失わない)

など。

もちろん、この問いには正解はありません。

大切なのは、「生きる力とは何か」
という漠然とした問いに、
指導者自身が向き合うこと。
そして互いに語り合う時間を作ること。

つまり、文科省の「生きる力」の
定義を唱えるのではなく、
自分の現場の子どもたちにおける
「生きる力」に組み立て直すことが、
キャリア教育を推進する者の見識として
求められているということなのですね。

では、講師の倫子先生の答えは
何だったかというと、
それは、

○「生きる力」とは、自分を信じる力である。

ということでした。

なるほどと、私は膝を打ちました。

それは、できない自分も含めての
まるごとの自分を受け入れること、
そして、自分の強みを知り、
それを武器に行動できることでもあるでしょう。

それによって、本当の意味での
他者とのコミュニケーションや、
発信力を生みだし、
結果として自分の人生をナビゲートしていく
力となると私は理解しました。

そして、私は、このとき、
一昨日、大野高校東京支部同窓会で
出会ったSさんの話を思い出していました。

Sさんは、現在66歳。
彼が、高校(当時は分校)を卒業し、
集団就職で東京に出たとき、
自分は何をしたらいいかわからず
途方にくれたそうです。

その中で、思い立ったのは、
「自分は簿記が得意である
(簿記しか得意なものはない)」
というたった一つの自信だったそうです。

分校時代に、ある先生から簿記を習い、
簿記だけは誰にも負けずに
勉強したのだそうです。

当時、県商簿記検定が始まった
年だったのですが、そのとき、久慈地区で
一番の成績をおさめたのだそうです。

そのたった一つの自信を強みに、
様々な仕事をしながらも、
簿記を活かす仕事を目指す意志を持ち続け、
そして、今では、税理士として、
個人事務所を構えて
現役バリバリで仕事をしているのです。

まさに生きる力とはこれなんだ、
とストンと落ちた思いをしました。

今回の講座は、
他者とのコミュニケーションの中で
様々な学びが生まれ、
キャリア教育の中味の充実はもちろんですが、
効果的な学びを起こすための
講師の巧みな仕掛けに、
アクティブラーニングのヒントも
得ることができたと思います。
 
参加された皆さん、
そして、講師の工藤先生
ありがとうございました。


長文お付き合いいただきありがとうございます。





 

コメント

コメントの投稿

  • URL
  • コメント内容
  • password
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL: http://simomath.blog.fc2.com/tb.php/858-b239a432