北のハーモニー「音楽の森づくり事業」

昨日は、洋野町役場大野支所で行われた、
北のハーモニー「音楽の森づくり事業」
実行委員会総会に出席しました。

そこで、非常にショッキングなことがありました。

それは、洋野町の音楽文化活動という、
重要な位置づけであるこの事業の
今年度予算がたったの23,000円であるとのこと。

しかも、その内訳は、
天文台入場料(1人210円×90人)を
見込んだ分だけ、
つまり洋野町などからの補助は0円なのです。

かつては、この事業に、
200万もの予算が付いていたそうなのですが、
震災復興という大義によって、
文化活動の予算が大きく縮減された
という経緯のようです。

私は、愕然とするとともに、
そのような状況を憎まず、
自分たちができる活動を
精一杯やろうとしている事務局の方々に
涙がでる思いをしました。


震災が起こって間もなく、
ライフラインの復旧とともに、
学校現場では、学力低下を
懸念する声が上がりました。

そして、多くの教師が
学力の復興のため尽力しました。

一方、学習時間確保のため、
学年を超えた生徒の交流や、
情操教育や文化活動の時間が
減らされたことも事実。

その結果、数年後に、
心のケアが必要な生徒が
多数生まれたとも言われています。

私は、それは、文化的イベントの喪失
によるものと断言はしませんが、
人が互いに交わりあう習慣が
「ないがしろにされた」ことが、
少なくとも要因の一つ
ではないかと考えています。

ここで、だから芸術文化による
「心の復興」が今こそ大事だ、
などと声高に述べても、
それが行政を動かすまでの
エビデンスとなるのは難しいのかもしれません。

それはとても残念なことではあります。


私は、ここで、
もう手垢にまみれるほど
言い古された言葉ではありますが、
「持続可能(sustainable)」とは何かを
考えてみたいと思います。

私は、「持続可能」とは、
人々の生活の中で根付いた
文化や様式や価値観が、
習慣となって次世代へと維持される状態、
ではないかと思っています。

今、来年度の「希望郷いわて国体」に向けて、
人も金も時間も大量に注がれています。
あるいは、今年度岩手で開催される
全国高校PTA連合会の成功に向けて、
多くの学校に協力依頼の
動員がかかっています。

大切なのは、そのイベントを
成功裏に終わらせることだけではなく、
そのイベントによって、
どういう価値や習慣が生まれ、
次の世代に持続されるのか
ではないか、と私は思います。

イベントが終了し、
運営組織が解体するとともに、
一部の誰かが一時的に潤い、
しかし、多くの人々には、
ただ疲弊が残るのでは意味がない。

それは、体力を維持するには、
日常の食生活を含めた
「習慣」が大切であり、
「カンフル剤」をぶち込んで、
ある瞬間だけ元気を装い、
結果、心と体に負担を強いることと
同じようにも思えます。


音楽の森づくり事業の予算が
ゼロになった今、
プロの音楽家を招聘するような
イベントは行えないでしょう。

そして、一度、ゼロベースになった
事業から予算を取り戻すのは
並大抵のことではありません。



でも、そのような中だからこそ、
活動を休止させずに、未来に希望を持って、
自分たちができるささやかな活動を、
明るく前向きに維持、持続させていこう
という心意気だけは捨てるまい。

それは、私たちが、過去が失われたけれど、
未来は失っていないという気持ちで、
復興に果敢に取り組んできた気持ちと
同根のものであるはずだから。

それは、トップダウンの命令ではなく、
草の根から展開できるものだから。

そして、音楽などの文化活動こそが、
持続可能な共同体を作るための
推進力になりうると信じているから。

私は、週に1回、夜にグリーンエコーで
合唱練習を行っていますが、
その活動が、大野の持続可能性を考えたとき、
実はとても重みのあるものだという
思いを抱きながら、役場を後にしました。


 

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