2つのアフィン変換にゆらぎを入れる

田原真人さんの
「自己組織化の原理を使って世界をもっと自由にする」
がとても面白い。

「細胞性粘菌はフラットなコミュニケーション
によって自己組織化する」

という現象を、社会構造のアナロジーとして
捉えるという内容。
いつもながら彼の視点には驚かされます。

この内容を紹介したいところですが、
それは彼のページを見てもらうことにして、

ここでは、以前東北大学の入試をモチーフにして、
2つのアフィン変換に、ゆらぎを入れて作る
コンパクト集合の話をしたいと思います。

まずは、2013年の東北大学の入試問題です。

tohoku-01.png

行列Aは、原点の周り135°の回転を表す
一次変換なので、漸化式

tohoku-02.png

は、

「最初の点を原点の周りに135°回転させ、
更にそれをX 軸方向に1だけ平行移動し、
その移った点をまた原点のまわりに135°回転させ、
X 軸方向に1だけ平行移動し、その移った点を・・・」

という単純な操作の繰り返しを表しています。
エクセルを使って、移った点を
順次プロットしてみました(1000回実施)。

● 普通にやってみる
tohoku-03.png

tohoku-04.png

図の正八角形をなす8個の点を
サイクリックに取り続けるような挙動をしています。

●ゆらぎを入れてみる①
(√2を1.4とする) として計算してみました。
tohoku-05.png

tohoku-06.png
 
なんと!ヒトデ(ウニ?)になりました。
√2を1.4としたことで、
縮小する相似変換が加わったため、
点は8角形を縮小しながら回り、
1点に収束していきます。

● ゆらぎを入れてみる②
いたずらして、一か所だけ数字を
微妙に変えてみました(2行2列成分を-0.7とした)。
tohoku-07.png

tohoku-08.png

渦巻きがでてきました。
これは、ずらし変換(ねじれ)が入ったことの影響です。
尚、変換は1000回だけ行っているので、
もっと続けると、1点に収束すると思われます。

●もう一つの変換を準備する
今度は、もう少し面白いことをしてみます。
この変換は「135°回転してX軸方向に1だけ平行移動する」
でしたが、ときどきは、X軸方向(変換1)ではなく、
Y軸方向への平行移動(変換2)も行ってみたいものです。

そこで、次の2つの変換を用意して、乱数を発生させ、
どちらの変換にするかテキトウに選んで
点を変換しプロットしていきます(1000回)。
tohoku-09.png

tohoku-10.png

tohoku-11.png

乱数系列が変わる(変換の順序が変わる)度に
図形(有界閉集合)も変化しています。

不思議だなあ。

回転と平行移動の繰り返し(アフィン変換の離散力学系)
というシンプルな操作なので、
パソコンがあれば高校生でも、
思わぬ発見もできるかと思います。

その興味深いアトラクタをエクセルで
次々描画したものを動画にしてみました。



乱数系列(二つの変換をどういう順番で行うか)によって、
生ずる図形が変わっていくことがわかると思います。


 

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