深山の桜

あれを見よ 深山(みやま)の桜 咲きにけり 
真心尽くせ 人知らずとも


という歌があります。
誰が詠んだのか調べましたが、
どうも詠み人知らずのようです。

「誰も見ているものがいない
深い山で咲いている桜のように
人も他人が見ていようがいまいが、
真心をつくせ」 

という意味でしょうか。

知る人ぞ知る、あの月間「致知」にも
「深山の桜」の話が出てきます。

深山の桜は、
土手や公園に咲いている桜ではない。
深い山奥に咲く桜だ。
その桜木は最初は小さく、
だれも気づく人はいない。
何年か、そして何十年かが過ぎ、
やがて人々は少しずつ、
その桜木に気づくようになる。
その見事な桜花にも。

<以下略>

さて、「深山の桜」を大野高校に例えて
表現した先生がいます。

それは、大野高校第9代校長の
菅野先生という方です。

今から15年以上前の平成10年に、
菅野先生は、大野高校50年史に、
次のような文を寄稿しています。

「みやまの桜」
大野高校に赴任するとき、
同郷の大先輩から
「大野の生徒は展勝地の
土手に咲いている桜じゃないぞ。
大野の生徒はみやまの桜だ。
深山の桜でもいい花を咲かせたら、
そこに必ず人は足を運んでくる。
そして、そこに道ができる。
そのとき、深山の桜というのは
大変な値打ちがでてくる」
と、はなむけの言葉を頂戴した。
『ああそうだ。深山の桜に
いい花を咲かそう。』と思って、
「小さくてもきらりと光る夢と希望のある学校」
というモットーをつくって
魅力ある学校づくりに
先生方のご協力をお願いした。

小規模校の永遠の課題は、
生徒定員を確保することである。
そして、深山の桜に
いい花を咲かせることである。

一年目は定員80名に対して、
入学者77名で達成率96%であった。
村内四地域で行う「地区懇談会」には、
PTA会長さんだけでなく、
村の教育長、中学校の校長、
指導主事さんにも出席していただき、
それぞれの立場から
質疑に加わっていただき、
保護者や地域の人たちと信頼関係を深め、
定員確保のうえから大きな効果をあげた。

二年目は、定員80名に対して
入学者85名で達成率は106%であった。
開校以来定員オーバーしたことのない学校が、
生徒逓減期に定員確保できたことの
意義は計り知れないものがあった。
(注:平成2・3年度等定員80名をオーバーした年は他の年度にもある)

私は、大野高校「三つ宝」という表現で
このことに感謝した。

第一点は、地域社会や保護者の
絶大な協力・支援と小中高の連携。
第二点は、教職員の熱意。
第三点は生徒の性格の素直さ。

この三つの素材を
きらりと光る宝にまで磨き上げ、
美しい深山の桜にするのが
これからの課題だと思う。

五十年の輝かしい歴史と
伝統をもつ大野高校は、
発展途上にある青年ということができよう。
更なる発展が大いに期待できる。
むしろこれからである。
今後とも、学校、地域の人達一体となって
一層励まれ、より大きな成果を
挙げられることを願ってやまない。
 
 第9代校長(平成6年~平成8年)
 菅野 純孝


菅野先生のこの文章の存在を
私に教えてくださったのは、
先日本校を訪問された、
第14代校長の中村三千男先生です。

中村先生は、この文に感銘を受け、
菅野先生に手紙を書いています。
その手紙の最後は
次のような文で結ばれています。

私は大野高校創立50年誌に
菅野校長先生がお書きになった
「深山(みやま)の桜」という文章を発見し
落涙を禁じ得ませんでした。
菅野校長先生の思いは
全く私自身の思いと同じものであったからです。
私は先生の文章を
全職員に読んで紹介いたしました。
この深山の桜の精神を
必ずや今後の学校運営の柱にする所存です。
どうか、今後とも大野高校をお見守りください。


「深山の桜」そして「3つ宝」、
これからも大野高校を語る大切な言葉として、
身を引き締めて、
引き継いでいきたいと思います。


 

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