教師の要件②

前回の続きです

先日、本校の3学年担当で単身赴任をしているS先生が、
12月のある日に1日だけ、休みをとって実家に帰った。

休みを取るといっても、その日は土曜日であったのだけれど。

実は、その土曜日だけがたまたま12月の3年生のオフの日
(課外や自学自習会が無い)だったのだ。

彼は、その日に、実家の家族の下に返り、正月まで済ませてきたとのこと。

なぜなら、大晦日も元旦も生徒のために
学校に出てこなければならないからである。

念のために断っておく。

正月も生徒が登校するというと、

「正月くらい生徒を休ませればいいのに」
「鬼のように受験指導ばかりしるんですね」

と、これ見よがしにクレームをつける人がいるが、
少なくとも本校で行っているのはそんなのではない。

センター試験に備え、正月も学校に来て勉強したい
とか、先生に質問したい、友達と教えあいたい
という生徒がいるため、学校を開放しているというだけである。

今日私は、差し入れを持って学校にいったところ、7人の
担任が学校で生徒達を見守っていた。

先生方にしてみれば
正月じゅう学校に出てきたところで、超過勤務手当がでるわけではない。

出るとすれば、きっと誰かが持ってくる差し入れのミカンくらいのもの。

しかも、S先生は正月に家庭にいないので、
家族からは「非常識」などの文句の一つもいわれよう。

だから、普通なら、そんなことをやる者はいない。

でも、そういう生徒がいる以上、
それをやらずにいられないのがまた教師でもあるのだ。

彼に、「大変ですね」といっても、きっと、「全然」と陽気に答えるに違いない。

生徒のために、などという悲壮感も、見返りを求める気持ちもない。

それは、彼が純粋に少年の心を持っているからだ。

今年の3学年団はそんな少年の気持ちを持つ教師が揃っている。

そういう集団からは、「学び続ける」心を持って
逞しく生き抜いていく生徒が育つ。

これは私の経験から確かなことである。



話は変わるが、教員へのバッシングが相変わらず続いている。
また、社会人としての未熟さを指摘する声もある。

先日、ある先生から次のような興味深い話をうかがった。

確かに、教師は社会的に「非常識」な面があるかもしれない。
しかし、学校は特殊な職場で、教師はいつも「子どもの心」
を持ち続けていかなければつとまらない。
だからどうしても対応に子供っぽさが出てしまう。

昔は、ひどい教師がたくさんいたが、今は洗練されてきている。
それは、教育に対する改革が行われてきたからだろう。

でも、ここで問題なのは、教育や教員への改革が、
本当は、教師自らの手で行っていかなければならなかったのに、
外部から行われてきたことだ。



私は、なるほどと思った。

教育改革は
上意下達で行われると、現場は多忙化や思考停止に追い込まれる。
学識経験者は理に走り、結果、現場にそぐわない産物が生じる。
経済や経営の視点で論じれば、教育は商品として扱われ行き場を失う


私は、学校改革を教師自らの手で行う場合、学校評議員も含め、
外部からのアドバイザーと共同で進めていくべきだと思う。

そして、そのアドバイザーは次のような人物が適していると思う。

○企業や行政や予備校の看板(しがらみ)を背中にしょっていない、
 ニュートラルな人物
○肩書を語らなければ自分を語れない人物はダメ。特に肩書は必要ない。
○普通校、実業校、そして校種・地域をも超えて、いろいろな学校現場
 を見て、教師の良さや、ダメな部分をよく知っていて忌憚なく意見が言える人物
○経済や社会情勢のトレンドにいつも目を向けてデータ更新をしている人物
○学者としての物言いではなく、失敗経験や挫折など、
 自身の経験から生徒の共感を呼べる人物
○生徒・教師へのキャリア講演や講義、カウンセリングなどを行える人物
○アイデア、企画力、発信力があり、生徒に勇気を与えるパワーある人物

上のような要件を全部一人で持っている人はなかなかいないとは思うが、
このような民間の方々をパートナーとしながら、
現場からの草の根学校改革、教師の力量向上、などの
イノベーションができないだろうか。

ちょっと無理筋かもしれないが、私は今、そんなことを夢想している。



 

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