日本の伝統文化とジャパニーズクール

今更ではありますが、
グローバル時代に生きる人材の育成
について考えてみました。

「グローバル人材育成推進会議」の
まとめの答申(平成24年)によると、
「グローバル人材」の概念は以下のような
3つの要素で表されています。

要素Ⅰ:語学力・コミュニケーション能力
要素Ⅱ:主体性・積極性、チャレンジ精神、
    協調性・柔軟性、責任感・使命感
要素Ⅲ:異文化に対する理解と
    日本人としてのアイデンティティー

答申はここ

グローバル人材育成は、教育の重要課題として、
今や耳にタコができるほど、叫ばれています。
しかし、その推進者であるはずの教師が
ちっともグローバルでなかったりする
という問題があります。

自分自身を振り返ってみると、
まず、何より語学力が決定的に弱い!

更に要素Ⅲについても語れるものが
無いこともわかってしまいました・・・(泣)

そんな私が、どうしてグローバルを語れようか。

先日、SSHの海外研修に
ハワイに出かけた生徒達が、
現地のルーズベルト高校との交流で
「書道」の紹介をしたところ、
非常に反応が良かったとのことでした。

グローバル時代におけるコミュニケーションには、
語学力と共に、異文化へのリスペクトと
自国文化への誇りが根底にあるのだなあ、
としみじみ思いました。

私は最近フェイスブックの「反転授業の研究」
というグループに参加していて、
様々な方々の意見を閲覧したり、
時にはネットを介しての情報交換
などをさせていただいています。

このグループは、学校種、職種、
教科科目を超えて、学習や教育について
様々な視点から意見交換が行える、
大変勉強になるコミュニティです。

特に、民間の方や、国際経験の豊富な方の
発信力には学ぶところがとても多いですね。

例えば、キャリア・クエストという会社を起業され、
企業や学校、病院などで主にコーチングや
接遇などの研修の提供や、
講演をされている、齋藤みずほさん
という方がいらっしゃいます。

学校教育分野でも、ICTによる教育効果や
反転授業等の研究など様々な実践をされていて、
現在は、教員を対象に、『せんせい力』を
向上させるプログラムの構築にも
取り組んでおられるようです。

プロフィールを見ると、齋藤先生は、
元々、航空会社のCAという
国際的なフィールドで活躍されている、
まさにグローバルな方なのですが、
それより、彼女のフェイスブックを拝見すると、
香道、花包み、寺巡りなどの
日本の伝統文化をたしなんでいらっしゃる
日常が書かれていて、
それは目を引かれます。

例えば、このような書き込みが
しばしば見られます。

七夕香は、香を聞き、和歌も詠みます。
私は若宗匠が飾りつけてくださった
美しい床の間を眺めながら
即興で和歌を考えることにし、
自分と向き合い、
その場を純粋に楽しみました。
日本にはほんとうに素晴らしい
伝統文化がありますね。
特に香道は日本人としてのアイデンティティを
再確認できる素晴らしい文化だと私は思います。
皆様も今夜は夜空を眺めながら、
和歌を詠んでみてはいかがでしょうか。

和歌から情景を想像し、香を聞くひとときは、
何とも言えない贅沢な時間です。
限られた時間をどのように使うかで、
その人の価値観が見えてきますね
伝統芸能に触れることで、
改めて日本文化の素晴らしさと
日本人としての喜びを味わっています。
何百年の間、伝統を守り受け継いで
きてくださった方々がいるからこそ、
私たちが触れることができ、
感謝の気持ちでいっぱいです♪
(齋藤様のフェイスブックより引用)


私は、香道といえば、
源氏香とベル数という数学的な話題位でしか
イメージできない人間なのですが、
その歴史は、茶道や華道と同じく室町時代で、
更に、香木を焚いて香を楽しむことは、
飛鳥時代まで遡るといわれています。
調べてみると、世界中を見ても
「香り」を芸術にまで昇華させ、
精神性を追求する芸道は
他に例を見ないものとのことです。

こういう、モノや所作に深く沈潜し、
「自分」に向き合おうとする心のありようは、
まさに雅なジャパニーズクールの世界ですね。

技術やノウハウだけではなく、
このような日本文化や芸道に深く関わり、
美しく優雅に、生を楽しむことが、
国際人として多方面に発信するための、
ぶれない生き方、精神的なアンカーに
なっているのではないかと思いました。

話しは変わりますが、
私の住んでいる紫波町に生まれた
橋本八百二(1903~1979)という画家がいます。
彼は、東京美術学校(現在の芸大)に進み、
中央画壇で活躍し、私財を投じて
橋本美術館を盛岡市に立てた方としても有名です。

八百二は、中央で活躍しても、
地域での活動や交流を怠らなかったということ。

彼が所属していた岩手出身の画家による
北斗会というグループの会則の結びには
次のように書かれています。

世界人であればあるほど、
むしろますます郷土人である


東京で活躍しながらも岩手の人間としての
責任と誇りを持っていたのですね。

これこそが、グローバルを語る
一つの見識かもしれないと思います。

文科省の太田光春視学官が
よく次のようなことを言われます。

全地球規模で考え、行動するならば、
その貢献は世界を舞台にしたものであっても、
地域に根ざしたものであっても等しい価値を持つ。


とすれば、冒頭に挙げた、
グローバル人材の3つの要素は、
国際教育という括りだけではなく、
生涯にわたり学び続ける人づくりという文脈で、
これからの社会の在り方という
大きな視点で捉えていくべきなのだろうと思います。


齋藤みずほ先生のように
優雅にはいきませんが、
私も、自分の周りの、
ほんの小さなことにでも心を動かし、
発信し、変革する行動を
(地球規模の大きな理想を抱きながら)
進めていければと思います。



齋藤みずほ先生も発信されている、
環境と開発に関する国連会議(リオサミット)
で行った12歳の少女、セヴァン・スズキの
「伝説のスピーチ」(1992年)。
これこそまさにグローバル!
見習いたい!



 

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