月とガスタンク

数学教室3月号が届きました。

2015数学教室3月号

今回は、今年度の最終号ということで、
「数学という名の自由の翼」
というテーマ設定にした
背景にある私の思いを述べました。

その中で、医師であり、作家でもある
海堂尊氏が監修したドキュメント
「救命」(新潮社)より、
東日本大震災津波の当時、
南三陸町志津川病院で奮闘していた
医師の菅野武氏の次の言葉を
引用させていただきました。

夜空にお月さまが光り、
手前には巨大なガスタンクがそびえている。
そんな光景を想像していただきたいんです。
月は人生の目標や夢であり、
これはとてつもなくでかい。
だけど遠くにあるから小さくしか見えない。
人間ってやつは、どうしても目前のタンクに目が行く。
タンクの方が大きいと感じる。
でも、そんなことをしていると、
生きる目的を見失ってしまう。
ガスタンクに惑わされるな。
月を見つめ続けなきゃいけない。


彼は、大学時代
「自分の夢や目標を、
たとえすぐ達成できなくてもいいから、
いつも強く意識していなさい。
目の前のガスタンクじゃなくて、
遠くにある月へアプローチしなさい」

という「月とガスタンク」の話に感銘を受け、
それが今の自分の生き方の
バックボーンになっているといいます。
氏は次のように結びます。

これからも僕は、何のために医者になったのか
という根本を追いかけたいと思っています。
祖母に何もしてやれなかった悔恨から
医者を志したわけですから、
生命に対して嘘をつきたくない。
まっすぐ向き合って寄り添いたい。
これが僕の「月」です。
「おまえは医者じゃないか」って内なる声も、
そこから出てきたような気がしてならないんです。


「月とガスタンク」は、教師にとっても
示唆に富む話ではないかと思います。

現実には、目前の「ガスタンク」
に対処することに追われ、
そのガスタンクの大きさに
押しつぶされそうになることもあるでしょう。

あるいは、そのような中で、もしかしたら、
ガスタンク自体が自分にとっての
月であると考える人もいるかもしれません。

しかし、「おまえはなぜ数学教師になったのか」
という内なる声に対して、
自分にとって「月」とは何か。
時にはそう自問することも必要ではないでしょうか。

生徒に数学の面白さや、奥深さ、楽しさを伝えること、
学び続けたいと思う気持ちを持つような授業を行うこと、
このような「月」も忘れず
日々生徒に向き合っていきたいところです。

月とガスタンク01
月とガスタンク02



 

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