「端末」という存在

今、学校や会社にあるパソコンは、
「端末」と呼ばれます。

つまり、パソコンは、その本体だけで
機能しているのではなく、
ネットワーク上の多くのパソコンが
背後に繋がっている存在です。

昔は、ネットに繋がっていない
パソコンのことを、
スタンドアロンと呼んでいましたね。

今や、パソコンに収められている
「知識」は、
その本体だけにあるのではなく、
世界中のパソコンと
共有されているということです。

これは、人間についても同じことが
言えるのではないでしょうか。

かつては、知識は、
教師という「正解」を持っている
絶対的存在が君臨し、
スタンドアロンである学習者
という存在にそれを注入していく
ということが、
「授業」という場でありました。

ここで、笑われるかもしれませんが、
「受験指導型」の教授パラダイムの
自転車モデルというものを考えてみました。

自転車a01
学習者が目指すゴールは、大学等の進路先。
学習・授業はその達成のために行われます。

自転車a02
ここで、「頭脳」はテストの成績を
上げるための知識・技能、
「ハンドル」は進路適性(文系・理系など)、
「ペダル漕ぎ」は努力と根性、
自転車の「前輪」を、教師の指示に従うか
どうかという尺度での性格や性質、
「後輪」を学習者の能力と定義しましょう。

自転車a03
教師が、学習者と進路先の間の
立ち位置にいて、
その距離を埋めるのが授業。
ペースメーカーとして模擬試験やドリル、
時に、報酬や叱責などで動機づけを行い、
進路実現に教師が主導的に進めていきます。

では、次に、本校の目指す
「参加型授業」の学習パラダイムの
構想例を自転車モデルで考えてみます。

自転車b01
学習者は、直近の進路目標だけでなく、
その先にある灯台(教育目標・目指す生徒像)
を見据えます。

自転車b02
「頭脳」は「思考・判断」「欠乏への気づき」、
「ハンドル」を「意欲・関心・態度」
としてみました。
そして、「自転車のスペック」を「知識・技能」
「ICT機器などの活用」とみなしたのは、
今や知識は「ググる」時代
でもあるという点に基づいています。

自転車b03
「ペダル漕ぎ」を「表現・外化」としますが、
このとき重要なのは、
並走する仲間の存在です。

彼らと協働し、
コミュニケーションを取ることで、
ペダル漕ぎは進められます。
教師は後ろにいて、
生徒の学習環境の設定に努め、
生徒に「追い風」を送ります。

つまり、教師も、ICT機器や、
友人とのネットワークなどと同様、
学習が行われる環境の
リソースの一つに過ぎないということです。

自転車b04
高校を修了した後に、
そこで培われた力は、
大学での共同研究を行ったり、
グローバル社会、共生社会を生きる
ための確かな学力になっていきます。

教師は、後方から、その全体像を
俯瞰できているところがポイントです。
教師は、生徒に学習の「環境」を
コーディネートするわけですね。

2つのモデルを比較したとき、
「頭脳」の部分の違いに
注目して欲しいと思います。
前者は「知識や技能」であるのに対し、
後者は「知識を構成すること」
という見方をしています。


昔は、たくさん知識をもっている人を
「頭がいい」といっていましたが、
今や個人は所詮膨大な知識体の端末
なのですから、
いくら知識を持っていても、
そこにそれほど価値はないわけです。


問題は、その無限にアクセス可能な
「知識」という集合体の、どの部分に
アクセスして、取り出し、並べるか。

そして、並べられた知識たちから、
それらをどのように構成して、
自分の考えを創りだすかというプロセスが
学習であるということだということです。

ここで、具体的に、今私が行っている活動を
冷静に見つめてみましょう。

私は、リクルートの江森さんの
フェイスブックにしばしばアクセスしています。
江森さんがクリップするトピックスが
とても面白く、私にアジャストする
話題が多いのです。

しかも、彼女は、私では決して
カバーできない国際的な視点を
持っておられます。
私にはとても気づかないこのような知識も、
SNSでの交流によって共有できます。

でも、そこでその記事を読んで、
一定の感想を抱くだけでは、
学習経験としては乏しいでしょう。


そこに陳列されている、原石の知識たちを、
私は再構成することで、自分の考えを持ち、
こうして一つのブログの記事に
仕上げたとすれば、
これは立派に学習の過程であると思うのです。

ブログを書くということは、
頭の中に散逸し、断片化されている知識に
関連付けを行い、新しい考えを捻りだし、
それを言語というツールで明らかにし、
更に発信するということ。

短い時間に行える、有効な頭の
トレーニング(ボケ防止!)
ではないかと思います。


 

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