生徒指導提要

 平成22年3月に、文部科学省から
「生徒指導提要」が出されました。

これは、生徒指導に関する
「基本書」と呼ばれるものです。

これが出された背景には、
次にあげるような「時代の変化」
への対応があげられます。
①グローバル化、少子高齢化等、
 社会の変化に対応するため、
 小学校から高校までの一環指導の
 必要性が問われていること

②ネット犯罪の多発、いじめ、
 児童虐待、DVなど、
 現代社会における諸問題への対応

提要を読んで、私が感じた重要ポイントを
2つほど記しておきたいと思います。

■教科指導と生徒指導
生徒指導は領域的な活動というより、
進路指導や、教科指導など
全教育活動の中で推進していく
必要があるということです。

教科指導との関係で言えば、

生徒指導が充実する⇔教科指導が充実する

というように、
教科指導と生徒指導が相互に関連しあう中で、
相乗効果を生み出すことがこれからの
生徒指導の在り方であるということです。

そこで、重要なポイントは、
授業の中での生徒指導は
先生の側の都合だけで行われる
ものではないということです。

例えば、
「私語をさせない」
「居眠りさせない」
「最後まで集中させる」
ということを授業の中で徹底するとすれば、
それは生徒を上から管理して、
形式的な指導を行うのではなく、
「自分は生徒にわかる授業を展開していたか」
「生徒が意欲を持つような
モチベーションを与える展開案であったか」
といった、自分の指導法と一体的、循環的に
生徒指導が進められなければならない
と私は考えます。

提要によれば、教科指導における
生徒指導の評価の観点として、
以下のものがあげられています。

①授業の場で生徒の居場所を作ること
②わかる授業を行い、
 主体的な学習態度を養うこと
③共に学びあう意義を確認させること
④家庭学習を充実させること
⑤言語力(コミュニケーション力)
 を養成すること

生徒に授業規律を求めるには、
形をきちんと決めるための約束事を
徹底することもあるのですが、
同時に、指導者の側の授業力を向上させ、
生徒にわかる授業、
生徒を陶冶する授業を日々行う
資質や覚悟が問われるわけです。

従って、教材研究の方向は
「教科書の内容を伝える」
「問題を解く技能を身につけさせる」
だけではなく、
教科の内容が生活の中で
どう活用されていくか、
生徒に思考することの面白さを、
どのような活動を通して伝えるかなどを、
様々な角度から研究していくことが
必要になると思います。

これが実は
参加型授業の理念でもあるわけです。

■体制づくりから態勢づくりへ
授業の中で生徒指導を行うには、
教師という個に任せるのではなく、
組織として、
校内体制を確立させることが必要です。

そして、そういう体制を確立するとともに、
その体制を「機能させる」
ことが必要になります。
そのためには、システム・ノウハウを
共有するのではなく、
職員全体が「共通の理念」を持って
生徒指導にあたることが大切です。

これは
「体制づくり」から「態勢づくり」への指導
と呼ばれています。

教科指導でいえば、
生徒の学習環境を整えるとともに、
教師間で話し合いや研修を充実させることや、
自由に授業を見せ合う雰囲気をつくるなど、
授業力を相互に高めあう体制づくりや、
教員文化の醸成が
求められるのではないかと思います。

震災からの復興が進められている今、
私たち教師に求められるのは、
教科指導を通しての豊かな心の育成、
いわば教育の側からの復興
なのではないかと思います。

 

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