埼玉県立坂戸高校で講演

今日は、埼玉県立坂戸高校で講演を行いました。

坂戸高校は全校生徒数1000人を超え、
70名もの教職員がいらっしゃる大規模校です。

忙しい中にもかかわらず、
皆さんとても熱心に聴いて下さいました。

本当にありがとうございました。

そして、校長先生が一番前の席で、
メモを取り、時に頷きながら
聴いてくださる姿を拝見し、
学校改革や授業改善への
熱い思いを感じ、頭が下がりました。

講演では、
本校の参加型授業を語る前に、
導入として、授業改善に関わって、
最近私が耳にする質問や
疑問などについて提起しました。

それは、次のようなものです。

①よくある質問 その1
アクティブラーニングだろうが、
参加型授業であろうが、一方的な
授業であろうが、要は学力がつけ
ばいいのではないか。

②よくある質問 その2
ペア学習やグループ学習をやって
いれば教科書が終われない。
授業が遅れるのではないか。

③よくある質問 その3
アクティブラーニングや参加型授業
によって、大学入試に耐えうる
学力が身につくのか。

④よくある質問 その4
グループワークに馴染めない生徒
がいる場合どうするのか。
そもそも、意欲や関心を評価するのは
可能なのか。
それは傲慢な考えではないか。

⑤最近いただいたメールから
教師「教科書をていねいになぞる
One way授業、どこで授業の山場をつくるか、
というシナリオも必要ではないでしょうか」
校長「双方向の授業という理想論も
けっこうだか大体そういう授業は
教室の秩序が乱れて失敗する」

⑥中学校の授業研究会でのある風景
「先日、数学のグループ学習を行ったら、
生徒達だけで二次方程式の解の公式を
作りだした。
教師は何のアドバイスもしなかった。
生徒の自ら学ぶ力は素晴らしい。」

これらについて、講演の最後に、
私の考えや問題意識について述べました。
それは以下の通り。

①について
ここでいう「学力」とは何か。
それは、単に基礎的な知識・技能を
指すのではない。
知識・技能を活用し課題を解決
するために必要な思考・判断・表現力、
主体的に学習に取り組む態度も
学力の要素である。
また、企業の側では「学力」を
「学び続ける力」と捉えている。
それらを考えると、
一方的な注入型の授業では
「学力」をつけることは難しい。

②について
・授業とは教師が効率的に
教科書の内容を伝える場
ということなのだろうか。
教科書を早く終えて演習を行う
という授業で、
我々は生徒の創造力を伸ばし、
自ら学ぶ力を育ててきたのだろうか。
・ペアワークやグループ学習にも
いろいろある。
ジグゾー法、反転学習などは
工夫によってはむしろ教科書を
早く終えることも可能。

③について
・参加型授業とはパターン化された
スペシャルな授業メソッドではない。
骨太の学びを提供するための
工夫を凝らした授業である。
グループに拘る必要はない。
・大学入試が活用力を見るような
問題づくりに舵を切っている
ことにも留意したい。
・大学入試の問題を一方的に
教え込む授業で我々は成功してきたのか?

④について
・グループワークに拘る必要はない。
しかし、他者と繋がり、傾聴する力や、
協働で問題解決する力は、
授業の中で育てていくことができる。 
・大学のAO・推薦入試での志望理由書や
自己評価書などは、
まさに意欲・関心・態度を評価しよう
というものである。
高校の教師は、その評価を高めようと
懸命に指導するのに、
自分の授業では
そういう評価を否定するのはなぜ?
・数学の言葉で言うと、あらゆる分野で、
関数の値(それまでの実績)の評価とともに、
関数の微分係数(今後の方向性)の評価がある。

⑤について
・「アクティブな授業」=「楽しく賑やかな授業」
と勘違いしてはいけない。
・国際社会に生徒を送り出す教師は、
キャリア教育を自らの生き方で体現しながら
生徒に示し、語る者として、
今こそ、他校、他の職種や、世代を越えての
ネットワークを作るべきである。
集団指導ができない教師や、
やろうとしない教師は、
そのような行動ができない。

⑥について
・生徒の主体性を育てることは、
単に見守ることとは違う。この生徒は、
教師が適切に助言や指導をすれば、
もっと高所に到達できたのではないか。
・逆に、チョーク&トークだけで
指導力のある教師が、
時に、アクティブな手法を
取り入れれば鬼に金棒ではないか。
・参加型授業は、トレーニング型の授業や、
偏差値による定点観測を
一律に否定するものではない。
・学校目標や生徒の実態にあわせて、
学校独自の参加型授業を
全職員でつくりあげていくことが大切。

長くなってしまいました。

坂戸高校演題

教頭先生が書かれた演題。素晴らしい!
教頭先生には、
送り迎えなどもしていただき、
本当にお世話になりました。

坂戸高校の皆様、ありがとうございました。

ご静聴ありがとうございました。



 

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