数学とは神様がやっているチェスのルールを覗くこと

先日,以前お世話になっていた方から,大きなメスの鮭をいただきました.
つくったイクラに醤油を一滴垂らすと,張力が働き,
120度で隣接する蜂の巣のような構造が浮かび上がりました.

イクラ2 イクラ小

実は,このような構造はいろいろなところに見ることができます.
バナナをよく見ると,3つの部分が120度で隣接していることがわかります.
バナナ

アクリルボードにピンを3本立てて,石鹸水をかけてやると,
四角い石鹸幕が互いに引き合って,120度の角を作って安定します.
フェルマ点  フェルマ点2


「数学とは何か」の答えの一つは
「自然現象を支配する物理法則を調べる道具である」ということ。

以前,「やまとなでしこ」というテレビドラマの中で,
「数学や物理というのは神様のチェスを横から眺めてそこにどんなルールがあるのか,
どんな美しい法則があるのか探していくことだ」
という物理学者のリチャードファインマンの言葉が紹介されていました.

自然現象とは,でたらめに起こっているものではなく,
「エネルギーが最小の状態で,安定する方向に推移していく」
という原理が働いていると推察できます.

いわばそれが「神様が行っているチェスのルール」でしょうか.

次の写真は,針金で作った輪に石鹸幕を張ったものです.
輪が中にできるように糸をわたしています.
今,その石鹸幕の内部にある糸の輪で囲まれた部分を針でつついて,
石鹸幕に穴をあけます.
すると,きれいな円形の穴があきます.
P206石鹸膜01-l

P206石鹸膜02-l
(写真は「つながる高校数学」(ベレ出版)より)

石鹸幕は,どの部分も,同等な張力で張られています.
だから輪の中に穴があくと,外側の膜が引っ張る力によって,
内部の輪は,面積を最大にしようという現象がおきます.

糸の長さが一定なので,その中で最大の面積を持つ図形が円というわけです.
言い換えると,同一面積の図形の中で,周の長さが最も短い図形が円なので,
円に落ち着くといってもいいかもしれません.

まるで,石鹸幕は数学を知っているかのようですね.

先ほどのイクラやバナナや石鹸幕に見られる120度で隣合う構造を
ハニカム構造といいます.

サッカーのゴールネットも実はこの構造が取り入れられています.
シュートが突き刺さるというストレスを最小に吸収する安定な構造を活かしているわけです.

サッカー


数学は、いろんなところにあるのです.

 

コメント

コメントの投稿

  • URL
  • コメント内容
  • password
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL: http://simomath.blog.fc2.com/tb.php/50-000214ec