先週行った情報の授業の内容は
「画像のディジタル表現」でした。
ここでの目標は、画素、解像度、dpiの
関連について理解することです。
私自身もわからないことが多く、
日々勉強しながら、
そして生徒の振り返りシートの
コメントに励まされながら
教壇に立っております。
では、以下に
授業のトピックスを紹介します。
人体は37兆もの細胞によって
できあがっているといわれています。
実はパソコンの画面は
画素(ピクセル)とよばれる
小さい正方形のマス目によって
作られています。
つまり、画素とは、画像を構成する最小単位、
いわば画像の「細胞」のようなものですね。
この一つ一つの細胞(画素)が
色情報を持つことで、
様々な画像がつくられるわけです。

アナログ画像をディジタルに変換するには、
「音のディジタル表現」と
同様の過程を経ていくことになります。
つまり、
サンプリング→量子化→コード化
という流れです。
では、教科書の問題をみてみましょう。

(1)の「J」という文字を
5×5のマスでサンプリングした図(a)は
次のようになります。

これを10×10と倍精度で
サンプリングしたものは次の図(b)ですね。

さっきより「J」らしく見えますね。
ここで、簡単に述べると、
縦横のマスの数を、
かけ算の記号を使って表したものを
画像の「解像度」といいます。
解像度とは、画像を表現する
格子の細かさの度合いのことですね。
(a)の解像度は5×5で、
(b)の解像度は10×10です。
このとき、それぞれの画素数は(a)は25、(b)は100となりますね。
解像度が2倍になると、
画素数は4倍になること、
つまり2乗に比例するのがポイントですね。
数学の授業で、相似の図形の面積は
相似比の2乗に比例する
ということを学んだと思いますが
まさにそれですね。
図(a)の画像を白=0、黒=1として
ディジタル表現(量子化)すると
1行目から順に
00010
00010
00010
01010
01110
となりますね。
(3)の問題をやってみましょう。
何が浮かび上がるでしょう。

簡単ですね。
パソコンの画面でした。
これだけではつまらないので、
授業では2つの例を皆に見てもらいました。
一つ目はこれ。

授業の前日に、
自宅の小屋を捜して見つけました。
30年前に作った花札のコラージュです。


ところどころ花札が取れてしまい
ボロボロの状態でしたが、
とりあえず
「何の絵か最初にわかった人に
素敵なプレゼント」といったら、
その瞬間、目の前の生徒が
「モナリザ」と言ってくれました。
近くだとわかりづらいのですが
よく気づきましたね。
プレゼントは「のど飴1個」でしたけど。
これは私のオリジナルではなく、
岩手が世界に誇るデザイナー
福田繁雄さんの作品です。
これを見たとき感激して、
自分も花札をコピーして作ったものです。
B4サイズに20枚程度札を並べて
コピーするのですが、
当時はカラーコピーも高かったので、
どの札をどのように並べれば
無駄を最小にできるか、
かなり苦労して計算した記憶があります。
いわばこの花札1枚1枚が「画素」ですね。
そして個々の札の色合いや濃淡によって
画像が構成されるということが
わかるのではないかと思います。
もう一つは、授業の日の早朝に
思い立って作ってみたものを紹介します。
画像の標本化と量子化の説明のために
Excellというソフトウェアを使って作ったものです。
エクセルは表計算ソフトですが、
実はこれには画像を背景に入れる
機能があります。
セルを30×30の正方形の状態にして、
私の顔の画像を背景に入れます。

その各格子(ピクセル)に
0~5までの濃淡情報を
目分量で適当に入れていきます。
すると、量子化されたデータになりますね。
このデータを、読み取って描画する
プログラムを作ってみました。
ソースはこれです。

動画をご覧ください。
しょーもないものですが、
これを用いて標本化(解像度30×30)と
量子化(0~5のレベル)の説明をしました。
授業では石原さとみもやってみたのですが、
一つ一つのセルの値を入れていくうちに、
石原さとみに愛を感じるようになります、
っつったらウケました。

でもこれはfall in loveの深奥をつく話ではないか。
なんてね。
以上、「画像のディジタル表現」の授業の
トピックスでした。
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