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音のディジタル表現

先日の「情報」は
音のディジタル表現の内容でした。

とりあえず、次の問題が解決できることを
ゴールとしました。

jyohoreidai01LT.jpg

授業の様子や振り返りを見ると、
皆さんだいたい
理解してくれていたように思います。

ですが、ほぼ10分間の説明だったので、
復習のためにこのブログで
簡単にまとめておきたいと思います。


しもまっちが歌を歌って、
それを誰かが聞いています。

そのメカニズムは、
歌い手の声帯やギターの弦の「振動」が、
空気という媒質の中で伝わり、
聴き手の耳の鼓膜を
「振動」させることで
届けられるというものです。

sindou01LT.jpg

もう少し具体的に言いますね。

声帯や弦などの物体が振動することで、
その近傍の空気が押されて、
気圧の変化が生じます。

気圧の濃い部分が、
水面に石を投じたときに
波紋が広がるように
空気中を伝わっていきます。

授業ではこの様子を、
レインボースプリングのモデルで
表現してみました。

右手でスプリングをはじくと、
徐々に左手側に波が伝搬しています。



音はいわば空気を
疎の部分と密の部分に
していくような縦波なので、
疎密波とよばれます。

しかし、縦波だと波の性質を
表現しにくいので、
横波にして表現します。

sindou02LT.jpg

図のように、横軸に時間をとり、
縦軸に疎密の状態(振動の強さ)をとります。

このようなグラフにしたとき、
波の縦の振れ幅が音の大小を表し、
一定区間にあるパターンの波が
密になっている度合いが
音の高低を表します。
また、波の形は音色ですね。

sindou03LT.jpg

音の話は、物理の授業で詳しく習います。

情報の授業の段階では
あまりこだわらず、
音は波というイメージを
持ってくれればいいかと思います。

さてここから本題に入ります。

この波は連続量(アナログ)なので、
CDなどのメディアにおさめるには
ディジタル化(2進数表現)
する必要がありますね。

これには、

①標本化
②量子化
③符号化

という3つの過程を経ていくことになります。

① 標本化

私たちの年代では、
小学校の時の夏休みの自由研究として、
よく昆虫標本をつくっていました。
だから「標本」というと、
私は「昆虫標本」を
思い出してしてしまいます。

昆虫標本とは、
ある場所にいるすべての昆虫を
集めるのではありませんね。
そこにいるたくさんの昆虫の中から
いくつかをピックアップするということです。

ここでいう標本化(サンプリング)も
そういうことです。
音の波という連続量から、
いくつかの部分を取り出す
という作業を標本化といいます。

一般にCDを作成する場合、
アナログデータの一秒間の音の波に対して
44100カ所をピックアップするとのことです。

sindou04LT.jpg

サンプリングする数を多くすればするほど
音はより生のデータに近づいていきますね。

②量子化

このようにして、
サンプリングした一つ一つを、
図のような棒グラフになるように、
連続データを区切っていきます。
そして、その棒の長さを、
整数などのとびとびの値に
割り振っていきます。

ですからアナログデータが
滑らかな波形であるのに対し、
量子化したものは階段のような
ギザギザした形になっています。

③符号化

最後に、量子化した44100か所の
それぞれの数値を2進数でコード化します。

CDの場合は2バイト(16ビット)で
表すことになっているようですね。

sindou05LT.jpg

では最初の問題にチャレンジしてみましょう。

量子化した一つの「棒」は
2バイトの情報量です。

それが1秒当たり44100個あるので、
全部で2×44100バイトの容量が必要です。

それを5分ということでした。
5分=5×60秒=300秒なので、
更に300倍すればいいですね。

また、左右2チャンネルなので、
また更に2倍します。

つまり、

2バイト×44100個×300秒×2チャンネル
=52920000バイト

これが答です。

この値を1000で割ると
キロバイトになります。
52920kB

更にこれを1000で割ると
メガバイトになりますね。

つまり、52.920MBという
情報量というわけです。



 

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