「2学年講演会より⑦」

2学年講演会のまとめ、
ついに7回目になりました。
あと1回で終わりますね。

今回は、知識が構成されていく
過程について話したことを
まとめてみました。




(2) 知を構成するスパイラル

では、知識がどのような場面で生み出され、
高められていくかを考えてみたいと思います。

私のWEB上での友人で、
田原真人さんという方がおります。

最近彼は次のような、

「善悪の評価を超えた
野原でまわる共存在サイクル」

という図を考案されました。

0411k-24.png

詳しくはこちら⇒★★

私は、そのアイデアを拝借して、
知を構成するスパイラル
というものを考えてみました。

まず、次の図を見てください。

0411k-25.png

これは、学校と家庭の2つの場によって
知識が作られていくというモデルです。

学校で行われる授業や様々な指導によって
インストールされた知識を、家庭で復習する、
あるいは、家庭で教科書の予習や、
与えられた課題プリントなどを行い、
学校での授業の理解を進める、という循環です。

一見それはごく普通の
勉強の流れのように思えます。

でも、学校で真面目に授業を聴く、
そして先生から与えられる課題を
家庭でせっせと行う、というサイクルによって、
自動的に知識は生まれていくものでしょうか。

私は、知識がつくられる過程は
そんな単純なものではないと思います。

0411k-27.png

私は、田原さんのモデルを真似て、
上のような図によって
知識が生まれていく過程を考えてみました。

青のベルトは、学校などで行われる講義や、
教科書などによって
(形式的)知識を得ていく過程です。

でも、ここではいくつかの事実が
頭に入ったに過ぎず、
まだ生きた知識にはなっていません。

大切なのは、青色部分で得た様々な事実によって、
自分のなかに「ゆらぎ」が生まれることです。

この「ゆらぎ」とは、
「そうか!という気づき」や
「え!という疑問」、
あるいは「なに~!という混乱」
などが頭の中に起きている状態です。

そのような状態の中で、学習者は、
与えられた事実を咀嚼し、
これまで持っていた知識を動員しながら
新たな知識として編み直していくのです。

つまり、自らが知を創りだし、
掴み取る過程が黄色のベルト部分です。

ですから、学びの根本は
この黄色のベルトの部分といってもいいと思います。

このような過程を経て、
自分の中で納得が生まれると思いますが、
もしかしたら曲解しているかもしれませんし、
あるいは、まだ独りよがりの
浅い知識であるかもしれません。

そこで、今度はそれをもって、
緑のベルトの部分に進みます。
ここはアウトプットの領域です。

例えば他者との対話や、発信、
共同での問題解決などの活動、
あるいはテストなどです。

これらによって、自分が得た知識が確認され、
定着へと進みます。

また、活用、発展される
深い知へと高めていくことや、
逆に、否定や反駁を経て、
自らの知識の未熟さや、
インプット不足に気づくこともあるでしょう。

すると、再び青の矢印に向かって、
貪欲に新たな事実を
インストールしようと思うわけですね。

こうしたサイクルの中で、
生きて働くパワフルな知が
構成されていくのではないかと私は考えます。 

将棋の世界で例えるならば、
青色部分が師事している師匠からの
教えや書物での研究、
黄色部分がそれを咀嚼し
自分のものにする過程、
そして緑色部分が対局やその後の感想戦、
また他者への助言指導などで
気づきを生み出す部分と言えます。

これらの3つのサイクルは、
学校や家庭という特定の場で
それぞれ行われるのではなく、
いたるところで、時に同時並行的に
もたらされるのではないかと思われます。

0411k-26.png

このように
「メシ食っているときもフロ入っているときも」
学んでいる、
つまり、生きていること自体が
知識を構成する活動であると考えれば、
家に帰って、机に座っている時間を
「家庭学習時間」として調査することが
意味のないもののように思えてきますね。

皆さんは、学習時間の量や、
与えられたアサインメント(課題)の提出率で、
勉強したという安心感を持つべきではありません。
それはいわば「こなす」勉強です。

大切なのは、受け取った知識(青色・インプット)を
自分事にしていくことです(黄色・インテイク)。

それを促すためには、他者との対話や発信など、
表現すること(緑色・アウトプット)が大切だと思います。





次回は「なぜ勉強するか」についてです。
最終回になります。

 

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