2学年講演会③

前回に引き続いて、
「夢」について述べた部分をまとめます。

植松努氏が講演会でお話されている
「夢と手段」の話を引用させていただきました。

また、実際の講演では、
具体例として2人の方の生き方をあげましたが、
ここではそれをカットしています。




3 「夢」を持つことについて考える

では、このような時代の変化の中で、
皆さんは働くことについてどのようなビジョンや
夢を持っていけばよいのでしょう。

以前、ある生徒に
「あなたの夢は何ですか」と尋ねたら、
「岩手県立大学に入ること」と言われて
びっくりしたことがあります。

私が「なぜ?」と問いかけると、
「公務員になるため」という答えが返ってきました。

更に「なぜ公務員になりたいの?」と重ねると
「安定しているから」とのこと。

そして、それ以上の議論には進みませんでした。

実は今、岩手県立大学では、
入学してくる学生や親の多くが、
大学での専門的な学びのことより、
公務員になれるかばかり気にしていて、
大学の先生が困惑している
という話を聞いたことがあります。

もう一つ私の周りにあったエピソードを紹介します。
某県の某有名進学校に在籍しているA君が
後期試験でI大学に合格し、
3月に盛岡のアパートに引っ越しをしました。

私はそこで、合格祝いにと
電子レンジをプレゼントしました。

ところが、本人の様子がとても暗いのです。
そしてそこにいた母親が、
ため息交じりに10回以上も言っていたセリフが
「前期でT北大学を落ちてしまった」でした。

A君曰く、その高校では先生から
「I大は墓場だ」とまで言われたそうなんですね。

そして「T北大に入れなかったから、
I大に入って先生になるしかない」とこぼしました。

おいおい。先生なめんじゃねえぞ!

と私は突っ込みました(心の中で)。

A君の言動を責めるのは簡単です。
でも、彼のそういった思考のクセをつくったのは
学校であり親であるのではないか。
私は暗澹たる思いがしました。

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図のように、必死に受験勉強して進学校に入り、
そしてまた受験勉強して有名大学に合格し、
そこで就活して有名企業に就職する。

これが幸せな人生のモデルだ、
なんていう考えが未だに学校や親の
体質になっているのかもしれません。

そんなものはとっくの昔に崩壊している価値観なのに。

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皆さんは、小学校以来、学校生活の中で、
こんなふうに言われてきたかもしれません。

「辛くとも勉強を頑張って、
先生のいうことを一生懸命聞きなさい。
幸福とは努力した先の未来にある。
目標を達成した時、幸せになれる。
だから、今はつらくても、
目標に辿りつくまでは走り続けろ」

それは、自分に鞭を入れて、
嫌なことでも我慢強く頑張り続けるための
力になったのかもしれません。

でも、そのようなガンバリズムの嵐の中で、
立ち止まり、なぜを掘り下げたり、
自分の頭で考えることができなくなるならば、
先ほど話した、100歳まで生きて60年働く
キャリアを乗り越えていくことなんか
できないと思うのです。

きっと、A君は、
T北大学に合格することを「夢」として、
ひたすら頑張り続けたのでしょう。

そして夢が破れたとき、彼はどうなったか。

ただ落ち込むしかなかったとすれば
それはとても悲しいことです。

さて、ここで、植松電機専務の植松努氏の
「夢と手段」の話がとても興味深いので紹介します。

彼は、思いついた夢に
「プランB」があるかどうか考え、
プランBを思いつかない夢は、きっと手段であり、
その向こう側に本当にやりたいことがある、
と述べています。

例えば、ある人の夢が
「医者になりたい」だったとします。

すると、「医者になる」ことにプランBはありませんね。
つまりこれは手段だったのです。

じゃあ、なぜ医者になりたかったのかと
掘り下げて聞くと、
彼は「人の命を救いたい」と答えるかもしれません。

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すると、そこには、
「医療機器を開発する」などといった
「医者になる」以外にも多くのプランが
存在することがわかりますね。

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このように考えていくと、
自分の志望がかなわなくても、挫折から
しなやかに立ち向かえる力になると思います。

進路を決める上で大切なことは、
「What」ではなく「Why」で考えていくこと
ではないかと思います。

それが習慣化することで、夢が変化しても、
自分の中でぶれない軸(価値観)を持つことや、
夢破れても対応できる方向感覚を持つことに
つながるのではないかと思います。

これらは、キャリア・アンカー
(職業生活における錨のポジション)と
キャリア・アダプタビリティ(変化への適応)
と呼ばれるものです。




次回は、このような社会の変化の中で、
大学入試はどのうように変わるか、
それに対してどのような高校生活を
展望するかについてまとめていきます。


 

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