「今こそ語ろうジャズ授業論」

3月26日に、東京大学の
中原淳先生からご案内をいただいて、

「授業改善リーダーのための
アクティブラーナーズサミット2017」

というイベントに参加しました。

3月東大01

中原先生には月間高校教育の対談記事のため、
昨年9月に本校に来ていただきました
(「アクティブ・ラーナーを育てる高校」(学事出版))。


参加条件が、管理職や、
教育行政に携わる方ということで、
私から、本校の副校長と、
教育センターの指導主事の先生もお誘いしました。

ところが、行ってみると、
管理職とかに限定せず、
全国から一騎当千のアクティブラーナーたちが
これでもかというくらい参加されていました。

3月東大05

何と、京都大学の溝上慎一先生も
参加されていました。
本校から京大に進む生徒の宣伝を
ばっちりしてきましたよ。

最初のワークショップのメンバー。

3月東大04

盟友松嶋さんとは午前中の
筑波大学での五十嵐先生との
プライベートなランチ・ミーティングから
ご一緒していました。

3月東大09
酒井先生の発表の場面では
少しお話をいたしました。

錚々たるメンバーが一同に集まったので、
情報交換会では期せずして
写真大会になりましたね。

3月東大12

皆さん一人ひとりが、全国でも
ひっぱりだこのアクティブラーナーです。


さて、

前置きが長くなりました。

では本題に入ります。

今回のプログラムで、私は
「高校生と語る未来の学校」
というワークショップに参加しました。

生徒の声を直接聞きたいということと、
このワークショップを担当されている
東大総合教育研究センター特任研究員の
田中智輝先生の書かれたものに
関心を持っていたことが、
このワークショップを選んだ理由です。

とても素晴らしい学びの場を体験しました。


高校生1人を交えた4人グループ
によるグループワークで、
「未来の学校づくりメタファーワーク」
というテーマで行われました。

私のグループは、
愛知県若者会議で活躍されている高校生と、
この日の登壇し発表された両国高校の布川先生、
そしてこの春から大正大学の教授になられる
可児高校の浦崎先生という強力メンバーでした。

ワークの内容を簡単に紹介します。

まず、次の様な20枚程度の
いろいろな写真が各グループに与えられます。

17499069_1933019066921268_5454359471196217090_n.jpg

最初に、その写真を見ながら、
自分が過ごした学校に
近いイメージを持つものを、
それぞれが1枚を選び、
なぜその写真を選んだかを説明しあいます。

そして、共通点などを話し合いながら
グループとして1枚を決定します。

看図アプローチですね。

因みに、私が選んだ写真は
ラグビーでスクラムを組んでいる写真でした。

布川先生は広い講堂の写真、
浦崎先生はマラソンの写真、
高校生は筋トレルームの写真でした。

それぞれのコメントがとても面白く、
たくさんの気づきがありました。

例えば、

「皆が一つの方向に向かって突き進む」
「しかしその方法は学校や教師によって決められている」
「つまり異なる価値観が認められない」
「一方向的な指導の中で、互いに競争する環境」
「その指導についていって伸びていく生徒と、
そうでない生徒の二極化が生まれている」

などというカンジですね。

最終的に、グループとして、
浦崎先生の「マラソン」の写真が選ばれました。

次に、今度は、自分がこれから過ごしたい高校に
近いイメージの写真を1枚選び、
同様にグループで話し合います。

4人でディスカッションし、
グループとして、こちらも浦崎先生が選んだ
「オーケストラ」の写真に決まりました。

出された意見はこんなカンジでした。

「他のリソースを活用し、互いの良さを引き出し高めあう」
「互いの楽器の特性、良さを認め、調和する」
「異質な個性を受け入れることで新しい価値を生みだす」

等々

今回、期せずして私たちのグループは、
学校や教育をオーケストラに例えたのですが、
「未来の学校=オーケストラ論」は
我がグループの専売ではありません。

私は、文科省の太田光春視学官から
講演会で何度か、
教育をオーケストラのシンフォニーに
例える話を聞いています。

例えば、グローバル人材という文脈の中で、
太田視学官は次の様に述べています。
少し長くなりますが以下に引用します。

オーケストラが美しいシンフォニーを奏でるためには、
異なる楽器が数多く存在することが必要である。

全員が指揮者なら音は出ない。
異なる楽器が数多く存在し、それぞれが
自分の持ち味を最大限に発揮して演奏する。

その際、他の楽器の演奏にじっくり耳を傾けながら、
自分が一番期待される場面で
最高のパフォーマンスをする。

そのときに初めて美しいシンフォニーが生まれる。
各楽器が他に配慮しないと不協和音になる。

美しいシンフォニーは演奏者相互の信頼と敬意、
協調する気持ちが存在して初めて可能になる。

社会もオーケストラと同じである。
異質なものが存在していることを本気で嬉しく思い、
それらと調和することを喜びにしながら、
自分の持ち味を最大限に発揮して集団に貢献する。

そうすることでより多くの人を幸せにできると信じて、
最善を尽くす。

全地球規模で行動するのであれば、
その貢献は世界を舞台にしたものであっても、
地域に根差したものであっても等しい価値をもつ。

(「グローバル時代に対応した学校教育の在り方」
日本教育No.434 平成26年6月号より引用)


私は、太田氏の、この格調高く、
崇高なまとめが好きで、
しばしば使わせていただいています。

でもね。

私はジャズ者(もの)なので、
実は昔から「教育=ジャズ論」を謳っていました。

私は、学校を超えた数学研究サークル
(杜陵サークル)に属していて、
「数学教室」という雑誌の2010年8月号に、
その価値について書きました。

以下にその一部を紹介します。

「ミントンズプレイハウス」って知っていますか。
1940年代、スイングジャズから
ビバップと呼ばれる新しいジャズスタイルが
生まれるのですが、
その発祥の場所ともいわれる
ジャズクラブハウスの名前です。

当時、仕事を終えたミュージッシャン達が、
ミントンズを溜まり場にし、
その時集まったメンバーで
アドリブ演奏するという
「アフターアワーズ」のセッションが行われていました。

このようなミントンズにも徐々に
「ヌシ」とも言えるメンバーが定着します。

ピアノのセロニアス・モンクや
トランペットのディジー・ガレスピー、
ギターのチャーリー・クリスチャンといった人たちです。

このようなメンバーに加え
多くのミュージッシャンや
耳の肥えた聴衆が交わる中で、
斬新なジャズができあがっていったわけです。

<中略>

「授業」というのは
クラシックのコンサートに例えられます。
生徒はオーケストラのメンバーです。

授業者の教師はマエストロ。
次々生徒に指名し、
ソロパートを演奏させたりします。
そんなフォーマルな演奏会の後、
私たちは「杜陵サークル」という名の
ライブハウスで楽器を持ち寄って
ジャムセッションを行うのです。

日々多忙な我々が、なぜ毎月レポートを持ち寄り、
そんなにして集まるのか?

それは、明日の授業に活かすためだったり、
新しい数学的発見(多くが壮大な思い込み(笑))を
パフォーマンスするため、
などいろんな理由がありますが、
実は仲間と会って、数学の話しで
スイングしたいからというのが大きな理由です。

<以下略>



ここでは、教師のサークルについて
述べたのですが、
未来の授業を語るときにも、
私は、オーケストラからジャズに向かう視点が
必要ではないかといつも思っています。

以下にジャズ者としてのつぶやきを・・・

■ジャズの基本はインプロビゼイションです
ジャズはコード進行など
あらかじめゆるく決められた制約の中で、
自由なパフォーマンスが約束されます。
その時出した音が○か×かという評価はなく、
出した音で場が決定していきます。
それに他者が応じながら作品が作られていくのです。

■ジャズの基本フォーマットはソナタ形式です
ジャズの基本的な形式は、
最初にテーマを全体で演奏し、
その後、インプロビゼイションによるソロの交換があり、
フォーバースチェイス(4小節交換)を経て、
最後にテーマに戻ってコーダに向かいます。
つまり本日の学びのテーマを共有し、
ディスカッションして、まとめを行うというカンジ。

■ジャズの基本は傾聴と対話です
ジャスはプレイヤー同士の対話です。
自己主張(ソロ)しているときは、
他のメンバーはバッキングにまわって、
ソロを盛り上げます。
そのソロを受けて、次のプレイヤーがソロを引きつぎます。
全体での合奏は成果物の共有、
フォーバースチェイスは、ペア・ワークかな。

■ジャズの基本はスイングです
プレイヤーが主体的で楽しい気持ちでいることが
スイングの条件。
安心で快適な場が生まれます。
スイングしなけりゃ意味ないね、です。
そして「グループの中での個」としての
自己成就感を持つのです。

■ジャズの基本は自由です
スイングからバップが生まれたように、
新しいムーヴメントによって
イノベーションが生まれます。
また、クラシックやロック、邦楽など、
異なるジャンルとの共創が行われる中で、
新しい価値を生みだします。

いやはや。

ジャズを語りだすと、
ラ・ラ・ランドのセバスチャンになります。

でも、ジャズ授業論。どうでしょう。

賛同してくれる人いないかな。

写真の多くは、九州の誇るアクティブラーナー
前川修一先生からいただきました。
ありがとうございました。

 

コメント

新年度がスタートし、先生もさらに充実した日々をお過ごしのことと思います。


私は今年度は五年生担任になりました。明後日始業式です。今から考えるだけでドキドキします!


私は今年度は、明るく、笑顔いっぱいで毎日を過ごすことが一番の目標です。教師だって人間ですから、気分が乗らない日もあると思います。でも、それでも子どもたちの前で笑っていられるようにしたいです。単純なことですが、毎日続けるとなると、今までの私には難しいことでした。


主体的、対話的な学びをしたいと思って、本を読んだり、研究授業に参加することばかりに目がいっていた気がします。もしかしたら、根本的なことを忘れていたのかなと気づきました。思い起こしてみれば私も高学年ぐらいから、大人の顔色伺っていました。



と、こんなところで、今年度の決意をいってしまいました。

先生に負けないよう、私も精一杯頑張ります☆
2017/ 04/ 03( 月) 23: 07: 52| URL| 月の子# -[ 編集 ]
 

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