「迷い線による外心と内心の話」

先日、「あなたとバスケと数学と」という記事で、
バスケットのディフェンスと
三角形の内心の話を書いたら、
いろいろな方から感想をいただきました。

ありがとうございました。

そこで、今回はその続編として、
「迷い線」によって三角形の
外心と内心を定義してみようと思います。

尚、ここで紹介する話は、
拙著「つながる高校数学」(べれ出版)
に書いているのですが、

その原点は、共著者でもある
伊藤潤一先生(盛岡白百合学園)の実践を
参考にしたものです。

【2つの水場と迷い線】

草原に2つの水場A,Bがあります。

gosin-01.png

ここに生息する動物たちは、
どちらの水場を選ぶでしょうか。

下の図の直線l(ABの垂直二等分線)の
左側に棲む動物はAを選び、
l の右側にいる動物が、Bを選ぶでしょう。

gosin-02.png

すると、l はその境界線ですね。

境界線上にいる動物は、AかBか迷いますね。

そこで、この l を「迷い線」と呼ぶことにしましょう。

【水場を3つにしたら】

では、水場を1カ所増やして、
3カ所にしてみましょう。

下図を見ると、l はAかBかの迷い線、
mはBかCかの迷い線です。

gosin-04.png

すると、2つの直線の交点Pは、
AかBかCかの迷い点ですね。

このことから、Pを通って、ACと垂直な直線は、
AかCかの迷い線ということになります。

つまり、
「A,Bの迷い線」
「B,Cの迷い線」
「A,Cの迷い線」
は1点で交わり、その交点Pは「A,B,Cの迷い点」
(A,B,Cから等距離の地点)と考えることができます。

このことから三角形の外接円の中心は
各辺の垂直二等分線の交点であることが納得できます。

次に、三角形の内心について考えてみましょう。

【2つの川に挟まれた草原】

a川とb川に挟まれた草原があります。

gosin-03.png

この草原に棲む動物たちは、
水浴びするためにどちらの川を選ぶでしょう。

下図の直線 l (角の二等分線)の上側に棲む動物は
a川が近いのでa川を選ぶでしょうし、

gosin-06.png

l の下側に棲む動物はb川を選ぶでしょう。

l 上にいる動物は、aかbか迷いますね。

そこで、この直線 l を「迷い線」と呼ぶことにしましょう。

【3つの川に囲まれた場合】

今度は、a,b,cの3つの運河で囲まれた草原を考えます。

gosin-07.png


ここに棲む動物たちはどの川を選ぶでしょう。

l は「aかbかの迷い線」、
mは「bかcかの迷い線」ですね。

すると、2直線の交点Pと、
2直線a,cの交わる点を結んだ直線は、
「aかcかの迷い線」と考えられます。

つまり、
「a,bの迷い線」
「b,cの迷い線」
「a,cの迷い線」
は1点で交わり、その交点Pは「a,b,cの迷い点」
(a,b,cから等距離の地点)と考えることができます。

このことから

三角形の内接円の中心は
それぞれの角の二等分線の
交点であることが納得できます。

ちょうど、外接円と内接円の関係が、
「頂点」を「辺」に置き換えたものに
なっていることが面白いですね。

 

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