小倉先生の最終講義

先日、今年度をもって定年退職される
小倉先生のラスト講義が行われました。
題材は1年生の数学Aの「整数」。

2時間続きです。

まず、用意されたテキストがステキです。

ユークリッドの互除法の原理をしっかり証明し、
その後、図形を用いて
「概念の見える化」をはかります。

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次に、整除の式から有理数の連分数表示、
そして無理数の連分数表示へと進みます。

更に、√2が無理数であることを
背理法、素因数分解の一意性、連分数、図形、
という4つの手法によって示していく
流れになっています。

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いやもう、骨太で、
そしてワクワク感満載の教材でした。

その内容を全部終えることはできませんでしたが、
生徒達が

「この先をもっと学んでみたい」

と思わせる展開でした。


小倉先生は、最後に
ギリシャの三大作図不能問題
(角の三等分問題・円積問題・立方倍積問題)
について生徒に語りました。

また、先生のテキストには、トピックスとして、
エラトステネスのふるいや、完全数の話題、
また、双子素数の存在や、コラッツの予想など
数論の未解決問題も紹介されていました。

考えてみると、我々が学生時代は、
不能問題や、未解決問題に心をときめかせたり、
アキレスと亀の話を聞いて、
無限について思いを馳せたり、
パラドックスの面白さに
興味をかき立てられたりしていました。

それが未知の扉を開けて
数学の世界を垣間見る楽しさでした。

そうです。私にとって、数学は
そんなふうに一人で楽しめる
アソビの時間でもありました。

今、そんなワクワク感が
数学の学びから失われているのではないでしょうか。

あまりにも「活用」ばかり叫ばれすぎて、
純粋に数の世界に遊ぶことや、
意味もないことに心血を注いで
時を忘れて問題に没頭するようなことが
無くなっているのではないか。

小倉先生の授業は、生徒だけではなく、
実は、参観している数学科教員への、
そんな現状に対して問題提起をしているように
私は感じていました。

そして、小倉先生のテキストには
ユークリッドの「原論」の、
最大公約数について書かれた
記述の引用がありました。

古典に回帰しながら、
興味を喚起する教材を取り上げ、
でも、単にイメージだけで終わるのではなく
論証の大切さを説く。

小倉先生の数学教師としての矜持を感じました。

小倉先生の入魂の最終講義。
ありがとうございました。

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この日、数学科の送別会があり、
及川先生から、小倉先生に
手づくりの切り絵が贈呈されました。

これがすごいのなんの。

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花北の校章の切り絵の封筒です。

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これは凄い!
平面に畳まれた紙を開くと球体に。
そしてその中には
HANAKITAの文字と
校章が見えます。

素晴らしい!


 

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