「第3回アクティブラーニング研修会」

一昨日の金曜日、

第3回花巻北高校社会科アクティブラーニング研修会

が行われました。

内々での研修会でしたが、
FBや、溝上先生が行っているTulipという
メーリングリストにドロップしたところ、
本校職員の他に、
青森県の総合教育センター、百石高校、
仙台の聖ドミニコ学院高校(2名)、
沼宮内高校、宮古高校、盛岡三高(2名)、
警察学校(←彼は主催者ですが)
からも参加をいただき、
充実した研修会を行うことができました。

以下、簡単に授業の紹介をします。

【日本史・助川先生】

● 日中戦争とはどのような戦争であったか

4人グループをつくり、
盧溝橋事件についての記述が書かれている、
4種類のプリントABCDをそれぞれに配ります。

まず各自が読み取り、その後、4人が、
それぞれが所有する知識を交換しあい、要約し、
一つの成果物を作成します。

いわゆるエキスパート・ジグソー
という手法ですね。

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助川先生は、まとめのガイドとして

「事件の概要」と「事件以後の経過」という
2つの視点でまとめるようなテキストを作っていました。

余談ですが、
このようなまとめ方を私は、
「静的」と「動的」、「地図」と「コンパス」
「関数の値f(x)」と「関数の微分係数f'(x)」
などと秘かに呼んでいます。
研究協議でその話を少しだけしました。

さて、グループでのまとめを、
2つの班が発表し、全体にシェアします。

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その後、教師によるまとめを経て、

「日中戦争はどのようにすれば止められたか」
など3つの問に向かわせていきます。

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とかく、このような、

「個による読み取り→グループでの要約化」

という授業では、説明する者の表層的な
パフォーマンスばかりがクローズアップされ、
教室が騒がしくなる傾向があります。

そして、それは往々にして「AL的活性化」
とポジティブに評価されがちです。

でも、その「心地よいにぎやかさ」に騙されて、
「生徒が主体的だ、良かった、めでたし」
で片づけられ、深い学びに到達されないような
授業もしばしば目にします。

しかし、本時では、発信する側の
静かで自然な語りと、
受け取る側の真摯に傾聴する姿が
とても印象的であり、
更にそこに教師が適切に介入することで
深い学びに向かっていく様子を
感じ取ることができました。

これは、本時が、特別に企画された
スペシャルなものではなく、
普段通りの展開だったからこそ、
このような自然な対話が生まれていると感じました。

因みに、このABCDのテキストの出典は、

A=世界史Aの教科書
B=B社の日本史Aの教科書(本校使用)
C=C社の日本史Aの教科書
D=D社の日本史Aの教科書

であることが授業の最後に明かされました。

すると、生徒たちの間にざわめきが起こりました。

盧溝橋事件という歴史的な事実は
動かすことができない確固としたものですが、
出版社によって表現の仕方がだいぶ異なることに
生徒は驚きを感じたようです。

助川先生は、研究協議の中で、
このときの生徒の「ざわめき」に
彼らの中にある知的好奇心をみた、
と述べていました。

ここから、出版社のポリシーを鳥瞰することや、
世界史と日本史のクロスカリキュラムなど、
新たな問題意識に繋がっていけば
面白いかもしれませんね。

【現代社会・泉先生】

●世論形成と政治参加

授業のテーマは

「映画で学ぶアメリカ史
(歴史的大行進は何のために行われたのか)」

ですが、いわゆる「主権者教育」として
位置付けられるものです。

冒頭の15分で、キング牧師の指揮による
公民権運動のデモ中に起こった
「血の日曜日事件」を題材にした映画
「グローリー~明日への行進~」の
イントロダクションを視聴します。

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視聴後、ワークシートを用いて、
個のまとめを経てグループで考えを共有していきます。

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その後泉先生は、
映画のシーンをピックアップしながら

「セルマでの行進にはどのような理由があったのか」

「なぜ有権者登録率が低かったのか」


という2つの問いを立てて、
グループ内でのディスカッションを促します。

グループ内の意見をホワイトボードにまとめた後、
次はワールドカフェの手法により、
グループ間のシェアにより知識の構成に向かいます。

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最後に各グループの成果物としてまとめられた
ホワイトボードを眺めながら、先生が講評を行い、
生徒に問いを投げかけ、
リフレクションシートを記入させ終了しました。

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この授業の良さをまとめておきます。

①映像の視聴、スライドの提示など、
 AV・ICTの利用によって興味を喚起し
 理解を促進させようとしている

②同様に、ワークシート、ホワイトボードなどによって、
 学びがスムーズに展開できるような工夫がなされている

③考えを深めるために「オープンな問い」を準備している

④個によるまとめからグループでのディスカッション、
 更にそれを踏まえてワールドカフェによる
 グループ間のシェアというような知識構成に向かう
 展開が行われている

様々な活動が仕掛けられた「これぞAL」
とでも言うべき、非常にチャレンジングな授業でした。

「主権者教育」の一つのスタンダードナンバーとして、
多くの先生に継承して欲しい
モデル授業だったと思います。

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図書課のT先生が、教室の前に、主権者教育に関わる図書をディスプレイしていました。いい連携ですね

研究協議で泉先生から
この授業は「主権者教育」という位置づけだけれど、
「投票に行こう」という言葉を
敢えて封印したと話していました。

私はそこに共感するとともに、
彼の教師としての矜持を感じました。

この主権者教育との関わりについては
私も一つの意見を持っています。

それを記すと長くなりそうなので、またの機会に。

研究協議は、ありがちな
「あたりさわりのない感想の言い合いでお茶を濁す」
という予定調和なものではなく、
教科内容の面と、指導法の両面において
非常に深いレベルでのディスカッションが行われました。

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今回の他校から参加された先生方の多くは、
年休をとって自腹で来ていました。

それだけ意識の高い方々が集まったことが、
このような活発な研究協議につながったのだと思います。

協議の最後に私から今日の授業で感じたことについて
紙板書(KP法)によってお話をさせていただきました。

短時間だったので、
思うままに紙板書メモをつくりながら、
急いで話したため、
思いが伝わらなかった部分も多かったと思います。

そこで、少し整理したものを以下にまとめておきます。

3つのことをお話しました。

一つは、助川先生の授業から感じた「サマライズ(要約)」のポイント
二つ目は、お二人の授業から感じた「グループシェア」
三つ目は、「学び方を学ぶ」ということです。

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授業者の2人の先生、そして参加された皆さん
ありがとうございました。

なお、終了後の懇親会も大変もりあがりました。


 

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