西南中学校訪問

昨日は、花巻市立西南中学校におじゃまし、
授業を参観させていただきました。

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西南校舎LT

西南中学校は、
吉田校長先生のリーダーシップのもと、
ここ数年積極的に授業改善による
学校力向上に努めておられます。

吉田校長先生は、授業改善といっても、
特別華々しいことをやるのではなく、
毎日の授業を

「教師と生徒の信頼と対話の場」

にすることをずっと強調されておられます。

そのような中で、全国学力調査などにおいても
目覚ましい右肩上がりの成果が現れています。

特に、学力調査では、正答率はもちろんのこと、
意識アンケートの面でも、
「数学の授業が楽しいか」などという、
学びに向かう姿勢の部分でも
ポジティブな結果が現れているとのことでした。

12月12日、吉田校長先生に、
授業参観の依頼を行いました。

先生は、いつでもおいでください、
と快く応じてくださいました。

そういうわけで昨日訪問し、
各学年の授業を一通り参観させていただきました。

どの授業も本当に素晴らしいと実感しました。

嬉しかったのは、中学校の先生方に
2人程花巻北高校の卒業生がいたことです。

しかも、2人とも私が花北に
勤務していたときの教え子です。

以下に、授業の様子を少しだけ紹介します。

西南英語

1年生の英語です。

「遊ぶように学ぶ」

理想的な学びの空間でした。

生徒達の表情がすべてを物語っています。

ALTを含め、教師は決して教え込まず、
生徒との対話を通して、
英語の面白さ、
学びあうことの楽しさを伝えます。

そして、彼らの「やる気」を引き出していきます。

西南英語02LT

3年生の英語です。
マララ・ユフスザイさんの
エピソードの教材を用いて
再話(story retelling)の活動を取り入れた
アクティブな授業です。

各グループがハーベスト(紙芝居)を作成する過程で、
対話的な活動が促進され、
言語知識の内在化を促進します。

そして、アウトプット(プレゼン)を行うことで、
インプットの欠乏に気づくことができ、
その後の学びに繋げていくことができます。

最後に、先生は、マララさんの主張の肝である
「すべての子ども達が学ぶ権利」
について言及します。

これは、英語としての知識・技能の
習得から一歩進んで、
英語というツールによって、
グローバルな問題を展望するという、
より高次の教育目標へのアプローチです。

オールイングリッシュで展開される
素晴らしい授業でした。

西南社会02LT

社会(地理)の授業です。

バレーボールのトス回しのように
発せられるテンポのよい発問。

その発問は、教師の頭の中にあるものを
強引に言わせるものではない。
生徒の素朴な一言や、
グループ内討議を経て発信される意見を
教師は紡ぎ、構成して、次の問いを立てていきます。

また、OHCなどを用いて、
ビジュアルなアプローチをしているところも
ポイントです。

教師-生徒の対話、グループ内対話、
グループ間の交流、教師の適切な介入等々

社会構成主義的な視点を感じさせる授業で、
かなり熟達した授業者であることが
わかります。

西南社会01LT

同じく社会(公民分野)の授業
花北勤務時代の教え子です。

クリアな指導言、堂々とした姿勢に
感動しました。

決して、知識を注入しようとはせず、
身近な例をあげながら、生徒との対話を軸に
モチベーションを喚起して学びの世界に
生徒を導いている様子が感じられました。

頑張っているなあ。

西南理科01LT

西南理科02LT

西南理科03LT

理科(物理分野・静電気)の授業です。

オーディオ機器の活用、演示実験など
様々な活動を取り入れて、
生徒の興味を喚起していきます。

授業冒頭の問題提起、
そして、展開のための3つの問いの設定など、
インストラクショナル・デザインが
しっかりしているということと、

実生活への活用という視座に立った
授業だなあという印象を持ちました。

西南数学LT

数学の授業です。
空間における直線の
ねじれの位置に関する授業です。

安易に教師が答をいわず、
生徒個々に考えさせ、
グループ内討議で共有化をはかり
全体の合意形成を目指します。

生徒から出される様々な意見を
教師は楽しみながら、
新たな問いにつなげていきます。

様々な意見交換を経た中で、ある生徒が

「ねじれの関係とは、2つの直線が
同一平面上にのっていないこと」

という趣旨の発言がありゴールに向かいました。

とても感心しました。


今回の、授業参観で感じたのは、
西南中学校の先生方は、

「教科書を早く終わらせる」
「学力調査の結果を良くする」

などといった呪縛から
フリーになっているということです。

その上で、生徒との対話によって、
主体的な学びを促すことを全員が共通理解して
授業にあたっていることが注目すべき点です。

そして、結果として、学力調査などが
好成績になっていることで、
自分たちの取組が間違っていないことに自信を持ち
更に主体的、対話的な学びを推進する好循環が生まれ、
その土壌が強固になっていくのではないかと感じました。

しかし、多くの高校では、その逆の、
倒錯的な授業が展開されています。

それは、

「本当は主体的・対話的な授業をやりたいし、
自分でもできるけれど、生徒や親のニーズがあるから」

「まだ彼らには基礎基本ができていないから、
対話型の授業の段階ではない」

などをエクスキューズにして
鍛錬型、一方向型、スピードと量重視型の授業に
邁進する授業です。

結果として、評価されるのは、
しがみついてくる生徒だけで、
ドロップアウトする生徒には
「手厚い個別指導」という名の、
「脅しや餌付け」によって行われる
補習、再テスト、課題などの徹底です。

しかし、どんなにアサインメントを増やしても
どんなに、教師が同じ事を繰り返し説明しても

生徒自身が主体的な活動の中で
自らの中にあるものに気づき、つかみ取る
ことより強いものはないのではないか、
と私は思います。

であるなら、教師は、
まっさらな状態の生徒に、
知識を付与するのではなく、
モチベーションとインタレストを高めるような
学びの場をコーディネートし、
生徒自らの気づきを誘発していくことが
求められているのではないでしょうか。


今回の授業参観では、生徒の生き生きとした姿、
先生と生徒の良好な関係、

そして、先生方の授業をより良くしようとする
直向な思いを見ることができました。

何より、校長先生の
溢れるばかりの生徒への愛と、
職員への強い信頼を感じました。

「なるほど、キモはそこか」

と合点がいき、私も先生を見習おうと思いました。


校長先生はじめ、西南中学校の先生方
ありがとうございました。

 

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