福井大学での講演より

先日の土曜日、
福井大学で行われた第3回RLA研究会で
講演をさせていただきました。

RLAとは、Researcher-Like Activity の略で、
「研究者の活動の面白さ」を取り込んだ授業実践によって
主体的な学びを引き出す取組で、
市川伸一氏により提起され、
猪俣智氏によって数学教育の中に
取り入れられてきたとのことです。

前夜に懇談会を設定していただき、
それは楽しいひとときを過ごすことができました。
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ありがとうございました。

福井駅が様変わりして凄いことになっています。

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恐竜がいるんです。動くし吠える!




さて、

私が話したことから、
ほんの少しだけスライドとともに紹介します。


【アクティブ・ラーニングの誤解】

アクティブ・ラーニングというと、多くの方は、
授業手法や、教材開発などの
コンテンツありきで考えているように思います。

そして、そのような中で、
授業手法こそがアクティブ・ラーニング
という誤解も生まれているようにも思います。

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グループワークをすること、
KP法を取り入れること、
PBL型授業を行うこと、
などをもって「私はALの実践者である」
と自他ともに認めあっている誤解。

「ALなんて所詮手段。ゆとり教育の二の舞になるよ」
という評論家目線の言動。

そこに見え隠れするのは、教師の都合。
つまりいつでも主語は「教師」なんですね。

教師が生徒を導く、という。

本当は「生徒が」楽しく学んでいたのか、
「生徒が」深い学びに結びつく経験をしたのかをもって、
初めて「アクティブ・ラーニング」を語るべきであるはずです。

私は、コンテンツを語る前に、
授業を設計するための教材観、授業観といった
「教師の見識・マインドセット」について考えていくことが
アクティブ・ラーニングを進めるための
初めの一歩であるように思います。

そういう視点でお話をさせていただきました。

【授業を行うにあたって】

私は、かつて、下の図のようなことを考えながら
授業設計をしていました。

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ごく普通の視点のように見えますが、掘り下げてみると、
受験学力的な側面で学力を捉えていることや、
教科書の内容をいかに効率的に伝えていくかが
前提になっているように思えます。

私は、管理職になって、
学校経営計画を立てなければならなくなりました。

学校経営計画なんて絵に描いた餅のように
思っている人もいるかもしれません。

前年踏襲、例年通りで波風立てぬ、
というスタンスの人もいるかもしれません。

でも、私はそうは思いません。

職員と生徒が一丸となって、
教育活動という名の船をこぎ出すために、
学校として、どういう「帆の掛け方」をするかという、
重要な行動理念だと思います。

私は、経営計画を策定するにあたって、
亀井浩明先生(帝京大名誉教授)の考えを参考にして、
次のような11本の柱を立てています。

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そこで、最近ふと思ったのは、
この見識って、学校経営計画に限らず、
何かを行う際の普遍的な原則ではないかということです。

とすれば、授業も、このような視点に立って
設計すべきではないか、と思ったのです。

私は今、
「生きて働く楽しい数学の授業を行うための見識」として、
次のような柱を立ててみようと考えています。

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学校経営計画と対比してみましょう。

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つまり、学校マネジメントも授業マネジメントも、
同じ視点で考えられるべきものではないかと思うのです。


【数学を哲学する】

数学の授業では、
しばしば「スタンダードナンバー」になっているような、
優れた実践があります。

しかし、その授業を「レシピ通り」行っても
上手くいかなかったという報告をよく聞きます。

それはそうでしょう。

その「スタンダードナンバー」が、
単に「問題を解くためのスペシャルなテクニック」だったら、
それを真似ればそこそこうまくいくのでしょう。

しかし、そうではなく、生徒に数学の面白さを気づかせたり、
もっとやりたくなるような気持ちにさせるような
態度技能を含むようなコンテンツであれば、
問われるのは、教師の数学への思い、
哲学ではないかと私は思います。

私が抱く数学に対するイメージをマップにしてみました。

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皆さんはどうでしょうか。
生徒達だったらどんなマップを描いてくれるのでしょうか。

私は、以前ある中学校で出前授業を行ったとき、
冒頭で「あなたにとって数学とは」
「数学はどんないいところがあるか」といった質問をしたら、
何と全員が「数学はつり銭計算で役に立つ」
と答えて愕然としたことがあります。

しかし、そんな生徒たちを嘆くのは的外れです。
なぜなら、そのような、
「数学は公式にあてはめ計算して答を出せばゴール」
という浅い数学観は教師たちが植えつけたものだからです。

教師は「数学という哲学」を語ってきたか。

いや、そもそも教師自身が哲学を持っていたのか。

それなしに、受験テクニックや授業手法に走っている限り、
アクティブ・ラーニングなんて始まらないのではないか。

まだまだ語りたいところですが、まずはこの辺で。


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