「これから添削をはじめるあなたに」

超難関大志望生徒への添削を
2年契約でお願いされました。

校長室にホワイトボードも買ってもらいましたよ。

明日からいよいよスタートです。

私は、添削を行う際、
最初にカウンセリングを行っています。

今回は、「これから添削をはじめるあなたに」
という資料をつくってみました。

その冒頭の部分を以下に紹介します。

「これから添削をはじめるあなたに」

高校において、
数学を学ぶとはどういうことでしょうか。

私は、その問に対して、
「計算の世界から論理の世界へと向かうこと」
をテーゼとして掲げてみたいと思います。

いくつかの演算や法則に従って、
答えに向かってまっしぐらというのが
算数的世界とすれば、「数学」で強調されるのは、
「なぜそのようになるのか」、
「他者が理解できるようにどう説明するか」
ということを考えることではないかと思います。

つまり、「計算」から「論理、論証」に
向かっていくことが、
算数から数学へ向かう道ではないか。

例えば、1+1=□のとき、
□が何であるかを考えることが算数的態度、

1+□=2のとき
□を考えようとするのが数学的態度、

これにより、1+1=2の理解は
より深いものになります。

あるいは、

「100円を持って、八百屋に行って
30円のトマトを買ったときおつりはいくらか」

という問いに、

「100-30=70なので70円」という紋切り型の答えから、
「100円玉を出した場合、50円玉を出した場合、・・・」と、
状況を考えながら場合に分けて
分類しようとするのが数学的な態度です。

もう少し高校生的な問題を示しましょう。
次の問題を見てください。

【1】2点A(-1 ,3) ,B(3 ,-3) のとき、
  ABの垂直二等分線の方程式を求めよ。


恐らくあなたは次のように考えるでしょう。
ABの垂直二等分線とは「ABの中点を通り、
直線ABに垂直な直線である」

すると、ABの中点を求めること、
そして、直線ABの傾きと垂直な直線の傾きを
求めることに考えが行き着くと思います。
(答 2x-3y-4=0 )

では、もしこの問題が
次のようになっていたらどうでしょう。

【2】2点A(-1 ,3) ,B(□,□) のとき、
  ABの垂直二等分線の方程式は2x-3y-4=0 である。


求める場所が違いますが、
この問題は【1】と同じものであることがわかります。

すると、

① ABの中点が2x-3y-4=0 を通っている
② ABと2x-3y-4=0 が垂直に交わっている

という方針が自然に思いつくでしょう。

さて、では更に次のようになっていたらどうでしょう。

【3】2点A(-1 ,3) の直線 2x-3y-4=0
  に対する対称点の座標を求めよ。


これは「対称点を求める」定番問題ですね。
気づいたと思いますが【1】【2】【3】は
言い方や求める場所が変わっているだけで、
すべて同じ問題とみることができます。

【3】と【1】の関係に気づけば、

① ABの中点が2x-3y-4=0 を通っている
② ABと2x-3y-4=0 が垂直に交わっている

という問題解法の方針は、
「覚えるべき」解法パターンではなく、
あくまでも自然な考えであることが
わかると思います。

問題の解答を作ることだけを目的化した
学びの中では【1】と【3】の関連性には
気づきにくいのではないかと思います。

つまり、単に与えられる問題に対して、
先生から教わった公式や、解き方を
なぞって答えを導くというだけの勉強法では、
本当の意味での「生きて働く力」、
つまり、他の様々な領域にも広がり、
繋がっていく数学力にはならないと私は思います。

更に言うと、時間をかけて物量的に
問題をこなしていくだけでは、
残念ながら数学の応用力は身につきません。

問題を解く技法をマスターするだけではなく、
なぜそうなるかを追求すること、
逆から考えてみること、
その解答が何を主張しているかを考えること、
別のアプローチを験してみること、
といった活動が必要です。

ただ、そのような活動は
自分一人だけではできないので、
適切なアドバイザーとしての教師や、
共に学び合う友人の存在があると思いますし、
本来それは、
授業という「主体的で対話的で深い」学びの場
によって磨かれるべきだと思います。

私はこの添削で、あなたに、
単に解法スキルの向上や、
過去問の徹底分析などではなく、
数学の学びに向かうための
「目」「心」「手」を培っていきたいと考えています。

「目」とは、自分でとことん考え抜くために
どういう数学的視点を持つかということ、
「心」とは、興味関心を持って学びに向かい、
もっと深く学びたいと思うマインドを手に入れること、
そして、その上で「手」が解法スキル、テクニックです。

これらが培われるためには、
私が一方的に教え込むのでは、
きっとうまくいかないと思います。

そうではなく、互いに対話をしながら、
数学の問題を考える楽しみ、解く楽しみ、
それを発信し共有する楽しみを
経験することが必要と考えます。

そのような中で、きっと骨太の確かな力が
身につくと私は信じています。頑張りましょう!



尚、出題した第1回の問題を
やってみたい人はPDFファイルからどうぞ。→★★★


 

コメント

コメントの投稿

  • URL
  • コメント内容
  • password
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL: http://simomath.blog.fc2.com/tb.php/1309-4319d08e