「花巻東高校を訪問して思ったこと」

一昨日、野球応援の後、
筑波大学の人たちと花巻東高校を訪問しました。

花巻東高校は、花巻球場がある
運動公園に隣接する私立の高校です。

163km/hの日本プロ野球史上最速記録を持つ
投打の二刀流、北海道日本ハムファイターズの
大谷翔平選手や、
最近フリーアナウンサーの深津瑠美さんと
結婚して話題になった西武ライオンズの
菊池雄星投手を輩出している
野球の強い学校としても有名ですね。

大谷選手は奥州市、菊池選手は盛岡市と、
どちらも岩手県出身です。

花巻東高校は、本校から
車で5分ほどの場所なのですが、
じっくりと拝見させていただくのは初めてでした。

大森副校長先生が私たちに
懇切丁寧に対応していただき、
施設だけでなく、全クラスの授業も
参観させていただきました。

花巻東01

花巻東02

花巻東03

花巻東高校は、花巻市の肝いりで創設され、
当初は市立高校を目指していた
ということを初めて知りました。

私はお話を伺いながら、
花巻市の発展のために
本校と花巻東高校が共同で
できることは何だろうかということに
思いをはせていました。

そして、大野高校に勤務していたときのことも
思い出していました。


今、本校では、アメリカのASMSAという高校と
姉妹校提携を目指し、その準備を進めています。

もちろんそういったグローバルなレベルでの
連携も大切ですが、
同時に、地域内の学校どうしの繋がりも
深めていくことも忘れてはいけないと
私は考えています。

花巻市も、私が昨年まで勤務していた
大野ほどではないけれど、
生産年齢人口の減少という深刻な問題に
直面しつつあります。

このような中で、学校教育という視点で
地域の興隆や創生を考える時、
大切にしなければならないのは
「競争から共創」の精神だと思います。

私は昨年度大野高校で
学校再編問題に向き合ってきました。

最初は、自分の勤める学校の存続という
ローカルな視点でしか考えていませんでした。

どうすれば生き残れるか、
どういう戦術で行政にどうアピールしようか、
などと。

しかし、そういう視点では、
本質的な解決にならないことが見えてきました。

つまり、そのような視野狭窄は、
学校エゴ、地域エゴ、当局への不満
といったものしか生み出さないと感じたのです。

これではそこで学ぶ子どもたちは
ハッピーになりません。

大野高校の存続は地域創生と
不可分一体であるとの考えに立って、
地域の実態や子ども達の未来を見つめたとき、
実はそこに、日本が直面している問題が
横たわっていることに気づきます。

つまり、高校存続問題を考えることは、
未来の学びを創りだす試みと
等価なのだ、ということに。

そこで、昨年の後半は、
「子どもの未来を考える」
「未来へのビジョンをもつ」
「自由な発想をもつ」
を柱に据えて
未来志向の学校再編を提起してきました。

地域創生グランドルール02

その中で大野高校と同じ町内にある
種市高校との共創も重要なテーマの一つでした。

種市高校の南館校長先生も
私の意見に賛同していただきました。

そういえば、昨年12月に種市高校を訪問した時も
筑波大学の方々とご一緒しました。

このような、つなげる第三者の存在は
とても大切です。

まさにキューピット。


私は、大野高校と種市高校が
唯一共同で行う事業である芸術鑑賞の挨拶で、
生徒達に「競争・協奏・共創」
という書を提示しながらこんなことを話しました。

競争協奏共創01


これからの時代は、学校間でも、地域間でも、
互いに競争し合って、相手を打ち負かすこと、
他者を引き離すことを目的とするのではなく、
自分と異なる意見を積極的に受け止め、
その背景を理解し、対立を解消したり、
そこに横たわる問題を解決することが
求められています。

他者と共同する共創とは、洋野町だけではなく、
日本、世界が人口減少、
高齢化社会を迎えるにあたり、
これからを生きる人間が持つべき
心のあり方ではなかと思います。

「競争から協創へ」の精神を、
種市高校と大野高校から始めていきませんか。


他校と実績の競争をして、
自分の学校の良さをアピールすることよりも、
隣接する学校の良さに共感し
支援する気持ちを持つことの方が
より高度なレベルのマインドと思います。

そして、お互いがそういう関係を持つことで
新しい価値を生みだすのが未来型の教育、
経営理念であると思います。

私は昨年度、大野高校の玄関にある標語

「君が憂いに我は泣き、我が喜びに君は舞う」

を毎日見て過ごしていました。

そして今、この言葉は、人と人のレベルを超えて、
学校や地域の繋がりにこそ
当てはまるものではないか、と思っています。

 

コメント

大野高校の標語を拝見して、どこかで聞いたことのある詩だと思いました。調べてみたところ、旧制一高の寮歌と判りました。

第十七回記念祭寮歌
(四)友の憂ひに吾は泣き
吾が喜びに友は舞ふ
人生意気に感じては
たぎる血汐の火と燃えて
染むる護国の旗の色
から紅を見ずや君

大野高校の先達の、深い教養と愛情を感じます。優勝劣敗が当たり前の時代ですが、共生という選択肢を忘れずにいたいものです。
2016/ 07/ 20( 水) 12: 47: 25| URL| 伊藤 忠文# -[ 編集 ]
 
コメントありがとうございます。これは、大野高校の元校長の中村三千男先生が玄関前に掲げられたものです。旧制高校時代の友情や、利他の心が感じられます。そして、それは今まさに求められるものであると思います。
2016/ 07/ 20( 水) 22: 10: 13| URL| しもまっち# -[ 編集 ]
 

コメントの投稿

  • URL
  • コメント内容
  • password
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL: http://simomath.blog.fc2.com/tb.php/1238-c1162eec