「カリキュラムマネジメントハンドブック」

「カリキュラムマネジメントハンドブック」
(ぎょうせい)が出版されました。

カリマネハンドブックLT


この冊子は、岐阜大の田村知子先生や
鳴門教育大の村川雅弘先生など、
私と懇意にさせていただいている
方々によって執筆された、
「カリマネ」について
体系的にまとめられた待望の書です。

先日、贈っていただきました。
ありがとうございます。

私は、2014年の2月に、
つくば研修に参加した時、
田村先生や村川先生から
カリキュラムマネジメントについて学びました。

今でこそ、カリキュラムマネジメントが、
アクティブ・ラーニングとともに
大きくクローズアップされていますが、
田村先生は、その10年近く前から
その重要性を解いて、発信しています。

まさにカリマネの女王といわれる所以です。

私は、つくば研修で、
田村先生に一発で魅せられ、
その場で盛岡三高のSSH運営指導委員をお願いし、
快く引き受けてくださいました。

そして、盛岡三高のSSHの評価や、
参加型授業について
貴重な提言を行っていただきました。

現在、学習指導要領の
改訂が進められていますが、
そのキーワードの一つが
「社会に開かれた教育課程」の実現です。

そのために、「何ができるようになるか」という、
つけたい力や目標を明確にして、
「何を、どのように学ぶか」という
設計図を作ることが
カリキュラムマネジメントと言えます。

そして、「どのように学ぶか」
という点にフォーカスして、学習過程を改善し、
主体的、対話的で、深い学びを
目指していくことがアクティブ・ラーニングの
考え方ではないかと思います。

本書には、カリマネとALについて、
次のような記述があります。

「これからの時代に求められる資質・能力を
確かに育成するためには、
カリキュラムマネジメントを充実するとともに、
アクティブ・ラーニングを推進することが
鍵となるでしょう。
両者の考え方や方法がつながり合い、
車の両輪のように働き合うことで、
各学校の教育はよりよく変わっていくことが
できると考えられます」
(第1章p.12 吉富芳正)

また、本書には、嬉しいことに
盛岡三高のアクティブラーニングである
参加型授業のカリキュラムマネジメントに関して
ページを割いていただいています。

その中で、盛岡三高の取組みを
「マインドセット」の問題だとする
私の言葉も紹介していただいています。
(p.144 田村知子)


文科省の提言が、
机上の空論的になっていないのは、
田村先生たちが、
フィールドワークを積み重ねながら
築いてきた現場目線の知見が
反映されているからだと私は思っています。


ところで、カリキュラムマネジメントは、
アクティブ・ラーニングほどには
現場に浸透していない面があります。

それは、私を含め、研修を受けてきた人間が、
現場に広げてこなかったという責任もあります。

そこで、少し長くなるのですが、
私が2014年2月に書いた
ブログ記事を再掲したいと思います。

これは、田村先生の講義で学んだカリマネを、
生徒に伝えられるような
言葉に置き換えてみたものですが、
もしかしたら、現場の先生方の
参考になるかもしれません。

ただ、昔の記事なので、間違い、
勘違いなどあるかもしれません。
そのときはご容赦のほどを。




私は今、「カリマネ」の研修を受講しています。

「カリマネ」とは何なのか。

カリキュラムマネジメントを略して「カリマネ」

これは、学校用語なのですが、
何とか生徒にもわかるように
説明してみようと思います。

生徒にわかるように説明することで、
きっと自分が理解できるのかな、とも思っています。

(人に説明することにより自分の理解が深まる
というのは皆さんも経験済みですね)


では。


皆さんは小学校から、その発達段階にあわせて、
国語、数学、英語、社会、体育など
様々な教科を学習してきました。

また、道徳や総合学習、
文化祭などの学校行事も経験してきました。

各教科や、その学ぶ内容については、
国で作っている「学習指導要領」
によって定められています。

また、学ぶために用いられる教科書も、
国が検定を行ったものを使うことが
義務づけられています。

だから、数学は一生使うことがないから、
といって、数学を学ばないとか、
体育は受験に関係ないからやらない
などといったことはできません。

それは法律違反です。

さて、

国によって学ぶ内容が
決められているとはいっても、
その学校ごとに

「生徒をこのように育てたい」

という目標があるし、
学校独自の課題もあるわけですので、

その目標の実現や課題の克服のために、
指導する内容や方法を
学校独自にアレンジしていくことが必要です。

例えば、本校では、
ほぼ全員が大学進学をするため、
文系・理系のコースを作ったり、
50分7コマの時間割にしたり、
あるいは、SSH指定校なので、
3時間連続の理科実験の授業を設定したり・・・。

このように、教科や総合学習などについて、
指導内容、評価の方法、年間の指導計画、
使用する教科書、日々の時間割などを決めることを
「カリキュラム編成」といいます。

Curriculumの語源は Currereで、

「人生の歩むべき、あるいは、歩んできたコース」

のことだそうです。

では、このように、教育計画を決めて、
その進度表にしたがって
淡々と授業を進めていけば、
自動的に目標が達成されるのでしょうか。

ノーですね。

授業などを行いながら、
もっと本校のスタイルにあった形に
変えていかなければならないことが
見つかるはずです。

というより、そうしなければ、
教師集団として失格です。

例えば、

授業は先生が一方的に進める
スタイルでいいのだろうか。

もっと教科どうしのつながりを
考えてみてはどうだろうか。

テストにでることだけを念頭において
授業をするだけでいいのだろうか。

大学や社会につながる内容を
指導する必要がないだろうか。

生徒が授業に積極的に参加しているだろうか。

などなど。

今行われている教育計画が、
本当に育てたい生徒をつくるものになっているか、

学校の目標や課題を満たす最良のものなのか、

学校全体で、組織的に考えて、
よりベターな方向に改善し、
成果を高めていこうとすること。

これが「カリキュラムマネジメント」です。

それは、単に、教科の単位数や、
年間指導計画、時間割などを
検討するだけではなく、

授業のあり方や、教師集団の意識などを
改革していくことも含みます。

例えば、盛岡三高で行ってきたカリマネをあげると、

「参加型授業」をスローガンにして
授業改革を行ってきたり、

「SDプラン」で生徒が積極的に
発信するような取り組みを
行ってきたことなどがそうです。

このような改革は、終わりはなく、
生徒の意見や、地域の要請なども取り込みながら、

実態を把握し、計画し、実施し、
それを評価し、改善する
(PDCAサイクル)

という流れをサイクリックに継続し、
学校の目標を達成していくのです。

盛岡三高はこれからもカリマネを充実させ、
進路や部活動の実績をあげるだけでなく、

学び甲斐のある楽しい学校、

将来、世の中で「生きていく力」が
しっかり身につく学校

そして、生徒が三高に入学して
良かったと思えるような学校

を目指していかなければなりません。

皆さんも一緒に考えていきましょう。

(2014年2月19日 ブログ記事より抜粋)


 

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