「トイレットペーパーで数学を」

先週の土曜日に、岩手大学で
数学授業づくりカフェが行われ、私も参加しました。

そこで、「トイレットペーパーで数学」
の実演が行われたので、
そのことについてまとめてみたいと思います。

ここで使ったトイレットペーパーは、

幅11.4cm、長さ65m

という規格の製品でした。

tp-03.jpg

トイレットペーパーの外径(外側の円の直径)
を図ってみると、ほぼ10cmです。

内径(内側の円の直径)は3.8cmでした。

すると、外側の円周は、
10×円周率なので、31.4cm

内側の円周は、3.8×円周率なので、
11.9cmとなりますね。

さて、このトイレットペーパーは、
一体何巻きかという問題を考えてみましょう。

まずは、皆さんカンで
何回転位になるか想像してみてください。


tp-04.jpg

このトイレットペーパーを
上の写真のように切り開くと、
台形のような図形になりますね。

本当は台形ではないけれど、
まあ、台形とみなしてもよいことにします。

この台形の面積を考えてみます。

上底=11.9cm
下底=31.4cm

ですね。

トイレットペーパーの1枚の厚さをd、
切り取られた枚数をnとすると、
台形の高さは、d×nとなります。

すると面積は、

tp-01.png

となりますね。

一方、このトイレットペーパーを一面に広げると、
底辺が65mで高さがdの
めっちゃ薄っぺらな直方体になるので、
その側面積は6500×d(平方センチメートル)
となります。

これら2つの面積は等しいはずなので、
式を作ると

tp-02.png

これが、理論値(怪しいけれど)なんですね。

因みに、※式右辺(のnを除く部分)は、
切り取られたトイレットペーパーの
平均の長さといってもいいですね。

ということは、※式は、面積で考えずに、
65mの長さを、平均値でデバイドしたもの
とみることもできますね。

ポイントは、切り取られた
トイレットペーパーの長さは、
等差数列をなしているということです。

だから、※式の右辺は、
等差数列の和の式にもなっています。

では、実際に何回転なのか、
実験してみなくてはいけませんね。

その動画がこちらです。




やった!

理論値とほぼ近い値になりました!



数学における問題解決とは、
現実問題を数学の世界に移し、
定式化して数学の問題とする。
それを現実問題の一つの解答として返すこと。

そして、数学で得た解が、
現実世界の良いモデルになっているか、
操作や観察、実験によって検証すること。
このように考えることができます。

これは、PISAの「数学化サイクル」で
述べられていることです。

でも、このトイレットペーパーの実践もそうですが、
数学教育協議会で行っている、
このようなあまたの実践は、
PISAの数学化サイクルが喧伝されるより、
随分前から同じような意図で行われています。
(銀林ダイヤグラム)

このような教材を開発してきた
数教協の昔からの実践家達には、
今の「アクティブラーニングムーブメント」は、
どのように映るのでしょうか。


授業づくりカフェの講師として
トイレットペーパーの
実践を紹介してくださった、
伊藤陽菜先生、ありがとうございました。



 

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