「3学年PTAで思ったこと」

毎日ビッグイベント目白押しで、
ブログの記事が追いつかないこの頃であります。

先週の木曜日の夜、3学年PTAが行われました。

参加者が、学年全体の75%に達する
という大盛況ぶりでした。

学年PTA会長の奥山さんから、
学年PTAの出席率と進路の成果は
相関するというお話がなされました。

私は、その話を聴いて、2つの事を考えていました。

一つは、私が8年前に花巻北高校に
勤務していた時のことです。

この年、私は3学年長だったのですが、
その前の年度の3年生が、
国公立大現役合格者数の
卒業生全体に対する割合が73%という
成果を挙げました。

そして、この年、
保護者の学年PTAなどへの出席率も
非常に高かったという印象が残っています。

このことについて、
当時、新3学年が始まった
最初の学年集会で取り上げ、
それを私は、学年通信に次のようにまとめました。


今年の卒業生は、240名中175名が
国公立大学に合格するという
過去最高の進学実績を残した。
このことは皆いろいろなところで
何度も聞いていると思う。

確かに数字は語る。
そして人は往々にして数字によって評価する。
しかし、数字だけでは本当のことはわからない。

私は、今年の卒業生の
素晴らしさを評価すべきところは、数字よりも、
後期試験まで粘り強く戦い抜いた
その心身の強さではないかと思っている。

そして、保護者の温かな眼差しが
あったからこそと思う。

私は、昨年度学年通信を作るためもあって、
皆の部活や勉強以外の様々な活動を
ビデオや写真に収めながら眺めてきた。
その経験の中で、
私は少しだけ威張れることがある。

それは、数字でしか物事を評価できない人よりも、
皆の真実を一つ多く知っているということだ。

部活での試合や、受験に臨むにあたって必要なことは
「自分を信じること」だといわれる。

よく教師はこの言葉を発する。
しかし、私たちは同時に
「生徒を信じること」ができなければいけない。

部活でも進路でも、よき指導者と選手や生徒には
互いに信じあう関係がある。

私は、昨年度1年間皆の様々な活動を
追いかけていく中で一番嬉しかったのは、
皆を信じることができ、
皆を見直すことができたということである。

皆が1年生のとき、実は少し憂鬱なときがあった。
なんてコミュニケーション能力がないのだろうと
嘆いたこともあった。

しかし、昨年度1年間の活動振りを見て、
皆の成長を実感することができた。
そして私は、教師として、
無理やり押し付けてやらせるのではなく、
皆の生き生きとした活動を見たり、
ともに行動することなしに
生徒の評価はできないということを学んだ。

だから、今年は皆を信じたい。
昨年に比べ休日もなくなり、
平常課外も始まり大変になることは明らかだ。

しかしだからこそ皆を信じる。
もちろん私たちは皆の進路の成果を追い求めるけれど、
それは数字やパーセントを求めるのではなく、
一人一人の幸せを求める。

そして、私は皆を支えてくれる学年のスタッフに
絶大な信頼を寄せている。
そして君たちの後ろにいる保護者の皆さんの
熱い思いも感じている。

このチームで最後のそして最高の
高校生活を送りましょう。
(2008年4月14日付「桜雲臺」152号より)



もう一つは、「美味しんぼ」という
漫画の究極のメニューと至高の献立の
第1回の卵料理対決のシーンです。

究極のメニュー側の山岡さんは、
フランス料理の逸品である、
半熟卵のトリュフソースを提供します。

一方、至高側の海原雄山は、
何と、卵の黄身の味噌漬けという、
何の変哲もない料理を出します。

山岡さんは、
「俺は一生懸命最高の料理を考えたのに、
こんなふざけた料理を出すなんて」
と怒ります。

ところが、食べてみると、
卵の黄身の味噌漬けの方が、
圧倒的に美味く、
究極のメニューが敗れてしまいます。

海原雄山は、この料理の秘密として、
使った卵が「初卵」であることを明かします。

初卵とは、ヒヨコが育って初めて産む卵のことです。

雄山は、

「初卵には、鶏の体内にヒヨコの時から
蓄積されてきた栄養素の中でも、
価値のあるものが含まれている
という説があって珍重する人が多い」

と解説します。

そこで、山岡さんは憮然として、
そんなの迷信だ、
単に神秘化しているだけに過ぎないと反論します。

すると、雄山はこんなことを言うのです。

「なるほど、たぶんそんなところだと私も思う。」
「人間はどうやって初卵を手に入れるのか・・
鶏を飼っている人間が一羽一羽の鶏を
ずっと注意深く見守っていなければできないことだ。
今にも産みそうな時期ともなると、
それこそ目がはなせない・・・。

それは何を意味するか。
それほど注意深く育てられてきた鶏の卵は、
初卵であろうとなかろうと、
その中味は美味しいに決まっている。
完璧な健康状態にあるようにと
見守られ続けてきた鶏の卵なんだから」

(「美味しんぼ」15巻 究極VS至高より)

なるほど。つまり、
「初卵」だから美味しいのではなく、
初卵を得るための周囲の思いが、
健康な鶏をつくり上げるということなんですね。

学年PTAの出席率もきっと同じなのでしょう。
出席率が高ければ進学実績もあがる
という因果関係が成り立つというのは迷信でしょう。

進学実績を高めたい、だから出席率を高めましょう、
というのはヘンですよね。

実は大切なのは、出席率が高いことは、
子どもへの思い、学校への期待の大きさを
表しているということなのですね。

親にそのように温かく見守られていることが、
子どもの態度、マインドを変化させ、
成長が促されるということは
確かに言えるのではないかと思います。



最後に話が飛躍しますが、
教育のことに少し触れたいと思います。

今巷で話題になっている、
アクティブ・ラーニングとは、
注入型教育、行動主義型教育を
乗り越える教育という一面があります。

行動主義型の教育とは、
教師がインプットした知識や技能が、
テストの成果などのアウトプットに
直接結びつくという考え方です。

行動主義01LT

例えば、自動車学校はそうである
(そうでありたい)と思います。


でも、学校で行われる教育は、
テストの点数を上げるための
効率的な手法のことではなく、

子どもの
「自分でもっと学ぼうとする思い」
「その先を大きくしたい思い」
という気持ちを育てるものであると
私は思います。

そのような教育が、結果として
なぜ成果を上げるかというと、
子どもの「行動」を強制するのではなく、
子どもの「態度」を変えることで、
自らが行動することに
結びついていくからではないかと思います。

構成主義01LT

教師がアクティブラーニングの推進を語るとき、
行動主義的なスタンス
(ALをやれば点数もよくなるという迷信)
に陥らないようにすべきと私は思っています。


 

コメント

コメントの投稿

  • URL
  • コメント内容
  • password
  • 秘密
  • 管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL: http://simomath.blog.fc2.com/tb.php/1178-511e8652