「花高生のマルカンプロジェクトとシティズン・リテラシー」

花巻北高生が始めた
マルカン百貨店の存続運動。

3月には新聞でも大きく報道され、
今や大きな市民運動に発展しています。

この活動の様子は、以下のフェイスブックの
サイトから見ることができます。⇒★★

3月12日に、このフェイスブック上に、
花巻北高校の生徒有志から
次のようなメッセージが発信されています。

みなさんは、花巻市のマルカンデパートが
無くなってしまうのはご存知ですか?
このままでは、いけないと思い、
私達はいま動いています。

「マルカン食堂は花巻市にとって
かけがえのない宝物です。
その宝物が、来たる6月7日に
無くなろうとしています。
マルカン食堂が無くなってしまっては、
花巻市のPR活動も滞り、
花巻市街地の 衰退に向かっていくばかりです。
そこで、私たちは、マルカン食堂を
上町大通りの空き店舗に移し、
『マルカン食堂を残す。』ことを目標に
署名活動を行っています。
みなさんの思い出がたくさんつまった場所、
みなさんの思い出の味を残しませんか?
みなさんのご協力、
ご署名をよろしくお願いします。
岩手県立花巻北高等学校有志」
日時 3月15日(火)12時半~15時半
3月21日(月)9時半~12時半 
場所 コープ花巻あうる(キラキラモール)生協
よろしくお願いします!


この記事に、「いいね!」が何と3340件、
そして977件のシェアがありました。

これをきっかけに、オンライン署名も含め、
各所での署名活動が精力的に行われ、
大きなムーヴメントに発展していきます。

そんな流れの中、花巻市にある、
「花巻家守舎」という
「リノベーションによるまちづくり」
を推進する企業が、
マルカン存続検討に名乗りをあげたのです。

花高生の有志の一歩からスタートした運動が
大きなうねりとなり、社会を動かしたのですね。

現在、有志達は、署名の宛先を
「花巻家守舎」さんに変更し、
これからも署名活動を続けつつ、
家守舎さんの計画を実現できるよう、
テナント探しという形で
協力する計画を立てています。

メンバー全員が受験生なので、
署名活動は4月末まで、
テナント探しなど他の活動は5月末まで
という期限を設けて活動するとのことです。


昨日、Marukan T projectの発起人の一人であり、
本校の保護者でもあるSさんが来校され、
マルカンプロジェクトについて
お話をお伺いすることができました。

Sさんは、マルカンデパート存続運動を興している
花巻北高生を応援したいということで、
立ち上がってくださった、
とってもアクティブな方です。

Sさんはこう言います。

「子供たちが本来持っている
リーダーシップ能力や、
自己肯定感を高めるための応援をしたい。
マルカン存続については
専門家にお任せするしかないと思っていますが、
生徒達の行動力、実行力に共感して
私達はprojectを立ち上げました。
そして、生徒達を否定することなく
応援している先生方を、さすが!
と、誇りに思っています。」


Sさん達がTシャツの見本とともに
本校に持ってきたフライヤには
こんなことが書かれています。

<このプロジェクトができた背景>
マルカン百貨店が閉店となる
衝撃のニュースから各方面で
存続に向けた活動が広がっています。
私たちは存続活動をする高校生や
新たなビジネスモデルを創ろうとする
事業様を応援したいという気持ちと
マルカンさんへの感謝の想いを形にしたい、
というところから商品づくりを考えて、
そしてはじまったのが、このproject です。

<デザインに込めた想い>
このT-shirtデザインは
「マルカンソフト」という花巻ならではの
文化を表現しています。
低価格でずっと提供してくれたマルカンソフトは
市民のみならず観光で訪れた方々も
一度は食べているのではないでしょうか。
そして、「箸で食べる」ということで生まれた文化は
マルカンデパートの閉店とともに
今後は無くなるのかもしれません。
その文化を忘れずに残したいという想いも
このデザインには込められているのです。

いつでも、そこでも、誰でも普段使いで
着こなせるこのT-shirtをみんなが着て歩くことで、
愛された地域文化を一人でも多くの人に
伝えられたらうれしいです!

<製作チームより>
現役花北生の募金活動を行っていることを
誇りに思い、陰ながら応援したいと思います。
黒橋魂は受け継がれている・・
今後の花北生、花巻の若者の活躍が楽しみです。

このTシャツの売り上げはマルカン存続活動に
少しでも役立てていただきたく、
署名活動している高校生等に寄付します。
先生方のご協力をお願いいたします。


私も、白とオリーブの2着買いましたよ。
先生方も協力させていただきました。

マルカンTプロジェクト01
職員室に展示されたTシャツ

マルカンTシャツPTALT
PTA総会のときに出来上がりました。プレゼントに感激する生徒。

さて、

マルカン存続運動は、
一企業に対する働きかけなので、
もちろん学校としての取組ではありません。

でも、私は、生徒のこのような
主体的な行動を誇りに思います。

今後とも、彼女たちの活動を見守り、
応援していきたいし、
もし、活動の中で、
トラブルに巻き込まれそうになったら、
学校として全力で彼女たちを
守っていくつもりでいます。

今、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられる中で、
高校における「主権者教育」が叫ばれています。

主権者教育とは、

「社会参加に必要な知識、技能、
価値観を習得させる教育」(総務省H.23)

とされますが、単に、政治や選挙の仕組みを
講義で学習するだけだったり、
指導者の掌の上で踊らされるような
「模擬投票」や「議会傍聴」という
ワンショットの「体験」でお茶を濁すだけだったら、
それは、生きて働く知識につながらないと
私は考えます。

ましてや「高校生の校外での政治活動」
についての届け出制が焦点化され
大騒ぎするような世の中では、
日本におけるいわゆる
Citizenship Education(市民教育)の道は
険しいと言わざるをえません。

因みに、イギリスでは、早くから
シティズンシップ教育が推進されています。

「シティズンシップ教育推進ネット」というサイト

http://www.citizenship.jp/citizenshipedu/

に、イギリスの事例が紹介されています。

以下、このサイトからの引用です。

日本の公民教育(Civic Education)では、
政治や経済の仕組みを学習するに止まるのに対して、
英国の市民教育(Citizenship Education)では、
そのシステムに参加するスキル、考え方、
コミュニケーションについても学習します。

たとえば、社会の問題を解決するために、
どこから情報を仕入れ判断し、
どのような手段(政治・ボランティアなど)を用いるのか、
どのようにして他者と合意形成を行うのか、
どのようにして相手を説得するのか、
といったより実際的な
社会参加・政治参加を学習するのです。

これらは、教科の枠を超えて、
生徒会活動や課外活動などとも
リンクして進められます。

ファンドレイジングや
市民活動に関する事例としては、
生徒たちが自ら募金を集めるプランを考え、
地域を20マイル歩くイベントを開催し、
「完走したら寄付をしてください」と、
地域に宣伝した事例があります。

集められたお金は、
津波の復興支援に寄付されました。
(以下略)


まさに、花巻北高校の有志の活動は、
シティズン・リテラシーを体現し発信する
ロールモデルともいえるのではないか。

そして、このような活動から、
持続する知識、他に転移する能力、
社会に活用される「生きる力」が
生まれるのではないかと思います。




 

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