入学式式辞から

私は、先日行われた入学式の式辞で、
本校にゆかりのある
お二人の言葉を紹介しました。

その一人は、花巻北高の同窓生で、
日本を代表する宗教学者であり、
国際日本文化研究センター名誉教授として
現在も世界を舞台に活躍されている
山折哲雄先生です。

山折先生は、本校創立80周年の際に
記念講演を行い、

「激しく考え、優しく語る」

という言葉を贈られました。

激しく考え


その言葉について私が思ったところを
式辞で述べました。

以下に記しておきたいと思います。

山折先生は人生信条として
「激しく考え、優しく語る」
という言葉を述べられています。

皆さんが、何かを目の前にして
そこから何を得るかは、
これまで自分が何を学び、
その中でどんなことを考えてきたかに
大きく左右されます。

同じことを体験しても、
激しく深く考えてきた人は多くのことを得て、
自分を向上させていくことができるでしょう。

一方自分の考えを持たず、
他人の意見にただ迎合するだけの
生き方を続けていれば、
結局自分というものがなくなってしまいます。

恐らくこれから皆さんは、壁にぶつかったり、
逆境にであうこともあると思います。

それを乗り越えるためには、
常に自ら問いを立て、
激しく考え続けていかなければなりません。

そういう中から、やがて、皆さんに
黒橋魂という「心の構え」「ぶれない軸」ができ、
逆境をしなやかに跳ね返していける、
生きる力が生まれると確信しています。

また、山折先生の言葉の中の
「優しく語る」の部分に、私は、
「語るべき相手がいるから自分がいる」
という「他者への眼差し」を感じます。

人は、一人で自分に向き合うだけでなく、
ともに歩んでくれる仲間との
つながりを深めることで、
より賢くなり、より強くなり、
より多くの幸せを実感できると思います。

皆さんは、高校生活の中で
是非「良い人間関係」を築いてください。



もう一人は、本校の初代校長である
佐藤昌(さかり)先生です。

佐藤先生は

「中学教育はりっぱな公民を造ることが目的である」

と述べています。

DSC_0447.jpg

公民をつくる


中学教育とは今でいう
高校教育と考えてよいでしょう。

私は、公民的資質が、今こそフォーカスされ、
捉えなおされていかなければならないと感じています。

式辞ではこのような話をしました。

公民的資質とは、民主的、平和的な国家・社会の
形成者としての自覚をもち、
自他の人格を互いに尊重し合うこと、
社会的義務や責任を果たそうとすること、
社会生活の様々な場面で多面的に考えたり、
公正に判断したりすることなどの
態度や能力である、と定義されています。

そして、こうした公民的資質は、
これからの国際社会において、
日本人として主体的、創造的に生きていくために
必須な資質であるとされています。

現代は、地球規模で人や物や情報がつながり、
人工知能が高度に発達していく社会であります。

その一方、人口減少が深刻に進み、
世界でテロや紛争が止むことがない
社会でもあります。

そのような社会において、私は、
佐藤先生の言葉を次のように捉え直し
皆さんに伝えたいと思います。

それは、教室という限られた空間で、
教師から、一方向的に注入される知識を
受け取るという受け身型の学びではなく、
自ら課題を見つけ、失敗を恐れず、
主体的、能動的に学ぶ姿勢を持つということです。

そして、あらゆる場で獲得した知識や情報を、
自ら問い直し、あるいは、他者と交わり、
考えを深め合う中で、
社会の中で活用される知識、
新しい価値を生みだしていくことであります。

その上で、自分の思いを他者に説明する発信力と、
同時に、異なる意見に耳を傾け、他者を支援する、
共感力・傾聴力を育てていくことが
皆さんに求められる公民的資質と考えています。


花巻北高校の皆さんには、
公民的資質と桜雲臺精神をもって、世界を見つめ、
大きな理想と志を抱くと同時に、
一方、自分の小さな周囲を見回し、
そこにある小さな幸せや、横たわる課題に気づき、
自分ができる何かを見つけ、
一歩前に踏み出せる人になって欲しい。

隣の人を幸せにしようとする「利他の心」と、
ささやかな行動が、周囲の人々を動かし、
やがては大きく社会や世界を変えるものに
繋がるかもしれません。

そして、それは何より、それは自分の生活や
人生を幸せにするものでもあると思います。

 

コメント

滋賀の足立です。いいお話ありがとうございます。仕事ですが、元気をもらいました!
2016/ 04/ 09( 土) 11: 47: 27| URL| 足立 直美# -[ 編集 ]
 

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