くずまき高原 スノーキャンプを見学して

1月7日に、くずまき高原牧場で行われている
スノーワンダーランドという
プログラムを見学に行きました。

このイベントは、くずまき高原牧場のプラトーや
コテージとその周辺施設を利用した、
小中学校の子どもたちを対象とした
2週間にわたる体験学習キャンプです。

くずまきキャンプ02

何と、16年も続いているプロジェクトとのこと。

私は小一時間しか見学しませんでしたが、
参加している子ども達、
カウンセラーと呼ばれるボランティアスタッフ、
洋野町から取材に参加しているケイティさん
(宮本さん)

そして、このキャンプのリーダー
(プログラムディレクター)である
キムさん(木村さん)とお話する中で
感じたことをいくつか記したいと思います。


<仲間との共同による主体的な活動>

私が見学した際、
話しかけた子供たちの中には、
埼玉や京都などから
参加していた人もいました。

このように全国から集まった
30名程の小中学生達が、大自然を舞台に、
13泊14日の長きにわたり
共同生活を行いながら、
「自然」「自分」「仲間」と向き合い、
様々な問題を乗り越えていきます。

ここでのポイントは、
小学校低学年から中学生までの
メンバー皆が役割を持ち、
主体的に行動しているということです。

往々にして、このような合宿では
「時間厳守」など
「規則を守ること」を基調としながら、
主催者が求める「望ましいリーダー像」に
向かうようなレールが敷かれています。

そして、それに沿った上での講演や、
予定調和的な「話し合い」が行われがちです。

でも、この合宿はそうではありません。

例えば、一日の日程は決まっているのですが、
必ずしもその時間どおりに
進められるわけではありません。

子どもたちの取組の進捗状況によって
時間は変更されます。

しかし、それを決めていくのは
子どもたち自身であり、
そのため責任も伴ってきます。

彼らの話し合いの様子を覗いてみましたが、
寝泊まりしている雑然とした部屋の中で、
マイペースの雰囲気ではありますが、
本音で語り合う子どもたちがいました。

話し合いは決してスムーズではありません。
でも、自分たちの言葉で語り、
役割を振り分けていました。

カウンセラーと呼ばれるスタッフが
各班に1名います。
カウンセラーは子どもたちに寄りそいますが、
決して彼らをコントロールしません。
子どもたちは、自分たちのペースで問題を共有し、
少しずつ進化していくのです。

<16年の継続によって自己組織化が起こっている>

カウンセラーと呼ばれる
スタッフの何人かと話をしました。

1人は盛岡三高の1年生のKANAさん。
彼女は、中学校の時にこのキャンプを経験し、
今度は自分がスタッフとして関わりたい
という思いを持って参加したとのことです。

くずまきキャンプ01

インタビュー動画も撮らせてもらいました。

主体性とは何か、
盛岡三高のアクティブラーニングとはどんなものか、
などこちらの質問に、ハキハキと答えてくれました。

宇都宮大学の院生の方とも話しました。
何と、彼女の妹が大野高校の1年生でした。

彼女を含め、スタッフで参加している
3名の大学生は、やはり過去に
このキャンプに参加していたとのことです。

このように、過去の参加者が
このキャンプを通して得た経験を活かし、
今度はスタッフとして関わっていく。

この循環こそが、この取組みが16年持続している
秘訣なのかもしれないと思いました。

<期せずして地域の活性化が促されている>

他県から参加した人が、この経験によって、
葛巻に移り住むという
素晴らしい循環も生まれています。

キムさんによると、この取組みは、
次世代のリーダーを養成するとか、
地域の活性化のための人財育成
ということで始めたわけではない、
とキッパリといいました。

そうではなく、参加した個々の子どもたちの、
その先を広げていく力を培う、
というシンプルでしかし真っ当な取組を
ブレずに行ってきたわけです。

その結果として、地域の活性化も
生み出されているということなんですね。

「人口より人生」「勝ち組から価値組」
は地域創生のキーワードの一つではないかと思います。

人口を増やそう、他の地域に勝とう、
などということに心を奪われていると、
本当の意味での地方創生には繋がらない
ということは肝に銘じたいと思います。

<学校文化を変える存在>

このキャンプは
「学校では教えないこと」
を獲得する場であると語られます。

しかし、私は、このような啓発型キャンプを、
学校文化のカウンターカルチャー
として位置付けるのではなく、
今の閉塞的な学校文化なり地域行政を補完し、
変革していくために提起されている、
という文脈で捉えたいのです。

それだけ、この取組には、
今の学校教育を変えるヒントが
数多く潜んでいると思うからです。

であるならば、このキャンプに関心を持つ
学校の教員がもっと増えていくことを
私は望んでいます。

そして、今のアクティブラーニングのムーブメントが、
それを後押ししてくれるかもしれません。

<失敗を乗り越えて強くなる>

なぜ、このキャンプは
2週間もの長期にわたって計画しているか。

リーダーのキムさんはこういいます。

「子どもたちに、予測できない失敗、
他者との軋轢、衝突を
乗り越える経験をして欲しい、
そのためには、ある程度期間が必要だ」

学校の授業のように、短時間で区切られた中では、
どうしても失敗を経由するような「学び」を
展開することが難しい状況があります。

そのため、時間内に教えたいことを
網羅できるような最適なコースで
指導をしてしまう傾向があります。

それは効率的であるが、時に画一的、
一方通行的な「学び」を助長します。


19日まで続くこのキャンプ、
これからも注目していきたいと思います。

ありがとうございました。



 

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