「未来の学校づくりメタファーワーク」

今日は、体調がすぐれず
家でゴロゴロしておりました。

時間があったので、4月22日に行われた
PTA総会でのワークショップ
「未来の学校づくりメタファーワーク」の動画と
実況レポートを作りました。

ワークショップは30分という短い時間でしたが、
登壇したメンバーの鋭い感性と、
温かいオーディエンスの皆さんのおかげで
とても実り多きものとなりました。

ファシリテーターの私がヘタだったので、
せっかくの意見をまとめたり、
掘り下げたりということができませんでした。

そこで、是非実況レポートを読んでいただき、
今後、いろいろな方が、
未来の学校を語るときの
材料にしていただければと思いアップしました。

実況レポートのPDFファイルはこちらです→★★

尚、このワークショップは
東京大学総合教育研究センター特任研究員の
田中智輝氏からアイデアをいただき、
彼の許諾を得て実施したものです。

 

「内外教育」

「内外教育」(時事通信社)4月21日号に
昨年度の「花高活性化プロジェクト」の経過を
書かせていただきました。

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年度が変わって思うことは、
改革の道を進むには
「断固たる決意が必要」という
スラムダンクの安西先生の言葉ですね。

そして、私が一方的に旗をふるばかりではなく
先生方の意欲や創意工夫、
思いを損ねずに進めていくことが
大切だなあと痛感しています。

さあ、暗くならずに、明日も頑張ろう!

 

「総合的な『探究』の時間」

昨日は「総合的な学習の時間」でした。

本校にとっては

「総合的な『探究』の時間」

ですね。

いよいよ「自由研究」がスタートしました。

1年生はガイダンス、
2・3年生は早速探究活動に入っています。

昨年からの継続研究、
新たな課題を立ち上げてスタートしたグループ、
それぞれが自由で活発な活動をしています。

生徒たちの顔がとても明るく輝いていて、
こちらも楽しい気持ちになりますね。

米内光政の研究をしているグループが
校長室を訪れました。

米内光政海軍大将は、
岩手県出身の内閣総理大臣の一人です。

実は、本校の校訓ともいえる
「桜雲臺」の名付け親でもあり、
花巻北高校とは縁が深い方なのです。

そういうわけで、校長室には彼の直筆の書や、
当時の校長に宛てた書簡が
多数存在しています。

昨日は、研究グループの2人が
熱心に書を解読していました。

彼らが自分たちでどこまで
掘り下げてくれるのか本当に楽しみです。

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「主体性を育てる授業」

私は先生方に
「生徒の主体性を育てるような授業を」
ということをよく話します。

でも、考えてみると、言うのは簡単ですが、
実際に授業を行う先生方の中には
困惑している人もいるのだと思います。

具体的に何をすればよいか、
これまで行ってきた自分の授業を
どう変えればいいのか、
などといった不安を抱くかもしれませんね。

私は、授業を改善するには、
自分の授業動画を観ること、
自分の授業を人に見せること、
そして他人の授業を観て学ぶことが
始めの一歩ではないかと思います。

後は、学習者のリフレクションを
材料にすること。かな。

他教科の授業、あるいは、
小学校や中学校の授業、
もっと言えば、教えることを仕事にしている
他職種の人の活動にも、
自分の授業に取り入れるべき
多くのヒントが存在していると思います。

私はこれまで、多くの先生方の授業を参観し、
これは参考になる!と思った授業を、
ダイジェスト動画や
通信にまとめて紹介してきました。

今年も、できるだけ時間を見つけて
そのような取組を行いたいと考えています。

さて、そんな中、
先日、本校の数学科のミホコ先生から
とても嬉しい話を聞くことができました。

先生が、1年生の数学の授業で、
(a+b)^3 の展開を行い、
各項の係数が順に、
1,3,3,1になっていることを示した後、

「では、(a+b)^4 はどうなるでしょうか、
1,4,4,4,1でしょうか?」

という問いを投げかけて授業を終えたそうです。

すると、翌日の次の時間、
先生が教室に入ると、
黒板にこんな図が書かれていたそうです。

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樹形図を作って計算した力作です。
この解答からいろんな発展が生まれそうです。

これを書いたのはA君です。

すると、A君の友達のF君が先生になって
彼の解答の解説を始めたのだそうです。

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ミホコ先生は、いきなりの展開
(この展開は授業展開という意味です)
に驚きつつ、その様子をスマホにおさめました。

そして、彼らの自発的な活動にとても感心し、
この話を私に伝えてくださいました。

「いやあ、授業ジャックされてしまいました」

ミホコ先生が、目を細めて
嬉しそうに語っていたのが印象的でした。

もちろん、教師が説明すれば、
もっと早く説明できるかもしれません。

そして恐らくもっと効率的に
まとめることもできるでしょう。

でも私は、彼らの行動は、
教師から与えられた「問いかけ」をきっかけに、
自ら問い直し、考え出していくことで、
頭の中にある「形式的な事実」の断片を、
揺るぎない「知識」として編み直していく
過程だったのではないかと思うのです。

私はこれこそが、
生徒の主体的な学びであると感じました。

そんな彼らの様子を見ていた
他の生徒たちも、きっと好奇心が湧き、
自分もやるぞ、という
学びに向かう姿勢が
芽生えたのではないかと推察します。
写真に写っている生徒の後姿に
それを見ることができます。

そして、このような学びの空間をつくった
ミホコ先生のコーディネート力にも
私は注目しています。


「公教育をイチから考えよう」
という本があります。

その中で、著者の一人である
リヒテルズ直子さんが、
オランダのイエナプラン教育の指導者
フレーク・フェルトハウス氏の、
「瓦の観察」の授業を紹介されています。

「瓦の授業」とはこんなカンジで進められます。

車座に座った何人かの参加者の前に、
指導者のフェルトハウス氏が、
おもむろにショッピングバックから
1枚の瓦を取り出し、
参加者の一人に手渡します。

それを順々に手渡ししていく間に、
フェルトハウス氏は問いを発します。

「何キロくらいあると思いますか」
「素材は何だと思いますか」
「あなたはいま窪みに触っているけど、
その窪みは何のためにあると思いますか」

などなど。

すると、途中から、誰かが夢中になって
立ち上がったり、
自分の仮説を延べ始めたりします。

フェルトハウス氏が繰り返す
「どう思いますか」という問いには
正解がありません。

だから、教師が事前に用意している答は
何かを想像する必要はありません。

その代わり、自分の仮説を立てるために
よく観察するしかありません。

たった1枚の瓦を、参加者たちが、
ああでもない、こうでもないと言いながら
多角的に観察し始めます。

瓦が参加者を一巡した後、
フェルトハウス氏は瓦の情報を提供して
この授業は終わります。

この授業の後、フェルトハウス氏は
次のようなメッセージを付け加えるのだそうです。

「どうですか、この瓦についての情報を、
いま僕はたった3分で告げることができました。
でも、その前に、僕たちは30分、
いや40分ほどもかけて、
ああでもない、こうでもないと
サークルで瓦を一巡させながら話をしていた・・・。
『なんて時間の無駄なんだろう』と思いますか?
『わかりきったことはさっさと教えればいいじゃないか、
その時間ほかの勉強をしたほうがましだ』
と思いますか」


リヒテルズ直子さんは次のようにまとめています。

さて、瓦一枚にこれだけ時間を費やすことは、
果たして無駄なことなのでしょうか。

それよりも、一つでも多く
テストに出そうな問題を解く練習を
したほうがよいのでしょうか。

グローバル化のもと、世界には様々な情報が
飛び交っています。
そういう時代には、少しでも多くの知識を
詰め込んでおかなければ、
時代から遅れてしまうのでしょうか。

そのことと、真偽の入り混じる情報洪水の中で、
生きた物事の本質に目を向けるために、
みずから問いを発し、
自分なりの答を探す方法を身につけておくこととは、
どちらが大切なのでしょうか。


ミホコ先生の授業の話を聞きながら、
この本に書かれていたことを
思い出していました。



参考&引用
「公教育をイチから考えよう」
リヒテルズ直子✕苫野一徳(日本評論社)


 

PTA総会・講演会

4月22日の土曜日、
PTA総会が行われました。

午前中は公開授業で、
たくさんの保護者が参観にこられました。

学校の桜が満開で、
来校された保護者の皆さんにも
喜んでいただけたことと思います。

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ところで、実は私は、
8月に無謀にも個展を行うことになりました。

私一人では当然何もできないので、
「しもまっちwithフレンズ」と題して、
多くの友達に手伝ってもらうことにしました。

その一人である、妖精アーティストのロナさん。

この日、午後の部のPTA講演会で
講師を務めるサマンサさんとともに
花巻に来てくれました。

合間を見て、
会場のギャラリーBUNに出かけました。

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妖精がたくさんいそうな、
本当に素敵な場所です。

とても楽しいイベントになりそうです。

お昼は、花巻文化村でくつろぎながら。

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午後からのPTAの講演会は、
サマンサさんのプレゼンテーションと、
それを受けてのワークショップを行いました。

充実した60分間でした。

サマンサさんのトークは、
まさにTED×Hanamakiですね。

素晴らしかったです!

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No Limit! だけでなく

Fake it till you make it!

も流行らせたいと思いました。

そして、それに引き続いて、
サマンサさん、ロナさん、生徒代表のミイカさん、
保護者代表のセイコさん、
教員代表のケイジさんの5人による
ワークショップ・プレゼンテーションを行いました。

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ステージ上で繰り広げられる
5人の活動の様子を観ながら、
客席の皆さんにもグループを作ってもらい
同じアクティビティを行ってもらいます。

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終了後、

「これがアクティブラーニングなんですね」
と笑顔で感想を言われる
保護者の方もおられました。

ワークショップの詳しい内容は
後ほどブログで報告します!

講演会・ワークショップの後、
生徒発表会が行われ、
放送部、合唱部、吹奏楽部が
素晴らしいパフォーマンスを
披露しました。

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司会進行のシーラさんも
素晴らしかったですね。

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ありがとうございました。






 

満開の石割桜

先週の金曜日の4月21日、
盛岡出張の帰りに石割桜を見ました。

石割桜02LT

石割桜01LT

満開の石割桜を見たのは、
震災直後の2011年の4月以来、
ちょうど青森県の県外交流から岩手に戻り、
指導主事として岩手県庁に
勤めることになったときでした。

この年、多くの人が
石割桜の写真を撮りに訪れていました。

きっと、訪れる人々は、
石割桜の姿に、逆境や苦しみに
負けないで花を咲かせるという、
強い意志をみているのではないかと感じました。

八戸の高校から離任する時の挨拶で、

「私たちはかけがえのない多くのものを失った。
でもまだ失われていない未来のために
希望持って頑張ろう」

と言ったことを
昨日のことのように思い出しました。

石割桜のように、冬の時期であっても
春を思う強い気持ちを失わず、
未来に美しい花を咲かせよう。

岩手公園LT

石割桜03LT
岩手公園の桜もきれいでした。

開運橋LT
開運橋から望む岩手山も大好きな景色です。



 

パソコンに目覚める?

4月20日の朝。

そろそろ出かけなければならないのですが、
マゴがパソコンに熱中して返してくれません。

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このキーボードは、
ただついているだけの
「なんちゃって」なのです。

よかったよかった。




 

イーハトーブマラソン

4月23日、
第5回イーハトーブマラソンが行われました。
参加者は何と3200人をゆうに超すという
大人気ぶりでした。

イーハトーブマラソン13LT
市長の号砲でスタート

私も人生初マラソンを気持ちよく完走しました!

イーハトーブマラソン11LT

イーハトーブマラソン03LT

イーハトーブマラソン04LT


20分を切ることが目標でしたが
16分台でゴールでき、7位でした! 

イーハトーブマラソン06LT


といっても3km、50代の部ですけどね^^。

さゆりっちファミリーの皆さんや、
以前の職場の同僚など、
たくさんの人との出会いもあり
本当に楽しくランできました。

イーハトーブマラソン05LT


補助員で活動した本校陸上部の皆さん、
私に温かい声援を送ってくれて
ありがとうございました。
大きな勇気をいただきました。

イーハトーブマラソン08LT
スタート地点で本校の陸上部員と

イーハトーブマラソン09LT
陸上部顧問の川村先生と


3時間半もの間、声援を送り続けた
本校応援団の幹部の2人、
注目の的でしたね。

イーハトーブマラソン01LT
花巻市長も激励にきてくださいました。

イーハトーブマラソン12LT
本校のPTA役員のIさんと

イーハトーブマラソン14LT
花巻温泉のゆるキャラと一緒に

イーハトーブマラソン10LT
最後の1人まで声援を送り続けてくれました。


引率してくださった沼井先生
ありがとうございました。

来年度は、60代の部で入賞するぞ~ \(^o^)/


 

「新入生エンカウンター」

高校は中学校と違って、様々な地域、
異なる学校から生徒が集まってきます。

だから初対面の人もたくさんいるかと思います。

学校が楽しい場所になるだろうか。
クラスで新しい友人ができるだろうか。

入学したてのこの時期は
そんな不安があるでしょう。

特に、同じ中学校から来た生徒が
少ない学校の場合は、
その人の悩みは大きいと思います。


中学校が一緒だった人は
その人間関係を継続したいと
思っているかもしれませんね。

部活動での人間関係を大切にしようと
思っている人もいるでしょう。

でも、楽しい高校生活を送るためには、
まずは、その基盤であるホームルームが
安心な場所にならなければなりません。

「対面同席五百生」
という釈迦の言葉があります。

あなたの隣に座っている人、
偶然何かの出会いがあって同席した人たち、
つまり『対面同席』している人は、
最低でも500回、人生を一緒に
過ごしているという意味です。

隣の席になった人、同じクラスのメンバーの人、
このような縁のある人は、釈迦の言葉で言うと、
これまで前世で何百回と
一緒に過ごしてきた仲間、
いわばファミリーなんですね。

私は、人間関係を特定の誰かだけに求め、
そこに垣根をつくって安住している人を
「我慢強い人」と言っています。

ここでいう「我慢」とは、
一般的に知られている
「自分の欲望を押さえて耐える」
という意味ではありません。

本来仏教でいう「我慢」の定義は、
自分を偉いと思い込み、
他者を軽んじることなのだそうです。

なので、私が思う「我慢強い人」とは、
自分や自分が所属する特定のグループに執着し、
その結果、自分たちを高く見て、
他者を軽視する心が生まれている人のことです。

さて、花巻北高校では、この時期、
新たな出会いのサポートと、
クラス内の融和をはかるために、
新入生エンカウンターを行っています。

今年度は、4月12日に行われました。

特に、専門家を招いて特別なことを
仕掛けるというものではありません。

クラスごとに、
担任がファシリテーターになって
ちょっとしたゲームを楽しむだけのものです。

だいたいこんな内容です

① ペアになってジャンケン大会
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メンバーを変えたり、緩急をつけたり
クラスごとにいろんな工夫がされていました。


➁ 4人グループで50までカウントするゲーム
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7の倍数と7がつく数字の時は
言葉を発しないというルールです。


③ ペアで質問しあう活動
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こんな質問紙を共有します。

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メンバーを変えながらどんどん行います。


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あるクラスに行ったら、いきなり
自己紹介をすることになりました。


私は全クラスの活動を見学しましたが、
どのクラスでも、生徒の皆さんの
ほっこりとした笑顔、
そして、他者への思いやりの視線を感じました。

「半径3m以内に大切なものはぜんぶある」
これは宮崎駿さんの言葉です。

目の前の人を大切にし、
すべてのクラスメイトを同じように見られるようになると、
きっとあなた自身とあなたの周囲が変わってきます。

そして、かけがえのない友人や、
素敵な物語に出会うことが
できるのではないかと思います。



 

「ブレイクスルーの『窓』」

京都大学の総長で、
ゴリラの生態研究の第一人者としても知られる
山極壽一氏の入学式の式辞がとても素晴らしく、
心が打たれました。

式辞はここから→★★

式辞の中で、山極総長は、
大学は世界や社会に通じる「窓」としての
役割を果たさねばならないとし、
WINDOW構想を立ち上げています。

それは次の様なものです。

Wild and Wise
International and Innovative
Natural and Noble
Diverse and Dynamic
Original and Optimistic
Women and Wish

まさに未来を拓くためのキーワードですね。

私は特に「Wild and Wise」が気に入りました。

このようなものを見ると、
私は無性に自分のものをつくってみたくなります。

ま、へたっぴいでも
Original and Optimisticの精神でね^^

というわけで、高校教育において
カリキュラム・マネジメントを進めるための
「ブレイクスルーの窓」を考えてみました。

What から Why

「何をするのか」から始めると、
往々にして前例踏襲が基本となり、
やらされ感、多忙感が増し、
新しい価値を生み出すことができません。

Whatからではなく、whyからスタートする。
つまり「なぜを掘り下げる」ことから
行事やカリキュラムを見つめ直していくことが
PDCAをまわす基本ではないかと思います。

因みに、米国ランド研究所のスタッフの
サイモンシネックは、TEDカンファレンスの中で、
「Why」から「What」に向かうアプローチを
「ゴールデンサークル」と名づけています。

以前私のブログでそのことを書きました。

ブログ記事はこちら→★★

Input から Intake

知識とは自分の中にインプットされた
情報や事実の断片の集合が、
相互につながり、編み直され
「自分事」として腹落ちする過程であると思います。

マネジメントとは、管理職が上から
特別な手法を注入することではなく、
まず、組織のもつ強みや課題を全体で共有し、
それを各々が「自分事」として
問い直していくことが必要ではないかと思います。

Negotiation から Narrative

ネゴシエーションとは合意や調整を得るための
交渉力や説得力のことで、
AI(人工知能)に負けない社会的知性の
一つのファクタとしてクローズアップされています。

もちろんそれを大切にしながらも、
更にこれからは「対話と傾聴」によって
他者をエンパワーする
「ナラティブアプローチ」が必要ではないかと考えています。

Discipline から Diversity

Disciplineとは、組織に対して
従順で有用な個人を育てることを目標とした
規律や訓練のこと。

学校や軍隊や監獄の共通する
メカニズムであるとも言われています
(ミッシェルフーコー)。

そして未だに多くの教師のマインドセットの中に
それは根強く存在しているように思います。

教育におけるダイバーシティ、
つまり多様な個性を受け入れ、
多様な価値観の中で考えることは、
問答無用の規律や価値観の強制といった
Discipline型教育の批判でもあると思います。

ところで、脱線ですが、ダイバーシティの説明には、
ソロモンの立体が良いのではないかと気づいて、
その絵を描こうと思ったら、
身近にありましたよ。

速攻で写真を撮ってみました。

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正面から見ると台形

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側面から見ると三角形

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上から覗くと円

視点が変わると、多様な見方ができます。
そんな多様な視点を受け入れることによって、
実態に近づくことができます。

Organization から Open Innovation

学校改革は、組織の内側だけで
解決しようという閉鎖性と、
教育行政からの上意下達性という
二つの側面があるように思います。

これからの学校は、組織内外の垣根を取り払い、
他校種、他職種との共同、連携によって
新しい解決の道を模索していく必要があると思います。

Win から Worth

「勝ち」から「価値」。
「競争」から「共創」の精神ですね。

組織の目標として、国公立大に何人入れるといった
実績や成果を単に羅列する前に、
生き抜く力を育む「人づくり」という価値に立ち返って
ゴールを設定することが、
カリキュラムマネジメントのポリシーではないかと思います


以上、英語が不得意なので、
突っ込みどころ満載ではありますが、
叩き台として取りあえず作ってみました。

皆さんの、「ブレイクスルーのWINDOW」
は何でしょう。
つくってみてはいかがでしょうか。





 

「P・振スペシャルワークショップ」

ええと。本題に行く前に、
ちょっと話は長いです。


もう30年近く前、私が20代の頃の話です。
仕事で大阪に出張に行ったことがありました。

泊ったホテルの部屋から、
路上の公衆電話(死語)の
電話ボックス(死語)が見えました。

驚いたのは、そのボックスの全面に、
ピンサロ(死語)のエロい写真と
電話番号が書かれたシールが、
びっしりと貼られていたことです。

ひええ、

大阪ってコワイ街だなあと思いました。

ところが翌朝、そのボックスを見ると、
昨夜まであったおびただしい数のシールが
きれいに剥がされていました。

ホテルを出て歩いていると、
他の電話ボックスの中に、
一生懸命シールを剥がしている
人の姿を目にしました。

なるほど。

公序良俗のために
働いている人なんだなあと感心しました。

仕事を終えて、夜ホテルに戻ると、
何とあの電話ボックスが
またおびただしい数のシールで
覆われていました。

見ると、その電話ボックスの中に、
今度は一生懸命シールを
貼っている人がいたのです。

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その時私はハッとしました。

その人が、朝シールを剥がしていた人と
同一人物に見えたからです
(違ったかもしれません)。

もし、同一人物なら・・すごいマッチポンプ。

物理的にいうと仕事量ゼロなのに、
お金が2倍動いているという。

驚くと同時に、
いろんなことを考えさせられました。

僕らの仕事って、
もしかしたらそんなものではないか。

自分たちの仕事のために仕事をつくっては、
それを処理することを繰り返すという。

何か身につまされる思いもしたものでした。


さてさて、話は変わります。

学校とは、子どもたちが
生き生きと楽しく学んでいく場であります。
特に昨今は、アクティブラーニングの
進展とともにそのことが謳われています。

しかし、現場では、主体性をどう育てるか、
などといったことをあまり真剣に
議論するような空気があるようには思えませんね。

それより、学力を向上させる「手法」や、
進路実績をあげるためのシステムの構築に
議論が前のめりに展開されているように思います。

つまり、競争に勝ち抜き、
目に見える「結果」を手にするために、
校務分掌業務や教科指導に心血を注ぐのが
教師の労働であって、
主体性だの、生き生きとした学びだのといった、
「きれいごと」を議論するのは
センチメンタルな人間愛を標榜する
お気楽な反競争論者などという
ムードが存在しているように感じるのです。

学校が、より強く、太いプログラムを用意し、
それに生徒を載せていくことは、
見える「成果」をあげることにつながると
教師も、そして親も生徒も
きっと信じているのでしょう。

でもそこには、一斉指導による効率性といった、
主体化と方向を異にするものが
潜んでいることに私たちは
注意する必要があります。

より強いプログラムが与えられたとき、
それに耐えうるパワーのある生徒は、
恐らくそのプログラムが何であろうと、
それを乗り越え、
かつ、主体的に学ぶ術も自ら手にし、
勝ち抜いていくことでしょう。

また、そのような与えられるシステムに
身を委ねることで
学校生活をくぐり抜けてきた子どもたちは、
上手に「思考停止」しながら
順応していくかもしれません。

でも、価値の強制や、
物量とスピードに戸惑いや
疑問を持つ子どもたちも存在するのです。

そのような子どもたちは、
そこで立ち止まることが許されない状況の中では、
不適応者としてドロップアウトしてしまいます。

学校がそういった、
むしろ主体化を疎外する場として
クローズアップされる中で、
子どもたちの主体性を伸ばし、
生きる力を生み出していこうとする場が、
学校の「外部」に多く生まれています。

それは、フリースクールのような施設であったり、
あるいは、草の根的に展開されている
様々なイベントであったり。

私は、そのような活動を一定に評価しつつも、
ある種の疑問も抱いていました。

それは、そのような学校の外側にある
「主体化」を行う場やムーヴメントが、
公教育に対するアンチテーゼとして、
あるいは、内向きな学校文化に対する
カウンターカルチャーとして
存在しているということに対する違和感です。

つまり、そういった学校文化があるからこそ、
そういう場が存在するという、
ある種の「共存関係」が垣間見えるからなのです。

実は、私が冒頭に書いた、電話ボックスの話は、
このことを考えていた時に思い出したものなんですね。

私が大野高校に勤めていたとき、
子どもたちに共同生活を体験させながら、
主体的に生きる力を育てるイベントを行っている
ある方と話をすることがありました。

彼は、学校が理不尽な場であることによって
自分たちの活動が担保される、
というような話をされました。

私は、子どもたちを
そういう二元論の中に追いやるならば、
彼らは、学校と、非学校の中で
自分を使い分けて生きることを
否応なく迫られてしまうのではないか
という疑問を抱くと同時に、
自分がやることが見えてきた気がしました。

それは、そういった学校の外部にいる
ファシリテーターの存在を、
学校の内部に取り込んで
学校を変えていくことです。

つまり、対立から親和に向かう意識の転換です。

そんなとき、出会ったのが、
八戸に在住のサマンサこと
才神敦子さんという方です。

出会った時の衝撃をブログに書いています。

こちらです→

私は、その後サマンサさんと、
その娘さんのロナさんと繋がって、
学校教育の中から学校の持つ
「負の潜在的カリキュラム」
(negative hidden curriculum)
を変えていく取組みを
ささやかに実行してきました。

そして花巻北高校でも、昨年11月に行った
「ハイブリットワークショップ」で
サマンサさんとロナさんに
お手伝いをしていただきました。

いやあ、とっても前置きが長くなりました。

実はここからが本題です。

4月22日(土)にPTA総会があります。

本校のPTA総会では午後の部として
講演会を行っております。

昨年は私が話しをさせていただきましたが、
今回は「P・振スペシャルトークセッション」と題し、
趣向を変えて実施します。

その中で、サマンサさんを
お迎えすることにいたしました。

最初に、サマンサさんから

「No Limit! ムリという口癖で限界をつくらない」

というテーマで、スピーチをしていただきます。
イメージはTED Conferenceです。

その後、生徒、保護者、職員の
3人のゲストコメンテーターとともに、
「理想の殿堂をつくるために踏み出す第一歩」
というテーマでワークショップを行います。

参加された皆さんにも、彼らの活動を見ながら、
同様の活動をしていただこうと考えています。

この講演会とワークショップは、
どうすれば成績が上がるかとか、
大学進学のためのノウハウを
示すものではありません。

そういったことを期待して臨んだ方は
失望するかもしれませんね。

でも、私は、生徒、教師、保護者が同じテーブルで、
理想の学校教育とは何かを語り合うことが、
今こそすべての学校で必要なことではないか
という思いを持ち、
今回のセッションをプロデュースしました。

保護者の皆様、ぜひふるってご参加ください。

フライヤはこちらです→



 

入学式の式辞

4月7日は入学式でした。

この日の朝、なぜか、異常な疲労感と、
体調不良が感じられました。

毎日のいろんな対応に
すり減っていたのかもしれません。

壇上で担任の呼名を聞いているとき
倒れたりしたらシャレにならんぞと
言い聞かせて臨みましたが、
新入生の元気な姿を見て
こちらも元気になりました。

今回の式辞は、
畠山さゆりさんのワークや
佐藤由美子さんの
「うまくいきそうでいかない理由」を参考に、
未来からのメッセージを織り交ぜてみる
という変化球を投げてしまいました。

式辞は、学校WEBで公開しています。

式辞→★★



 

青春の橋

先月の話しですが、桜雲同窓生で、
本校野球部後援会の
東京支部の事務局長をされている
伊藤忠文さんが学校に来られました。

その折、伊藤さんからCDをいただきました。

伊藤さんは、昨年の5月に
本校においでいただいたときにも
自作のCDを持ってきていただきました。

その内容は、昭和46年に
本校が北奥羽大会を勝ち抜いて
甲子園に出場した時の、
貴重なラジオの実況の音源でした。

そのときの記事はこちらです→★★

今回いただいたのは、「青春の橋」というCDで、
ご自身が作詞・作曲・編曲・コーラスアレンジをされ、
歌っておられます。

青春の橋01LT

青春の橋02LT

青春の橋03LT


57歳で世を去ったお兄さんと
親友M君への鎮魂歌として、
また同じ覚悟で故郷を後にした
かつての若者への応援歌として、
十数年かけて作り上げたものだそうです。

花高の心の拠り所である「黒橋」をモチーフに、
この世から旅だった兄への思いと、
母校を旅立つ若者たちへの思いを
重ねて表現されている、
深い愛情が感じられる楽曲です。

伊藤さんありがとうございます。




 

年度初めの校長の経営方針

新年度がいよいよスタートしました。

昨日は年度初め職員会議でした。

最初なので、校長としての経営方針等を、
時間をとって、しっかりと話したいと思いましたが、
なにぶん会議資料が138ページにも
及んでいたため予定を変更しました。

私の方針はペーパーにして配ることにし、
会議ではそこからかいつまんで
8分程度の挨拶を行いました。

今年度も、できるだけ学校の経営方針や
経営計画などを、地域、保護者等に
オープンにしていこうと思っておりますので、
WEB上でも参照できるようにしております。

こちらをご覧ください→★★




 

リラクゼーション@校長室

昨日の年度初め職員会議で、
職員のメンタルヘルスについて
一つの提案をしました。

実は私、ファイテン・ソラーチという
必殺のフットマッサージ器を買いました。

それが昨日届きました。

ファイテンソラーチ01LT

結構効きます。

これを、この1年間だけ、校長室に置いて、
職員のセルフケア、ラインケアに
役立てようと考えました。

本校には職員が休息をとれる場所がないので
考えた挙句の策です。

ま、来てくれた方と対話をして、
私の孤独を解消するという
もう一つの意図もあるのですが^^。

校長室の一角をホワイトボードで区切って、
リラクゼーションスポットにしました。

昨日から5人の方に使っていただいております。

ファイテンソラーチ02LT



 

快挙!優勝・準優勝独占 ~ラジオCMコンテスト~

新年度早々嬉しいニュースが飛び込みました。

東北民放ラジオ6社会主催
「第2回高校生『ラジオっていいね!』CMコンクール」
において、本校が応募した作品2編が
何と、優勝、準優勝を獲得しました!

本日、IBCの方が来校し、
賞状とトロフィー及び副賞が贈呈されました。

優勝したのは本校放送部2年の佐々木啓太君。

作品は「あなたへ」。

IBCradio-01.jpg

IBCradio-02.jpg

この作品は更に東北大会審査にすすみ、
優秀賞を獲得しました。

賞状、トロフィー、
そして副賞は東北大会とあわせて、
3万円のクオカードでした。

また準優勝は同じく放送部2年の
高橋怜佳さんの「君のゆめと声」。

IBCradio-03.jpg

こちらは副賞として
1万円のクオカードをいただきました。

「あなたへ」は2月18日IBCラジオ
「イチロクSTUDIO」で放送され、
更に2月20日から3月末まで不定期に
IBCラジオのCMとして放送されました。

私は、先月、昨年度の顧問で、
現在転勤された金田先生から、
その作品を聴かせていただいておりました。

温かくて、オチが傑作な
とても素晴らしい作品でした。

放送部は、3月の花巻のFMワンへの出演もあり、
活発に活動していますね。

FMワンの記事はこちら→★★

放送部のこれからの更なる活躍を期待しています。

おめでとうございました。

IBCradio-04.jpg
顧問の八重樫先生も、本日本校に着任早々の朗報に驚いていました。

IBCradio-05.jpg

 

「教え子に励まされる僥倖」

今年の1月の話しですが、
私のブログに、
盛岡三高時代の教え子のRさんから
コメントをいただいたことがありました。

そのコメントはこちら→★★
(下の方にあります)

Rさんは、私が盛岡三高で
初めて担任をしたときの生徒です。

Rさんのコメントの冒頭には
このように綴られています。

あの頃の三高は、大学進学命!で、
授業はどんどん進んでいくし、
朝から晩まで勉強漬けで。
詰め込みの毎日に
私は大好きだった勉強が苦痛で
仕方ありませんでした。
ほとんど記憶にも残らないぐらい辛かったです。


本当に、Rさんはじめ、当時の生徒には
申し訳ないことをしたと思っています。

今となっては、そんな学校を変革できなかった
私の力不足をただただ恥じるばかりです。

私が、盛岡三高に赴任した時、
1年の副担任でしたが、
3年生の演習の授業も
担当することになっていました。

その最初の時間のことは今でも覚えています。

前任の担当者から問題集を預かり、
最初の授業のスタートの問題を引き継ぎました。

初めての進学校だったので、
私は気合を入れて予習をしました。

そして、単に問題の解法をなぞるのはやめようと、
いろんな話題も用意し授業に臨みました。

で、授業が始まり、
最初の問題を板書したところ、生徒から、

「その問題ではありません」

との声が。

一瞬息がとまりました。

故意ではなかったとは思いますが、
全く違う場所を
前任者から指定されていたんですね。

それからが大変でした。

全く初見の問題(一橋大の確率)を
その場でやることになりました。

焦りました。

私を値踏みするような生徒の視線を感じます。

掌に汗がびっしょり。

気がつくと、その掌の汗の跡が
黒板に点々とついていました。

ああ。生き馬の目を抜く世界に
足を踏み入れたんだなあと思いました。

それでも、私は1年生の数学に
活路を見出していました。

「数学通信」をつくりだしました。

数学のトピックス記事、
教科書の問題を掘り下げる話題、
懸賞問題など、
生徒のモチベーションを
高めるような内容にしました。

全学年に配ろうとしましたが
数学科の教員に却下され、
最初は自分の担当クラスにだけ配りました。
(その後評判が良くなり
全学年に配布するようになる)

その「数学通信」を印刷していると、
しばしば数学科の先生が覗きにきます。

自分のクラスだけ成績が上がるような、
テスト対策のゲリラプリントを
作っているのではないかと勘繰られるのです。

「数学通信」だとわかると、
なあんだという顔をされます。

そして「暇だね」などといわれます。

ご丁寧に、
「そんなことやるとかえって成績が悪くなるよ」
と忠告されたときもありました。

そんなことをいわれながらもやり続けていけたのは、
私の授業を楽しんでくれる生徒たちがいたからです。

3年生の演習の最後の授業の後、
ある生徒から、こんなメッセージをもらいました。

生徒のメッセージ①LT

彼女は、家庭の事情で進学ができない生徒でした。

私はこの言葉に勇気づけられました。

また、Rさんのテストノートを見るのは
とても楽しみでした。

以前Rさんのノートはブログで紹介しています。

生徒のノートに勇気をもらう→★★

私が、現実と理想の狭間で
もがいていることを
敏感に察知してくれたRさんが、

私に手製のお菓子とともに、
そっとこんな手紙を書いてくれたこともありました。

生徒のメッセージ②LT


私は、生徒を育てていると思いながら、
実は生徒に育てられていたんだと、
今あらためて思います。

私の盛岡三高時代の宝物は、
そんな生徒達からもらったたくさんの手紙です。

自慢するわけではありませんが、
私くらいたくさんの手紙をもらった先生は
いなかったと思います。

そして、その内容はほぼ同じでした。

それは、「大学進学」を
錦の御旗に問答無用で行われる、
一方向のトレーニング型授業に対する悲鳴です。

そして、そのような中、
私の授業に出会ったことを
素直に喜んでくれるというものでした。

私が今、アクティブラーニングの機運を捉えて、
教師のマインドセットの変革を訴え続けているのは、
このときの生徒達の思いを
背負っているからだと思います。

さて、4月に入り、数日前、
Rさんからこんなメッセージをいただきました。

新年度がスタートし、
先生もさらに充実した日々を
お過ごしのことと思います。

私は今年度は五年生担任になりました。
明後日始業式です。
今から考えるだけでドキドキします!
私は今年度は、
明るく、笑顔いっぱいで毎日を過ごすことが
一番の目標です。

教師だって人間ですから、
気分が乗らない日もあると思います。

でも、それでも子どもたちの前で
笑っていられるようにしたいです。

単純なことですが、毎日続けるとなると、
今までの私には難しいことでした。

主体的、対話的な学びをしたいと思って、
本を読んだり、研究授業に参加することばかりに
目がいっていた気がします。

もしかしたら、根本的なことを
忘れていたのかなと気づきました。

思い起こしてみれば私も高学年ぐらいから、
大人の顔色伺っていました。

と、こんなところで、
今年度の決意をいってしまいました。

先生に負けないよう、私も精一杯頑張ります☆



理屈や理論ではない。
子ども達の前で毎日笑顔でいつづけることが一番。

Rさんのこのメッセージが届いたのは、
私が、新年度の学校経営で
職員をどうまとめているか悩んでいるときでした。

思うようにいかず、
眉間に皺を寄せている最中でした。

まさにこのメッセージは
そんな私に向けられているものだと気づきました。

なんというタイミングなのでしょう。

ああ。やっぱりまた私はRさんから力をいただいた。

さすが月の女神さんだ、と思いました。

教師と生徒は成長をともにする同志である。

そして、しばしば、生徒と教師は反転する。

教え子だったRさんは、
今、私と同じ教師として教壇に立ち

そして今もなお、
私を勇気づけてくれる存在です。

Rさんありがとうございます。



 

「今こそ語ろうジャズ授業論」

3月26日に、東京大学の
中原淳先生からご案内をいただいて、

「授業改善リーダーのための
アクティブラーナーズサミット2017」

というイベントに参加しました。

3月東大01

中原先生には月間高校教育の対談記事のため、
昨年9月に本校に来ていただきました
(「アクティブ・ラーナーを育てる高校」(学事出版))。


参加条件が、管理職や、
教育行政に携わる方ということで、
私から、本校の副校長と、
教育センターの指導主事の先生もお誘いしました。

ところが、行ってみると、
管理職とかに限定せず、
全国から一騎当千のアクティブラーナーたちが
これでもかというくらい参加されていました。

3月東大05

何と、京都大学の溝上慎一先生も
参加されていました。
本校から京大に進む生徒の宣伝を
ばっちりしてきましたよ。

最初のワークショップのメンバー。

3月東大04

盟友松嶋さんとは午前中の
筑波大学での五十嵐先生との
プライベートなランチ・ミーティングから
ご一緒していました。

3月東大09
酒井先生の発表の場面では
少しお話をいたしました。

錚々たるメンバーが一同に集まったので、
情報交換会では期せずして
写真大会になりましたね。

3月東大12

皆さん一人ひとりが、全国でも
ひっぱりだこのアクティブラーナーです。


さて、

前置きが長くなりました。

では本題に入ります。

今回のプログラムで、私は
「高校生と語る未来の学校」
というワークショップに参加しました。

生徒の声を直接聞きたいということと、
このワークショップを担当されている
東大総合教育研究センター特任研究員の
田中智輝先生の書かれたものに
関心を持っていたことが、
このワークショップを選んだ理由です。

とても素晴らしい学びの場を体験しました。


高校生1人を交えた4人グループ
によるグループワークで、
「未来の学校づくりメタファーワーク」
というテーマで行われました。

私のグループは、
愛知県若者会議で活躍されている高校生と、
この日の登壇し発表された両国高校の布川先生、
そしてこの春から大正大学の教授になられる
可児高校の浦崎先生という強力メンバーでした。

ワークの内容を簡単に紹介します。

まず、次の様な20枚程度の
いろいろな写真が各グループに与えられます。

17499069_1933019066921268_5454359471196217090_n.jpg

最初に、その写真を見ながら、
自分が過ごした学校に
近いイメージを持つものを、
それぞれが1枚を選び、
なぜその写真を選んだかを説明しあいます。

そして、共通点などを話し合いながら
グループとして1枚を決定します。

看図アプローチですね。

因みに、私が選んだ写真は
ラグビーでスクラムを組んでいる写真でした。

布川先生は広い講堂の写真、
浦崎先生はマラソンの写真、
高校生は筋トレルームの写真でした。

それぞれのコメントがとても面白く、
たくさんの気づきがありました。

例えば、

「皆が一つの方向に向かって突き進む」
「しかしその方法は学校や教師によって決められている」
「つまり異なる価値観が認められない」
「一方向的な指導の中で、互いに競争する環境」
「その指導についていって伸びていく生徒と、
そうでない生徒の二極化が生まれている」

などというカンジですね。

最終的に、グループとして、
浦崎先生の「マラソン」の写真が選ばれました。

次に、今度は、自分がこれから過ごしたい高校に
近いイメージの写真を1枚選び、
同様にグループで話し合います。

4人でディスカッションし、
グループとして、こちらも浦崎先生が選んだ
「オーケストラ」の写真に決まりました。

出された意見はこんなカンジでした。

「他のリソースを活用し、互いの良さを引き出し高めあう」
「互いの楽器の特性、良さを認め、調和する」
「異質な個性を受け入れることで新しい価値を生みだす」

等々

今回、期せずして私たちのグループは、
学校や教育をオーケストラに例えたのですが、
「未来の学校=オーケストラ論」は
我がグループの専売ではありません。

私は、文科省の太田光春視学官から
講演会で何度か、
教育をオーケストラのシンフォニーに
例える話を聞いています。

例えば、グローバル人材という文脈の中で、
太田視学官は次の様に述べています。
少し長くなりますが以下に引用します。

オーケストラが美しいシンフォニーを奏でるためには、
異なる楽器が数多く存在することが必要である。

全員が指揮者なら音は出ない。
異なる楽器が数多く存在し、それぞれが
自分の持ち味を最大限に発揮して演奏する。

その際、他の楽器の演奏にじっくり耳を傾けながら、
自分が一番期待される場面で
最高のパフォーマンスをする。

そのときに初めて美しいシンフォニーが生まれる。
各楽器が他に配慮しないと不協和音になる。

美しいシンフォニーは演奏者相互の信頼と敬意、
協調する気持ちが存在して初めて可能になる。

社会もオーケストラと同じである。
異質なものが存在していることを本気で嬉しく思い、
それらと調和することを喜びにしながら、
自分の持ち味を最大限に発揮して集団に貢献する。

そうすることでより多くの人を幸せにできると信じて、
最善を尽くす。

全地球規模で行動するのであれば、
その貢献は世界を舞台にしたものであっても、
地域に根差したものであっても等しい価値をもつ。

(「グローバル時代に対応した学校教育の在り方」
日本教育No.434 平成26年6月号より引用)


私は、太田氏の、この格調高く、
崇高なまとめが好きで、
しばしば使わせていただいています。

でもね。

私はジャズ者(もの)なので、
実は昔から「教育=ジャズ論」を謳っていました。

私は、学校を超えた数学研究サークル
(杜陵サークル)に属していて、
「数学教室」という雑誌の2010年8月号に、
その価値について書きました。

以下にその一部を紹介します。

「ミントンズプレイハウス」って知っていますか。
1940年代、スイングジャズから
ビバップと呼ばれる新しいジャズスタイルが
生まれるのですが、
その発祥の場所ともいわれる
ジャズクラブハウスの名前です。

当時、仕事を終えたミュージッシャン達が、
ミントンズを溜まり場にし、
その時集まったメンバーで
アドリブ演奏するという
「アフターアワーズ」のセッションが行われていました。

このようなミントンズにも徐々に
「ヌシ」とも言えるメンバーが定着します。

ピアノのセロニアス・モンクや
トランペットのディジー・ガレスピー、
ギターのチャーリー・クリスチャンといった人たちです。

このようなメンバーに加え
多くのミュージッシャンや
耳の肥えた聴衆が交わる中で、
斬新なジャズができあがっていったわけです。

<中略>

「授業」というのは
クラシックのコンサートに例えられます。
生徒はオーケストラのメンバーです。

授業者の教師はマエストロ。
次々生徒に指名し、
ソロパートを演奏させたりします。
そんなフォーマルな演奏会の後、
私たちは「杜陵サークル」という名の
ライブハウスで楽器を持ち寄って
ジャムセッションを行うのです。

日々多忙な我々が、なぜ毎月レポートを持ち寄り、
そんなにして集まるのか?

それは、明日の授業に活かすためだったり、
新しい数学的発見(多くが壮大な思い込み(笑))を
パフォーマンスするため、
などいろんな理由がありますが、
実は仲間と会って、数学の話しで
スイングしたいからというのが大きな理由です。

<以下略>



ここでは、教師のサークルについて
述べたのですが、
未来の授業を語るときにも、
私は、オーケストラからジャズに向かう視点が
必要ではないかといつも思っています。

以下にジャズ者としてのつぶやきを・・・

■ジャズの基本はインプロビゼイションです
ジャズはコード進行など
あらかじめゆるく決められた制約の中で、
自由なパフォーマンスが約束されます。
その時出した音が○か×かという評価はなく、
出した音で場が決定していきます。
それに他者が応じながら作品が作られていくのです。

■ジャズの基本フォーマットはソナタ形式です
ジャズの基本的な形式は、
最初にテーマを全体で演奏し、
その後、インプロビゼイションによるソロの交換があり、
フォーバースチェイス(4小節交換)を経て、
最後にテーマに戻ってコーダに向かいます。
つまり本日の学びのテーマを共有し、
ディスカッションして、まとめを行うというカンジ。

■ジャズの基本は傾聴と対話です
ジャスはプレイヤー同士の対話です。
自己主張(ソロ)しているときは、
他のメンバーはバッキングにまわって、
ソロを盛り上げます。
そのソロを受けて、次のプレイヤーがソロを引きつぎます。
全体での合奏は成果物の共有、
フォーバースチェイスは、ペア・ワークかな。

■ジャズの基本はスイングです
プレイヤーが主体的で楽しい気持ちでいることが
スイングの条件。
安心で快適な場が生まれます。
スイングしなけりゃ意味ないね、です。
そして「グループの中での個」としての
自己成就感を持つのです。

■ジャズの基本は自由です
スイングからバップが生まれたように、
新しいムーヴメントによって
イノベーションが生まれます。
また、クラシックやロック、邦楽など、
異なるジャンルとの共創が行われる中で、
新しい価値を生みだします。

いやはや。

ジャズを語りだすと、
ラ・ラ・ランドのセバスチャンになります。

でも、ジャズ授業論。どうでしょう。

賛同してくれる人いないかな。

写真の多くは、九州の誇るアクティブラーナー
前川修一先生からいただきました。
ありがとうございました。