ロータリークラブ3011回例会

今日は、ロータリークラブの第3011回例会に
ゲストで呼ばれ、

「花巻北高校のグローバルリテラシー
~アクティブ・ラーニングの視点から~」

というテーマでお話をさせていただきました。

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グローバル人材の3要素には、
花巻市ゆかりの宮澤賢治、
新渡戸稲造スピリッツが
潜んでいるのではないかという問いから出発し、

本校で取り組んでいる様々な活動が
つながり合い、重なり合って
グローバルリテラシーになっている
ということを結論としてまとめました。

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以下、スライドの抜粋を紹介しながら、
講演の内容を簡単に補足したいと思います。

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「学力」の3要素についてのまとめです。
特に、「表現」が、
過去の「技能」的な捉えから、
「思考・判断」と一体的なものとして
変化していることを強調します。

また、学力は知識・技能というカテゴリだけに
フォーカスするのではないことにも注意します。

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そのような「学力観」や、
時代の大きな変化への対応
などという視点から、
アクティブ・ラーニングの重要性が
指摘されています。

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アクティブ・ラーニングの推進と
グローバルリテラシーの育成は
根っ子の部分で繋がっています。

そのような観点から、
本校の特徴的な取組をいくつか示します。

➀60分授業の実施
これは、教科書を1ページでも多く進むため
ではなく、生徒の対話的な活動を
積極的に授業に取り入れるために
設定したものです。
アクティブ・ラーニングの実施と60分授業は
密接に関連しています。

②生徒の「自由研究」
総合的な学習の時間を利用した活動です。
この取組により、学び方、学ぶことの面白さを
生徒に身につけて欲しいという思いがあります。

また、全校をあげて行うことにより、
授業への波及効果、教員のマインドセットの変革も
期待しています。

尚、一昨日の文化祭で行われた
プレゼンテーションの様子を
スライドショーの動画にまとめたものを
観ていただきました。




③国際教育部会
本校は、来年度国際教育部会の全国大会を
運営することになっています。
国際教育の考え方を学ぶ中で、
本校の育てたい生徒像と関係があることが
見えてきました。
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④家庭クラブ
本校は家庭クラブの県の事務局校でもあります。
FHJの冊子から、家庭クラブの理念を調べると、
それは、アクティブ・ラーニングと同様な
ポリシーを感じます。
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これまで述べた取組の理念は
それぞれ、本校の育てたい生徒像を明確にし、
具現化していくものであると考えられます。

次に、本校の「黒橋魂」についてまとめてみます。
s-ロータリー07
本校のOBの先生方に
「黒橋魂」とは何かという質問をしたときの
まとめです。

これらから、本校生徒の「黒橋魂」を
次のようにまとめなおしました。
s-ロータリー11

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黒橋魂は本校生徒の「生きる力」
を示すものであり、
それはアクティブ・ラーニングの推進や
自由研究などの活動などによって
増幅されていくものと思います。


さて、9月9日に、本校は、
ホットスプリング市にある
ASMSAという高校と姉妹校提携を結びます。

ASMSAは、サイエンス&アートの視点から
世界をリードする人材育成を目指している高校です。

近い将来、環境問題など、
地球規模の問題や人類共通の課題について
両校が議論し合い、共同で研究する
チャンスが生まれることを私は夢見ています。

それは、両校の提携の一つのゴールであり、
未来型の高校の一つのモデルとして
世界に示すことができるのではないかと考えています。

最後に、一知半解ではありますが、
ロータリークラブの理念について、
次のようにまとめてみました。
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このようにまとめたとき、
これは、まさに、グローバルリテラシーであり
本校の「黒橋魂」「桜雲臺精神」
「りっぱな公民になる」という理念を
含むものであると感じました。

最後に次のような全体像を示し、
ロータリークラブの皆様に、
日頃の感謝を申し上げ、
私の話とさせていただきました。

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「1/f ゆらぎ」

昨日の桜雲祭で、
本校が「総合的な学習の時間」で行っている
「自由研究」の代表発表(「総学バトル」)
が行われました。

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「自分の気持ちはどのように作られるか」
について独創的な研究を行ったものや、
将来フリースクールの教師をやりたい
という思いを持ち、
その実現の可能性を求めた研究など、
印象に残る面白い発表がありました。

その中で、M君の「音のクスリ」という発表は、
音楽に「1/fゆらぎ」を入れることで、
心理的な効果を高めるというもので、
興味がそそられました。

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この発表を聴いて、
私が以前本校に勤務していた時に、
AO入試に向けての指導で、
カズヒサ君という生徒に
1/fゆらぎの話をしたことを思い出しました。

そのときに作った問答形式のプリントを
以下に紹介したいと思います。

あちこち怪しい部分はありますが、
まずは雰囲気だけでも掴んでほしい
という思いから作ったものです。


1 ゆらぎとは

T:今日は、1/fゆらぎについて私の知る範囲で、
 簡単な説明を行いたいと思います。

S:まず、「ゆらぎ」とは何なのですか。

T:そうですね。まず、そこから説明しましょう。
  「ゆらぎ」の研究の第一人者である、
 武者利光先生の言葉によると、
 『ものの予測のできない空間的、時間的変化』
 ということだそうです。

S:それって、でたらめな運動ということですか。

T:いや、「でたらめ」ではないのです。
 「でたらめ」と「規則性」の間の状態という感じですね。   
 例えば、時間と共に変化する数字の列があったとします。
  この列が、
 1,19,100,-3,34,77,-24,100,57,22,4, …
 というものだったら、  
 これはランダム(でたらめ)な列といえそうですが、
 1,3,5,7,9,11,13,15,17,19, …
 という数列だったら、これは第n項が   
 an=2n-1
 という一般項で表される規則正しい列です。   
 このような規則的な数列は、
 項の何番目でもその値を決定することができますね。   

 このような列を「ランダム系」に対し
 「決定系」と呼ぶことにしましょう。   

 さて、では次の数列はどうでしょう。

 1,3,2,3,4,3,2,1,2,3,4,2,3,2,7,6,5,5,2,3,4,5, …

 この数列には全体に適用できるような規則はありませんが、
 ランダムというカンジでもありませんね。
 「前の項に対し±1の変化を基本に、時々大きな変化も起こる」   
 ような数列です。このような数列は
 「ゆらぎ」といっていいのではないでしょうか。   
 このような数列の特徴として、
 現在の状態の直後は予測できるけれど、
 ずっと先はどうなっているかわからないということがあります。

 このような系を「ランダム系」「決定系」に対し、
 「複雑系」と呼ぶことにします。

S:つまり、ゆらぎとは、「規則性」と「意外性」が
 拮抗した状態といっていいのですね。   
 何か具体的なものを示してください。

T:一番よく例に出されるのは、そよ風ですね。
 そよ風は一定の強さではなく、
 強くなったり弱くなったりゆらいでいます。
 それから、小川のせせらぎとか、
 音楽も時間と共に音の高低や大小が変化しているので、
 ゆらぎとみる事もできます。
 人間の心拍数や体温の変化もゆらぎの一つですね。

2 1/fゆらぎとは

S:では、1/fゆらぎとはなんでしょうか。

T:まず、ゆらぎとは時間と共に変化するある量の状態なので、
 これを時間tの関数f(t)と表すことにします。
 このとき、そのゆらぎに関わる要素として
 「強さ(パワー)」と「周期性」に注目してみます。   
 例えば、f(t)が次のようなグラフで表された場合を考えます。

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(時間と共に変化する気温)

 この波は、以下の4つのサインカーブ、
 コサインカーブに分解できます。
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 y=sin2πt

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 y=-3sin4πt

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 y=2cos6πt

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 y=2sin10πt

S:つまり、
 f(x)=sin2πt-3sin4πt+2cos6πt+2sin10πt
 ということなのですね。 どのようにすれば
 このように分解できることがわかるのですか。

T:それにはフーリエ級数の考えを用いますが、
 その説明は後にします。
 ここでおさえて欲しいことは、
 ある区間内で書かれたどんなグラフも
 三角関数の無限和によって
 表すことができるということです。
 この考えはフランスの数学者
 ジョージ・フーリエによって示されました。
 さて、そうすると、先ほどの関数は、
 周期1 , 1/2 , 1/3 , 1/5つまり、
 周波数 1 , 2 , 3 , 5 の関数で表されます。   
 このとき、各周波数に対する波の強度をパワースペクトルといいます。   
 周波数をf、パワースペクトルをPとしたときに、
 P=1/fの関係が成り立つとき、1/fゆらぎというのです。
 つまり、周波数が2倍になると、パワーが半分になる、
 3倍になるとパワーが1/3になる、ということですね。

S:なんとなくわかったような気がするのですが、
 パワースペクトルというのはどのようにして求めるのでしょう。

T:例えば、波の強さとして、「振幅」を考えることができますね。
 上の例では、波の強さは順に1,3,2,2と考えることができます。   
 ただ、これはパワースペクトルとは少し違います。
 これも後でフーリエ級数のところで話しましょう。

S:少し難しいので、もっと簡単な例で説明してくれませんか。

T:そうですね。では、少し乱暴になるかもしれませんが、
 先日カズヒサ君と話したときの方法で説明しましょう。

3 1/fゆらぎの超アバウトな説明

T:ええと。では、バスケットボールの話しをしたいと思います。
 今、A君が、バスケットボールのフリースローを何度も行ったとします。
 入ったときを○、はずしたときを×とすると、
 時間と共に変化する1つの系列を作ることができますね。
 これを時系列といいます。   
 例えば、結果が、
 ○○×○×○××○○○×××○××○×○○×○○○○○×○×○××○
 という結果だったとします。
 これのゆらぎを調べてみます。
 まず、周期を無理やり導入してみましょう。
 ○○○…と、ずっと○が続くのを周期1とします。   
 また、○×○×…と、1回おきに○が起こるものを周期2とします。
 次に、○××○…と2回おきに○が起こるものを周期3としましょう。

 このように「周期」を定義すると、上の結果から、
 各周期ごとにその回数はどうなるでしょう。

S:つまり、周期1は、○○という状態が
 何回起きているか調べればよいのですね。      

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 上の表のようになりました。

T:ここで、周期sと出現回数Pをグラフに表すとどのようになりますか。

S:図の様になります(実際はx軸y軸は、s軸P軸となる)。
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 なるほど、P=1/sのグラフになっているので、
 これが1/fゆらぎということですね。

T:先ほどあなたが作った表が、
 いわゆる、周波数ごとの波の強さを
 スペクトル分解して分析したということになります。   
 そして、スペクトルの強さはここでは、
 「出現回数」ということにしましたが、
 一般にはパワースペクトル密度とよばれるものを
 計算することになるのです。

S:なるほど。そして、そのグラフを見ると、
 シュートをした人の特性がわかるのですね。

T:例えば、光は波ですが、太陽の光をプリズムを通すと、
 赤橙黄緑青藍紫の7色に分かれますね。
 光の色は波長(周波数)に対応するので、
 プリズムで投影された色の幅の太さが
 その波長の強さを表しています。
 太陽光の場合だと、色の幅が均等になりますね。

 このようにスペクトルを分析することで、
 様々な性質を知ることができるのです。   

 しかし、そよ風や、音などのゆらぎは、
 プリズムを通してスペクトル分析ができないので、
 周波数(振動数)と振幅を調べることで
 パワースペクトル密度を考えようというのです。

4 フーリエ級数

T:では、最後にフーリエ級数の話しをします。   
 先ほど少し話をしましたが、ある区間内で描かれた
 任意の(有界な)関数f(x)は、
 必ず三角関数を用いて表すことができます。    
 具体的には、
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 とあらわせます。   
 関数として式で表されなくても、
 例えば下図のような手書きの任意の図形だって、   
 三角関数で表されるのです。
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 さて、私達は、上のようなゆらぎのグラフから、
 どの周期の三角関数が、どれだけの強さで
 入っているかということが知りたいわけです。   
 ということは、f(x)内における、すべてのnに対しての
 sin nxとcos nx の係数を求める必要がでてきます。    

 ところで、ここで、とても素晴らしいことに、
 cos nx とsin nxとの係数、an , bnは、
 なんと、次の積分によって表されてしまうのです。

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  これをそれぞれフーリエコサイン係数、
  フーリエサイン係数といいます。

S:難しいですね。具体例で示してもらえませんか。

T:例えば、f(x)=3sin2x+2cosxという関数を考えます。   
  今、sin2xの係数である3を求めるには、  

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 を計算すればよいわけです。   
 実際、

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 となり係数3に一致しますね。   
 関数が不明のときも、数値のデータから
 区分求積の手法で積分計算していけば
 係数を決めることができるのです。

S:では、そうやって求めた an , bnから
 パワースペクトル密度はどうやって計算するんでしょうか。

T: 

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 を計算します。ただし、この値は、ある区間でのものですね。
 ですから、その区間の長さTで割って、

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 としておきます。f(x)はその区間をすぎても
 またグラフは続いていますので、
 また次の幅Tの区間で、同じように
 
yuragi14.png

 を計算し、それを平均したものを
 パワースペクトル密度とするのです。   
 この方法ではかなり時間がかかるので、
 実際はFFT(高速フーリエ変換)という手法で
 それぞれの周波数に対する
 パワースペクトル密度を求めていきます。


 

桜雲祭スタート 

本日から第47回桜雲祭が始まりました。

本日ご来場いただいた皆様、
ありがとうございます。

先日、一日体験入学の挨拶の中で、
花巻北高校の特長を「かきくけこ」で表現しました。

今回は、それにならって
桜雲祭の見所をまとめてみます。

「か」は感動です。

文化祭は感動の場です。
この日のために、生徒達が、仲間と共同し、
感動を生み出すための様々な企画を行ってきました。
生徒の主体的な行動が桜雲祭で
存分に発揮されることと思います。

主体的に行動すると、楽しい気持ちになります。
その気持ちが連なれば感動を生み出します。

来校される皆様も、その感動の輪の中に入って
一緒に楽しんでいただければと思います。

「き」は希望です。

今年のテーマは「Fly to the Future」。

高校は進路選択の場でもあります。
でも卒業後の出口だけではなく、
その先の未来を見据えて、
希望をもって前向きに取り組んでいる
生徒達の姿が、
桜雲祭で知ることができるでしょう。

文化祭の最大の展示物は、
希望に溢れるそんな生徒達の姿です。

「く」はクラブ活動。

吹奏楽部、合唱部、軽音部の演奏、
放送部、写真部、美術部、文芸部、
英語部、科学部の発表。
囲碁将棋部、茶道部の体験コーナー、
また、音楽、美術、書道、家庭科の
日頃の活動の成果も展示されています。

そして、花高応援団のステージも見逃せません。

生徒達の精一杯のパフォーマンスに
大きな声援をいただければ幸いです。

「け」は研究です。

体育館で行う「総学バトル」の他に、
今年度の新たな企画として、
全校生徒が取り組んでいる
自由研究のポスタープレゼンテーションを、
学校を壮大なポスターギャラリーにして
行うことにいたしました。

まだ研究の途中ではありますが、
生徒ならではのユニークな発想、
大学等と連携した研究など、
60本を超えるポスターが一斉に展示、
発表されます。ぜひ足をお運びください。

最後に、「こ」は国際です。

国際感覚、グローバルリテラシーを
身につけることは、
翻って、郷土の良さを見つめ、
発信していくことでもあります。

地球規模で考えつつ、自らが、
他者や地域のためにできる一歩を
踏み出そうとする花高生の志と、
「おもてなしマインド」が、
桜雲祭でも発揮されることと確信しております。

桜雲祭は明日も公開です。
多くの皆様のご来場をお待ちしております。

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「あなたと夜と数学と」開催

昨日は(もう一昨日になってしまいました)、
大井町の「きゅりあん」で、
「あなたと夜と数学と」のイベントを、
午後の部、夜の部の二部構成で
行わせていただきました。

きゅりあん画像齋藤02LT

きゅりあん画像齋藤03LT

きゅりあん画像齋藤01LT
(写真は齋藤みずほ先生のFBサイトからいただきました)


午後、夜の両方参加された方もいらっしゃったので、
内容を変えて、併せて約8時間にわたる
セッションになりました。

不思議ですね。

数学の話題になると、
何時間でも楽しく話をすることができます。

高校の数学の先生、情報の先生、大学の先生、
大学院生、民間企業の方、起業家、
小学生と彼のお母さんなど、
参加メンバーは多彩でしたが、
皆さん数学を楽しもうという気持ちが強い方ばかりでした。

そんな皆さんのおかげで、
澄み切って透明な対話空間が生まれ、
素敵な時間が流れていったような気がしました。

参加された皆さんありがとうございました。

さて、夜の部の最後に、
「賢い市民になるために」というテーマで、
次のような問いを取り上げました。

きゅりあん画像06

実際に、フェルトボールを使って実験したところ、
8組中3組が2個ずつに分けていました。

つまり、割合は3/8ですね。

さて、この問題の答はどうなるのでしょうか。

標本空間を

(0,4)(1,3)(2,2)(3,1)(4,0)

とすれば、(2,2)になる場合は、
5つのうちの1つなので
求める確率は1/5となります。

しかし、一方、フェルトボール1個ずつに対して、
Aさんが持つかBさんが持つかを
1/2の確率で決めていくと考えれば、
(2,2)の選び方は

4C2=6通りで、

それぞれの確率は
(1/2)^4=1/16なので、
求める確率は6/16=3/8ですね。

(以下参照)

①②・③④・・・1/16
①③・②④・・・1/16
①④・②③・・・1/16
②③・①④・・・1/16
②④・①③・・・1/16
③④・①②・・・1/16

さて、では1/5と3/8は
どちらが「正解」なのでしょう。

実験結果では3/8になりましたが、
それを正解としてよいのでしょうか。


ここで、皆さんとの話の中で導かれた結論は、
「どちらも正解とは言えない」ということでした。

つまり、「どのような決め方で分配したか」
によってその確率は変化するのです。

例えば、(0,4)(1,3)(2,2)(3,1)(4,0)の
5つのパターンを頭に描いて、
それらから
「どれを選ぶかを平等に(同様に確からしく)」
選ぶという行為によって分配すれば、
確率は1/5といえるでしょうし、

しかし、1個ずつ、ジャンケンでもしながら
どちらが持つかを決めていけば、
その確率は3/8になると考えられます。

そうです。

数学は「答えは一つ」ではなかったのです。

問題は、「どういう条件の下で」試行するのか、
「何を標本空間として捉えるか」
「何が同様に確からしいとみるか」
によって、答は変化するのです。

だからこれは、数学というより
心理の問題でもあるのかもしれませんね。

そうすると、このことは、
前提条件の決め方によって
結論をコントロールすることにも繋がります。

その流れで、この後、オックスフォード大の
マイケルオズボーン氏らの
「未来雇用(THE FUTURE OF EMPLOYMENT)」
についての話を取り上げました。

「今後10年から20年程で、約47%の仕事が
自動化される可能性が高い」


というアレです。


この話は、いろんな人が
新しい働き方について述べる時に、
引き合いに出すようになって久しいので、
今や耳にタコではあるかと思います。

因みに、これと並んで、
いまだによく出てくる話は次のものですね。

「子どもたちの65%は大学卒業後、
今は存在していない職業に就く」
(キャッシー・デビットソン)


「2030年までには、週15時間程度働けば
済むようになる」(ジョン・メイナード・ケインズ)



さて、巷で、当然の事実であるかのように

「今後、約47%の仕事がAIにとって代わられる」

とささやかれているわけですが、
それを真実とする根拠は何でしょうか。

彼がオックスフォード大という
権威に属しているからでしょうか。

そもそも、この話を語る人たちは
彼らの論文を読んだことがあるのでしょうか。

以前私は、彼らの発表に興味を持ち、
彼らの論文を読んだことがありました。

すると、それは、AI(人工知能)が
追いつけない知性について3つの指標を選び、
それに照らし合わせて702の職業に対して、
ソーティングをしたものに
過ぎないものだとわかりました。

その指標とは以下に示すものです。

オズボーン01

Perception and Manipulation task(手先の器用さなど)
Creative Intelligence task(創造的知性)
Social Intelligence task (社会的知性)

このような、AIが追いつけないような
仕事特性を3つに大きく分類し、その視点で、
職業のランキング表を作ったというわけです。

そのランキングの一部を抜粋したのが下の図です。

オズボーン02

消えてしまう職業は、
操作や技能一辺倒のものが多いようですね。
「マスマティカルテクニッシャン」が
消えてしまうのは気になりますね。

そういえば、今回の会に参加された沼崎先生に
「ウルフラムα」というサイトの
紹介もしていただきました。

これは、数学の高度な計算やグラフィクスなど
全部自動計算してしまう優れもののソフトウェアです。

これを手元に置いて数学の授業を行うとすれば、
従来の、公式や解法テクニックを教える先生は
いらなくなるかもしれませんね。

話しを戻して、今度は残る確率の高い
職業を見てみましょう。

「リクレーションセラピスト」
「ダイエッティティシャン」
「インストラクショナルコーディネーター」など、
人間の心理や態度、人生について
コンサルする職業が多いように思います。

でも、それって、当然だと思いませんか。

元々、彼は「創造的知性」「社会的知性」などの
要素を数量化し序列化するという「前提」で
この分類を行っているわけですからね。

だから、彼によって導かれた結論は、
あくまで彼の前提の下のものであることに
注意しなければなりません。

さて、私は、今回の、この活動を通して
言いたかったことは2つあります。

一つは、フェルトボールの確率の問題同様、
最初の前提、条件設定の仕方次第で、
結論は如何様にも変わるものであること。

だから、そこで出た結論に「なぜ?」を唱えることなく
「○○なんだってよ」と
付和雷同しない方がいいということです。

それは、しばしばマイノリティに対するバッシングや、
権威への盲従になってしまう可能性があるからです。

ですから、つねに「なぜ?」を唱え、
批判的に見つめようという、
数学的態度が私たちには
必要ではないかということです。

もう一点は、マイケルオズボーンの視点です。
彼は、最初から「知識や技能を機械的に、
一方的に教えることでは道がなくなる」
ということを警鐘しようとしていたのではないか
と私は思うのです。

そして、これからの仕事は、
創造的知性や社会的知性などが
必要になるということを、
世界に示そうとしてこのような研究発表を
したのではないかとも思うのです。

うがちすぎかもしれませんが。

そういう意味で、
「47%がなくなる」という
ショッキングなキャッチフレーズが踊ることは、
創造的知性・社会的知性の必要性を説いていくには
十分に効果的であると思うのです。


さて、オズボーン氏の
消えない職業のリストを見ながら、
今回、このようなイベントを企画され、
私の背中を押してくださった
キャリアクエストの齋藤 みずほ先生のことを
思い出しました。

みずほ先生には、この会のプランニングの
一切を行っていただきました。

スカイプカウンセリングで私の思いを吸い上げ、
FBを効果的に使い、
集客や事前の学びの場をつくるなど、
様々な取組を企画され、
ブランディングしていただきました。

優れたコーディネーターとは、
企画力・判断力・決断力と、
「つなぐ力」を持った人物なのだと思います。

そして、その根底に、人をもてなす心遣いや、
他者をエンパワーする思いがあることが、
まさにオズボーン氏が指摘する、
AIと共存しつつ、未来をリードしていく
プロフェッショナルなのでしょう。

そう。それは、まさに、みずほ先生のように。

きゅりあん画像齋藤05LT

きゅりあん画像齋藤04LT



 

大和町での講演より

今日は宮城県大和町で
小中学校の先生方への講演を行いました。

大和町は人口3万人の町ですが、
そこにある全小中学校の先生方
160人が参加されていました。

私は高校の教師なので、
義務教育の先生方へのアクティブラーニングの話しは
かみ合わない面もあったかもしれません。

でも、ALのムーヴメントが、
このような校種の垣根を越えた交流を生み出しているのは
非常に良いことではないかと思いました。

いろいろなお話をしましたが、
その中から3つほどブログで取り上げておこうと思います。


1 夢と手段という側面からALを語ってみる

以前、このブログで、植松電機専務の植松努氏の、
以下の様な夢と手段の話を紹介しました。

「自分の夢が、夢か手段かを判断するためには、
その夢にプランBがあるかどうか考えてみるとわかります。
プランBが思いつかない場合、
それは夢ではなく手段であり、
その向こう側に夢がある」


例えば、植松氏は、
医者になりたいという子どもに対して、
次のように問いかけます。

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「なぜ」を掘り下げることで、
夢は医者になることではなく、
「人の命を救うこと」という言葉を導き出したのですね。

つまり「人の命を救う」という夢に対しては、
いくつものプランが存在するのです。

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この話を、アクティブ・ラーニングに
当てはめて考えてみましょう。

yume-uematsu03.png


今、「アクティブ・ラーニング」を、
「子どもたちが主体的に学びに向かうこと」と定義します。

これは、教師の夢(目標)かもしれません。

そして、それを実現するためには、
いくつもの手段が考えられます。

例えば、発信する場を設ける、
グループでの学びあいを配置する、
課題研究活動を行う、
学びを深める問いを立てる、等々。

これらは、アクティブ・ラーニングではなく、
アクティブ・ラーニングが実現するための手段です。

ところが、多くの教員は、
その手段そのものをアクティブ・ラーニング
と感じているのではないでしょうか。

2 ALの視点・論点

日本型ALは、トップダウン、草の根運動など、
百家争鳴の中で議論百出の様相を呈しています。

私は、ALが語られる中で、
その定義が何であるかに拘泥するよりも、
学校を変革する、教師のマインドを変える、
学校経営に位置付ける、総がかりで行う、自分事とする、
という骨太の理念が
生まれつつあることの方に興味があります。

ALの論点

3 足し算ではなく、引き算でALを語る

毎日ALを行うのは大変だ、という話がよく聞かれます。

それは、従来のマインドセットはそのままで、
新たに、新奇な活動を
組み入れようとするからではないでしょうか。

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私は、アクティブな学びの状態とは、
「普通の状態」「健全な状態」であると思います。

つまり、教師が手を加えて、
何らかの状態に持っていく「足し算」ではなく、
無意識のうちに、生徒の健全な状態を殺いでしまう
教師の言動や教育システムを
「引き算」すると考えればいいのではないか。

例えば、アリバイづくり的問い、
強迫的な発問をやめてみる。

TMTT(too much teacher’s talk)にならないよう、
教師のしゃべりの時間を管理してみるとか。

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(引き算した上にビルドされた新しいマインド)



教えるとは、知識を生徒に与えることではなく、
生徒がはじめからわかっていることを、
自分自身で掴み取るように導くことと私は考えたい。



最後に一つ今日ちょっと思ったこと。

私たちが、私たち自身の病巣に気づいていないことが、
ALが進展していかない理由なのかもしれない。


いつか時間があれば、
講演の全体をまとめておきたいと思います。

 

全国国際教育研究大会

今日から第53回全国国際教育研究大会
(高知大会)がスタートしました。

高知大会02

受付に来てまずびっくり。

参加者全員に配られたお土産がこれ。

高知大会07

高知大会04

高知大会08


春野高校が作った手作り濃縮ジュースに、
伊野商業高校の「土佐和紙同好会」が
作った和紙のメッセージカードが
添えられています。

更に、追手前高校が提供した英字新聞で、
春野高校の生徒達が手提げバックをつくる
というコラボ企画だそうです。

受付にいた伊野商業高校のメチャ明るい生徒。
ブログへのアップ快く承諾してくれました。

高知大会06


高知県は今、県全体が家族であるということで、
「高知家」というキャッチコピーを流通させています。

そんな高知の先生方の「おもてなし」の
心意気に本当に感心してしまいました。

今日は、英語弁論9本と、
日本語弁論8本のスピーチが行われました。

どの生徒も素晴らしかったですが、
特に、印象に残ったのは、
茨城県立竹園高校の高橋さんの
シリア難民についての発表。

説得力のある、思いのこもった語り口。

最後のセンテンスで、胸が熱くなりました。

Living in a world of technology we have lost our ability
to understand humanity, and as a consequence,
the people in places like Syria are losing their lives.

We must go back in time -70 years- to the point in history
where people actually helped each other.

We must rediscover the meaning of the word “compassion”
and put an end to this global refugee crisis.

The time to change is now.
The time could not be more critical.
It’s time to give our tomorrow for their today.


70年前の戦後の人々の姿、世界の対応が、
シリアなどの難民問題を解決する糸口がある、
という彼女の主張に共感しながら、
ふと未来と過去を反転させて考えてみたら、
大野高校のことを思い出しました。

大野高校のような危機に面している地域が、
存続を求めて、工夫を凝らすことは、
日本の未来の学びを前向きに展望していることと
等価なのだといっていたことを。

なお、高橋さんの弁論は、
文部科学大臣賞を受賞しました。

日本語発表では、外務大臣賞を受賞した、
和歌山県の橋本高校の
アンさんの話がとても面白かったです。

彼女は、J-POPがきっかけで、
日本に興味を持ち始めたそうですが、
その後、日本の和歌や方言に触れたことで、
日本語の良さを掘り下げ、発見していきます。

その過程がとても面白く語られました。

私が、なるほど、これは鋭い視点だなあと
感心した部分はこちらです。

世界の殆どの国は、「サランヘヨ」「I love you」みたいに、
「あなたが好きです」といいます。
ここで、気づいた方はいませんか? 

そうです。日本では「あなた」じゃなく
「あなたのこと」が好きなのです。

私は、この言葉を思うと、相手が好きすぎて、
相手だけじゃなくて相手の隣のことまで
好きになっちゃった感じがします。

そう考えると、この言葉が
好きにならずにはいられません。


この日の夜行われたレセプションの
中締めの挨拶を頼まれたので、
早速使わせていただきました。

高知の人のおもてなし文化にふれ、
高知が好きになりました。いや、間違えました。
高知の「こと」が好きになりました。


何と、大うけでした。
やっぱり皆さんも、彼女の発表の
この部分が気になっていたのですね。


高知県民は日本一お酒を飲むのだそうです。
キリンビールの消費量も日本一。

高知大会05


発表の後の生徒交流会も、さすがに皆さん、
共感力を発揮しあって、
初対面なのに一瞬で意気投合していました。

高知国際09


明日の最終日、また新たな出会いや
発見があるかと思うとワクワクしますね。

 

東大イノベーションサマープログラム

8月11日には、遠野市の
「遠野みらい創りカレッジ」で行われている、
TISP(東大イノベーションサマープログラム)
に出かけました。

遠野みらいCRLT


これは、東京大学i.schoolが提供する
イノベーション教育を、
東大生と世界中から選抜された大学生とともに、
遠野の高校生が学びあうという
画期的なプログラムです。

これまでは遠野市内の高校に通う生徒を
対象に行っていたのですが、
今年から、花北も仲間に入れて欲しいと頼み込んで、
9名の遠野出身の本校生徒の参加が実現しました。

10名の東大生と、10か国から選ばれた
10名の海外の大学生とともに
「地域の発展のために何を創造するか」
というテーマでフィールドワークを行いながら
問題提起をします。

この日は、中日で、高校生による
プレゼンテーション+ショートスキットが行われました。

特に面白かったのは、
「地域活性化のために先生に
問題解決を学ぶ機会を提供する」というもの。

スキルを身につけた生徒が、先生となり、
教師を育てる体験プログラムを提供することで、
内向きの教員の意識を変え、
一方的な授業から双方向的な授業に変革させるという、
アッと驚く企画。

いやあ面白かった。

もう皆さんに動画を観て欲しいですね。

発表後、いきなり感想を求められたので、

Very interesting!
Teachers must change.
This is real flipped classroom.

と話しました。

9月24日にも同じ場所で、
彼らの発表が聴けるかもしれません。

実はこの日の朝、フェイスブックのやりとりで、
かつての花北時代の教え子である、
ひろっちこと立花君が遠野に帰省することを知りました。
私が出かける「遠野みらい創りカレッジ」は、
旧土淵中学校で、彼の母校でもあります。

そんなわけで、連絡を取り合い、久しぶりに再会し、
一緒にTISPを参観しました。

彼は、花北時代生徒会長で、
あらゆることに積極的にチャレンジし、
常に「より良くしよう」精神を発揮する生徒でした。

「高校生クイズへの参加」
「数学愛好会の活動のサポート」
「八幡平球場までの夜間歩行」

など、本当に高校生活をエンジョイしていましたね。

彼は、一橋大を卒業後、日本銀行に勤務し、
日本経済を「より良くしよう」と頑張っております。

久しぶりに話し、更に彼の家にもお邪魔し、
お父さんお母さんとも楽しい一時を
過ごすことができました。

ありがとうございました。

ひろっち01




 

図書コーナー夏休みも営業中

T先生の図書コーナー、夏休み中も営業中です。

8月9日、東京から学校に戻ったら、
戦争関係の図書に変わっていました。

図書コーナー戦争


6日、8日は広島・長崎の原爆の日、
15日は終戦の日です。

絵本「花巻がもえた日」の作者、加藤昭雄さんは、
既に定年退職されましたが、
高校の教員で、
岩手高教組の執行委員を長くやられ、
私が青年部長をしていたとき、
本部でご一緒させていただきました。

彼は現在も、花巻をはじめ、岩手県内を
くまなく歩いて戦時中の実態調査を行い、
たくさんの本を出版されています。

実は彼は、京都大学で数学を学んだ、
キレキレの数学の先生でもあります。

T先生、暑い夏の中、3年生の課外を
精力的に行いながらの、図書コーナー。

いつもありがとうございます。

 

吹奏楽部「金メダル!」

全日本吹奏楽コンクール第54回岩手県大会が
8月6日に県民会館で行われ、
本校が金賞を獲得。東北大会出場を果たしました。

何と、金賞受賞はこれで12年連続となりました。

なお、東北大会出場校は、本校と、
黒沢尻北高、専大北上高、盛岡三高の4校です。

吹奏楽部は、広島で行われた
全国高総文祭帰りの厳しい日程の中でしたが、
一致団結しての見事金メダル!

おめでとうございます。

9日に、学校に行った際、吹奏楽部の生徒を
見つけたので写真に納まってもらいました。

花北金賞吹奏楽部


東北大会は27日岩手県民会館で行われます。

吹奏楽部の更なる飛躍を期待しています。

 

「体験は知識を深める」

8月5日に自由ヶ丘で行われた産能フォーラムでは
「深い学び」について話をいたしました。

それについては、後でまとめておきたいと思います。

実は、その2日後に、千葉工大で行われた
数学教育協議会の全国研究大会で、
琉球大学の伊禮三之先生から
興味深いお話を伺いました。

それは次の様なものです。

数学の公式や、解法パターンなどの知識記憶は、
文脈が変わると引き出しにくくなるような
潜在的なものである。
それを、引き出しやすいものにするには、
操作活動などを通して、
経験記憶化することが必要である。


また、この日の記念講演会では、
三重大学名誉教授・岐阜聖徳学園大教授の
上垣渉先生から
「教師であるための授業づくり七か条」
というテーマでお話がありました。
その中で、
言葉で理由を説明する活動の意義として、
コミュニケーション力の向上、
論証に進む第一歩であるとともに、
人に説明することで、
「内容のより深い理解に進む」
ということが話されました。

これらの話を聞いて、
なるほどと思い当たることがありました。

それは、以前、某人物が、ある会見で

「女性にサインコサインを教えて何になるのか」

という話をして物議をかもしたことに関するものです。

その発言者は、釈明として次のように述べています。

私もサインコサインというのは人生で1回使いました。
「私の足がもし15cm長ければ、
私はボルトぐらいのスピードで100mを走れます。」
ということで、一歩一歩、凄い回転が早ですからね。
そのときぐらいしかサインコサイン使っていないよね、と。


私は、最初この話を聞いたとき、
「?」が頭を駆け巡りました。

「足が15cm長ければボルトと同じスピードで走れる」
という、どう考えても荒唐無稽と思える話題を
持ちだしたことに対する疑問です。

でも、同時にわかったことがあります。

彼は、三角関数の公式なんかは、
きっと覚えていないけれど、
誰かが円運動と三角関数を絡めて話したと思われる
ボルトのエピソードだけは、
しっかり「取り出される記憶」に入っているんだ、
ということでした。

三角関数の知識は記憶に残っていなかったけれど、
余談的に話されたことは(曲解されてはいるが)
しっかり残っているわけですね。


さて、私はその後、今度は「教具展」で
折り紙サークルの方から、
とても面白い話を伺うことができました。

それは、1枚の紙を5等分する技法です。
(その技法は後で説明します)

その数学的な手法に感心していると、
折り紙界では常識であるとのことで、
更にびっくりしました。

折り紙業界、あなどれん。

私は、この日の翌日、茨城県の数学部会で
講演を行う予定になっていたのですが、
急遽、この折り紙の話を、数列の漸化式とからめて
「深い学び」の話の中で取り上げることにしました。

以下にそれを示したいと思います。

5等分だと煩雑なので、
簡単のために、3等分で説明します。


「A4の用紙を三等分にする」

という問を立てます。

ここで、折り紙サークルの方の手法は次の様なものです。

まず、任意に、三等分と思われるところを折ります。

これをPとします。
つまりP1が第一の三等分点候補です。

三等分01
かなりテキトーにとりました。

ここで、AP1を二等分し、Pを決めます。

三等分02

P2は第二の三等分点候補です。

今度は、PBを二等分して、Pを決定します。

三等分03

P3は第三の三等分点の候補です。

これを繰り返すと、数回で、同じ点に一致します。

三等分04
APを二等分

三等分05
Bを二等分

三等分06
APを二等分

三等分07
Bを二等分

どんどん収束していきますね。
(五等分の場合は、二等分するところを
四等分(半分の半分)にすればよい)

このような、再帰的な操作は、
漸化式を用いて表現することができます。

PB=a1 
AP2=a2 
P3B=a3
AP4=a4 ・・・

とすると、次のような漸化式が成り立ちます。

漸化式01

この漸化式から一般項を求める過程を
意味づけしてみましょう。

漸化式02


特性方程式から1/3を求め、
両辺からこれを引くことで、式を整理しています。
これは、三等分点からの差を評価する式です。
誤差が前の項の半分に縮まることを示しています。


初項をaとして、一般項を求めます。
nが大きくなると、三等分点からの差が
0に近づくことが直感的にわかります。


つまり、nが大きくなるとa
1/3に収束していくことが納得できます。


漸化式から一般項を求める技法は、
授業の中で繰り返し強調されます。

でも、そのようにドリルだけで叩き込まれた知識は、
その後、恐らく忘れ去られてしまうでしょう。

もしかしたら「漸化式なんて教えて何になる」
といわれてしまうかもしれません。

しかし、このような操作活動を経験することで、
漸化式を立てる意義や、
数学の良さが理解されると考えられます。

つまり、たとえ漸化式から一般項を導く過程を忘れても、
紙を折って三等分点を導いた経験は、
確かな記憶として身体化されていくのではないでしょうか。

それは、「生きて働く深みのある知識」として、
その人の人生を豊かにするものと私は思うのです。


 

アクティブラーニング実践Ⅱ

「アクティブラーニング実践Ⅱ」が
産業能率大学出版部より出版されました!

AL実践2LT


8月4日に産能フォーラムの会場で
いただきました。

私は第1章を担当しています。
55ページほどです。

この章末に、数学の授業実践例を
いくつか入れておりますが、
41ページにミスがありました。

中ほどにある、挑戦問題の(2)が

「10100+11100を7で割った余り」

となっておりますが、正しくは

「10の100乗足す11の100乗を7で割った余り」
です。

後ろ3桁が指数表示になっていませんでした。

このブログ上でも訂正させていただきますので、
もし購入された方はご確認ください。

よろしくお願いいたします。

アマゾン→★★


 

桜雲同窓会総会

8月6日は、朝、東京を出発し、
花巻のグランシェールで行われた
花巻北高校同窓会総会に出席しました。

翌日の10時から千葉工業大学で
数学の講座を行わなければならないため、
総会後の懇親会をぎりぎり17時30分で退席し、
18時の新幹線に飛び乗り
再び東京に戻るという忙しい日程でした。

総会では、先日一日体験入学で話した、
花巻北高校の目指す「かきくけこ」の話をいたしました。

か=感動 感動を味わう場

き=希望 生徒の希望をかなえる場

く=クラブ活動 クラブが活発な学校

け=研究 自由研究活動など、
   生徒の主体的な学びに力を入れている学校

こ=国際 海外の高校との連携など、
   国際教育に力を入れている学校

講演は、東京桜雲会会長の小原之夫氏から
「気候変動問題をめぐる新たな動き」というテーマで、
環境対策から地方創生に向けてという視点で、
貴重なお話をいただきました。

私は、花高生の桜雲臺精神とは、
広く社会を見つめ、問題意識を持ち、
その解決を目指しながら地域郷土に
貢献していくことでもあると考えています。

そのような意味で、今回の講演は、
本校にとってたいへん意義のある内容でした。


桜雲同窓生でもある上田市長さんと
隣り合わせとこともあり、

アメリカのSTEM教育の先頭を走る高校
ASMSAとの姉妹校連携や、

地域における中高の学びの連携の場の設置について、
今、私が構想していることについて
お話をさせていただきました。

市長の熱い思いを受け取ることができました。


花巻病院院長で、
第26代応援団長である後藤先生から、
第1期生の高橋圭三氏が自作したマントを
贈呈していただきました。

高橋圭三マントLT

高橋圭三氏は、若い方はご存知ないかと思いますが、
紅白歌合戦の司会を9年連続つとめていたこともある、
有名なアナウンサーです。


途中で退席して大変申し訳ありませんでした。

桜雲同窓会のますますの発展をお祈りしています。

同窓会20160806



 

竹内先生と対面

産能大フォーラムでは、名城大の
竹内先生ともお会いすることができました。

そして、フォーラム後、先生から、
フェイスブックで、
身に余るお言葉をいただいております。


実は、今回のプレゼンでは、
竹内先生から朝にフェイスブックで、
私のプレゼンに関して
貴重なメッセージをいただきました。

速攻でスライドに使わせていただきました。

竹内先生の数学や教育への熱い思い、
ボーダーレスの行動力(これ大事!)、
思慮深く本質を見極めるところ、
いつもリスペクトしています。

FOCUS GOLD通信を読むと
そんな先生の思いがビンビン伝わります。

いつか花北にお呼びして、
数学の講座をして欲しいと思っています。

ありがとうございました。


産能2016-04LT


 

産業能率大フォーラム

8月5日は、充実のフォーラムでした。
今年の参加は400人近くとのこと。

産能ポスターLT


オープニング講演は和田美千代先生。

「教育をどげんかせんといかん」という情熱と、
その思いを行動に移すブルドーザーのよう
な実践力と行動力。

でもそこに、人への深い愛と優しさが
満ち溢れているのが先生の魅力ですね。

教師みんな「心に一つの和田美千代」を!

授業はいろいろな教室をつまみ食い的に
参観する形になりましたが、
さすが全国の名だたる実践家、
どの授業にも「主体的で対話的で深い」
学びが起きていました。

地理は岩手県総合教育センターの
鈴木徹先生です。

産能鈴木

鈴木先生は、昨年大野高校で行った
リアス海岸についての授業を
リメイクして実施されていました。


最後のセッションでは、
溝上先生、私、小林先生、鈴木先生の順に
15分のショートプレゼンテーションを行い、
その後、質問に答えるかたちでの
パネルディスカッションを行いました。

産能2016-01LT

産能2016-02LT

産能2016-03LT


私の話した内容は後日アップしたいと思います。


このフォーラムが10回という長きにわたり、
継続・発展していることは、
産能大の学生も含めたスタッフ全員が、
「他者を光らせる」という思いを
共有しているからだと思います。

全国で活躍するホンモノの実践家や理論家を掘り出し、
そして、共創の輪を広げ、
次世代のリーダーを創り上げていく。

素晴らしいですね。
あらためて敬意を表します。

学生スタッフの何人かに、

「ありがとうございます」と挨拶されました。

「え、何のこと?」と聞くと、
朝の準備作業の時に、
産能大の入試企画部の渡邊道子さんが、
私が2年前に書いたブログを
朗読してくれたとのこと。

その記事に自分たちは嬉しくなり、
先輩に負けないように頑張ろうと思った、
と言われていました。

その記事はこれです→★★

産能フォーラムは、利他の心をもって、
他者を光らせながら、
実はそのことによって、学生を育て、
自分たち組織を強靭なものにしているのですね。
林巧樹さんはじめ、
産能大の皆様お疲れ様でした。

ありがとうございました。

一日目一杯勉強して、
その後の懇親会も大変盛り上がりました。

産能2016-07LT
ようやく会えた!立命館守山高の倉本さん。
写真は永島宏子さんのFBからいただきました。

産能2016-05LT
皆川さん。コーディネートお疲れ様でした。

産能2016-06LT
二次会も本当に盛り上がりました。
筑波大のさっちゃん、神戸のうっちー、鈴木徹さん。







 

石川県数学部会で講演

さて、8月2日から続いている講演会行脚は
今日で一応前期の日程を終了しました。

これからブログに少しずつ
思い出しながら書いていきたいと思います。

もう大分前のことになってしまいましたが、
8月4日に、石川県高等学校教育研究会数学部会総会で
講演させていただきました。

110分間という時間で、ワークや突撃インタビューなども
いきなり行いましたが、
皆さんアクティブに応じていただきました。

ありがとうございました。

ところで、私は、前夜、ホテルで
「数学における深い学び」について
追加スライドを作っていました。

講演では、文科省の言う
アクティブラーニングのキャッチフレーズである
「主体的、対話的で深い学び」の
「深い学び」を、表現を変えて
「○○○学び」とするので乞うご期待、
みたいな、もったいをつけて
ブログで発信したところ、
金沢大学の杉森 公一先生が、
朝方に、フェイスブックで4つの予想を立てて
記事をアップされました。

いやあ、素晴らしい素晴らしいと、
早速彼の4つの学びを、
講演のスライドに活用させていただきました。

深い学び杉森LT


そうしたら、何と、講演会場で、
一番前の座席に彼が座っているではありませんか。

昨日東京工業大で講演した後、
わざわざかけつけてくださったとのこと。

彼はALの論客で、
私が遠慮なく、リミットを外して議論できる
数少ない仲間の一人です。

初対面でしたが、旧知の仲のように感じました。
彼の統計の著書もいただきましたが、
チラ読みし、瞬時に、これはすぐ活用できる!
と、ビビッときました。

杉森献本LT


本当に感激の金沢2日間でした。

感激と言えば、講演後にいただいた
昼食のお弁当がとても豪華。

加賀100万石の重みを感じる、
それは美味しいお弁当でした。

加賀弁当LT


石川県数学部会長、事務局の皆様
お世話になりました。

ありがとうございました。


そんな金沢を後に、産業能率大セミナーのために
一路東京に向かいました。

産業能率大に着いたら、フォーラム主催者の林さんが、
私の顔を見るなり、「これ試してみて」と、
ファイテンのチタンテープをたくさんくださいました。

チタンテープLT


私がフェイスブックに、
腰痛で苦しんでいる記事を書いていたため、
気にかけてくださっていたのです。

ありがたいことです。

さっそく膝、腰に貼っています。

以来、今のところ、うそのように痛みがありません。

その後、明日の登壇者を中心に打合せと懇親会。

全国で活躍する一騎当千の実践家と出会い、
交流を深めることができました。

前川さんより
上の写真は熊本の前川先生からいただきました。



 

金沢での講演から一路東京に

昨日は10時から110分にわたり、
石川県数学部会でお話をさせていただきました。

テーマは
「主体的、対話的で深い学びを目指す
数学の授業」

ワークやインタビューなども
いきなり行いましたが、
皆さんアクティブに応じていただきました。

ありがとうございました。

ところで、私は、一昨夜、
「数学における深い学び」について
追加スライドを作っていました。

「深い学び」の表現を変えて
「○○○学び」とするので乞うご期待、
みたいな、もったいをつけて
ブログで発信したところ、

金沢大学の杉森 公一 先生が、朝方に、
フェイスブックで、
4つの予想の記事をアップされました。

いやあ、素晴らしい素晴らしいと、
早速彼の4つの学びを、
講演のスライドに活用させていただきました。

深い学び杉森


そうしたら、何と、講演を始めたら
一番前の座席に彼が座っているではありませんか。

昨日東京工業大で講演した後、
わざわざかけつけてくださったとのこと。

彼はALの論客で、私が遠慮なく、
リミットを外して議論できる
数少ない仲間の一人です。

初対面でしたが、旧知の仲のように感じました。

彼の統計の著書もいただきましたが、
チラ読みし、瞬時に、これはすぐ活用できる!
と、ビビッときました。

杉森献本

本当に感激の金沢2日間でした。

感激と言えば、

講演後にいただいた昼食のお弁当がとても豪華。
加賀100万石の重みを感じる、
それは美味しいお弁当でした。

石川研修弁当


そんな金沢を後に、一路東京に。

今度は産業能率大です。

昨夜は、打合せと懇親会で、
またまた嬉しい出会いがありました。

産能大フォーラムの一番の宝はやはり「人」ですね。

企画・運営をしなやかに行う産能大の職員の方々、

献身的に活動する学生スタッフ、
全国から集まる志の高い人たち、

今日はまた、どんな出会いがあるか、楽しみです。

産能フォーラム準備


 

「数学科における『深い学び』について」

今、金沢のホテルで、
明日のスライドを作っています^^。

というのは、つい先日、
「数学科における深い学びとは何か」、
「パワフルな問いの具体例を」
といった受講者からの事前質問があったとの
連絡をいただいたので、
それに対するスライドを追加しようと思ったからです。

せっかくですから、反転型にして、
今、私が考えている
「数学科における深い学び」について、
このブログにもあらかじめ
まとめておきたいと思います。

<数学科における深い学びとは>

fukaiimanabi.jpg

現在、文科省はアクティブ・ラーニングの
キャッチフレーズとして
「主体的、対話的で、深い学び」と謳っている。

「深い学び」という言葉は、
アクティブ・ラーニングが進展する中で、
「活動ありて学びなし」「這いまわる経験主義」
といった疑問や危機感が、
現場サイドからの声として出始め、
アクティブ・ラーニングはディープであるべきとの
合意が形成されていったからではないかと推察している。

では、「深い学び」とはどのようなものであるか。

私は、これを、大学入試や模擬試験の偏差値に
評価軸を求めるようなものではないとしたい。

また、基礎・基本に習熟した先に、
初めて「深い学び」が起きるものでもないとも考える。

私は「深い学び」を導くキーワードとして
以下の3点をあげておきたい。

1 モチベーションとインタレスト

やる気と興味を喚起するような教材を工夫する。
興味関心が増幅することで、
自ら発展的に学ぶ態度が育まれる。

2 有用性と活用

現在習っていることが、
自然現象や社会現象に現れていることを示す。
また、数学が社会の中で役に立つこと、
数学の良さを伝える。

3 つながりと発展性

現在学んでいる内容と、
小中で学んだ既習事項とのつながりを示す。
また、それがどのように応用されるかという
発展的な学びを展望する。

更に、歴史的な背景を垣間見せること、
他教科の内容との関連を示すこと、
別解を考えたり、断片的な知識を構成して
新しい知見やアイデアを生み出すことなどが考えられる。



そういうことを踏まえて、「深い学び」ではなく
ちょっと表現を変えてみたいと思います。

「深い学び」→「深く豊かな学び」→「○○○学び」
最後の○○○は当日お話します。

 

免許更新講習

昨日は、午前中は免許更新での講演会、
午後は「夢ナビ」(FROM PAGE)の取材、
夜はスカイプでの打合せと
盛りだくさんな一日でした。

夢ナビ取材では、
私が数学科教師になったいきさつや、
落ちこぼれの大学時代など、
私が深層に追いやっていたことまで
思わず語ってしまいました。

免許更新講習では

「生徒が夢をもち、かなえるために教師ができること」

というテーマで講演を行いました。
その中で「学力を磨く」というところに力点を置きました。

免許更新AL04

スライドの中からいくつか紹介します。

因みにこのスライドは、
明後日の産業能率大フォーラムの
パネルディスカッションでも用いる予定です。

最近私は、アクティブ・ラーニング(AL)について、
先生方ではなく保護者や生徒、
地域の方々に話をすることにしています

その中で使っているのが次のスライドです。

免許更新AL01

「アクティブ・ラーニング」とは、
従来の授業と異なる、
特別な「Somethin' Else」を
教師が与えるのではないということ。

そうではなく、生徒達が主体的に学びだすことが、
アクティブ・ラーニングの本来的な意味であり、
主語は「教師」ではなく「生徒」だ、
ということを保護者や生徒に力説しています。

そこの理解から入っていかないと、
いつまでも、頑迷なAL否定派の、

「ALは賑やかし」
「ゆとりの復活」
「講義の否定」

という定番の主張を
乗り越えることができないと思うのです。

さて、では、生徒がアクティブになるとは
どういう状態をさすのか、
そして、そのような状態にするために
教師はどのようなことをすればよいのか、
という問を立て、
ペア→グループでディスカッションを行いました。

免許更新AL02

その結果については、
明後日のフォーラムでお話したいと思います。

もう一つ紹介します。

免許更新AL03

これは、子どもたちは、
どのようにして学びだすか
というテーマでまとめたものです。

先月、筑波大学のさっちゃん(五十嵐先生)
とのやりとりの中で出てきた話をまとめたものです。

生徒が学びだす原理として、
「~のためになる」「~に役立つ」
「そうしないと~になる」
という「意味や損得」が考えられます。

ちなみに、さっちゃんは、
「~に役立つ」を「餌づけ」、
「そうしないと~になる」を「脅し」
と言い換えていました(笑)。

教師は往々にして、
このような視点で生徒を学びに導こうとします。

すると、そこで行われるのは
教師の一方向的な注入型の授業、
あるいは、細かい指導計画に基づいた
戦略的なアプローチが考えられます。

例えると、嫌いなものを、
良薬口に苦しで無理やり食べさせるか、
何とか食べやすくしようと
料理を工夫するということかもしれません。

でもそれは、教師と生徒の間に
「学びとは教師が与えるもの」
「勉強とは本来やりたくないもの」
というコンセンサスが
出来上がっているようにも思えます。

そういった文脈の中でALは、
「学習定着率を高めるための手法」とか
「大学進学に応えるためにディープであるべき」
といった方向でしばしば語られだします。


さて、子どもたちが学びだす動機は、
実はそのような餌づけや脅しではなく、
意味・損得抜きで、
「やりたいから」「楽しそうだから」「面白いから」
というものであるはず、と視点を変えてみます。

そんな生徒の思いは、
恐らく教師の「学びとは楽しいもの」
「教えること・教科が好きでたまらない」
という思いとシンクロし、
生徒が主体的に動くという
「真のAL」に向かっていくのではないでしょうか。

この話をしながら、
教育センターの方々の前ではありましたが、
少し皮肉を言いました。

それは、岩手県の免許更新のシステムです。

岩手県は、免許更新が
教員研修プログラムの位置づけになっているので、
各自が、受けたい研修を自発的に選ぶのではなく、
県教委によって準備されている
研修のレールに沿って受講する形になっています。

そんなわけで、免許更新は出張扱いで、
無料で受講できるわけです。

他県の先生から羨ましがられることもよくあります。

しかし、一方、学びの動機としては、
自ら「受けてみたい講座だから」
という自発的な思いからではなく、
「悉皆研修として受ける年齢にさしかかったから」、
つまり「そうしないと~になる」
という受け身型の動機であるとも言えます。

初任者研修が導入されたとき、

「今の若い人たちは幸せだ、
こうやって行政が研修を準備してくれる」

とよく言われました。

でも、本来は、
自ら選び、身銭を切って、年休をとってまで、
研修したい(する)というのが、
本当は教師に求められる資質ではないかと
最近私はつくづく思うのです。

難しい問題ですね。


さて、講演後、昼食を、
午後から講演を行われる平田オリザさんと
ご一緒させていただきました。

私は最近、オリザさんの講演集録
「演劇を授業に導入するヒント」
(国際表現言語学会2013)を読み、
大変感銘を受けておりました。

昼食をとりながらの僅かな時間でしたが、
公教育に横たわる問題、
表現について、地方の創生についてなど、
多くの示唆に富む話を伺うことができました。

平田さんは今朝早く岡山を出発し、
岩手での講演後直ちに福島に向かわれるとのこと。

私なんかが忙しいなんて言ってられないですね。

このような、国際的なフィールドで活躍されている方が、
日本の教育を何とかしようと、
時間を捻出し、地方に出かけ、
思いを行動に移されることに感動するとともに、
私も、自分の一生をこのように使いたいものだと
しみじみと思いました。

出会いに感謝。

免許更新AL05



 

「過去に作った愛しき教具たち」

先日、花北数学展復活に向けて、
少し話をさせていただく機会がありました。

そのために、取りあえず、
家にあったガラクタ(宝物)を段ボールに、
えいやっと押し込んで、学校に持っていきました。

もう何十年も前に作ったもの。

昨日、手に取って懐かしく思い出していました。

生徒には見せなかったものを中心に
ここでちょっとだけ紹介します。

デコパネでつくった「フスマ」

少しずつ開けていくと、
様子がだんだん変化することを
示そうと思って作りました。

うさぎとかも01
何でしょう。
魚でしょうか。


うさぎとかも02
なんだ、鳥かよ。


うさぎとかも04
えっ、ウサギ?


「ウサギとカモ」と名付けました。

これは原典があって、
心理学者ジャストローによって
提示された多義図を参考にしました。

このデコパネのフスマは、
数学では定義域の右端が変化するときの
最大最小問題をイメージするために利用します。


3次関数最大値01

図は3次曲線のグラフ。
ここで最大値は「右端の値」です。

生徒に「右端、右端、右端、・・・」
とコールさせながら、
フスマをだんだん開けていきます。

3次関数の最大値02

この段階で、最大値は極大値に変わります。

生徒は「極大値、極大値、・・・」とコール。

3次関数の最大値03

更にフスマを引いていくと、
右端に変化する瞬間が現れます。

3次関数の最大値04


最大値の場合分けで必要なポイントは、
極大値と右端の値が
等しくなるところであることに気づいてもらいます。

アナモルフォーシス

アナモルフォーゼ02

アナモルフォーゼ01

缶コーヒーにミラーシートを貼ったものです。
もう25年以上前のものなので、
中のコーヒーはどうなっているのやら。

でもちゃんと見えていますね。

ちょっと怪しいけれど、
原理はこんなカンジでしょうか。

アナモルフォーゼ03

格子に描かれた図形や絵を、
格子全体の構造を変えることで、
変化させます。

例えば、単純な正方形で構成される格子平面を、
平行四辺形で構成される
格子平面にする変換は「アフィン変換」と呼ばれます。

行列の一次変換に
平行移動を加えたものとも言えます。

円柱に描かれた図を平面に移すのは、
平行な直線群を、同心円にするような変換が必要です。

これは、反転、極座標、ヤコビアンなど、
数学的な話題に繋がっていきます。


30秒で納得する余弦定理説明器

砂時計です。粘性を考えて、
ガラス玉を砂にしています。

昔は情熱があったなあ。

動画でどうぞ。




ディジタルとアナログ

これは、小沢健一先生に教えていただき、
その後、速攻でDIY(ホーマック)に出かけ、
作業所に入れてもらって作らせてもらったものです。

コンパネ、銀のスプレー、
ドリル穴あけ一穴30円なので、
結構金がかかっていますよ。

指数関数と対数関数が
互いに逆関数であることを示すだけのものですが、
「アナログ」=「穴log」という駄洒落がいいですね。



まだまだ無尽蔵にあるのですが、
まずはこの辺で。