学校紹介マップ(海外向け)

私は今、本校の国際交流事業で
2つのことを企画しています。

一つは、毎年、本校から
海外派遣を行う制度を作ること。

もう一つは、アーカンソー州にある
ASMSAという高校と
姉妹校提携をすることです。

ASMSAとは、

Arkansas School for Mathematics ,
Science , and the Arts

の略で、数学、科学、芸術のための興味や
適性を有する才能ある学生の
教育に特化した高校です。

2013年のAmerica’s Best High School では
13位だったそうですが、現在は全米ベスト10入りを
しているという強烈な学校です。

もうじき、ASMSAの副校長が
本校を訪れることになっているので、
姉妹校の提携に先立ち、
学校紹介のためのリーフレットを
作らなければなりません。

でも、校長の私が先行して
言い出したことでもあり、
日々忙しい先生方に頼むのは
心苦しかったので、
今日一日かけて自作しました。

今日も来客も多く、忙しい一日でしたが、
空き時間すべてこの仕事に没入していました。

なーんていうと、
大変だったように思うかもしれませんが、
実際はそうではなく、本当に、
作るのが楽しくってしょうがありませんでした。

こんなカンジで、1枚の絵にしました。

学校紹介RF02LT


校舎を散歩して、学校の俯瞰図を描いて、
その周りに、環状線の電車道に
年間スケジュールを書きこみます。

これだと、キャプションを英語で書くだけなので、
私でもできます。

なんていいながら、
実は、英検1級保持のY先生や、
今日、国際教育部会の英語弁論大会の
審査に来られた県の指導主事や、
ALTの方に聞きまくったのですが。

ボキャブラリーが無い私でも、
絵ならば、それを示しながら、
片言でASMSAの副校長に
説明できるかもしれません。

彼が、そんな私の流儀に
のっていただくことを祈りたいと思います。

PDFファイルは
学校ホームページから見ることができます。

学校紹介フライヤ→★★★




 

グループワークについて⑤「グランドルール」

グループワークについての記事、
随分間をおいてしまいました。

前回は、アイスブレイクについてまとめました。

今回は最終回として、
グループワークにおけるグランドルールについて、
これまで多くの方々からいただいた
ご意見を紹介しながら、まとめたいと思います。

少し長くなると思います。


私は、ある中学校に行った時、
グループ活動のルールとして、
次のような標語が教室に掲げられているのを見ました。

<聞く>
●前に出た人やペア活動の相手の目を見る、
 うなずきながら聞く等、相手に反応しながら聞く。
<話し合う>
●始めに、話し合いのテーマをしっかり確認し、
 司会者を中心に意見を簡潔にまとめる。
●自分の考えとの共通点や相違点を考える。
●相手の意見や考えを大切にして話し合い、
 自分の考えを深める。
<発表>
●聞く人を意識し、大きな声ではっきりと伝える。
●姿勢を正し、表現力豊かに発表する(目に力をこめる)
●「私は~だと思います(~さんの意見に賛成です)。
 理由は・・・だからです」というように
 理由や根拠を明確にする。


私は中学校の内情はよくわからないので、
これに異を唱えようとは思いません。

まず形から入り、カオスやアナーキーに
ならないように躾けることは
必要なことであると思います。

ただ、このような教師目線的行動様式が目的化すると、
主体性を失ったステレオタイプの対話に
終始してしまうのではないか、

そして、その中で、グループワークの成功とは、
ひたすら教師の目指すゴールに
収斂させていくことになっていくのではないか、
という思いも抱きました。

私は、グランドルールとは、
生徒間の約束事や行動様式のようなものではなく、
なぜ、グループワークを行うのかという、
意義や、必要性、そしてその方法など、
行う側の「思い」を入れていく
ことでもあると考えています。

そして、それは、授業者と生徒、
生徒どうしの信頼をつくるための
基盤づくりでもあると思うのです。

フェイスブック上で、「鬱からエロまで」網羅する(^-^)/
平野貴美枝さんから、
こんなお言葉をいただきました。

「生徒の信頼はグループワークの下地ですね。
お化粧で例えるなら、ファンデーションの部分です。
技法は眉を描いたり口紅を塗ったり。
そのあたりはその人の顔の形とかバランスとか
または流行とかで変わってくるので
個人の采配ですね。」


なるほどファンデーションとは言い得て妙。

さすが、深い洞察力を持ち頭の回転が速い
キミーさんならではの視点ですね。

因みに、私の尊敬するエデュプレナーの
江藤由布さんは、ご自身が進めている
「オーガニックラーニング」を、
学びのオペレーティングシステム(OS)
と表現されていました。

私はこれらの言葉から、グランドルールとは、
対話空間の場を設定するOSと、
授業者のマインドセットを内包するものであり、

「それは学びのファンデーションや~

という思いを抱きました。

さて。

私が出前授業などを行う際に、
掲げているグランドルールは
だいたい次のようなものです。

Ⅰ 自分の意見を主張するだけではなく、
 相手の話を引き出し、共感しあう場にする。
Ⅱ グループ内でいい意見が出た場合、
 それを深め全員が共有する。
Ⅲ 失敗や、間違いを恐れず積極的に話す。
 そして、それが気兼ねなく行える空気をつくる。


上の言葉に込めた思いはそれぞれ
「優しさを持つこと」
「当事者意識を持つこと」
「失敗から学び合うこと」
であります。

そして、これは、学習者に要求するルールだけではなく、
授業を行うものこそが持たなけれなならない
マインドでもあると思います。

上に述べたことを、授業者の視点でまとめると。

Ⅰ 教壇を降りて、学習者の対話をひたすら傾聴する。
Ⅱ 授業者が強引に本時のゴールに誘導しない。


ということでもあると思います。

私が尊敬してやまない、
「反転授業」グループの代表の田原真人さんは、
私のインタビューをしてくださった記事に、
こんなことを書かれています。

反転授業の本質は、教師が教室で権威にならずに、
主体的な学習の支援に回ることにあると思います。
教師が権威になると、生徒が自分で考えるのを止めて、
教師から答を求めるようになるからです。

「反転授業の研究」は、教室と相似形の
フラクタル構造を持つグループです。
グループの中に権威を作らず、
全員の関係をオープンでフラットにすることで、
誰もがリーダーシップをとって
主体的に振る舞えるようにしていくということを目指し、
グランドルールを設定しています。

しかし、このようなフラットな関係は、
ヒエラルキー型の社会システムに慣れた人、
ヒエラルキーを登った人にとっては、
必ずしも居心地の良いものとは限りません。
全員が力を発揮できるペイフォワードの関係性を
作っていこうというビジョンを共有し、
それを体現できたことに喜びを感じる
マインドセットを持っている人だけが、
フラットな関係に居心地の良さを
感じるのではないかと思います。



そういう意味でも、グランドルールは、
グループワークが成功するかどうかの
鍵を握っているのではないかと思います。


ところで、私は、上で述べたⅠⅡⅢのように
グランドルールをまとめてみたのですが、
何かどうもすっきりしませんでした。

それは、確かに教室という空間を
安全・安心な場にするという思いは見えるけれど、
肝心の、子どもたちを「アクティブにする」
という意図がないということに気づいたからです。

結局、私が言っているのは、
モラルやマナーの部分に留まっているのではないか。

だったら、私が暗に批判しようとしていた、
あの中学校のものと大差ないのではないか。

やはり、高校生ならば、
話し合いをどういう方向で深め、
まとめていくかについてのルールも
設定する必要があるのではないか。

でも、それは、マクドナルド型のような、
パターン化された技法を示すことでは、
個々の自由度が失われてしまう。

そんなことを思っていました。


その時、齋藤みずほさんの

「鳥の目、虫の目、魚の目を
研修でのグランドルールにしています」


という言葉が突き刺さりました。

そして膝を36回たたき、
私の目からは鱗が落ちました。

みずほさんは「世界に自慢したい日本女性」で、
その心映えとしての、美しい所作や温かい言葉に
いつも感動ばかりしています。

「鳥の目、虫の目、魚の目」のイメージを
次のようにまとめておきます。

【鳥の目】 
全体を俯瞰して考えること。
今話していることが全体として
どのように繋がっているかを、
高いところから眺め、把握すること。
見通すこと。
一般化すること(インダクティブな推論)。
設計図を描くこと。

【虫の目】
今中心となっている議論を深く掘り下げること。
身の回りにあるものなどを例にあげるなど、
具体的に考えること。
帰納的に推論すること(ディダクティブな推論)。
試行錯誤すること。

【魚の目】
議論の流れを把握すること。
相手の意見に共感、補強する意見を述べること。
あるいは、反駁し、論点を明確にしていくこと。



私は今、この3つの「目」を使い分けながら
グループ討議を活性化させていくことを
考えてみようと思っています。

その他、皆さんからいただいた意見は
傾聴に値するものばかりで
とても勉強になりました。

もっと紹介したいところですが、
ここでは、グランドルールに関連した話題にのみ
焦点を当てて取り上げさせていただきました。

皆さん本当にありがとうございました。


最後に、これまた、私の尊敬する
スーパー教師である松嶋渉さんの言葉をあげて、
このシリーズのまとめとしたいと思います。

生徒の学びにフォーカスする、
それぞれのレディネスが違うことを許容する、
丁寧なインストラクションとリフレクションをする、
話し合いの手順や方法を示す、
場を活性化させる質問を投げかける、
場をコントロールし過ぎない、
などのマインドセットやファシリテーションスキルもなく
グループワークするなんて酷すぎます。



 

「国際教育に追い風が吹いている」

昨日は、東北地区国際教育研究大会があり、
仙台市のアエルに出張でした。

国際教育東北01

私はなぜか、
県の高校教育研究会国際教育部会の
会長をしていて、
来年度、花巻市で全国大会を開催するという
大役を仰せつかっております。

そんなわけで、事務局の2人とともに
初めて参加しました。

午前中は、複数の高校を横断したチームによる
課題研究のプレゼン、
午後は、国際教育に取り組んだ
実践事例の研究発表と、
ワークショップが行われました。

国際教育東北02

国際教育東北03
生徒のプレゼンの様子。

ワークショップでは、
国際教育が推進されない理由は何か、
国際教育を進めるために必要なことは何か、
などというテーマで
グループセッションをしたのですが、
話し合いながら、
「生涯にわたり主体的に学び続ける人づくり」
「共生社会における生きる力の涵養」
という方向に議論が収斂されていきました。

私がアクティブ・ラーニングの研修会や
講演で行っていることと同じだなあと
しみじみと感じました。

国際教育東北07
●学校で国際教育が進まない理由

国際教育東北06
●国際教育で行いたいこと・身につけたい力

ワークショップのファシリテーターの
石森広美先生は、国際教育というフィールドで、
30年近く実践し、
多方面に発信されている方なのですが、
今、アクティブ・ラーニングの進展にともなって、
ようやく周りが自分に追いついてきたと
感じておられるかもしれませんね。

アクティブ・ラーニングの進展は、
「生徒をアクティブに」という軸で
学びを行ってきた人たちにとって
追い風となっています。

だから、そんな彼らには、
アクティブ・ラーニングがやってきたといって、
騒ぎ立てる必要はないのです。

「ようやく、私の時代がきたわね。ほっほっほ」

と静かに笑っていればいいのかもしれません。

私もこれまで周囲から

「そんなことしていると学力が下がる」
「先生も物好きだね」
「暇ですね」
「基礎基本を教え込むことが大切なのに
遊んでいていいのですか」

など、さんざん言われ続けてきました。

でも、今、そのように言ってきた人たちが
「アクティブラーニングってどうすればいいの」
と焦っていたり、

あるいは開き直って

「そんなブームはけしからん」

という方向にもっていこうとしているように
感じることがあります。



戦時中に行われた禁演落語について
こんな話があります。

昭和16年、浅草の本法寺に、
「はなし塚」が建てられ、
時局にそぐわない53もの落語(廓噺など)が
葬むられました。

落語家が演じられるのは、
お国のために尽くす話や、
軍人をたたえるものなどに限られました。

そして戦争が終わります。

「はなし塚」から禁演落語が解き放たれ、
自由に噺ができるようになりました。

すると、それまで、「戦線便り」「出征祝い」
などのような噺ばかりしていた噺家は、
何を話せばいいのか困惑します。

でも、そんな中でも、
「語りてえことを語って何が悪い」と、
警察にしょっぴかれながらも
自分を変えずに語ってきた噺家は、
不自由なく落語を語り、
庶民から喝采を受けます。


アクティブ・ラーニングとは、
時節に併せて授業の手法を
「アクティブラーニング」
というものに変えること
と考えているならば、それは戸惑うでしょう。

なぜなら、変えるものは手法ではなく、
実はマインドだからです。

私は、(今進展されている日本の)
アクティブ・ラーニング(のムーブメント)とは、
教授型という方向に、
過度に曲がってしまった学びを、
本来の学習者主体の学びに
とり戻そうということ、

それは、簡単に言うと
「教師目線から生徒目線へ」
「主語を教師から生徒へ」という、
視点を変える運動ではないかと思います。

というか、

私は、そのように解釈しようと思っています。




今回参加して感じたことは、一言、
「まさに出会うべくして出会ったなあ」ということ。

特に、石森広美先生との出会いは
一番の収穫でした。

石森先生には11月に行われる
岩手県の国際教育の研修会と、
来年の全国大会でのワークショップでの
ファシリテーターを、その場でお願いし
快諾していただきました。

エキサイティングな会が実現できそうです。

国際教育東北08LT
今回の東北研究大会フルメンバーで写真撮影

国際教育東北04
オマケ。花北の3人で食べた昼食はやはり牛タンでした。