サラさん

今日は卒業式の予行でした。
予行終了後、本校のNSのサラさんが、
急遽お別れの挨拶を行いました。

sara03.jpg


実は、サラさんは、
来月から広島に行くことになったとのこと。

それは、突然の挨拶だったので
先生方も生徒も驚きました。

本来なら、エールや花束贈呈などの
セレモニーを行うべきでしたが、
何しろ突然だったので、
それは叶いませんでした。

ところが、挨拶が終わっても生徒は解散せず、
3年生がサラさんのもとに駆け寄り、
輪ができました。

そして自然発生的に
生徒達がアーチをつくりだしました。

すると、吹奏楽部が機転を利かせて
BGMを奏でだしました。

期せずして、サラさんを
アーチでお見送りする形となりました。

ささやかだけど、
そんな生徒のさりげない心遣いに、
私は胸が熱くなりました。

そして、校長室までダッシュして
カメラを取りに行って、
ショート動画を撮影しました。



サラさん、2年間ありがとうございました。
新天地で頑張ってください。

土曜日にひろのCOLORで買ってきた、
オーナメントと、
アヒルのオルガナイトをプレゼントしました。

sara02.jpg

sara01.jpg



 

評議員会

一昨日は学校評議員会が行われました。
評議員の皆さんお疲れ様でした。

たくさんの意見を伺うことができました。

嬉しかったのは、会が終わってから、
2人の評議員の方が残ってくださって、
校長室で更に自由なトークができたことです。

学校側が一方的に説明する
堅苦しい会ではなく、
お茶のみ話や井戸端会議的な
フリートーキングのほうが、
本音が聞けるし、
新しいアイデアも浮かんできます。

そして、皆が温かい気持ちに
なれることが一番ですね。

そういうわけで、次年度から
評議員会をカフェのような
スタイルにしてみようかと考えました。

さて、保護者対象学校アンケート調査を
昨年度と比較すると、
11項目中、10項目が
昨年度を上回っています。

評議員会01

でも実はこの棒グラフは、
最小値を60%に設定している
「足きりグラフ」なので、
差が顕著に見えますが、
実際はあまり有意な差はないと思います。

でも情報発信や地域との連携という部分で
高い評価をいただいていることは
非常にありがたく思います。

一つ、有意な差があるデータを紹介します。

月別の電気の使用量のリストです。

評議員会02


先生方、生徒の努力によって、
今年は1年間で20万以上の
経費を節約できました。

この節約によって、
県費で表のようなものを購入したり、
各種修理の費用に充てることができました。

節約という取組が
このような成果物に返ってくることは
モチベーションの喚起につながりますね。

 

大野人のダンディズム

金曜日の夜、
我らが長川PTA会長が、
見事フォトコンテスト1席に輝いたことの
お祝いの会を、仲間内で行いました。

場所は「秘密基地」こと、
おおのキャンパスに向かう途中のとある小屋。

この会を主催した松橋さんが、
大野村役場を退職した時に
「隠れ家」として作った、
それはもう素敵な空間です。

入ったら驚きました!

苔で作った山並みが鎮座しています。

苔01LT

苔02LT

苔03LT

苔07LT


松橋さんによると、苔の盆栽を発展させて
風景を描写するということで
「苔栽景」と命名したそうです。

これは世界に一つのアート。
まさに一人一芸の里の大野人ですね。

この他にも「隠れ家」には、
たくさん松橋さんの作品が隠れていました。

隠れ家03
苔盆栽です

隠れ家02
何と、アカゲラがとまっていました。
これも松橋さんの作品です。

因みに、以前ブログで紹介した
もう一人の松橋さんの作品はこれ。

松橋01

この五重塔はじめ、神棚など、
設計図なしでどんどんつくられます。

お聞きしたらお二人は親戚とのこと。
やはりアーティストの血ですね。


「苔栽景」を眺めながら、
気心の知れた方々と飲みかわし、
そして長川さんのフォトスライドショーを楽しみ、
ストーブを囲んで鍋をつつく。

隠れ家01

中村潤さんのギター弾き語りの乱入あり、
パークゴルフのパター大会ありの、
それは夢心地の時間でした。

今回の「隠れ家」での懇親会を主催した
松橋さんと元村長の佐々木さんは
「大野の自然を守る会」のメンバーでもあります。

この「大野の自然を守る会」は
実に35年にもわたり継続して
活動を行っているそうです。

そのイベントの中で、ビールの空き缶に米を入れ、
ストーブにのせてご飯を炊く
という話がありました。

いつかやってみたいです。

松橋さんは、今後の「守る会」の活動の構想として、
女性のための自然を楽しむイベントを企画して、
その後、帰ってきた女性たちに、
男性が料理を作って振る舞う
ということを考えておられました。

これは、普段頑張っている女性へのいたわり、
というより、男がちゃんと料理を作って
人に振る舞うという
「当たり前の」ことをしなければだめ、
という発想に基づいています。

つまりこれは、
女性のためのイベントであるとともに、
男性の自立セミナーでもあるわけですね。

そういえば、今回の料理は
松橋さんが準備されていたのですが、
キムチ鍋の下ごしらえも、
白菜の間に色々な具材をサンドするなど、
非常に芸の細かい工夫がされていました。

いわば料理もアート。楽しんでいるんですね。

気が向くまま作品をつくり、料理をつくり、
酒を飲み、気分転換にパターの練習をする。
そして時に外に出て星を見上げる。

かっこいいなあ。

つまり、松橋さんのイベントの構想の根本には、
彼のダンディズムが見えるんです。

ところで、

松橋さんと佐々木さんのお二人は、
大野のパークゴルフ仲間でもあるのですが、
そのつながりで八戸から、元高校の先生の
中村潤さんもこの会に参加されました。

実は、中村先生と私は、
もう数十年にわたって
お付き合いさせていただいている仲であります。

彼は数学に関する歌をたくさん作られ、
教室でギター片手に披露されている先生です。

昨夜の懇親の席でも、
やはりギターを持って歌いだしました。
そして、数学について熱く語りだしました。
そのほんのさわりの部分だけ動画にしました。



中村先生については、
15年前に私のホームページに
紹介記事を書いております。

http://www5b.biglobe.ne.jp/~simomac/naka.htm

パター大会の動画もオマケにアップします。
野田雄二さんです。



私は30打数3カップインでしたが、
佐々木元村長さんは、なんと15カップインでした。



 

分数の割り算はなぜひっくり返してかけるのか

「割り算はなぜひっくり返して掛けるのか。」
最近ある方からこの質問をいただきました。

これはもう古くからいろいろな人たちが
語りつくしていると思うので、
もう私なんかが口を挟むことではないのですが、
昔まとめていたことをもとに
以下に記しておこうと思います。

とりあえず

分数01

を例にあげて説明します。

【その1】代数計算の手法で考える

例えば、  

分数01
に対して、
それぞれに 9/2 をかけてやり

分数02

とすれば、後ろが1になるので

分数04

が自動的に得られます。

分数03

つまり9/2の逆元を考えているということですね。

でも、これだと、
「割られる数と割る数に同じものを掛けても商は等しい」
ことを自明として、
操作や法則を用いて説明しているだけなので、
手品を見ている感じで、
意味が落ちてこないような気がします。
私的にはあまり好まない方法です。

【その2】構造的に考える

分数05

相等や同値関係の説明など、
かなりはしょりましたが、
整数環(ユークリッド整域)から
有理数体を構成していく手法です。

まあ数学的ではありますが、
回りくどいですね。

【その3】等分除

分数01

とは、4/3という量を、2/9を単位にして分ける
という意味があります。

例えば、12÷4は、12個の玉を4個ずつ分けると
3人に配ることができますね。

同様に考えて、4/3÷2/9は、
4/3という量を、2/9を単位にして
何回とり分けられるかと考えればよいわけです。

そこで1/9を単位として4/3を構成します。

1/9が3つで1/3なのでそれが4組分なので、
次の図の様になりますね。

分数09

これを2/9でデバイドすればいいので、
例えば次のように6つに分けられることがわかります。

分数10

割られる数が割る数より大きい場合で、
割り切れる形であれば、
手で操作しながら
(等分除としての)割り算がイメージしやすいですね。

ただ、ここから、4/3×9/2と同じ結果になる
といって無理やり納得させるのはちょっと苦しいですね。

そこで、私は次の【その4】のような説明を主に行います。

【その4】量分数・1当たり量

例えば12÷2の商の意味を次のように考えます。
長さ2の土台に面積が12の長方形がのっているとします。

分数11

ここで、その土台を1にしたときの面積が商を表します。
あるいは、これを長方形の縦の辺の長さ、
というように1次元化してもいいでしょう。

いずれ、図の様に分割して、
1当たりの面積が6とわかります。

分数12

この6という1当たりの量が
12÷2の商の意味です。

では、

分数01

で考えてみましょう。

2/9の土台に4/3の面積の長方形が
のっているイメージです。

分数15

これを、次のように分割して土台を1にします。

分数14

分数13

すると1当たりの面積は
最初の4/3の面積を1/2倍して、
それを9つ集めたものなので

分数04

これでひっくり返してかけることの
意味が納得できました。

このような図形的操作を行わなくても、

分数18

ということを理解しておけば、

長方形の底辺がb/aのとき、
それをa/b倍して「正規化」することで
1当たりの量になると
おさえておけばいいわけですね。

分数19

この図は、【その1】で述べた式変形の
意味としてみることもできるでしょう。

ドイツの数学者クライン(1849~1925)は
「分数には『関係』『操作』『量』
という3つの意味がある」と述べ、
分数の指導の難しさを指摘したそうです。

私は、高校生が三角比を
直角三角形の辺の関係から、
単位円によって、
量として再定義していく際につまずくのは、
小学校以来、分割分数(等分除)という
「操作」の呪縛から解放されていない
からではないかと思っています。

例えば、

分数20
といったとき、
この3/4という分数の意味を
どうとらえるでしょうか。

多くの高校生は、サインコサインタンジェントを
次のような図で、
辺の「関係」として捉えていて、
それで思考がストップしているように思います。

分数23

例えば、下図の三角形からtanθ=3/4 
をイメージするのはいいでしょう。

分数24

しかしその逆は成り立ちません。

次の図のように、tanθ=3/4
がいえる三角形は無数にあります。

分数25

そこで、これらの無数の値を代表して、
底辺が1の場合の対辺の長さである
3/4=0.75という
「1当たりの量」として抽出しているわけです。

つまり、「操作」としての分数(分割分数)から
「量」としての分数の見方が必要なのです。

高校の教科書の巻末にあるタンジェントの表は、
1°刻みの角に応じて、
直角三角形の底辺を1にしたときの
高さの値を記述した、
1当たり量のリストなんですね。

余談ですが、昔、高校の数学の
初任者教員10人に
講座をする機会があり、
そのとき、次の図の木の高さhを求める問題を、
どのように生徒に説明をするか
聞いてみたことがあります。

分数22
(三角比の値は教科書の巻末の表を使う)

すると全員が次のように指導するとのことでした、


分数21


これは分数を単に「操作」として見ていて、
1当たり量のイメージがないですね。
頭で考えることを省略して
「代数計算」にパターン化されています。

私が20年前に大野高校に勤めていた
ときのある教え子は、
高校卒業後すぐ大工になったのですが、

彼は、そんな回りくどいことをせず、
33度のタンジェントが0.4663だから
それを25倍すればよいとすぐ考えます。
これが大工さんの知恵。
つまり活用される数学なんだと思います。

1当たりの量を考えることの必然性を理解するために、
私は授業の中で次のような問題を出したりします。

同じキャラメルで、5個入りで70円のものAと、
6個入りで90円のものBがある。
次の問題を考えなさい
(ばら売りでも1個当たりの値段は変わらないとする)。
① Aのキャラメルを23個買ったとき値段はいくらか。
② AとBではどちらが得か。


例えば、①を解くときに、
5:70=23:x
という比例式から代数方程式を作って解くでしょうか。

それより、1個当たりの値段が14円だから、
23個買えば、14円×23と考えるのが自然ですね。

②も1個当たりの値段で比較すると、
Aは14円、Bは15円となり、
Aの方が買い得であることがすぐわかります。


分数指導は国によって相当違うようですが
日本は「操作」「関係」に力点を置いた
リンゴ分数(分割分数)に力点を置いている
といっている人がいます(それは私^^)。

日本の小学生は、
「プールから1/2リットルの水を汲んで来て」
というと
「そんなの無理だよ~」
と仰天する、という話もあります。

分割分数と量分数の混同ですね。

こういう話をすると、
東北のAMIの人たちなど算数大家の人たちから
いろいろご指摘をうけるかもしれませんので
これ以上の深入りはやめておきます。



 

久慈平荘とのアライアンス

久慈平荘の広報誌に、
来年度から大野高校と
久慈平荘で行う
コラボ事業が掲載されています。

kujihirateikei.jpg

いよいよサイは投げられました。

さて、2月17日に本校の
下館咲亜さんと堀岡千夏さんが、
久慈平荘を訪れ、
家庭科の時間に作った折り紙の飾りや
小物入れを、施設の方々に届けました。

久慈平217-04

この日に先立って、
私は施設長の野田さんと
電話でこんな会話をしました。

「生徒が折り紙で作品をつくったんですが、
久慈平荘のおじいちゃんおばあちゃんに
渡したいんだそうです。どうですか」

「あ、いつでもいいですよ。おいでください」

「じゃあ、明日の16時頃生徒がおじゃます」

特別なイベントではなくても、
日常的にふらっと立ち寄って、
おしゃべりして帰ってくる、
みたいなつながりが
できればいいなあと私は思っています。


久慈平荘は本校から
歩いて10分程度のところにある
特別養護老人施設です。

確かに距離は近いけれど、
これまで、お互いの交流は
まだまだの部分がありました。

今回の「介護初任者研修」の提携は
非常に大きな事業です。

画期的な事業は往々にして、
周囲を煽り、結果、人やモノを疲弊させます。

そうではなく、
その事業をみんなが地道に育てていくことで、
全体が耕され、
自然な連携、融合が生み出されていく。

それを目指したい。

そんな学校こそ、逆境に強く、
持続可能なのではないかと思います。

久慈平217-02

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teacher as entertainer

先日、Uさんという方が
卵を立てる動画をアップされました。

それに刺激され、
なぜかヘンな動画を作り、
ちゃちゃを入れてしまいました。



Uさんすみません^^

そのUさんから、
どうしてこんな卵を持っているのか
という質問を受けました。

実は私はこういう手品ネタとか、
なんちゃてものの教材はたくさん持っていて、
授業でもせっせと使っています。

それは、自分のキャラや
パーソナリティに
自信がないからだと思います。

はっきり覚えていないのですが、
芸能界における一つの定理として、

「人気度×行動=一定」

みたいなものがありました。

これを言ったのは夭折の天才コラムニスト
ナンシー関さんです。

つまり、アイドルや人気者が
ちょっと手を振ってニコッとするということと、
売れないタレントが、
めちゃハードな芸に挑むのは
等価であるということ。

実は学校現場における教師の世界も
似たようなところがあって、

福山雅治のような教師なら、
飼っているネコの話や、
昨日何を食べたなんていう話をしても
生徒は目が♡となるわけですが、

私などがそんな自分語りなんかしたら
それは「イタイ」だけなんですね。

教師は生徒からちやほやされる
商売でもあるので、
勘違いして売れっ子タレントのように
自分語りをして
ヘタを打ってしまうこともあります。

まだイケると思っている
40代中盤あたりは要注意ですよ。

私は、若い頃からの苦い経験を乗り越えて、
生徒を惹きつけるためには
キャラだけでなく、授業を補う技を身につける
必要があると思うようになりました。

つまり、自分にはキャラが立っていない分
努力が必要であると。

そんなわけで、トボケた教具を持っていったり、
稚拙な芸を仕込んで披露したりと。

まあ、何だかんだ言って、
生徒がウケて喜んでくれることで
アイデンティティが保たれるという
太鼓持ち気質なんですね。

きっと私は。



 

主権者教育

今日の2年生の地歴の授業は自習だった。

そこで急遽、地理の大峠先生が登場。
主権者教育の授業を行った。

ご自身で作ったスライドを基に、
「国会議員って何をする人を選ぶの?」
「政治って何をすること?」
「衆議院議員と参議院議員の違いって?」
「主権者って何?」
「あなたはどんな課題の解決を最も望みますか?」
「どんな相手ならまかせられますか?」

クローズな質問と
オープンな質問を織り交ぜながら
次々と問を投げかける。

主権者01

その中で、だんだん、中学校の公民や
1年次の現代社会で学んだ知識が
「自分事」として統合されていく。

主権者03


参観した私も、
どんどん授業に引き込まれていった。

大峠先生は次のようにまとめる。

●政治とは問題解決の優先度を決めることであり、
 主権者とは何を優先するかを
 任せる相手を選べる者である。

●そして、選ぶ基準は、有名であるとか、
 人気があるということではなく、政策である。

●そして、政策を判断基準にするためには、
 主権者は、「身近なところで問題になっていること」
 「世界で問題になっていること」
 「将来問題になりそうなこと」に目を向け、
 考えていかなければならない。

主権者04


なるほど。

自ら問を立てること、
問をつくりだすこと、
問い続ける習慣を身につけること。

これが批判力や傾聴力、
コミュニケーション力を生みだす。

そして、それは、
自分の人生の質を高める
ことにもつながるのだろう。

シティズンシップ教育の着地点は
主体的に学び続ける賢い市民を作ること。

つまり、それはアクティブラーニングの
目指す方向の一つでもあるのだ。

主権者02




 

神は宇宙という巨大な書物を数学という言葉で書いた

算数パフォーマーの
上野真弓さんという方が、
ご自身の数学講座などで、

「数学は人間が自然を解釈するために
編み出した共通言語です。」


と話している、
というフェイスブックの記事を拝見しました。

素晴らしいですね。


私もこれまでそういうことを
言い続けてきたので、
上野さんは心強い同志です。

たとえまわりが一斉に引いたとしても、
「何言ってるんだぁ? このおばさん(おじさん)」
って顔で見てきても、
めげずに頑張りませうね。^^

すると、上野さんの投稿に、
物理ネット予備校代表で、
反転授業の研究グループを
立ち上げている田原真人さんが、
「なぜ物理法則は数式で書かれているのか」
ということをテーマにした
「科学史/数学」という
ご自身が執筆された
本を紹介されていました。

早速アマゾンで購入しました。

科学史数学

とても面白い!

高校で学ぶ物理は、
ベクトル、三角関数、微積分
といった数学の知識があれば、
公式に溺れることなく
スムーズに学び進むことができます。

恐らくこれは、
多くの物理教師が行う
アプローチではないかと思います。

ところが、田原さんは、そこに進む前に、
先人たちが取り組んできた
人間くさいドラマを提示しています。

私は、これを
「田原流ナラティブ物理」
と命名しようと思います。

彼は、一つの法則が生まれるに至る
歴史的背景を追いかけ、
思考過程を辿り、
つなげ、そして図解して見せます。

この本は、科学史であるとともに、
物事を分析し、統合し、表現するという、
「学び方」の方法論を示すものにもなっています。

さて、冒頭に述べた上野さんの言葉は、
ガリレオ・ガリレイの言葉を
ルーツにするものかと思います。

というわけで、今回は
この言葉の周辺について
まとめてみようと思います。

田原さんの本には、
ガリレイによる近代科学の方法として
次のような記述があります。

ガリレイは、自然を
「数学という文字で書かれている書物」
であると考え、
数学を用いて表される「法則」を捜し始めます。
そして、そのような「法則」を発見することが、
その「書物」を書いた宇宙の創造主の
思考を「理解すること」
ということだと考えたのです。


実は、岩手に、伊藤潤一先生という
数学の巨星がいるのですが、
彼は、「つながる高校数学」の中で、
ガリレイの言葉を次のように
少し詳しく取り上げています。

ガリレオは「偽金鑑定官」の中で語る。
「哲学は、眼のまえにたえず開かれている
この最も巨大な書[すなわち宇宙]のなかに
書かれているのです。
しかし、まずその言語を理解し、
そこに書かれている文字を解読することを
学ばないかぎり、理解できません。
その書は数学の言葉で書かれており、
その文字は三角形、円その他の
幾何学的図形であって、
これらの手段がなければ、人間の力では、
その言葉を理解できないのです。
それなしには、暗い迷宮を
虚しくさまようだけなのです。」


因みに、「ドナルドの算数マジック」
というビデオがあるのですが、
このエンディングに
次のようなナレーションがあります。

「ガリレオが言った通り、
神は宇宙という巨大な書物を
数学という言葉でお書きになった。」


ガリレイ

私は、授業で「ドナルドの算数マジック」の
このシーンをよく取り上げます。

ついでに、映像関係でいうと、
「コンタクト」(カール・セーガン作)の
ワンシーンもなかなかです。

ジョディフォスター扮する女性天文学者
エリーが26光年先の彼方から、
ドド・ドドド・ドドドドド・ドドドドドドドド・・・という、
100以下の素数が続くパルスをキャッチします。

エリーは、これが単なる雑音でなく、
知的生命体からの
メッセージであることを主張します。

しかし、他の学者達は
「高度な文明を持っているなら
なぜ英語をしゃべらん」と訝しがります。
そこでエリーは次のようにいいます。

「英語は高々地球の3割の人間の公用語だけど、
数学は宇宙の公用語よ」
(Math is only true universal language.)


「やまとなでしこ」という
ドラマ(フジテレビ系)は面白かった。

MITで数学を学び、
今は家業の小さな魚屋を営む
中原欧介(堤真一)が、
MIT時代の友人の結婚式で述べる
スピーチは感動です。

「物理学者のリチャードファインマンは
こんなことを言っています。
数学や物理というのは
神様がやっているチェスを横からながめて、
そこにどんなルールがあるのか、
どんな美しい法則があるのか、
探していくことだと。
最初からそんな法則が無いと思うこともできます。
この宇宙で起こっていることはすべてデタラメで、
意味のない出来事の繰り返しばっかりで・・・
だとしたら数学者たちは何もすることが
なくなってしまうんです。
そんな退屈な宇宙に住んでいること自体
嫌気がさしてしまう。」


以下、本題に進むのですが、
ここまでにしておきます。


この「やまとなでしこ」は
毎回数学のちょっとした話題が散りばめられていて、
数学オタクにはこたえられませんでした。

因みに、この結婚式の参加人数は
68人だったのですが、MITの友人たちが、
ウェディングケーキを68等分する
場面でこんな会話が繰り広げられます。

「68等分か。まてよ、68は17の倍数だ。
ということはガウスが行った
正17角形の作図が応用できるんじゃあないか」
「なるほど。リッチモンドの作図か」


いやあ、たまりませんね。

「数学とは何か」という問の答の一つとして、

「数学とは自然現象を支配する物理法則を
調べる道具である」


と述べることができます。
では、物理法則とは何か。
それは荒っぽく言うと

「最大になろうとしたり
最小になろうとしたりする原理」


のことです。

ネコ

上の写真を見て下さい。
寒い冬、猫がまるで球体のように
丸くなっています。
なぜでしょう。

猫は気温が下がると、
体温をできるだけ放出したくないために、
体の表面積をできるだけ小さくしようとします。

球とは決まった体積を覆う、
最小の表面積を持つ物体だからです。

次の写真は、針金で作った輪に
石鹸幕を張ったものです。

P206石鹸膜01LT

輪が中にできるように糸をわたしています。
今、その石鹸幕の内部にある
糸の輪で囲まれた部分を針でつついて、
石鹸幕に穴をあけます。

P206石鹸膜02LT


するときれいな円形の穴があきます。
石鹸幕は、どの部分も、
同等な張力で張られています。

だから輪の中に穴があくと、
外側の膜が引っ張る力によって、内部の輪は、
面積を最大にしようという現象がおきます。

糸の長さが一定なので、
その中で最大の面積を持つ図形が
円というわけです。

言い換えると、同一面積の図形の中で、
周の長さが最も短い図形が円なので、
円に落ち着くといってもいいかもしれません。

まるで猫も石鹸幕も
数学を知っているかのようです。

自然現象とは、でたらめに起こっているものではなく、

「エネルギーが最小の状態で、
安定する方向に推移していく」


という原理が働いていると推察できます。

いわばそれが、ファインマンが述べる
「神様が行っているチェスのルール」
なのでしょうか。

この原理は「変分原理」と呼ばれています。

18世紀中頃、スイスの数学者オイラーは、
極大・極小の性質を用いて
曲線を見出す方法を研究し、
「変分法」と呼ばれる数学の一分野を
築くきっかけを作りました。

この変分原理も、神様が行っている
チェスのルールを解読するために
先人たちが編み出した、
宇宙の共通言語なのかもしれませんね。


 

「実践!アクティブラーニング研究会」inベネッセ

2月13日に岡山県のベネッセで行われた
「実践!アクティブラーニング研究会」
のもようを簡単に振り返ってみます。

なにしろブログは私の備忘録でもありますので・・。

50分3セットの講演+ワークショップという
ハードなプログラムでしたが、
参加された240人の皆さんの
熱心な姿勢に助けられながら、
何とか無事に努めさせていただきました。

ベネッセ講演213-08
さすが天下のベネッセ
会場が素敵ですね。
座り方も、事前の調査を踏まえて
議論が深まるように、
周到に仕掛けられていました。

AL研修会でこのような
シートアレンジメントを行うのは初めてです。


最初のセットは、
盛岡三高等の授業動画を観ていただきながら
「問題提起・問題意識の共有」を行いました。

次のセットは、
アクティブラーニングの現状と課題を踏まえつつ、
ワークショップを行いました。
このワークショップの目的は次の2つです。

①質問づくりやワールドカフェなどを体験し
 ご自身の授業に活かしてもらうこと。
②ALのエッセンスについて考え、
 ALを自分事として捉えなおすこと。

そして、最後のセットは、
ワークショップを振り返りながら、
ALについて私が今感じている思いを
話させていただきました。

また、最後の15分のことろを、
山口県の萩商工高校の松嶋さんに登場いただき、
田原真人さんが精力的に仕掛けている
ZOOMを用いたオンラインによる
学びの可能性についての話をしていただきました。

ベネッセ講演213-01
今年は「希望郷いわて国体」の年なので、
売り出し中の岩手のご当地キャラを宣伝しました。
「そばっち」「こくっち」「おもっち」「うにっち」「とふっち」

そして私は「しもまっち」です ^^

ベネッセ講演213-02

ベネッセ講演213-03

福岡県から尊敬する和田美千代先生が
いらっしゃるということで、
急遽1枚スライドを追加しました。

ドリカムプラン
和田先生が中心となって、
1994年に福岡県立城南高校で仕掛けた
「ドリカムプラン」の理念は、
まさに現在の日本型ALと
共通するものがあります。

そして、盛岡三高の「Dプラン」も
それを汲んでいるのではないかと思います。

生徒主体の学びへの転換、
レジリエンスの視点、
教科とのリレーションなど、
ドリカムプランの、
生徒目線に立って未来を見つめるビジョンは
本当に敬服します。

ただ、ドリカムもALもそうですが、
理念が共有されずに、
その手法だけが流通していくことによって
思考停止が生じることに
注意していかなければならない、
というのが私のいつもの主張です。


さて、
ワークショップは6人40グループ
という大規模なサイズだったので、
急遽その場でCTを結成しました。

CTとはクリエイティブチームのことで、
京都精華大学の筒井洋一先生から
教えていただいたものです。

ALを行うにあたり、
「助けて」「手伝って」の声をあげて
チームをつくることはとても大事ですね。

ベネッセ講演ws02
和田先生、三浦先生、内橋先生、
跡部先生、松嶋先生という
反転授業の研究グループで知り合った
強力なスタッフの方に支えていただきました。

写真には写っていませんが、
時間が無い中、小竹さんもかけつけてくださいました。

和田先生三浦先生以外は、
今日初対面でしたが、
もう何年も付き合っているような
ラポール(rapport)感を抱きました。

SNSはある意味「想像力」による
つながりの場といえます。

だから想像力を働かせることによって、
相手を尊敬したり、支援したりする力が
生まれているんだなあと思いました。

そしてリアルにお会いすることによって
ますます、互いに尊敬し合える関係に
なったのではないかと思っています。


和田先生には、オープニングの
アイスブレイクを行っていただきました。

ベネッセ講演213-07

内橋先生の実践は、
今回のワークショップの題材に
取り上げていましたので、
先生から少し補足をしていただきました。

三浦先生からワールドカフェの意義や
目的についてわかりやすくまとめていただきました。

あわせて、担当されたベネッセの岩崎さんには、
タイムキーピングやスライド操作
などを適切に行っていただきました。

お陰様でとても充実した
ワークショップになりました。

ベネッセ講演WS01

ベネッセ講演ws03


今回の企画を行い、
2月11日から3日間にわたりお世話いただいた
ベネッセコーポレーションの横山さん、

そして、あらゆるところで支えていただいた
荒武さん、阿達さん、岩崎さんなど
ベネッセの皆様ありがとうございました。

そして、この日の午前中に、
特別史跡の和気閑谷学校や
備前焼の窯元をご案内していただいたり、
なおかつCTも引き受けてくださった
玉島商業高校の三浦校長先生、
お世話になりました。

和気閑谷03



 

PieとPi

木曜日の午後、
スクールカウンセラーの方と、
授業の様子を見て歩きました。

すると、家庭科の授業で
アップルパイを作っていました。

アップルパイ01

なかなかいいカンジ。

生徒にいっぱいインタビューしながら
作る様子をしばらく見ていました。

すると、放課後、男子の生徒数人が、
焼きあがったアップルパイを
持ってきてくれました!

アップルパイ02

後で家庭科の先生に、
「先生のご指導ですね」といったら

「いいえ。あの子たちが自発的に
校長先生に持っていきたいっていうんです」

とのこと。

きっと、いつまでも授業を見ているんで、
気を遣ってくれたんですね。

食べたいオーラがでていたのかも。

でも嬉しいですね。

サクサクもっちりでとても美味しかったです!

やはり、アップル「パイ」には、
円周率(パイ)のカップで飲む紅茶が一番。

円周率カップ01

円周率カップ02

私は、もう15年以上前から、
ホワイトデーには、
3.14日=πにちなんで、
チョコパイをお返ししていましたよ。

今でこそいろんな人がやっていますが
実は私が元祖です!(笑)

昔、私のホームページにアップしたものです→★★

さて、この記事をフェイスブックにもアップしたら、
田原真人さんから、面白い動画を紹介されました。



笑いますね。
PieによってPiを求める。
しかも壮大な準備で
クソ真面目にやるところが面白すぎ!

こういうジョーク大好きです。

このパイはその後どうなるのか。
パイ投げに使われるのかな。

パイって、こんな使われ方ばかりで
かわいそうですね。

この動画を観ながら、真面目なことも考えました。

それは、パイの値を知っていなくても
パイの値が生みだされているというところ。

昔、「神々の指紋」をテーマに、
ブログにこんなことを書いたことを思い出しました。

神々の指紋→★★★






 

岡山高校での授業

2月12日に、
岡山県にある私立岡山中学校・高等学校
において、高校の2年生(理系)への授業と、
先生方への講演を行わせていただきました。

授業は整数の分野の「合同式」についてです。

指導案はこちら→★★

授業テキストはこちら→☆☆

授業の目標は次の通りです。

①合同式の記号「≡」は、等号「=」と
 「ほぼ同じように」扱えることを実感すること。

 (同値関係の捉え方)

②「和の余りは余りの和」
 「積の余りは余りの積」
 「ベキの余りは余りのベキ」
 に自然に気づくこと。

 (同型の考え方)

③最終的に次のようなタイプの
 問題が解けるようになること。
 
(問題を解く技能)
岡山合同01



それからもう一つオマケとして

④参観者にアクティブラーニング型授業を
 提案すること


という目標もありますね。

では、この授業の冒頭に行った
アイスブレイクの様子を紹介します。

<アイスブレイク①グループづくり>

30秒で3人グループを作ります。
20人くらいの参観者がいらっしゃったので、
彼らも入ってもらいました。
つまり総勢60人程度での活動です。

岡山高校授業04

グループを作ったら
その場にしゃがんでもらいます。

岡山高校授業03

すると、2人余ってしまいました。

今度は、現在のメンバーとは違うメンツで
4人グループを作ります。

すると、今度は3人余りました。

この活動を通して、
授業とは教科の内容を学ぶだけではなく、
人間関係を作る場であることを
理解するという意図があるのですが、
本当の狙いは次の式を立てることにあります。

教室の中にいる人間の数を n とすると、
3人組が何組かできて2人余ったことと、
4人組が何組かできて3人余ったことから、
このような式に表せますね。

岡山合同04

生徒のくいつきがよかったので、
この段階で、もう合同式を
定義しちゃうことにしました。

岡山合同05

この式を使って、
余りについての様々な計算を行うことが
今日のテーマであることを話します。

尚、授業の後半では、
この式から教室内の人数を決定する
方法を次のように説明しました。

岡山合同06

このように合同式を自由に使いこなせる
ようになることが一つのゴールです。


アイスブレイク② 曜日当て

「今日は金曜日ですね。
では(  )日後は何曜日でしょう」

というクイズを出します。

●明日は何曜日?
●3日後は何曜日?

これはグループで話し合うまでもありませんね。
すぐに手が上がります。

では、

●100日後は何曜日?

これは少し時間がかかりました。
でも数人の生徒がすぐに手をあげました。

じゃあということで、
次の問題をグループで話し合ってもらいます。

●1000日後は何曜日
●10日前は何曜日
●100日前は何曜日
●8の10乗日後は何曜日


考えている間に
次のようなヒントの図を板書します。

岡山合同03

岡山高校授業02

大切なことは、
グループの全員が理解することです。

グループ活動の様子を見ながら行う
私のアドバイスは

「グループ全員がわかるようにしてね」

のみです。

生徒たちからは

●100の代わりに100を7で割った余りの
 2で考えればよい。

●10日前は-10日後と考え、
 -10に7を2回足すと4なので
 「10日前」は「4日後」と考えればよい。

●100日前は10日前の10倍だから
 「4日後の10倍」→「40日後」→「5日後」
 と考える。

●8日後は1日後と同じ、
 それを10乗して「1日後」

という説明が返ってきました。

最後の問題は
少し難しいですね。
8=(7+1)だから、(7+1)の10乗は
結局「(7の倍数たち)+1」
となるという説明をしている
グループもありました。

まずは「7を束にして消す」という
イメージができれば成功です。

剰余類を説明するため、
次の様な図を板書します。

岡山合同02

整数全体の世界を
図の様に7つの部屋に分けて
0から6までの数で考えているということです。

0~6は6つの村を代表する
代議員というカンジですね。

例えば「1」の部屋には、
8や15や、-6などがあります。

これを合同式の記号を使うと

1≡8≡15≡-6≡・・・・・ ということです。

このアイスブレイクの時間に、
掴んで欲しかったことが
ほぼ達成されました。

ここで、生徒全員で
次のフレーズを合唱して
本題に入っていくことにしました。

「和の余りは余りの和」
「積の余りは余りの積」
「ベキの余りは余りのベキ」


嬉しかったのは、
授業参観していた校長先生が
ひときわ大きい声で
復唱してくださったことです!

以下次のウォーミングアップ、
そして目標のチャレンジ問題に進みます。

<ウォーミングアップ問題>
(1) 7777710を7で割った余りを求めよ。
  また777777723を7で割った余りを求めよ。
(2) A=7777710 , B=777777723 とすると、
  2A+B+ABを7で割った余りはどうなるだろうか。


グループ内解決、
グループを超えてのシェアと進みました。
(ワールドカフェ方式)

チャレンジ問題では
かなり難しい問題も入れていたのですが、
就業のチャイムが鳴っても
問題を解き続ける生徒達の姿に感心しました。

岡山高校05

そして、本当に元気に反応してくれる
素晴らしい生徒達でした。

岡山高校の皆さんありがとうございました。




 

同音異義語で語る

昨夜、大野から自宅に向かう車中で
ラジオを聞いていたら

「幸せは築くものではなく『気づく』こと」

というフレーズが耳に入ってきました。

なるほどうまいこと言うなあ、
と膝を打ちました。

振り返ると、私はずいぶん生徒の前で
「幸せ」の話をしてきました。

「幸せは、降ってくる華々しい出来事ではなく、
自分で見つけ出すもの」

「ちょっとした心遣いのような些細なものに
心を動かし幸せを感じること」
するとそれは
「他者を幸せにしようとする、ささやかな一歩を
踏み出す勇気につながり、もしかしたら、
それが他者を幸せにするだけではなく、
自分の人生を変えることにも繋がる」

なんていう話をしてきました。

車を運転しながら、
この「築く」と「気づく」のような
同音異義語による洒落た言い回しを
私は結構使っていることに気づきました。

では、自分がつくったものも含め、
以下に思いついたものをあげてみます。

●競争から協奏・共創へ

田原真人さんが使われていたのを
知ったのがきっかけで、
何度も生徒に話しています。
私の場合は「競争」と「共創」の間に
「協奏」を入れました。

「社会とはオーケストラである。時にソロを奏で、
全体が調和することを喜びとする」

という言葉も良く使います。

異質な他者の存在を本気で嬉しく思い、
自分の持ち味を発信し、
そして集団に貢献するということ。

学校組織も、他職種、他校種との繋がりから
新しい価値を生みだすことが
できるのではと考えています。

●「勝ち組」から「価値組」

競争から共創と同じ意味に捉えています。
私はあまりこの言葉は使いません。
2014年6月に「人生勝ち組より『価値組』」(宮川千明)
という本が出て話題になりましたが、
実は、志茂田景樹氏がそのずっと以前の
2007年2月に
「団塊世代の叫び これからは勝ち組より価値組をめざせ!」
という本を出されています。

●副業から複業

サイドビジネスからマルチキャリア。
副収入を得るために本業の片手間に行うのではなく
複数の仕事を有機的に組み合わせること、
リレーションすることで、
本業を強化するだけでなく、
確固たる自分の軸ができる。

そして共創の場が広がり、
新しい価値が生みだされていく。

最近私の周りにはそんな人が増えています。

●価値は「強制」によって引き出される
 ものではなく「共生」から生み出されるもの


プラトンは

「自由な人間たるべきものは
およそいかなる学科を学ぶにあたっても、
奴隷状態において学ぶ
ということはあってはならない。」

といっています。

●「数が苦」から「数楽」へ

これは文字通り。
いつも数学の授業で持ち出す言葉です。

井上ひさしの

「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、
まじめなことをゆかいに、
ゆかいなことはあくまでもゆかいに」

あるいは、論語の

「知之者不如好之者、好之者不如樂之者」

も好きな言葉です。

●「出会い」は「出愛」

これは、映画監督の古新さんが使われていて、
なるほどと思ったものです。
最近のTED Conferenceに登場した
心理学者ロバート・ウォールディンガーが
こんな話をされていました。

「我々の研究グループが長い時間をかけて
700人以上の様々な人間の10代から75歳までの
人生を追いかけ記録するという研究を行った。
その結果、未来の幸福は、良い出会い、
つまり人との親密な関係によって
もたらされることが実証された。」

●「体制づくり」から「態勢づくり」

例えば学習指導や生徒指導などにおいて、
教師という個に任せるのではなく、
まず組織として学校体制を
確立させることが必要です。

しかし、それを「機能させる」ためには、
システム、ノウハウの共通理解ではなく、
理念を共有することを疎かにしてはいけません。

つまり個々の教師の
マインドセットを整えることです。
これが「態勢づくり」です。

そうすれば、思考停止の
画一的な指導の押しつけに陥らず、
個々の教師の独自性、主体性を維持したまま、
教師と生徒が互いに高めあう文化の
醸成につながると考えます。

ALの考え方ですね。

●大野は「星の降る里」そして「星の故郷」

これは大野中学校の校歌の歌詞にあったもの。
「ほしのふるさと」という平仮名書きだったので、
歌いながらどっちだろうと考えていました。

●「育児」は「育自」

以前、大野高校の数学科の懇親会をしていたら
ある先生がボソッと
「アクティブラーニングは育児だ」と呟き、
私は思わず膝を打ち、大きく頷きました。

彼によると、
「どちらも巷に入門書がでているけれど、
そのとおりやればいいというものではない」とのこと。

更に

「マニュアルに縛られてしまうと、
かえって子どもにストレスを与えかねない」

「いろいろな方法を参考にしながら
自分のやり方を作っていくことが大切」

「一人で抱え込まず、他の人と共同することが大切」

「マニュアルに愛情という
マインドがともなってこそのもの」

「どちらも子どもが主体的に生きることを目指す」

などの話題になり、最後は

「育児は育自。結局自分を活かすことにも繋がる」

とまとまりました。

●「個人」は「孤人」ではなく、
 人とのリレーションを伴った「co-人」である


大野高校のアクティブラーニングは
「個を大切にする」「地域との関わり」
という2つの軸を持っているという話をしています。

「個を大切に」とは、
個人指導を徹底するという意味ではありません。
そもそも人間とは人との間柄をともなった存在であり、
個とはあくまでも集団の中の個である
と考えています。

つまり、コミュニケーション、
コラボレーション、コ・クリエーションを含んだ上での
個を大切にするという文脈で捉えています。

人間は一人で生きていけない存在であり、
また、人はともに交わることで
より強く賢くなる存在でもあります。


以上

他にどんなものがあるでしょうか。
面白いものがあったら教えてくださいね。


 

薬師算の動画

算数パフォーマーの
上野さんからいただいたフェルトボールで、
和算にある「継子だて」のテイストを
モチーフにした、音階の話題を
ブログにアップしました。

http://simomath.blog.fc2.com/blog-entry-1089.html

そうしたら、多くの方々から反響をいただきました。

そこで調子に乗って、
「継子だて」と同じく「塵劫記」にある
「薬師算」についてショート動画を作ってみました。

これは、福岡県の生物教師である
跡部さんという方が、
DNAの説明をフェルトボールによって
わかり易く説明する動画を作られたことに
触発されてのものです。

動画は、「白板ソフト」という
すぐれもので作りました。

私は、昨年、このソフトを製作している
マイクロブレイン株式会社取締役の
坂本和代さんから、
東京駅での待ち合わせ時間を利用して、
1時間ほどですが、
駅近くの喫茶店でご指導をいただきました。

因みにFBではやりとりがあったのですが、
その時が坂本さんとは初対面でした。

そんなわけで、全くの素人レベルですが、
デビュー作ということで
youtubeにアップしてしまいました。

ご覧ください。



最近思うことは、いちいち自意識過剰になるより、
開きなおってやったもん勝ち、ということですね。

白板ソフトは、パワーポイントで作ったスライドを
アイコンにドロップすると、
白板ソフト上でパワーポイントが動くので、
録画ボタンを押してトークすれば、wmvファイルを
瞬時に作ってくれるという優れものです。

なので、素人の私でも、
このくらいまでは何とかできるのです。

さて、この動画をFBにもアップしたら、
跡部さんがちゃんと見てくださり、
補足動画を作って、私が説明し足りないところを、
見事に補っていただきました。




さらに、反転授業グループの田原さん
からの話題をきっかけに、
神戸の国語教師の内橋さんも
フェルトボールを用いての動画をアップされました。



跡部さんも内橋さんも
ショート動画教材作成の先輩です。

SNSの繋がりによって、
まだリアルにお会いしたことがない、
全国の優れた実践家の方々と繋がり、
このように楽しく学びあえることに
とても感動するとともに、
新しい学びとしての価値や意義も感じました。

上野さん、坂本さん、跡部さん、内橋さん、
ありがとうございました。

これからもいろいろと教えてください。



 

ヘキソミノの拡大

フェルトボールでヘキソミノの話をしていたら、
FB上で、田原さんからこんな問題を紹介されました。

田原問題01

この図を4つの合同の図形に分けよ、という問題。

小学校の問題だそうです。

図の様に格子線を入れて
12個の正方形に分割するアイデアが浮かべば、
3個の正方形を繋げた図形(トロミノ)
で分割することに気づきます。

トロミノ01

田原さんは、一般性を見るために、
次の図形を4つの合同図形に
分割する問題も提示してくれました。

田原問題02

これも格子を入れて、
ペントミノ(P型ペントミノ)で分割できます。

ペントミノ敷き詰めU字

田原さんのコメントを見ながら、
私はこんなことを考えました。

ペントミノは全部で12種類あります。

今、1つのペントミノを選びます。

例えばP型ペントミノを選んだとしましょう。

ここで、このペントミノを2倍した図形を考えると、
面積は2乗に比例するので、
ペントミノ4個が必要です。
また、3倍した図形は、
9個のペントミノが必要です。

ここで、1+4+9=14 なので
2倍したものと3倍したものに
P型ペントミノを1個ずつ加えれば、
この3つの図形を12種類のペントミノと、
加えた2つのP型ペントミノで
実現可能だろうということです。

というわけでやってみました。

鉛筆で書いて消して、何とかできました!

ペントミノ拡大3

因みにヘキソミノは35種類のピースがあり、
1^2+3^2+5^2=35なので
あるピースと、それを
3倍、5倍に拡大したピースに
全部を埋め込むことが可能です。

更に、35=6^2-1に注目すれば、
あるピースを6倍したものから、
1個のピースを除いて
(同じピースを2個使うことを一度だけ許して)
全部を埋め込むことが可能です。

ヘキソミノ拡大01


何かマニアックになってしまいましたね。

 

緑表紙の問題をフェルトボールで

「緑表紙」とよばれる算数の教科書があります。
昭和初期に発行された、
尋常小学校用の算術書であります。

緑表紙02


これが数年前に復刻され、
私は飛びついて買いました。

執筆陣のの並々ならぬ意欲とポリシーが伝わる、
なんとも骨太の内容です。

算数といって侮るなかれです。

その中の、小学校3年生上巻に
次のような問題があります。

緑表紙01


全部で○の数が36個あるので、これを6で割ると6。

つまり、6個ずつに分かれるように
切ればよいという話です。
でも、そこには何とも数学的な面白さや
奥深さが潜んでいます。

この問題を、フェルトボールを使って
ちょっと遊んでみました。


一般的には、次のように
切り分ける方法が思い浮かびます。

ヘキソミノ分割02

でも、個数が同じならば、
次のように全部形を変えて
切り分けてもいいですね。

ヘキソミノ分割06

これは「ヘキソミノ」(Hexomino)
による敷き詰めです。

因みにヘキソミノとは、
正方形を6個つなげてできる図形で、
その総数は全部で以下の35種類です。

hextoh1.jpg


さて、今度は、全部を合同の図形で切り分ける
方法について考えてみましょう。

最初の長方形の分割だけではなく、
以下の様に結構たくさんあることがわかります。

ヘキソミノ分割05

ヘキソミノ分割03

ヘキソミノ分割01

ヘキソミノ分割04


これらは皆、3×4の長方形による
単純な周期的しきつめになりますが、

最後のP型ヘキソミノによる分割は
更に次の2つのパターンにも分割できます。

ヘキソミノ分割04-2

ヘキソミノ分割04-3

最後のはどんな合同変換によって
周期的に平面を敷き詰めていくのか興味が湧きます。
タイリングアートの問題に繋がりそうですね。

では、今度は2種類のパーツで
分割する方法は何通りあるか考えてみましょう。

だいたいが下の様に
4×3の長方形による繰り返しなのですが、

ヘキソミノ分割07

次のものはちょっと違います。

ヘキソミノ分割08


面白いなあ。

そんなことを考えていると、これは、
ヘキソミノの世界や、合同変換群、
テセレーションなど様々な方向に発展される
高度な問題ではないかと気づきます。

子どもたちは、フェルトボールなどでアソビながら
この問題に向き合うことによってこそ、
様々なことに気づくのではないか、
そして算数の世界に関心を抱くように
なるのではないか、そんなことを思いました。


でも、

100均で買った小さなフェルトボールでは
ちょっと心許ないかな。

やっぱ、持った時のたっぷりとした存在感があって、
磁石付のやつがいいですね、上野さん!



 

ひろのcolor

先日大野高校に、
ケイティさんが来校しました。

2月27日(土)
ひろの水産会館(ウニーク)で開催される
「ひろのcolor」の
刷り上がったポスターを持ってこられました。

これは、堀米裕子さんという
「おなかサロンponpon」で
講座をされている方が発案した、
複数のワークショップや、
地元の方々のハンドメイド雑貨の
販売コーナーなどを取り入れた
ワンデイイベントです。

大切なことは、

「洋野町を大切に思う人たちで作る、
小さなイベント」

というコンセプト。

だからポスターを配ることは、
単にいろいろな事業所に貼って
宣伝してもらうだけではなく、
思いを伝え、
仲間を繋げていくことが目的なのですね。

つまりこのイベントは、
よくあるオムニバスの
定番カルチャー講座ではないのです。

「草の根からの地域改革」
というぶれない軸を持っているからこそ、
取組みが右肩上がりで
成功し続けているのでしょう。

そんな小さな一歩から地域の文化や、
人々のマインドセットを変えていこうという
志に拍手を送りたいと思います。


だからこそ、大野高校に宣伝に訪れた
ケイティさんには、大野高校の授業を
たっぷりと見ていただきました。

そして、生徒とも交わってもらいました。

なぜなら、大野高校の誇れるものは、
マツタケや、卓球や、地域とのつながり
などたくさんあるけれど、
でも一番見せたいものは
生き生きと授業に取り組む生徒達の姿だからです。


そうやって、互いに発信し、そして共感し、
他者を支援していくという行動を繰り返す中で、
人は社会的知性を身につけて
いくのではないかと思います。

ケイティさんのブログはこちらです。⇒★★★





 

飛翔 49号発行

今日、大野高校通信
「飛翔」第49号を作成しました。

大野地区1800戸の他、
大野高校を守る会東京支部の方々など含め
2000部ほど印刷して、
大野庁舎に持っていきました。

今回の「飛翔」は地域の皆さんに、
アクティブラーニングとは何か、
そして、その価値を知っていただこう
ということを意図して作りました。

今、教育現場では
アクティブラーニングが前のめりとも思えるほどに
強力に推進されようとしています。

その理由として、
ドラスティックな社会の変化に応じた、
新しい学びへの変革が急務であるから、
と語られています。

では、学校現場以外で、アクティブラーニングは
どれだけ市民権を得ているのでしょうか。

社会の急激な変化に応じた
学びのパラダイムシフトというのなら、
それは学校という閉じた空間で、
教師の授業改善という自助努力によって
簡単に解決する問題ではないはずです。

教育に関わる私たちは、
学校の内部を見つめると同時に、
学校を取り巻く地域や保護者の
コンセンサスを形成していくこと、

そして、その上で、
学校現場と地域社会が一体となって
新しい「学び」を進めていくことが
必要なのではなかと思います。

全戸配布は白黒版ですが、
WEBからはカラー版を見ることができます。

ご覧下さい。

「飛翔49号」はこちらです→★★★




 

東北選抜卓球大会最終日

昨日で東北選抜卓球大会が終了しました。

大野高校は、秋田商業高校に破れ、
福島県代表の桜の聖母学院高校に勝ち、
1位リーグで2勝1敗となりました。

昨日本校に敗れた五所川原商業高校が
秋田商業に勝ったため、
本校、秋田商業、五所川原商業の3校が
2勝1敗で並びましたが、
マッチ率によって本校は総合3位
という結果になりました。

数字のマジックで3位という結果になりましたが、
東北の強豪と肩を並べる強さに成長したことに
選手たちは自信をもったのではないでしょうか。

3日間、選手の皆さんの試合ぶりや
応援の様子を見ることが本当に楽しかったです。

ありがとうございました。

そして東北3位おめでとうございます。

3月の全国選抜大会での活躍を期待しています。

東北選抜3日目

東北選抜3日目結果

東北選抜表彰式