三宅なほみ先生

東京大学大学院教育学研究科教授で、
認知科学、認知心理学、教育工学の
第一人者である三宅なほみ先生が逝去されました。

癌と闘っておられたことは承知していましたが、
まさかの訃報に驚き声が出ませんでした。

私は、初任の頃(1980年代)に、
三宅先生が書かれた
「教室にマイコンを持ち込む前に」という本を読んで、
PCを用いた授業に対する心構えができました。

私の教師としての方向性を作ってくれた大きな一冊です。

また、人工知能系言語LISPを母体とした
LOGOという再帰的プログラミング言語による
教材開発も三宅先生からヒントをいただきました。

また、2002年から雑誌「数学教室」に
長期にわたって三宅先生が書かれた
学習科学についての連載を読むと、
現在何かと話題の「アクティブラーニング」や、
「授業から学習へのパラダイムシフト」の話など、
まさに先生が、その先駆者の一人
であることがわかります。


三宅先生は、中京大学から東京大学に移られてから、
CoREF(Consortium for Renovating Education of the Future:
大学発教育支援コンソーシアム推進機構)の
副機構長として、学習科学の視点から
学校教育に協調的なプロセスを引き起こすような
知識構成型授業を精力的に提案、
発信されておりました。

私が2012年に、教育委員会に勤務していた時、
埼玉県が東大とインテル社と提携して行っている
協調学習の取組みを聞く機会がありました。

私は、その話を聞いた後、
「是非岩手県にジグソー法を持って来よう!」と思い立ち、
早速、三宅先生と、浦和高校の野崎亮太先生に
連絡を取りました。

そして、2013年の9月に、盛岡三高で
県内80人もの数学教師の参加のもと、
お二人の先生を招いて、
協調学習についてのワークショップを実施しました。

これをきっかに、岩手県の数学科の多くの教師が
ジグソー法の実践をするようになり、
現在に至っています。

最近、三宅先生が監訳された
「21世紀型スキル」という本を読んでいますが、
今年の12月にお会いして、そのことについて
お話を伺うことを楽しみにしていました。

残念でなりません。
謹んでご冥福をお祈りいたします。



ところで、
もう今から30年近く前ですが、
三宅先生が「数学セミナー」の
TEA TIMEに書かれていた、
引算の話が印象に残っています。

最後に、その記事を紹介したいと思います。

巷の一般人は、数学、どころか算数、どころか計算、
いや数学を見るのもいや、という人が少なくないという。
ところが、心理学者からみると、
一般の人はそれぞれの目的に合せて
とても上手に数を扱っているようにも見える。
<中略>
最近私もひとつ面白い観察をした。
渋谷駅から勤め先にゆく途中にちょっと感じの良い
コーヒー店ができて、ときどき立ち寄る。

この間もそこのカウンター席でのんびりコーヒーを
飲んでいたら、
マスターが自家製のチーズケーキを作りだした。

ミキサーにクリームチーズやらミルクやらを
定量ずつ計って入れてゆくのだが、
その計り方が私には新鮮だった。

普通私たちが家でケーキを焼くようなときには、
粉やらバターやらを計るために別の容器を用意して、
それを秤にのせ、その中に粉やら、
バターやらを入れて計るわけだが、
こうするとその容器に粉やらバターやらがくっついて、
不経済である。しかも、後で洗う物も増える。

コーヒー店のマスターはそんな無駄なことはしない。

クリームチーズを計るなら、
まず残っているクリームチーズをその入物ごと
全部秤にのせる。

そしてそこから必要量だけ、
メモリの上では引き算をしながら取り分けて、
直接ミキサーの中に放り込んでしまう。

ミルクもそうである。カートンごと秤にのせて、
ミキサーの中に少し注ぎ込んではまた計って、
ちょうど必要量だけ軽くなったところで止める。

「なあに。単なる手抜きですよ」
とマスターは事もなげに言ったが、
私はちょっとした引算の能力が、
皿一枚でも余分には洗わないという
プロ根性に支えられて、
こんなところで省エネの役に立っている!と、
いたく感心した。

(数学セミナー1986年7月号より抜粋)
 

高総体女子卓球部完全優勝!

今日は昨日に引き続き、
高総体のシングルスが行われました。

昨日に引き続いての快挙達成です!

96名もの各地区代表の中で
塚本佳苗さんが優勝、
土田果奈さんが準優勝、
栁田桜子さんが第3位と、
大野高校が1位から3位までを独占しました。

52チームの頂点に立った団体優勝(5年連続)、
そして、48ペアもの代表で競い合う中で
勝ち取ったダブルス優勝(栁田・塚本組)
第3位(土田・山崎組)と合せ、
完全優勝という素晴らしい結果を残しました。

フルセットで何度もジュースになった試合、
相手のマッチポイントから粘りに粘って
勝ち取った試合など、どの試合も
決して楽な展開のものはありません。

しかし、厳しい状況や、ここ一番という場面で、
本校の選手が見せる集中力と
そこで繰り出されるプレーには
目を見張るものがありました。

派手なパフォーマンスも無く
謙虚に平常心を持って淡々と試合に臨む姿勢、
監督に対する絶大の信頼感、
仲間との深い絆、
他者に優しく接し、
応援者にいつも感謝の気持ちを持つこと・・・。

これが大野高校の選手の特長だと思います。

考えてみると、これらのことは、
プレッシャーに打ち勝ち、
普段通りの力を発揮するための必要かつ十分な
条件でもあるのではないかと思いました。


今回は、昨年度まで
本校を牽引していた3年生が抜け、
1・2年8名の部員の中で掴んだ栄光です。

だからこそ、きっと来年度の希望郷いわて国体への
大きなステップに繋がることでしょう。

おめでとうございます!

0531-01.jpg

0531-09.jpg

0531-03.jpg

0531-02.jpg

0531-04.jpg


 

高総体優勝!

高総体卓球競技2日目、
団体戦とダブルスの決勝までが行われました。

そして、
女子団体が優勝!

見事インターハイ出場を果たしました。

150530_1211~01
開始前、細川先生からアドバイスを受ける選手達

150530_1235~01
ダブルスはフルセットの死闘。
最後は7点ビハインドから大逆転の歴史的勝利でした。


150530_1336~02
声援を送る大野の人々。

そして、ダブルスは、
大野高校の栁田・塚本ペアが
県代表の48ペアの頂点に立ち、
インターハイの切符を手にしました。

150530_1758~01
優勝した栁田・塚本ペア。「凄いね、強いね」といったら
「いいえ。細川先生のおかげです」と笑顔で応えてくれました。


土田・山崎組はベスト4、
伊東・菅野組も東北大会決定戦に勝利し、
ともに東北大会出場を決めました。

また、1年生ペアの大野・千田組も
ノーシードから勝ち上がり
ベスト8入りを果たすなど、
本校卓球部全員が輝かしい成果をあげました。

団体制覇は5年連続。
団体個人含めてのインターハイ出場は、
これで18年連続となりまいた。

この日は、マリンブルーのポロシャツを着込んだ
大野からの応援団が
会場の一関総合体育館に詰めかけ、
選手達を「我が娘」のように見つめ、
惜しみない声援を送り続けました。

今、統廃合の遡上にあげられてまでいる、
小規模校の本校が、
このような実績を残し続けるのはまさに奇跡です。

これは、選手と地域が一体となって
継続的に卓球の村づくりに
取り組んできた成果であり、
そんな「大野の卓球」は、有形無形の
地域の財産と言っていいのではないかと思います。

選手の皆さんおめでとう。

地域の皆さん、保護者の皆さんおめでとうございます。
特に下宿主の南さん、大渡さんは、
選手の育ての親でもあります。
毎日の選手の送り迎えも本当にありがたいです。

そして、

応援を送り続けた男子卓球部の皆さん。ありがとう。
君たちとともに練習してきたからこその優勝です。

最後に、細川先生、小坂先生ありがとうございます。
ここに至る道、並大抵のことではありません。
本当におめでとうございます。

今日は最終日。個人戦が始まります。


 

高総体卓球競技

今日から高総体卓球競技が
一関総合体育館で始まりました。

私は、初めて卓球競技を観戦しました。


大野高校女子は昨年度、団体優勝、
シングルス優勝、ダブルス優勝、
と、すべての部門を制覇しました。

開会式では、その優勝旗とトロフィーの
返還が行われました。

0529-03.jpg

0529-02.jpg

0529-01.jpg
役員席からちゃっかり撮影しました。


今年の女子は3年生がいないチームですが、
頑張って欲しいと思います。

今日は、団体ベスト4まで決定。
女子は順当に4強に進んでおります。

0529-07.jpg

男子は、部員が4人となり、
団体戦に参加できる
最少人数を確保できたことが、
まずは大きなことでした。

私は今日、傍らで彼らをずっと応援していましたが、
チームとして懸命に戦う姿を誇らしく思いました。

0529-04.jpg

0529-05.jpg

0529-06.jpg



厳しい条件の中、2試合を勝ち進み、
3戦目に第3シードの高田高校に破れたものの、
未来に向け、価値のある戦いを
行ってくれました。

そう。この戦いは、未来を築く礎です。

男子卓球部の皆さん。ありがとう。

そして明日からの個人戦に向けて、
再びスイッチを入れて下さい。


 

今後の県立高校に関する地域検討会議

昨日は、洋野町役場「大野庁舎」で行われた
「北奥羽ナニャドヤラ大会実施部会会議」
に参加した後、
今度は洋野町役場「種市庁舎」で、
県教委による
「今後の県立高校に関する地域検討会議」
に出席しました。

かつては、大野村と種市町の
2つの町村でしたが、
今は合併し洋野町になりました。

なので、しばしば、洋野と種市での
会議に召集されます。
私の中では、どうしても未だに
「大野村」なのでありますが・・・。

さて、この合併によって
浮かび上がった問題の一つに、
大野高校と種市高校の
統廃合問題があります。
(一つの町に2つの高校は不要)

昨日行われた、地域検討会議は、
はっきりと口にされてはいませんが、
大野高校と種市高校の
喫緊の統廃合を視野に入れた
地域ヒアリングといってもいいでしょう。

私は、2時から4時まで行われた
検討会議にオブザーバーとして参加し、
その後、6時から行われた
地域住民に開かれた会議にも参加しました。

6時からのヒアリングには、12人もの
「大野高校守り隊」(今作った言葉)
の方々が参加され、
大野高校の存続を切々と訴えていただきました。

県の思惑に理解を示しつつ、
「地域と教育」「子どもたちが幸せになる教育」
という視座からの、格調高く論陣を張る
彼らの姿に、私は感激しました。

後で、彼らの主張を紹介できればと思っています。

そういう私も、地域ヒアリングで、気がついたら
いの一番に手を挙げて発言していました。

私が述べた意見も、
そのうちまとめたいと思います。

ヒアリングは8時近くまでかかり、
その後、高総体卓球競技のため
一関に出かけました。

今、一関のホテルでようやく一段落したところ。









 

北のハーモニー「音楽の森づくり事業」

昨日は、洋野町役場大野支所で行われた、
北のハーモニー「音楽の森づくり事業」
実行委員会総会に出席しました。

そこで、非常にショッキングなことがありました。

それは、洋野町の音楽文化活動という、
重要な位置づけであるこの事業の
今年度予算がたったの23,000円であるとのこと。

しかも、その内訳は、
天文台入場料(1人210円×90人)を
見込んだ分だけ、
つまり洋野町などからの補助は0円なのです。

かつては、この事業に、
200万もの予算が付いていたそうなのですが、
震災復興という大義によって、
文化活動の予算が大きく縮減された
という経緯のようです。

私は、愕然とするとともに、
そのような状況を憎まず、
自分たちができる活動を
精一杯やろうとしている事務局の方々に
涙がでる思いをしました。


震災が起こって間もなく、
ライフラインの復旧とともに、
学校現場では、学力低下を
懸念する声が上がりました。

そして、多くの教師が
学力の復興のため尽力しました。

一方、学習時間確保のため、
学年を超えた生徒の交流や、
情操教育や文化活動の時間が
減らされたことも事実。

その結果、数年後に、
心のケアが必要な生徒が
多数生まれたとも言われています。

私は、それは、文化的イベントの喪失
によるものと断言はしませんが、
人が互いに交わりあう習慣が
「ないがしろにされた」ことが、
少なくとも要因の一つ
ではないかと考えています。

ここで、だから芸術文化による
「心の復興」が今こそ大事だ、
などと声高に述べても、
それが行政を動かすまでの
エビデンスとなるのは難しいのかもしれません。

それはとても残念なことではあります。


私は、ここで、
もう手垢にまみれるほど
言い古された言葉ではありますが、
「持続可能(sustainable)」とは何かを
考えてみたいと思います。

私は、「持続可能」とは、
人々の生活の中で根付いた
文化や様式や価値観が、
習慣となって次世代へと維持される状態、
ではないかと思っています。

今、来年度の「希望郷いわて国体」に向けて、
人も金も時間も大量に注がれています。
あるいは、今年度岩手で開催される
全国高校PTA連合会の成功に向けて、
多くの学校に協力依頼の
動員がかかっています。

大切なのは、そのイベントを
成功裏に終わらせることだけではなく、
そのイベントによって、
どういう価値や習慣が生まれ、
次の世代に持続されるのか
ではないか、と私は思います。

イベントが終了し、
運営組織が解体するとともに、
一部の誰かが一時的に潤い、
しかし、多くの人々には、
ただ疲弊が残るのでは意味がない。

それは、体力を維持するには、
日常の食生活を含めた
「習慣」が大切であり、
「カンフル剤」をぶち込んで、
ある瞬間だけ元気を装い、
結果、心と体に負担を強いることと
同じようにも思えます。


音楽の森づくり事業の予算が
ゼロになった今、
プロの音楽家を招聘するような
イベントは行えないでしょう。

そして、一度、ゼロベースになった
事業から予算を取り戻すのは
並大抵のことではありません。



でも、そのような中だからこそ、
活動を休止させずに、未来に希望を持って、
自分たちができるささやかな活動を、
明るく前向きに維持、持続させていこう
という心意気だけは捨てるまい。

それは、私たちが、過去が失われたけれど、
未来は失っていないという気持ちで、
復興に果敢に取り組んできた気持ちと
同根のものであるはずだから。

それは、トップダウンの命令ではなく、
草の根から展開できるものだから。

そして、音楽などの文化活動こそが、
持続可能な共同体を作るための
推進力になりうると信じているから。

私は、週に1回、夜にグリーンエコーで
合唱練習を行っていますが、
その活動が、大野の持続可能性を考えたとき、
実はとても重みのあるものだという
思いを抱きながら、役場を後にしました。


 

高総体総合開会式

昨日は、高校総合体育大会開会式が、
県営陸上競技場で行われ、
本校も選手と応援団、教員合わせて
98名がバス2台で出かけました。

私も、バスに乗せてもらい、
選手の力強い行進と、
生徒達の、明るく高らかな、
そして楽しい応援風景を見学しました。

行進選手団は、卓球部、サッカー部、
野球部と生徒会のメンバー
16人で構成されています。

プラカーダーは伊東彩さん、
優勝旗の旗手は栁田桜子さん、
校旗は下館周平君がつとめました。

本校は、卓球部女子の優勝旗を保持しての行進。
ちなみに、卓球部は大会のため
明日から一関市に向かいます。

試合直前であっても、炎天下の中であっても、
選手全員が、こうして立派に行進を行うのは、
日頃から、学校や保護者、地域と
一体となって活動してきたことへの
感謝と誇りがあるからこそ。

そしてその中で、
常時優勝を勝ち取ってきたことは、
本当に強いチームなのだと思いました。

5月とは思えない炎天下の中でしたが、
入場行進の生徒も、応援の生徒たちも
元気に活動を終えることができました。

行進した皆さん、応援団の皆さん、
応援を行った1学年の皆さん
お疲れ様でした!

ダイジェスト動画を作りました。ご覧ください。



大野高校のゴレンジャーは
各校(特にチア部)から人気でしたね。

 

J MOOC Open Learning アドラー心理学スタート

教師は、「昔取った杵柄」から抜け出せず、
自分を更新すること、スキルアップすることに
距離を置く人が多いですね。

身銭を切ってセミナーに参加する人は
私ぐらいかも(^^)。

今、授業改善についても、
キャリア教育についても、
大きなパラダイムシフトの曲面を
迎えているというのに、
未だに、自分の経験だけで生徒に接し、
「君臨している」先生を見ると、
思わず「痛いなあ」と感じてしまいます。

私がブログを書き始めた2年前に、
こんな過激なことを書きました。
少し長いのですが・・・

教育現場はある種特殊な空間である。
「教務主任をやらされた」
「管理職試験を無理やり受けさせられてさあ」
などをエクスキューズにしながら、
スキルアップに勤しむことから距離を置く人が多い。

しかし民間ではそうはいかない。
職域が変わったならば、それに応じて、
身銭を投じてスキルを磨かなければ
生活を失ってしまうという危機意識を持っている。

もちろん「民間」と一括りにはできないが、
自発的に研修会に出向くことなく、
悉皆研修(全員を対象とした指名手配研修)に
「いやいやながら」参加するのが
関の山である教員世界とは異なる。

教育現場においては、
そのような自己啓発に勤しむことを
「出世意欲」に置き換えて
冷やかに見る人もいる。
また、「マネジメント」など民間的発想は
教育になじまないという人もいる。

それはもしかしたら一面真実かもしれない。
しかし、そういう職員集団から、
激動する国際社会という荒波に
生徒を送り出すことができるだろうか。

その責任の重さを自覚せずに、
出口指導に明け暮れるだけでよいのだろうか。

そういった社会に子供たちを送り出す我々には
「働くことの意義」を語ること、
そして、自らそれを語れる生き方を
していくことが求められると私は思う。

それは教師が聖人君子となれ、
偉くなれ、ということではない。

偉くないくせに教室で君臨する
「いばりんぼう将軍」ほどイタイものはない。

我々は、自分が「足りない人間である」
という自覚から始まって、
それを克服する努力をし続ける姿を
生徒に見せることが、キャリア教育を
語る資格を得ることではないかと思うのだ。



いやあ、我ながら過激。

私が、もし人に自慢することがあるとすると、
それは、自分はいつも足りないと思っていて、
いろんな人から、様々な事を学ぼうと
いつも思っていることかなと思います。

さて、そういうわけで、私は、昨日から、
OpenLearning, Japan による
オンライン授業を受け始めました。

それは、早稲田大学の向後千春先生による
「しあわせに生きるための心理学
~アドラー心理学入門~」です。

course_card009.jpg


動画視聴を基本とするE-ラーニングですが、
とにかく面白い。向後先生凄い!。

講義内容も素晴らしいのですが、
受講生同士の相互のコミュニケーションや、
自己評価・他者評価を取り入れるなど、
ダイナミックな学習空間が
展開されていることにも感心します。

私は、その内容を学びながらも、
このような教授手法が、高校教育にも
応用できないかと考えてしまいました。

公教育に携わる我々は、巷で次々開発され、
更新されている新しい教授法に敏感に
アンテナを立てていく必要がありますね。

以前から学びたいと思っていたアドラー心理学、
このようなディスタンスエデュケーションによって
勉強できること本当に素晴らしく、
ありがたいことです。


 

大野木工の奇跡の球体スピーカー

今日、種市庁舎への出張の帰りに、
ふと大野木工の佐賀工房に立ち寄りました。

実は、以前、大野木工で、
球体スピーカーを作成した人がいる
という話を聞いていて、
もしかしたら佐賀さんではないか
と思い訪ねたのでした。

佐賀さんに聞くと、
そのスピーカーを作成した方は、
自分ではなく、隣の家で工房を営む
佐々木さんであるとのこと。

早速、佐々木工房に出向いたところ、
何と!私が二十数年前に担任していた
教え子のお父さんではないですか。

息子の佐々木君と久しぶりの出会いに
喜びながら、お父さんが作成した
スピーカー(40cmタイプ)を
見せていただきました。

大野木工スピーカ01

「凄い!目玉おやじのおやじだ」

思わず叫んでしまいました。

お父さんによると、
このスピーカーは、
通常の球体スピーカーとは違い、
相当な工夫を施していて、
特許も取得しているそうです。

例えば、球の内側は空洞ですが、
低音を響かせるために、
球の内側に敢えて凸凹を加えることで
表面積を増やしているそうです。

また、音源から発せられた音が、
球の壁に反射したときの
動きの話を聞くに至っては、
これって二次曲線の回転体と
焦点の話じゃん!大野木工の職人恐るべし、
と驚嘆してしまいました。

そして、何より、大野木工の質感が素晴らしい。
木工ロクロで、手作りで
こんなパーフェクトな球体ができることが
もう奇跡です。

球体を作る方法も伺いましたが、
輪環の帯を何個も組み合わせて
半球を作っていく手法で、
これは、まさに数学の区分求積です。

音は聴くことができませんでしたが、
私は欲しくて欲しくてたまらなくなり、
遂にオーダーしてしまいました。

世界に数個しかない
大野木工球体スピーカーです!

何時になるかはわかりませんが、
このスピーカーが手に入ることを思うと
ワクワクしてしまいます。
大野にいる楽しみがまた増えました。

尚、このスピーカーは
通常のボックスのスピーカーの
3倍の迫力だそうです。


 

佐比内金山・隠れ切支丹物語

昨日は、
「佐比内金山・隠れ切支丹物語」ツアー
に参加しました。

紫波町の佐比内地区は、1622年より、
6万5千両という巨額の資金
(今で言うと110億)を投入し、
金山の発掘が行われた場所です。

30年あまりでその採掘は終了するのですが、
国内最大級の金の産出量を誇り、
平泉の黄金文化はこの佐比内金山
によってもたらされたとのこと。

そして、今の盛岡市は、佐比内金山によって
つくられたとも聞いて驚きました。

鉱山では、過酷な労働の中、
三十代で生涯を閉じる者が殆どであり、
そのため、遊郭などの歓楽の場があったり、
主殺し、親殺し以外は刑事訴追を逃れる
治外法権が適用される場でもあったそうです。

この治外法権の場であることに注目し、
多くの切支丹が、弾圧を逃れるため、
坑夫となってこの地に身を隠していたわけです。

0524-09.jpg
「山大十」は「サンタクロス」と読む。
この他「三沢」は「ミサ」だったり、
切支丹の隠語が随所にみられます。

0524-06.jpg

0524-07.jpg
犬も気持ちよさそうに参加していました。

さて、

昼食をとったのは、
360度鮮やかな緑に包まれた絶景の場所です。

0524-02LT.jpg

0524-03LT.jpg

すると、何という幸運でしょう。
佐比内太鼓のメンバーが
TVロケのため演奏をしている場面に遭遇しました。

眩しいばかりの新緑と、
森を映し出すエメラルドグリーンの
大きな溜池を背景に繰り広げられる
熱烈なパフォーマンスにしばし酔いしれました。

0524-01LT.jpg

0524-04LT.jpg

そして、嬉しいことに、TV集録終了後も、
ツアー参加の我々のために
追加で演奏をしていただきました。

最高の天気に恵まれる中、
金山とロザリオと緑のトレッキングを楽しみながら、
地元紫波町の歴史と文化を
あらためて勉強しました。

 

授業づくりカフェ

今日は、岩手大学で、
授業づくりカフェ+杜陵サークル
が行われました。

授業づくりカフェ、今回は
待ちに待った、大内国芳先生の登場です。

大内先生は、岩手が全国に誇る実践家です。

一つ一つの教材に対して、深く研究し、
周到な準備をされ、そして授業後の
まとめと評価をとてもしっかりと行うという、
数学教師として、見習うべき先生であります。

今回のカフェは、これまで先生が
行ってきた実践の紹介でしたが、
授業ネタの豊富さだけではなく、
生徒への提示の仕方、
数学通信などでの発信と評価など、
非常に参考となる内容でした。

遠路から、たくさんの教材、教具を準備され
本当にお疲れ様でした。

ありがとうございました。

0523-02.jpg
微分の教材。最大容積の箱はどれ?

0523-03.jpg
トイレットペーパーの内径と外径から
巻数を推測する実験(等差数列の和)。

0523-06.jpg
手前はハノイの塔。
黒板は、円関数としてのコサインを理解する教具。

0523-01.jpg
休み時間も、人だかりです。

0523-04.jpg
月見亭はいつもながらのご馳走です。

 

1学年講話

昨日は、1学年の校長講話を行いました。
入学式の式辞で述べた、
以下の5つの内容を深めていく
ということを中心にお話ししました。

koutyoukouwa.jpg

例によってビデオを仕掛けました。
ビデオで自分がどんなふうに話したかを観ることは、
今後にとても役立ちます。

授業でも、自分の授業動画を分析することは、
授業力向上にはとてもいいのです。

ところが、今見たら、
何と録画されていませんでした
ガ━━(゚д゚;)━━ン!!  ショック!

そういうわけで、予定では、講話の内容から
ダイジェスト動画を発信しようと思ったのが
できなくなりましたので、
以下に、最後のまとめとして述べた
「人は3回死ぬ」という部分を
文章でまとめておきたいと思います。


<最後のまとめ「人は3回死ぬ」>
人は3回死ぬといわれます。
1回目は肉体が滅んだとき、
2回目は、周囲の人の思い出が消えたとき、
そして3回目は、その人が生きていた環境において、
その人が作ったり、影響を与えていた
習慣がなくなったとき、なのだそうです。

肉体・思い出・習慣ですね。

いってみれば、習慣がなくなったとき
その人は本当に死んだということになる。

ここで、「習慣」とは、その人が成し遂げた何か、
ではなく、
その人によって続けられている何かです。

やったことは「経験」、
やり続けていることが「習慣」ですね。

さて、今私は、大野に住んでいる方々と
4月以来何度も面会し、話を伺ってきました。
その中で、地域の方々の大野高校に対する
大きな期待を感じました。
そして、同時に大野高校存続への
熱い思いもびしびしと感じました。

ここで、「大野高校が死ぬ」つまり
「大野高校が無くなる」ということを
先ほどの3回死ぬということと照らし合わせて
考えてみたいと思います。

1回目の死は、学校の存在がなくなる時。

それは廃校になるということですね。

次は、学校がなくなり、
その思い出もなくなった時が2回目の死です。

そして、大野高校によってつくられてきた人々の
習慣が消えたときが最後の死です。

では一体、大野高校によって作られた
習慣とは何でしょう。

思い浮かべると、実は、それは、
ほとんどが地域と一体となって
築かれてきたものなんですね。

例えば、大野高校の挨拶を交し合う習慣は、
生徒が、自分たちができるささやかな一歩から、
それを地域に広めていく活動として、
地域文化となった。

工芸の授業は、大野木工という地場産業の発展と、
地域の活性化・特色のある学校との
表裏一体の取組みです。
工芸を学んだ生徒が、
デザインセンターで講師をするという
雇用の循環まで生み出しています。

給食はどうでしょう。
学校と食材を提供する地域の農家を、
給食センターが結び、
小中校一貫して食育を推進するという
地域文化を作り上げてきました。

移動図書館もありますね。

交通安全指導だってそうです。
全国的に見ても、自転車バイクの
安全走行の指導を、こんなに地域一体となって
行っている学校はありません。
内閣総理大臣賞まで受賞しているんですよ。

里山整備事業、マツタケ山づくりも、
地域の環境を守ること、
地域と共同で作業体験すること、
マツタケの生態をしらべ、
もしかしたら新しい地場産業を創出する
可能性も秘めています。

そして、卓球部のインターハイ出場という実績。
全校生徒150名程度の小規模校が、
なんと17年連続インターハイ出場を続けていることは
奇跡とまでいわれています。
もちろん、他地区から受け入れた
能力の高い生徒の技量もあるけれど、
そんな彼らを温かく迎え、
地域が総がかりで生きる力を養成してきた
コミュニティの教育力があるからこその
成果だと思います。
そして大野高校や地域の
優れた指導者の存在もあります。
地域全体が卓球を支援している町でもあるわけです。

もちろん、それは、卓球だけではありません。
野球やバスケットも、
小中高と地域と学校が手を組んで育ててきた
という歴史があります。

大野高校はそういう多くの地域の人達によって
つくられている「チーム学校」なのです。

このように、地域の文化や習慣
というものを考えたとき、まさにそれは、
大野高校と一体となっているんですね。

ということは、大野高校の存在が
地域から無くなるということは、
「肉体の死」であると同時に、
「習慣の死」をも意味するということになります。

だからこそ、大野の地域の人達は、
「大野高校がなくなることは
大野がなくなること」
とまでいっているわけです。

そこでです。

だからこそ、あなたがた一人ひとりが、
大野という地域にとってかけがえのない存在なのです。

皆さんは、ピカピカ輝く大野の宝、
大野の希望の星なのです。

いや、それは、地域にとどまりません。

2060年には日本の人口の40%が
65歳以上になるというデータがあります。
また、2100年には、今1億人以上の日本の人口が
4800万人に激減するという話もしましたね。

そして、今後グローバル化が一層進み、
世界の人々と共同していくことなどを考えれば、
君たちの存在は、まさに世界・地球の宝なのです。

皆さん、そういう自覚と誇りを持って、
自分のできる一歩を
発信していって欲しいと思います。

皆さんのその一歩が、習慣や文化を創り出し、
世界を変える力になるかもしれません。

ご清聴ありがとうございました。


 

ブタンの実験ダイジェスト

昨日は、沼井先生の
理科の授業を見学しました。

途中10分程度、屋外に出て、
実験を取り入れるという
アクティブな授業です。

実験の内容は、
家庭用コンロのボンベに入っている
ガス(ブタン)を液体にして、
指の体温で沸騰する様子を
感じるというものでした。

温度が低くても沸騰が起こること、
気体になることで体積が膨張すること、
気化と同時に指が恐ろしく冷たくなっていくこと、
火をつけて燃焼の様子を見ること、

などを実体験することで、
教科書から得る知識は、
社会で生きていく中で活用される
知恵に繋がっていく。

そんなことを考えました。

ダイジェスト動画です。






 

ガムテバッグを見て思ったこと

昨日は、総合文化部の活動を見学しました。
生徒たちが、手芸やネイルアートなど、
様々な「一芸」を考え、創作活動を行っていました。

総合文化02

総合文化01

ガムテープを使って
トートバッグを作っている生徒がいました。
とても興味深かったので、
じっくりと見学しました。

総合文化03


ダンボールを型にして、ガムテープを、
粘着面が表になるように巻きつけて、
その上から、今度は粘着面を合わせるよう
にガムテープを貼っていきます。

総合文化06

最後に型を抜くと、見事!
素敵なバックができあがります。

総合文化05

柔らかい手触り、防水性もあり、そして丈夫。
見た目も皮製のようでもあり、
何より制作費はガムテープだけなので216円。
製作時間も30分ほど。いいことずくめ。

そして、彼女は、最初の作品を
母に贈ったところ、とても喜ばれたと、
笑顔で話してくれました。

そう。人を喜ばせて、自分も笑顔になるという、
それはそれは、大きないいこともありますね。

顧問の菊地先生が、この手法を
インターネットで見つけ、自ら実践して、
生徒に提示したとのこと。

「とにかくお金がないので、
お金のかからないものを探すことが一番です」
と先生はおっしゃっていました。

大野高校は小規模校なので、
部活動を支援するお金は十分ではありません。

お金が無いから、活動を制限する、
レベルを下げるという、
ネガティブな方向に考えるのではなく、
「負」の状況を受け入れつつ、頭を使って工夫し、
こんなにも素晴らしい作品の
創作を考えたことに、私は胸が熱くなりました。

そして私はこんなことを考えました。

生徒ができないから、計算ドリルを繰り返す、
単位を減らす、プリント学習でごまかす、
などというマイナス方向で考えるのではなく、
生徒が自ら学びたくなるような教材を開発する、
教具を作って見せる、
グループワークなどを取り入れて
生徒が主体的に参加する授業を考える、等々。

これもプロフェッショナルとしての
クリエイティビティというもの。

更にもう一つ考えたこと。

自分の短所をちゃんと見つめ、
それも含めての自分を受け止める。
その上で、行動や考え方を変え、
幸せをつくり出していくこと。

それと同じだな、と。

総合文化部のささやかな活動の中に、
教育や生き方に対する
いろいろなヒントがありました。

ありがとうございました。


 

移動図書館

皆さん、「移動図書館」って知っていますか?
実は、大野高校には、かつて私が勤務していた
平成4年から今でも「移動図書館」があります。

0520-01.jpg

今日は、今年度最初の訪問日。
これから月1回、移動図書館のバスが、
保育園、小学校、中学校、高校をまわります。

私は、その当時から走っている「ひばり」を、
二十数年ぶりに見たとき、
当時のことを思い出して涙が出そうになりました。

今は遠隔地でも、amazonなどで
書籍を容易に購入することができますが、
当時は本屋も無く、
交通も不便な山村の大野の地に
読書の習慣をということで、
この「ひばり号」は走り出しました。

幼児向けの絵本から高校生、大人向けの
小説や随筆などバラエティに富んだ書籍が、
担当されている方のセンスで選ばれ、
並べられています。

0520-03.jpg
本を選ぶF先生。昼休みの憩いの一時。

今日、私も会員になりました。
そして、「何かお薦めは?」とリクエストしたところ、

「そうですねえ」と私に選んでくれた一冊は、
IBCアナの菊池 幸見さんの「走れ、健次郎」でした。

ありがとうございます。
早速今日から読みますね。

もちろん大野高校にも図書館はあります。

でも、こんな心の触れ合いが持てる、
「移動図書館」は無くしたくない大野の宝の一つ。

0520-02.jpg
担当される木村さんとは、合唱隊の仲間です。


このような、一見非効率的、非生産的に見えるものにこそ、
新しい価値が生まれ、可能性があると私は信じたい。

そう、それは、「大野高校」という「コンテンツ」にも
同じことが言えるから。




 

高総体県大会の壮行式

昨日は高総体県大会の
壮行式が行われました。
卓球、バスケット、バレー、
サッカー、ソフトテニスの
各部の選手たちが元気よく行進し、
決意を述べました。

kousoutai0519-01.jpg

そして、応援団を中心に
皆さんから力強いエールが送られました。

kousoutai0519-02.jpg

kousoutai0519-03.jpg


私の激励の言葉を以下にまとめます。

私は、始業式の時、
高校生活を充実させるための「さしすせそ」
という話をしましたが、
今日は「かきくけこ」の話をします。

東日本大震災津波で被災した沿岸のある高校では、
次の「かきくけこ」をスローガンにして
復興に立ち上がってきたそうです。

【か:感謝】
支援していただいた人への感謝を忘れないこと。

【き:希望】
どんな状況にあっても希望を捨てず未来を見つめること。

【く:工夫】
他から与えられるのを待つのではなく
自ら工夫を凝らすこと。

【け:決断】
自分たちが何をやるべきかの決断をすること。

【こ:行動】
決断したことを行動に移すこと

この「かきくけこ」は、
これから高総体に向かう皆さんに対する
思いにも通じるのではないかと思います。

【か:感謝】
お世話になった指導者、顧問、保護者、
地域への感謝の気持ちを持つこと。

【き:希望】
どんな厳しい戦いでも希望を捨てないこと。

【く:工夫】
試合の中で頭を使って勝つための工夫をすること。

【け:決断】
試合の状況を見て、どのプレーを
選択するかを決断すること。

【こ:行動】
決断したプレーを実行できるような
技術と行動力を持つこと。

この「かきくけこ」の精神で
試合に臨んで欲しいと思います。
そして、選手たちが力を発揮できるよう
皆さんで応援しましょう。

ところで、始業式の時に
「みそあじ」(身なり・掃除・挨拶・時間)
という話をしましたね。

試合に臨んだとき、緊張や、
相手からのプレッシャーや、
「負けたらどうしよう」
「指導者の期待を裏切りたくない」
という「勝ちびびり」といわれる状況の中で、

頭が真っ白になり、
自分の力を出せずに終わることがあります。

そこで、最後に、対面式のときに
沼井先生がお話された「みそあじ」を想起しましょう。

ちょうど、私の目の前に
沼井先生がいらっしゃいますね(笑)。

私がコールするので、沼井先生から
力強いメッセージをいただき、
私の激励の言葉とします。それではいきます。

「み」=「見失うな!」
「そ」=「そこにいる自分を」
「あ」=「相手が誰であっても」
「じ」=「じたばたするな!」

頑張ってください!


misoaji.jpg


 

今日の授業の一コマ

今日は午後のほんの15分程ですが、
ふらりと授業を参観しました。

そして、とても感心しました。

どの授業も、教える先生が
とても楽しそうなのです。

先生が楽しそうだと、生徒もノッテきます。
見ているこちらも笑顔になります。

いいですねえ。

0519-01.jpg

2年生の英語コミュニケーションの授業。
教室に入ったら、生徒から
「お疲れ様です!」の声。
その後、サラさんの仕掛けで、
突然私に英語で挨拶をする生徒が現れました。

0519-03.jpg

0519-02.jpg

工藤先生の保健の授業。
教室のレイアウトの工夫
ICT機器の活用
生徒を乗せていく話術と工夫された発問
生徒の活発な発言

すばらしい授業でした。
後ろで見ていた私も、思わず挙手をして
発言してしまいました。

0519-05.jpg

今日は中高連絡協議会もあり、
中学校の校長先生も授業参観されました。




 

とぐろを巻くあり得ない3匹の幾何学的大蛇


もう30年近く前ですが、こんな絵を作りました。

btriang.jpg

3つの三角形がからまっていますが、
1つ1つの三角形は
ペンローズ三角形という不可能立体です。

benrose1.jpg

また、3つの三角形は互いに交わって見えますが、
実はどの2つも交差していない、
交差点ゼロのあり得ない構造です。
ボロメオの輪と呼ばれます。

boromeo.jpg



「とぐろを巻くあり得ない3匹の幾何学的大蛇」
と名付けて蛇年の年賀状に使ったこともあります。

国や、社会や組織などが、
自分達が内包している矛盾に気づかず、
あるいは自分達の毒を隠して、
見せかけの融和や協調を図っている状況を
風刺して描いたものであります。

今、なんとなく思い出して取り上げてみました。

最近心底思うこと。
世界が平和になりますように。

 

「数学教室」6月号

「数学教室」6月号が届きました。
連載「数学という名の自由の翼」
の連載も15回目となりました。

201506数学教室


今回は、前号に引き続いて、
「微分に市民権を再び」というテーマで
書かせていただきました。

以下、最後のまとめの部分だけ紹介しますね。

私たちは、数学で扱う関数だけに限らず、
一般に、変化する物事について論じる際、
「現在の状態」(関数の値)と、
「変化する様子」(微分)の両面から
判断する必要があるのではないかと思います。

更にそこから転じると、
微分の話からは脱線しますが、
物事には「外側から観察・測定できる量」
だけでなく、「内包されている見えない量」
も併せて観ることが大切であるという見識にも
繋がるのではないかと思います。

身近な例をあげると、
子どもの成績の評価はどうでしょう。
例えば期末テストの点数は、
その時点での「関数の値」です。
でも、ペーパーテストの点数だけで、
能力を決めつけるのではなく、
彼が内包している見えない能力のようなものも
見る必要があります。

例えば、
「点数は低かったけれど、意欲満々なので、
将来はきっと伸びる要素がある」
と評価することもあるだろうし、
「点数は良かったけれど、
生徒たちは授業をあまり楽しそうにしていない。
少し授業を見直した方がいいかも」
と自身の授業評価を行うことに
つながったりするかもしれません。

最近、観点別評価の話の中で、
知識や技能だけでなく、
意欲なども評価せよと言われていますが、
これを私的に言うと、

「生徒は関数の値だけでなく、導関数も評価しよう」

ということになります。

このような言い方を許すと、
「微分」「導関数」などというタームは、
「伸び率」だけでなく、
「見えない能力」
「潜在的なパワー」などを表現するものとして
「ベクトル」のように
日常的に使えるかもしれませんね。

では皆さん声高らかにご唱和ください。

「微分に市民権を!」


 

赤と白

先週の金曜日、大野の住宅で朝起きたら、
窓の外が真っ赤に見えました。

焚火だろうかと思い窓を開けると、
何と燃えるように赤いツツジの花が咲いていました。

ツツジ5月16日01

そして、昨日、紫波の自宅の駐車場に車を入れたら、
今度は、眩しい程の白さが目に飛び込みました。

ツツジ5月16日03

これもツツジでした。

我が家にこんなツツジがあったのね。
驚いてしまいました。

赤と白のまばゆいツツジ。
5月の楽しみでもあります。

 

給食センター便り後日談

実は、大野学校給食センターのFさんから、
もう一通メールがありました。
それは、私のブログの中にある、
餃子の皮にチーズと葱を入れて
軽く油であげた料理を
評価してくださったコメントでした。
その記事はこちら

いやあプロにそんなことを言われると
恥ずかしいやらなんやら。

そして、Fさんは、餃子の皮に、
サキイカとネギをマヨネーズで和えたものを入れる
というメニューを提案していただきました。

そして今日、早速作ってみましたよ!

5月16日の食卓特別餃子

美味しい! これは!

揚げたてのアツアツ・サクサクの餃子に、
サキイカとネギという意表をつく組合せは、新食感です。
これは、まさにビールのつまみとして最強ですね。

サキイカをもう少し細かく切っておけば良かった
というのが反省(噛み切れなくなるため)。

ところで、ビールといえば、
昨日のグリーンエコーの合唱練習のとき、
廣内さんからベアレンビールの新製品である、
山葡萄ラードラーをいただきました。

この山葡萄ラードラーは、
ベアレンと野田村とのコラボ製品で、
ビールにレモン果汁と山ぶどう果汁が入っています。
廣内さんの旦那さんが野田の方なので
そのルートで手に入ったものです。

廣内さんは、大野をこよなく愛し、
私が大野に赴任して以来、
大野の良さを私にたくさん伝えてくださる、
とっても素敵な方なのです。

グリーンエコー合唱隊も、
廣内さんから誘われて入りました。


さて、早速ビールをいただきました!

ベアレンラードラー山葡萄

これは美味い!本当に。
色良し、味よし、アルコール分少なしで、
女性にも好評でしょうね。

サキイカ餃子にもバッチリでした。

そういうわけで本日のメニュー。

5月16日の食卓LT

これと余った餃子の皮を入れた
ワンタンスープでしたっ!








 

給食センターからの便り

先日、大野学校給食センターの
栄養士のFさんから、学校にメールがありました。

Fさんは、私のブログを見てくださっていて、
「給食のことを取り上げてくれて嬉しい、励みになる」
という内容でした。
給食の記事はここ

いえいえ。お礼を申し上げるのはこちらの方です。

毎日、美味しくて栄養のある食材を
格安で提供してくださる給食センターの皆様には
本当に頭が下がります。

センターからは、毎月献立が学校に配られます。
毎日のメニューと、それぞれの食材についての
「はたらき」として、栄養素の解説と、
一口メモなどが掲載されています。

5月の献立

そして、下段には、「今月の生産者」のコーナーに、
食材の生産者の名前があげられています。

小学校から高校まで一貫した食の提供は、
地域の子どもたちの健全な成長を促すとともに、
食を軸とした正しい生活習慣を作ります。
そして、給食は、働く親たちにとって、
とてもありがたいものであり、
また、地域の食材を用いることで、
地産地消の輪を形成することにもなるでしょう。

つまり、地域における食育の推進に
大野の給食が大きく貢献していることが
本当によくわかります。

さて、昨日のメニューはこれ。

5月15日給食


ビッグ野菜ギョーザと、
厚揚げ入り四川キャベツ、
ワカメの味噌汁、
デザートにミニリンゴゼリーがついています。

とても美味しかったです。
給食センターの皆様、ありがとうございます。


給食センター02

給食センター01






 

2つのアフィン変換にゆらぎを入れる

田原真人さんの
「自己組織化の原理を使って世界をもっと自由にする」
がとても面白い。

「細胞性粘菌はフラットなコミュニケーション
によって自己組織化する」

という現象を、社会構造のアナロジーとして
捉えるという内容。
いつもながら彼の視点には驚かされます。

この内容を紹介したいところですが、
それは彼のページを見てもらうことにして、

ここでは、以前東北大学の入試をモチーフにして、
2つのアフィン変換に、ゆらぎを入れて作る
コンパクト集合の話をしたいと思います。

まずは、2013年の東北大学の入試問題です。

tohoku-01.png

行列Aは、原点の周り135°の回転を表す
一次変換なので、漸化式

tohoku-02.png

は、

「最初の点を原点の周りに135°回転させ、
更にそれをX 軸方向に1だけ平行移動し、
その移った点をまた原点のまわりに135°回転させ、
X 軸方向に1だけ平行移動し、その移った点を・・・」

という単純な操作の繰り返しを表しています。
エクセルを使って、移った点を
順次プロットしてみました(1000回実施)。

● 普通にやってみる
tohoku-03.png

tohoku-04.png

図の正八角形をなす8個の点を
サイクリックに取り続けるような挙動をしています。

●ゆらぎを入れてみる①
(√2を1.4とする) として計算してみました。
tohoku-05.png

tohoku-06.png
 
なんと!ヒトデ(ウニ?)になりました。
√2を1.4としたことで、
縮小する相似変換が加わったため、
点は8角形を縮小しながら回り、
1点に収束していきます。

● ゆらぎを入れてみる②
いたずらして、一か所だけ数字を
微妙に変えてみました(2行2列成分を-0.7とした)。
tohoku-07.png

tohoku-08.png

渦巻きがでてきました。
これは、ずらし変換(ねじれ)が入ったことの影響です。
尚、変換は1000回だけ行っているので、
もっと続けると、1点に収束すると思われます。

●もう一つの変換を準備する
今度は、もう少し面白いことをしてみます。
この変換は「135°回転してX軸方向に1だけ平行移動する」
でしたが、ときどきは、X軸方向(変換1)ではなく、
Y軸方向への平行移動(変換2)も行ってみたいものです。

そこで、次の2つの変換を用意して、乱数を発生させ、
どちらの変換にするかテキトウに選んで
点を変換しプロットしていきます(1000回)。
tohoku-09.png

tohoku-10.png

tohoku-11.png

乱数系列が変わる(変換の順序が変わる)度に
図形(有界閉集合)も変化しています。

不思議だなあ。

回転と平行移動の繰り返し(アフィン変換の離散力学系)
というシンプルな操作なので、
パソコンがあれば高校生でも、
思わぬ発見もできるかと思います。

その興味深いアトラクタをエクセルで
次々描画したものを動画にしてみました。



乱数系列(二つの変換をどういう順番で行うか)によって、
生ずる図形が変わっていくことがわかると思います。


 

ブルースな生き方をしたい

BBキングが一昨日亡くなった
という話を妻にしたところ、
亡くなったのはもっと前だ、という。

え、と思ったら、その後
娘の結婚式であなたが演奏していた
曲を作った人だよね
」だって。

いやいやいいや、その曲はスタンドバイミーだけど、
それを作ったのはB.B.Kingではなくて
Ben.E.King。

ったくもう。

ちなみに、日本を代表するブルースシンガー
近藤房之助が作ったバンドB.B.クイーンズは、
もちろんBBキングをリスペクトしての
ネーミングですね。


私は、ロックもジャズも好きですが、
根底にあるのはやはりブルースです。
そこで、今日はブルースギターを聴いて仕事。

BBKING
B.B.KingのThe Jungle は大好きな一枚。
久しぶりに聴いたら、熱くなって
仕事を投げてブルースピアノの
練習を1時間もやっていました。




T-Bone.jpg
ブルースギターといえば、
何といってもTボーンウォーカーです。
彼はBBキングがリスペクトして止まない
モダンブルースギターの父。

このレコードは何度聴いたことか。


私の中では、ブルースマンといったとき、
それはブルースという音楽をやる人より、
もっと大きな意味で捉えている。

まあ、いわば、
クールでカッコいい生き方をする人のこと。

なんてね。

そう。生き方という面から、ブルースは
自分の中でのアンカーである。



 

田んぼアートが凄い!

5月12日から湖の見える
美しい景色の中で、
3日間の研修が行われました。

繋温泉01

繋温泉02


3日間同室だったのが、
宮古工業高校の及川校長先生。

及川先生とは、県庁時代の同僚でしたが、
いくつもの業務を同時並行にこなしていく
敏腕指導主事で、
私は、総括でもあった彼から、
いろいろなことを学びました。

また、彼はパソコンのプロフェッショナルであり、
吹奏楽の大家でもあります。


12日の夜、寝ようとしたら、
彼がタブレットを開いていました。
見ると、田んぼアートの
ウェブサイトを作成していました。

及川先生は、地元奥州市で、
2008年に、地域活性化の取組みとして
「アテルイの里の田んぼアート」を
立ち上げたメンバーの一人。

現在ホームページの運営を
担当しているとのこと。

昨年度の作品を見せてもらったら、凄い!
葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」
が描かれているではないか。

田んぼアート01

過去のアートの写真や
制作する過程等は、こちらの
ホームページで見ることができます。
 ↓
「アテルイの里の田んぼアート」


 

地歴アクティブラーニング協力校

5月11日に、理科の初任者研修があったのですが、
この日、同時に、教育センターから
地歴公民の指導主事の先生が2名本校に訪れました。

本校は、地歴公民科の
アクティブラーニング型授業推進の
県の協力校となっています。
この日は、今後の打合せと
授業参観が行われました。

初任者研修もそうですが、
いただいたチャンスを捉えて、
小さな学校でも、
アクティブラーニングの拠点校として、
全国に発信していけることを
私たちは示していきたいと思います。

20150511-01.jpg
授業後に、生徒と対話する
主任研修指導主事の鈴木徹先生。

20150511-02.jpg
授業後の研究会の風景

教育センターから、
これから何度か本校に足を運んでもらい、
アクティブラーニングを提案し、
発信していくことになります。

そして、6月には、
鈴木徹先生の「伝説の授業」が
本校で観られるかもしれません。



 

初任研とまきば天文台

5月11日の夜から4日間、
ネットが使えない環境にいたため、
記事の更新が途絶えておりました。
こういうSNSデトックスも時にはいいものですね。

さて、5月11日から3日間、
本校で理科の初任研が行われました。

私は、12日から3日間出張だったため、
1日だけのお付き合いでしたが、
8名の初任者の方々と、
とても楽しく過ごすことができました。

本校のような小規模の学校に
注目し、初任研の会場に
設定していただいたこと、
とても嬉しいです。

考えれてみると、

大野高校は、校舎の裏に大規模な
太陽光パネルが設置されていること(物理)、

工芸などのものづくりが教育課程に
位置付けられていること
(苦しいけど物理)、

自然科学部が八戸北高校の
SSH協力校としてタンポポの研究に
取り組んでいること(生物)、

近くに「ひろのまきば天文台」があり、
そこで様々な取組みを行っていること
(地学)、

毎年マツタケプロジェクトを
実施していること(生物)、

等々、理科の初任研には
適している学校かもしれません。

この日は、初任者の先生方に
私の経験談やこれからの授業の在り方など
1時間ほど話をさせていただきました。

そして、研修終了後、皆さんを
「ひろのまきば天文台」に招待しました。

皆さんの了解を得て、
そのときの動画をアップいたします。




牛が見守る、広大な「まきば」で、
星を眺めること小一時間。

皆さんすっかり打ち解けあっていました。

初任者研修のいいスタートが
切れたのではないかと思います。

さて、私は、今日、つなぎ温泉で行われた
研修を終え、夕方に学校に戻りました。

初任研で授業を担当した沼井先生に、
11日の天文台見学良かったね、と話をすると、
先生はこんなことを言いました。

「自分は何度も天文台で星を観ているので、
星を観ることよりも、
この天文台と大野から見える星空を、
初任研の先生方が喜んでくれる
顔を見ることが嬉しかった」


この話に、我が同志!と膝を打ちました。
自分が大好きな大野のことをもっとアピールしたい、
そして大野の良さに笑顔になってくれる人を
見ることが自分の幸せである。

沼井先生も私も大野&大野高校LOVEですね。


 

4本ハノイの塔

ハノイの塔というパズルをご存知ですか。
3本のバーと、中央に穴の開いた
大きさの異なる何枚かの円盤があります。

最初はすべての円盤が左端のバーに
大きい順に積み重ねられています。
この円盤を一度に一枚ずつ、
どれかのバーに移動させ、
円盤全体を違うバーに
そっくり移動させるというパズルです。

ルールは、一度に1枚だけ動かすことと、
小さな円盤の上に大きな円盤を
乗せてはいけないということです。

hanois2.gif

図は、3枚の円盤の場合。
7手が最短手順です。

円盤の移動とともに音階を変化させると
ユニークなメロディが得られます。
3枚の場合はこんなカンジ。

hanois3.gif

私は、二十数年前、
大野高校に勤務していた時、
このハノイの塔のバーを4本にすれば
どうなるだろうと考え、
大野木工の職人である中村さんという方に
頼んで作ってもらいました。

4本ハノイ

材質は円盤が松、
底板がケヤキで質感があり、
インテリアとしてもなかなかです。

自宅の部屋に眠っていたものを
久しぶりに取り出し、
現在は学校の校長室に飾ってあります。

ところで、4枚ハノイの場合の
最短手順の一般式はわかりますか?

私は、1993年の12月31日から
1994年の元旦にかけて、
若気の至りで、
徹夜して証明してしまいました。
今となってはいい思い出です。



 

里山見学

昨日は、学校から車で20分のところにある
里山に出かけました。

大野高校が、10年前から始めた
「全校マツタケ山づくり」を行う山です。

「マツタケ山づくり」は、
所有者の村田常男様から協力いただき、
平成17年度から毎年実施されている
大きな事業です。

この事業の歴史を調べていく中で、
私が感じたこと、考えたことを
次の6点にまとめてみます。

●平成16年に、「今後の学校の管理運営の在り方について」
 の中教審答申がなされ、近年の社会構造の変化に対応して、
 すべての学校において、保護者や地域住民が学校運営に
 積極的に関わっていくような、地域に開かれた学校づくりの
 推進の提言がなされた。本校は、それに応じる形で、
 このプロジェクトが生み出されたと考えられる。
●その理念は、単に地域交流イベントを増やすということではなく、
 環境意識や、コミュニティの中で育成される協調性、柔軟性、
 責任感などの基礎的・汎用的能力の育成という、
 いわば「生きる力」を育て、共生社会に参画する
 マインドを身につけるというものである。
●この取組みを継続することにより、生徒、学校、地域に
 大きな変容がもたらされている。
●この取組みの意図や成果は、地域の里山の復活と
 保全だけでなく、その体験を通して、環境意識を高めること、
 地域の良さを知ること、他者との共同する精神の
 醸成にも繋がっている。
●更に、そのことにより、異文化理解と日本人としての
 アイデンティティの育成という、
 グローバル人材養成への橋渡しにもなるだろう。
●また、マツタケの人工栽培の夢や、
 それに伴う新たな地場産業の創出の可能性も秘めている。



里山を散策しながら動画を撮りました。ご覧ください。



ところで、山の入り口には、
看板が掲げられています。
これは、プロジェクトの発起人であり、
指導助言を行ってくださっている
森林組合の小沢さん、
当時の校長だった中村先生、
そして、「大野高校を守る会」
のメンバーがつくったものです。

里山看板


この看板には
この事業は岩手県の
「夢と活力あふれる学校づくり」事業
であるとの記述があります。

文字通り、生徒に夢を、地域に活力を与えるために、
県と地域が一体となって行った
事業だったということが読み取れます。

つまり、この看板に掲げることで、岩手県として、
地域の環境保全への取組みを行っていることの
アピールにもなっていることも
強調しておきたいと思います。

しかし現在、県の「夢・活」事業はなくなったため、
昨年から、公益社団法人国土緑化推進機構の
「緑と水の森林ファンド」という基金事業に
応募して実施しています。

現在、採用待ちですが、もし、採用されなければ、
生徒の輸送バス代や、
講演会の講師の旅費が支払えなくなり、
事業そのものを中止せざるを得ないという、
実は非常にタイトな状況でもあるのです。

岩手県のコンプライアンスマニュアルを見ると、
岩手県では「環境王国いわて」というスローガンを掲げ、
環境改善の国際規格ISO14001に代えて、
「岩手県エコマネジメントシステム」という
県独自の規格を設定し運用しています。

本校が行ってきた取組みは、産業廃棄物問題や、
復興という名目での過剰な伐採による
森林環境破壊問題など、
岩手県が抱える環境問題への一つの提言でもあり、
それは地域連携型防災教育という
側面もあると私は考えます。

そういう意味でも、この取組みが、
本校のためだけではなく、
「環境王国いわて」「環境首都いわて」
を標榜する県の取組みを下支えしている
という意識を持ち、
もっと広くアピールしていかなければ
ならないと思っています。


 

深山の桜

あれを見よ 深山(みやま)の桜 咲きにけり 
真心尽くせ 人知らずとも


という歌があります。
誰が詠んだのか調べましたが、
どうも詠み人知らずのようです。

「誰も見ているものがいない
深い山で咲いている桜のように
人も他人が見ていようがいまいが、
真心をつくせ」 

という意味でしょうか。

知る人ぞ知る、あの月間「致知」にも
「深山の桜」の話が出てきます。

深山の桜は、
土手や公園に咲いている桜ではない。
深い山奥に咲く桜だ。
その桜木は最初は小さく、
だれも気づく人はいない。
何年か、そして何十年かが過ぎ、
やがて人々は少しずつ、
その桜木に気づくようになる。
その見事な桜花にも。

<以下略>

さて、「深山の桜」を大野高校に例えて
表現した先生がいます。

それは、大野高校第9代校長の
菅野先生という方です。

今から15年以上前の平成10年に、
菅野先生は、大野高校50年史に、
次のような文を寄稿しています。

「みやまの桜」
大野高校に赴任するとき、
同郷の大先輩から
「大野の生徒は展勝地の
土手に咲いている桜じゃないぞ。
大野の生徒はみやまの桜だ。
深山の桜でもいい花を咲かせたら、
そこに必ず人は足を運んでくる。
そして、そこに道ができる。
そのとき、深山の桜というのは
大変な値打ちがでてくる」
と、はなむけの言葉を頂戴した。
『ああそうだ。深山の桜に
いい花を咲かそう。』と思って、
「小さくてもきらりと光る夢と希望のある学校」
というモットーをつくって
魅力ある学校づくりに
先生方のご協力をお願いした。

小規模校の永遠の課題は、
生徒定員を確保することである。
そして、深山の桜に
いい花を咲かせることである。

一年目は定員80名に対して、
入学者77名で達成率96%であった。
村内四地域で行う「地区懇談会」には、
PTA会長さんだけでなく、
村の教育長、中学校の校長、
指導主事さんにも出席していただき、
それぞれの立場から
質疑に加わっていただき、
保護者や地域の人たちと信頼関係を深め、
定員確保のうえから大きな効果をあげた。

二年目は、定員80名に対して
入学者85名で達成率は106%であった。
開校以来定員オーバーしたことのない学校が、
生徒逓減期に定員確保できたことの
意義は計り知れないものがあった。
(注:平成2・3年度等定員80名をオーバーした年は他の年度にもある)

私は、大野高校「三つ宝」という表現で
このことに感謝した。

第一点は、地域社会や保護者の
絶大な協力・支援と小中高の連携。
第二点は、教職員の熱意。
第三点は生徒の性格の素直さ。

この三つの素材を
きらりと光る宝にまで磨き上げ、
美しい深山の桜にするのが
これからの課題だと思う。

五十年の輝かしい歴史と
伝統をもつ大野高校は、
発展途上にある青年ということができよう。
更なる発展が大いに期待できる。
むしろこれからである。
今後とも、学校、地域の人達一体となって
一層励まれ、より大きな成果を
挙げられることを願ってやまない。
 
 第9代校長(平成6年~平成8年)
 菅野 純孝


菅野先生のこの文章の存在を
私に教えてくださったのは、
先日本校を訪問された、
第14代校長の中村三千男先生です。

中村先生は、この文に感銘を受け、
菅野先生に手紙を書いています。
その手紙の最後は
次のような文で結ばれています。

私は大野高校創立50年誌に
菅野校長先生がお書きになった
「深山(みやま)の桜」という文章を発見し
落涙を禁じ得ませんでした。
菅野校長先生の思いは
全く私自身の思いと同じものであったからです。
私は先生の文章を
全職員に読んで紹介いたしました。
この深山の桜の精神を
必ずや今後の学校運営の柱にする所存です。
どうか、今後とも大野高校をお見守りください。


「深山の桜」そして「3つ宝」、
これからも大野高校を語る大切な言葉として、
身を引き締めて、
引き継いでいきたいと思います。