南部酒屋唄

佐藤司美子さんは、
花巻北高校の誇る同窓生の一人。

ワシントン大学大学院の作曲科で
博士号(Doctor of Musical Arts)を取得し、
ジャズ、クラシック、現代音楽など
ジャンルを超えて幅広く
作曲・演奏活動を行っている
音楽家であります。

私は、何度か彼女のジャズライブに
出かけたことがあります。

深みがあって、温かく、
そして何となく懐かしさを感じる
彼女の楽曲とピアノ演奏の
ファンの一人であります。

その司美子さんが、7月に、
南部酒屋唄というCDを
リリースされました。

これは、南部杜氏が
酒造りの作業工程で唄いつがれてきた
酒屋唄を、伝統文化として
現代に継承していこうという
画期的で崇高な試みです。

このプロジェクトが
アメリカの文化センターから助成を受け、
シアトルのスタジオで録音された
という点も面白いですね。

世界が注目する唄文化
ということだと思います。

さて、この南部酒屋唄
CD発売記念コンサートが、
10月22日(日)になはんプラザで行われます。

南部杜氏の唄い手4名と
7名の県内音楽家による共演です。

因みに指揮者の太田代政男さんも
本校の同窓生です。

今日、ロータリークラブの例会で
司美子さんとお話しする機会を
得ることができました。

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岩手が世界に発信する
南部酒屋唄、耳を傾けてみませんか。

■10月22日(日)開演14:00 
■なはんプラザ(JR花巻駅徒歩2分)
■入場料 一般前売2000円 
 学生前売1000円(当日500円増)

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「避難訓練での挨拶」

昨日、非難訓練が行われました。
その中で私がお話したことを
以下にまとめておきたいと思います。




危機対応(クライシス・マネジメント)と
危機管理(リスク・マネジメント)
という言葉があります。

本日の非通知型避難訓練は、
いわば危機対応の実地訓練でした。

このような避難訓練は、

「マニュアルに従った
迅速な行動の訓練とその徹底」

という一面があるわけですが、
私は、もっと大きな、地球規模の視点で
危機管理・危機対応について
お話ししたいと思います。

今、世界中で大きな問題となっているのが、
異常気象問題、大規模自然災害です。

大地震や津波、そして台風や豪雨など、
様々な場所で深刻な被害が起きています。

その中で、ちょっとした油断や判断ミスによって、
助かるはずの命が失われたり、
二次災害につながることを、
私たちは教訓として学んできたと思います。

そして、もうひとつ
私たちが災害によって気づかされたのは、
人と人との絆の大切さではなかったでしょうか。

私たちは、東日本大震災津波を経験し、
多くの支援を受け、人々の心の温かさや
優しさに触れました。

しかし、その一方、人を傷つけるような行為、
差別的な言動にも出会いました。

その経験から言えるのは、
危機管理や復興教育の根っ子には、
他者の悲しみや苦しみに思いを寄せ、
異なる価値観を尊重しあって、
共に生きていこうとする優しさを持つ
という大切な理念があるということです。

なぜこのようなことを話したかというと、
最近、驚くべき事態があったからです。

それは何だと思いますか。

一昨日の早朝、北朝鮮が
ミサイルを発射するという事件があり、
Jアラートが政府から発せられました。

私は、Jアラートが鳴ったとき、
一体どう対応すればよいか判断に迷いました。

どう我が身を守ればいいのか、
何をすればいいのか、
もどかしい思いを抱きました。

そして、もしかしたら、
今後、学校で行われる避難訓練は、
北朝鮮からのミサイルを想定した、
まるで戦時中のような形に
なってしまうのではないかという思いにかられ、
なんとも悲しくやりきれない気持ちになりました。

そこで、私たちがもう一つ
踏み込んで考えていかなければならないのは、
やはり根っこの部分ではないかと思うのです。

なぜ、今この世の中に、
このように武力を誇示しあうような、
一触即発の状況が生まれているのか。

国際社会における扮装やテロに対し、
我々は何をすべきか。

平和な地球の未来を作るために
今をどう生きるか。

私たちが危機管理を考えるとき、
「だったら何をどうすればよいか」
という「What・How」の視点だけではなく、

「なぜそれがおきるか」という
「Why」を掘り下げていく視点に立つことが
必要であると思います。

皆さんが、そのような
大きな問いに向き合うことは、
差別やいじめのない学校や、
人々が深い絆で結ばれた
コミュニティの実現といった
周囲にある身近な問題を考えることと
等しい価値を持つのかもしれません。

この非難訓練が、そのようなことを
考えるきっかけになればと思います。



 

テーマは「彩雲」~第48回桜雲祭~

いよいよ明日から桜雲祭が始まります。
今日は準備の様子を眺めてきました。

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今年のテーマは「彩雲」。

彩雲とは、太陽光が、
雲に含まれる水滴で回折し、
その度合いが光の波長によって
異なるために、雲が緑や赤に
美しく彩られる現象のことです。

瑞雲、慶雲などとも呼ばれ、
古来より吉兆
(よいこと、めでたいことの起こる前ぶれ)
の一つと言われております。

そういうこともあって、今年は風船が、
まさに彩雲のように、
あちらこちらに飾られていました。

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また、花高の文化祭の目玉の一つは、
生徒の「自由研究」の発表です。

今年は体育館にパネルを配置して、
全グループのポスターを掲示し、
優れた研究グループの口頭発表を行う他、
すべてのグループの
ポスタープレゼンテーションを行う
企画も立てています。

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このポスターはざっと130枚あります。
バラエティに富んだ研究テーマの
ポスターの数々がまさに彩雲のごとく、
体育館を彩っています。

書かれているのは研究内容の
アブストラクトですが、
これを一日全部見ているだけで、
かなりの雑学博士になると思いますよ。

皆さん明日からの桜雲祭を
楽しみにしていると思いますが、
実はこうして準備をしている時間も楽しく、
かけがえのないものですよね。

ところで、花巻北高校と「雲」の関係は
昭和16年にさかのぼります。

元内閣総理大臣、米内光政海軍大将が、
創立10周年を迎えた本校を訪れた折に、
当時の校長に依頼されて命名した地名が
「桜雲臺」です。

これは、従来の「桜臺」という地名の
真ん中に「雲」を入れ、
「桜雲」(雲と見まがう美しい桜)と
「雲臺」(高いところにある場所)という
2つの熟語を合成したものです。

つまり「桜雲臺」とは、
雲と見まがう桜のような高い理想、
大きな志におおわれた高台の学舎と
解釈することができます。

この桜雲祭では、
そんな理想に燃えた生徒達が、
クラス展示(総合的な探究活動の発表、模擬店)、
文化部展示、教科展示、食堂、中夜祭、
有志発表という7部門で、
花巻北高校という「雲」を7色に彩ります。

彩雲、それはいわば理想のコミュニティ。

それぞれが思いを込めて、
自分色に染めながらも、
全体がしっかり調和を保つ場です。

どんな景色に染められていくか、
それは生徒の主体性と創造性、
そして来場される皆様の思いによって
決まっていくことでしょう。

立てよ理想の殿堂!

明日からの桜雲祭、
多くの皆様のご来場をお待ちしています。

 

夏休み明け始業式と新任式

ファイスブックの記事は頻繁にしているのですが
ブログの方の更新が途絶えておりました。
後で、まとめたいと思います。

今日は始業式と、
本日からクレアさんの後任として赴任した
ALTのスティファン・デイビット・クロフトさんの
新任式でした。

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スティーブと打ち合わせたとき、彼から、
くだけた挨拶をしてもいいだろうかと
相談されました。

もちろんいいよ、といったら、彼は奥さんに
大至急ポケモンのお面を届けてもらっていました。

いいですねえ。

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笑いをとるためならとことん真剣に。
千里の道も厭わず。


以下は今日の始業式の挨拶です。




皆さん、夏休みは充実しましたか。
一念発起できましたか。
インターハイに出場したアーチェリー部の皆さん、
剣道部の山口君、お疲れ様でした。

全国高総文祭に出場した、放送部の皆さん、
軽音楽部の皆さんもお疲れ様でした。

今、この場に立って、皆さんの顔を見ていると、
この夏休みの皆さんの活動が
次々と私の頭に浮かんできます。

吹奏楽部は全日本吹奏楽コンクール県大会で、
13年連続の金賞を堅持しました。
また、8月10日に行われた戦没者追悼記念式典では、
合唱部の皆さんが素晴らしい歌声を
聞かせてくれたことが新聞に
大きく取り上げられていました。

美術部の皆さんは、豊沢町の民家のシャッターに、
賢治ゆかりのアートを完成させて、
地域から注目を浴びておりました。

8日・9日に行われた全国国際教育研究大会では、
英語部の生徒と放送部の生徒が大活躍してくれ、
全国から高い評価を頂きました。

その大会では、本校の姉妹校である
ホットスプリングス市のASMSAから
7名の方々が参加しました。

ホストファミリーとして対応してくれた皆さん、
ありがとうございました。
また、この夏休みには、トモダチプロジェクトや
トビタテジャパンプロジェクトなどで
海外に出かけた生徒がたくさんおりました。

更に、長崎平和の旅に参加した生徒、
遠野市と東大が行っている、
未来創造プロジェクトには
11名の生徒が参加しました。

まだまだ、いろんなことが思い出されます。
このような活動から、こんなにも多くの皆さんが
主体的な学校生活を送っていることに
驚きつつ、私はそれを
とても頼もしく感じております。


さて、そのような中ですが、
今日私が最も話をしたいのは、
3年生の受験に向けての頑張りについてです。

3年生はこの夏休み、まさに、ギアを入れ替えて
一生懸命勉強に取り組んでおりました。

黒橋の鉄人セミナーを参観しましたが、
誰一人居眠りをする生徒がいませんでした。

私は今回、進路実現のためのポイントとして
次の3つのことをあげておきたいと思います。

一つは適切な環境外圧です。

課外や、模試、課題などの
皆さんの外側から与えられるものの存在です。
これに真剣に対応していくことによって、
皆さんは強く逞しくなっていくと思います。

二つ目は、皆さんを導く適切な指導者の存在です。

それは教科指導面、進路指導面、
あるいはメンタル面で皆さんを
サポートしてくれる人たちです。

そして三つ目は、ともに頑張る仲間です。
進路実現は所詮個人戦かもしれません。

しかし、その目標達成のプロセスの中で、
切磋琢磨し、ともに歩むなかまの存在ほど
大きいものはありません。

皆さんは、自分のことは
自分が一番よく知っていると思うでしょう。
もちろんそうかもしれません。

しかし、逆にだからこそ、自分に限界をつくり
垣根をこしらえてしまうのも、
あるいは、できない言い訳を考え出すのも自分です。

哲学者の鷲田清一さんは、
わたしというものは「他者の他者」として
はじめて確認できる、ということを言っています。

実は皆さんは、自分の進路を、
本当に狭い世界だけで
選択しているのではないでしょうか。

あるいは、茨の道に突き進むことに恐れて、
安全と思われる場所に逃げ込んでいるのかもしれません。

だったら、このようなときこそ、先生方や、
ともに学び行動する仲間達の声に
耳を澄ませてみて欲しいのです。

ジョハリの窓でいう、
「自分は知らないが他人は知っている自己」(blind self)を、
きっとあなたに教えてくれでしょう。

そして、皆でスクラム組んで、
フルスロットルで受験に立ち向かうのです。

皆さんには限界を突破するパワーがあります。
私たち教職員全員は、
いつでもそんな皆さんの応援団です。


 

全国国際教育研究大会始まる!

今日からいよいよ
全国国際教育研究大会が始まりました。

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冒頭の挨拶を以下に記します。




第54回全国国際教育研究大会岩手大会に
ご参加いただきましてありがとうございます。
大会準備担当を代表してお礼を申し上げます。

また、本日は公務ご多用の中、
外務省、文部科学省、独立行政法人国際協力機構、
岩手県教育委員会、関係諸団体の皆様に
ご臨席を賜り厚くお礼申し上げます。

さて、本大会のスローガン
「I wish to be a bridge across the world
~地域から羽ばたこう世界へ~」は、
花巻市が新渡戸稲造の先祖の地であることから
設定いたしました。

新渡戸稲造は
「願はくはわれ太平洋の架け橋とならん」
の信念のもと、
海外の学問や文化を導入するのみならず、
日本の文化や伝統を外国に紹介する
使命をもって生き抜いた国際人であります。

もちろん「地域から世界へ羽ばたく」という意味は、
地域を飛び出して海外に打って出る
ということではありません。

世界を舞台にした活動も、地域に根ざした活動も、
地球市民として考え、行動するのであれば
その価値は等しいことはいうまでもありません。

この度、本会を運営するにあたり、
国際教育研究大会の目的は何か、
更に言うと、国際教育のミッションとは何か、
グローバルリテラシーの真髄とは何であるか
ということを問い直してみました。

私は、その中で
「最も大切なことを、最も大切なことにする営み」
という言葉が浮かびました。

国際理解教育とは、社会がこしらえた
様々な境界を取り払う中で、
人はみな同等に価値があることを確認し、
互いにリスペクトしあう関係をつくること、
つまり共生世界に生きる者を育てる
人づくりであると思います。

教育に携わる者として、
そのことは十分承知しているけれど、
しかし、現実は、目の前の些事に追われ、
国際理解教育が一部の特別な領域に押しやられ、
最も大切なことを、最も大切なことにする
取組みに進んでいっていないという
一面があるのではないでしょうか。

それを乗り越えるため、ここにいる私たちが、
互いに連帯し、本会を充実、
発展させていかなければならないと感じています。

本大会は、より深い交流ができるようにと、
ここ花巻温泉で一同が宿泊を共にする
スタイルにいたしました。

こちらは3つのホテルが隣接しており、
それぞれの大浴場や露天風呂への
湯めぐりも楽しむことができます。

また、このホテルの前にはバラ園があり、
今は夏のバラが咲き誇っております。

少し足をのばして遊歩道を歩かれますと
釜淵の滝という名所があります。

ただこちらに行くときは
熊の出没にご注意ください。

明日のお昼は、あのマルカン食堂で、
10段巻きソフトクリームと
ナポリカツ定食はいかがでしょうか。

失礼しました。

明日は水曜日なので定休日でした。

本大会が、新たなる出会いの場、
安全で安心な対話空間になり、
楽しく充実した二日間になることを祈念しております。

結びに本大会が本日開催に至りましたのは、
全国国際教育研究協議会の皆様からのご助言と、
JICAをはじめとする関係諸団体からの
ご支援の賜物です。

そして、本県から多数の参加をいただけたのは、
岩手県校長協会、そして各校の
ご理解があってのことです。

皆様に心より感謝を申し上げ
本大会会長の挨拶としたいと思います。

二日間よろしくお願いいたします。


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