「サユリメソッド」とオーセンティックな学び

私は今、本校の同窓生でもある、
畠山さゆりさんという方から、
「細胞変身プログラム60日コース」のモニターとなり、
健康指導をしていただいております。

10月12日から始めて、体重が10kg近くも減少し、
ウエストも10cm程サイズダウンしました。

お見苦しいとは思いますが、
私のビフォーアフターを公開します。

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10月8日と、11月20日の段階です。

写真で見ると、明らかに別人28号ですね。


特に、横向きの写真では、
膝が真っ直ぐになっていることがわかります。

約40日ほどで、膝の曲がりだけではなく、
恐らく私の「心の曲がり」も
デバックされたのではないかと思います。

そうです。このプログラムは、
単に「体重を減らす」ための
スペシャルなメソッドではないのです。

畠山さんはこのように言います。

「こころの容れ物である体をリセットしながら、
こころの体質改善をする」

私は、このプログラムを経験して、
「サユリメソッド」には学校教育における
学びの改善について多くのヒントが
散りばめられていると感じています。

そのことについて、
大雑把にまとめておきたいと思います。

私は、最初に「卒業式に礼服が入らないと困るので、
取り急ぎダイエットしたい」と申し出たところ、

畠山さんから、次の図にある様な
答えがかえってきました。
私は、このときハッと気づきました。
「これは、学びと同じではないか」


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そして、ピーター・F・ドラッガーの
「マネジメント」に書かれている言葉も
同時に思い出していました。

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では、サユリ語録をいくつか紹介しながら、
そこに潜む、本質的学びへのヒントを
記しておきましょう。

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①「抜本的な心の体質改善で潜在意識を変える」
 つまり、マインドセットを整えること。
 それによって、態度が変化し、自ら学びだす。
 そして、自分の中に既に「在る」答に気づき
 自らそれを掴み取る。
 まさに学びの本質を突く言葉ではないかと思います。

②このプログラムには、齋藤はりきゅう整骨院で
 8回もの診療を受けるという
 オプションが含まれています。
 これからの学びのキーワードは、競争から共創、
 バウンダリーレス(境界を乗り越える)
 ではないかと思います。
 チーム学校という言葉も言われていますが、
 ジャンルを超えて人が繋がり、
 新しい価値を生み出していくことが、
 今、学校教育に求められていると思います。

③「何を学んだか」から「どのように学んだか」
 「何ができるようになったか」ということが
 今次教育改革の基本的な考え方です。
 そして、その学びの成果を
 表現することが問われています。
 過去の自分に毎日メッセージするという活動は、
 授業のリフレクションにも
 使えるのではないかと思っています。

④他者と協働すること、まさにこれは
 「主体的で対話的で深い学び」を
 増幅させるものだと思います。
 このプログラムでは、5人の仲間が、
 FBの非公開グループに集まって情報を交換したり、
 集まって早朝マラソンを行ったりなどの
 活動が創発されています。

⑤学びは、外化することによって定着される。
 あるいは、アウトプットによって、
 インプットの欠乏に気づくこともある。
 つまり表現することで思考が深まっていく。
 これがアクティブラーニングの
 一つのポイントでもあると思います。




 

やこびあ~ん

先日、かつての勤務校の教え子と
ばったり会いました。

彼は、大学1年次に解析の重積分に登場する
ヤコビアンの意味がわからなくて
挫折しそうになったという話しをしていました。

ヤコビアン(関数行列式)とは、
多変数関数の積分の変数変換を行なうときの
通行手形みたいなものです。

私は、彼のその話を聞いて、
思い出したことがありました。

もう10年以上も前の話しですが、
AO入試で、某大学に合格し、
大学初年級の数学を一人で学びはじめた
K君という生徒がいました。

彼から、次の定理1の
J(ヤコビアン)の意味がわからない
という質問を受けたことがあります。

定理1
fig-01.png


私は、ヤコビアンを説明することで、
高校で学んでいる1変数関数における
置換積分の意味の深い理解に
到達できるのではないかと思いました。

そして、大学数学を展望するような
学びに繋がるかもしれないと考え、
K君と一緒に勉強しながら2人で対話をしました。

以下にそのときの内容を記したいと思います。

ちょっと長くなりますよ。

【1変数関数の置換積分】

T:まず、1変数関数の置換積分からはじめてみましょう。
 例えば
 
 fig-03.png

 を置換積分してみましょう。 

K:えっこれをですか。t=3x とするんですよね。
  まず、積分範囲が変わります

  fig-04.png

  次に、t=3xから、dt=3dx なので、

  fig-05.png

 となります。

T:ではここで、この式を1行ずつ分析してみましょう。
 まず、最初の t=3x は、
 xの世界からtの世界への写像を表しています。   
 図に描くとこんなカンジです。

 fig-10.png


 これは、先ほどの定理1では、

 fign-05.png

 にあたります。

 そして、上のグラフでもわかるように
 x の1つ1つに対して、t=3x (xを3倍する)
 という規則(写像)は1対1対応になっていますね。  

 すると、次の行の

 fig-04.png
 
 は、0≦x≦1 という領域が(xを3倍する)
 という規則(写像)によって、
 0≦t≦3 に移っていることを示しています。

  ここまでの話が、【定理1】の

 fig-07.png

 にあたります。

K:なるほど。ということは、
 
 fig-08.png

 の部分が、定理1の

 fig-09.png

 にあたっているわけですね。

T:そうです。つまり、

 fig-08.png

 の1/3にあたるのが、|J|というわけです。   
 
 先ほどのグラフを見ると、 x の分割を等分割としたとき、
 t の分割はその3倍になっています。

 つまり、dt=3 dx というのは、
 2つの世界における分割を
 バトンタッチする式なんですね。

 では、そういうことを踏まえて、
 今度は2変数関数の積分の話に
 進んでいきたいと思います。

【重積分と体積】

T:1変数関数の場合は、y=f(x) は
 平面上の曲線を表すので
 (yが非負の場合は)グラフとx軸で囲まれる面積
 と考えることができるわけですが、
 2変数関数の場合は、z=f(x,y) は
 空間上の曲面を表しますので
 (zが非負の場合)曲面とxy平面上の
 体積とみることができます。
 
 fig-11.png

 図において、有界閉領域Dの上にある
 曲面z=f(x,y)との体積は、重積分を用いて、

 fig-12.png

 と表します。 体積を求める原理は、
 次の図のように、D内を格子状に分割して、
 その上に高さが z=f(x,y)の柱を立てて、
 その微小直方体の体積を
 足し合わせていくということです。

fig-13.png
 式のイメージは次の通りです。

fig-14.png


K:実際の計算では、累次積分にするのですね。

T:そうです。つまり、まずx方向に足し合わせて、
 x軸に平行な面を作って、それを y方向に1歩ずつ
 じりじりと進めて加えていくか、
 またはその逆に考えるかです。
 
 ベーシックのプログラムでイメージするとこんなカンジです。

 for y=y1 to y2
  for x=x1 to x2
  S=S+f(x,y)
  next x
  next y

 さて、考えている底面の領域Dは、
 細かく等分割化されています。                 
 
 fig-15.png

 この領域Dは変数変換 
 x=x(u,v) y=y(u,v)によって
 どんな分割の領域に移るでしょうか。

 上の図の細かい長方形を作っている
 それぞれの直線が変数変換によって
 ある曲線に変わりますから、
 それらの曲線で囲まれた細かな図形が
 新しい底面になるはずです。   

 では、具体的にやってみます。
 まずuを、u1,u2,u3
 というように細かく分割します。
 ここで、

 △u=uk+1-uk

 と見るのです。

 そして、各ukを固定したときの曲線(x,y)を描いていきます。   
 例えば、u=u1としたとき、
 x=x(u1,v), y=y(u1,v)
 を満たす曲線が下図のようだったとしましょう。

 fig-16.png


 次に今度はu=u2と固定して、
 同様の曲線を図示します。                
 これを続けていくと、下図のような縞模様が
 できあがっていきます。

 fig-17.png

K:なるほど。ということは、今度はvについても同様に、
 v1,v2,v3,…
 として曲線を作っていくんですね。

T:そうです。そうして新しく「ゆがんだ格子」
 で作られた領域D'が得られるわけです。
 例えば、下図のような曲線に移ったとします。

 fig-18.png

 こうしてできた新しいゆがんだ格子と、
 もとのxy平面上の格子が対応しているわけです。                

K:そこで、2つの格子の面積の比較が
 問題になるわけですね。

T:その通りです。1変数の場合は、
 単に軸上の分割の対応でしたが、
 2変数の場合はこのように、
 格子とゆがんだ格子との面積の対応になるわけです。     


【ヤコビアン】

T:では、ヤコビアンの説明に入ります。

 図のように、新しいゆがんだ格子ができたとします。

 fig-19.png

 このとき、分割をどんどん細かくしていくと、
 図形PQRSは、ほとんど、ベクトルPQ、ベクトルPSで
 つくられる平行四辺形の面積と
 変わりなくなるというのがポイントです。

 ではまず、図形PQRSの面積を考えてみます。

 fign-01.png

 なので、

 fig-22.png

 ここで、ベクトルPQ、ベクトルPSで張られる
 平行四辺形の面積ですが
 どう考えればよかったですか。

K:一般に、
 
 fign-02.png
 で張られる平行四辺形の面積は、
 次のような図形の変形で考えることができます。

fig-20.png

T:そうですね。ただし、これは符号付面積なので、
  面積は
 
  fig-21.png

 となりますね。
 そうすると、□PQRSの(符号付)面積は、

 fig-23.png

 ここで、
 
 fign-03.png
  
 は、v を固定したときの、xの増分ですから
 分割を0に近づけると、

 fign-04.png

 とおけます。これがポイント。

K:ええと、図に描くとこんなカンジですね。

  fig-26.png

T:いよいよフィニッシュです。
  
 fig-27.png

  とそれぞれおけますから、
 □PQRSの(符号付)面積は、

 fig-28.png

ここで、一般に、行列式において、

 fig-29.png

 が成り立つので、

 fig-30.png

 これを領域D'内全体で動的に考えた式が、    

 fig-31.png

 となるわけです。

K:ついにヤコビアンが登場しましたね。
  
  fig-02.png

 とおけば、 変数変換した式を
 体積としてイメージすると

 fig-32.png

  というように変換されたことがわかりました!

T:K: やこびあ~ん



 

駅伝で花北が席巻

11月23日に行われた日報駅伝で
花巻北高が6位と大健闘しました。

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駅伝03LT


出場人数ぎりぎりの6人、
そしてそのうち5人は1年生
という布陣で臨んだ中でのこの入賞です。

昨年は部員不足で出場を断念しましたが、
今年は出場ができ、
更に6位入賞という成果を
残すことができました。

本当によくやった!

さて、新聞には花巻北高校の記事とともに、
一般の部での花巻市Aの
劇的逆転優勝の記事が大きく載っています。

駅伝01LT

この写真(右)の鈴木選手は
花巻北高校のOBです(中大)。

駅伝04LT


また、上の記事にも取り上げられている
8区で区間賞を獲得した菅原選手も、
今年花巻北高校を卒業したOBです
(北海道教育大)。

記事には、地震で足止めされ、
バスに間に合わないとのことで、
最寄り駅まで10kmを走って
移動したとあります。

黒橋魂ですね。

24日の日報駅伝を報ずる記事は、
花巻北高校満載でしたね。

塚田美和子先生によると

一年生の菊池選手の兄もOBで北上市から出場。
盛岡市のアンカーの松村選手もOBで、
花巻市の鈴木選手と同期、
奥州市の高橋選手もOBで、
花高OBも日報駅伝頑張ってました(^-^)/


とのことです。


今年のリオ五輪に出場、
希望郷いわて国体での優勝を果たした
高橋英輝さんはじめ、
花北OBの陸上アスリートは
卒業した後も次の場所で輝き続けています。

是非、本校に入学して陸上をやる生徒が
出てきて欲しいですね。



 

石ノ森章太郎記念館のライトアップ

登米高校での講演が終わり、
自宅に向かう途中、
とても素敵なイルミネーションが目に入りました。

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見ると、ライトアップされた石ノ森章太郎記念館でした。

石ノ森章太郎は登米市出身だったんですね。
12月1日から光のページェントの企画を行うとのことで、
今日は点灯のテストをしていたとのこと。

何ともいい時に通りかかりました。

係りの方と少しお話をさせていただきました。

とても素敵なスポットになるので、
是非宣伝して欲しいと頼まれました。

というわけで、宣伝します。

石ノ森章太郎の生家にあるこの記念館、
12月から美しくライトアップされます。

サイボーグ009や仮面ライダーにも会えますよ!

是非皆さん足を運んでください!!

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「登米高校での講演で思ったこと」

11月25日に、宮城県登米高校で講演を行いました。
96年目を迎える伝統校です。

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和やかな雰囲気の中、皆さんとても真摯で、
気持ちよくお話をさせていただきました。

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近隣の5つの高校からも参加者があったのですが、
嬉しかったのは、志津川高校から、
私が12年前に花巻北高校に勤務していたときに
担任していた木村君が駆けつけてくれたことです。

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この年、私は総合的な学習の担当で、
生徒の課題研究活動を企画し実施していました。

木村君は、「ビンゴゲームにおける確率の研究」を
もう一人の仲間とともに行い、
見事最優秀発表に輝いたことを覚えています。

彼らの研究協力者は岩手大学の沼田教授で、
何度か本校に足を運んで、
彼らに、様々なヒントを与えていただいたことが
懐かしく思い出されます。

かつての教え子が、自分と同じフィールドで
活躍する姿を見ることは嬉しい限りです。


さて、この講演の際、寄せられた
いくつかの質問を聞きながら感じたことがあります。

それは、このようなアクティブラーニング研修会に
参加される先生方の問題意識が
いつも「どうすれば授業がうまくいくか」
という方向であるということです。

そこに感じる教師のメンタリティは、

「教師の強い教科指導力と
適切なコントロールで授業を創りだす」

といった、教師主導型の授業観です。

しかし、それが

「生徒との対話によって授業が変化することを恐れる」
「予定調和が崩れることを恐れ
生徒主体の展開に踏み出せない」

という学習パラダイムへの移行を
阻んでいるのではないかとも私は思うのです。


少し古い話ですが、2010年に出版された
「<新しい能力>は教育を変えるか」(松下佳代編著)の巻末に、
ナラティブ教育の推進者である、
フィンランドのオウル大学のペンティ・ハッカライネン氏が
特別寄稿を寄せています。

フィンランドというと、
世界的にも優れた教育システムを持つとされ、
日本でもそれを見習おうという動きもみられます。

しかし、ハッカライネン氏は、フィンランドでは
義務教育以降から始められる実力主義教育によって、
多くの学生(特に大量の課題をこなせない男子)が
ドロップアウトしていく現状も指摘しています。

彼は、フィンランドにおける
PISA調査の正答率の高さに反して、
学ぶ動機づけ調査の低迷について次のように述べています。


同一の要因によって、3つの教科に見られた好結果と
動機づけの低さの両方が説明できるのである。

つまり、指導(教師の個人指導、教科書や教材)における
厳しいコントロールや大量のアサインメントが、
PISA調査の課題を解く準備になり、
しかしまた、教師の厳しいコントロールが
学校の勉強を楽しく学ぶという純粋な動機づけを
奪っているということである。

動機づけの欠如は、義務教育の第9学年終了後、
教育からのドロップアウトという形で現れる。

「アサインメント」によるトレーニングは続けられ、
そこでは、過去の大学入学資格試験から取った
アサインメントがトレーニングのために使われている。

このようにフィンランドの結果は、
カリキュラム・ガイドラインの目標よりもむしろ、
学習教材や学校での課業の編成の方を反映している。

ここから次のような問いが浮かんでくる。



彼は次の様に結んでいます。


学校の評価の目的は何か。

私たちは指導の結果を測定すべきか、
それとも将来的な可能性を評価すべきか。

入手可能なデータから得られた一般的な結論は、
多くの教師はよい授業者ではあるが、
おそらく創造的な才能の促進者ではない
ということである(Lyytinen, 2009)。

(「<新しい能力>は教育を変えるか」
(松下佳代)より 傍線付記)


私は、アクティブラーニングの研修会や
講演会での質問に出会うたびに、
多くの教師の「自分の授業を何とかしたい」
という強い思いを感じます。

それは、
「よき授業者でありたい」
ということに教師としてのアイデンティティを
求めているのではないかと思います。

しかし、今、教師が持つべき思いは、むしろ

「生徒の創造的な才能を促進したい」

ということではないかと私は感じるのです。