「1/f ゆらぎ」

昨日の桜雲祭で、
本校が「総合的な学習の時間」で行っている
「自由研究」の代表発表(「総学バトル」)
が行われました。

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「自分の気持ちはどのように作られるか」
について独創的な研究を行ったものや、
将来フリースクールの教師をやりたい
という思いを持ち、
その実現の可能性を求めた研究など、
印象に残る面白い発表がありました。

その中で、M君の「音のクスリ」という発表は、
音楽に「1/fゆらぎ」を入れることで、
心理的な効果を高めるというもので、
興味がそそられました。

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この発表を聴いて、
私が以前本校に勤務していた時に、
AO入試に向けての指導で、
カズヒサ君という生徒に
1/fゆらぎの話をしたことを思い出しました。

そのときに作った問答形式のプリントを
以下に紹介したいと思います。

あちこち怪しい部分はありますが、
まずは雰囲気だけでも掴んでほしい
という思いから作ったものです。


1 ゆらぎとは

T:今日は、1/fゆらぎについて私の知る範囲で、
 簡単な説明を行いたいと思います。

S:まず、「ゆらぎ」とは何なのですか。

T:そうですね。まず、そこから説明しましょう。
  「ゆらぎ」の研究の第一人者である、
 武者利光先生の言葉によると、
 『ものの予測のできない空間的、時間的変化』
 ということだそうです。

S:それって、でたらめな運動ということですか。

T:いや、「でたらめ」ではないのです。
 「でたらめ」と「規則性」の間の状態という感じですね。   
 例えば、時間と共に変化する数字の列があったとします。
  この列が、
 1,19,100,-3,34,77,-24,100,57,22,4, …
 というものだったら、  
 これはランダム(でたらめ)な列といえそうですが、
 1,3,5,7,9,11,13,15,17,19, …
 という数列だったら、これは第n項が   
 an=2n-1
 という一般項で表される規則正しい列です。   
 このような規則的な数列は、
 項の何番目でもその値を決定することができますね。   

 このような列を「ランダム系」に対し
 「決定系」と呼ぶことにしましょう。   

 さて、では次の数列はどうでしょう。

 1,3,2,3,4,3,2,1,2,3,4,2,3,2,7,6,5,5,2,3,4,5, …

 この数列には全体に適用できるような規則はありませんが、
 ランダムというカンジでもありませんね。
 「前の項に対し±1の変化を基本に、時々大きな変化も起こる」   
 ような数列です。このような数列は
 「ゆらぎ」といっていいのではないでしょうか。   
 このような数列の特徴として、
 現在の状態の直後は予測できるけれど、
 ずっと先はどうなっているかわからないということがあります。

 このような系を「ランダム系」「決定系」に対し、
 「複雑系」と呼ぶことにします。

S:つまり、ゆらぎとは、「規則性」と「意外性」が
 拮抗した状態といっていいのですね。   
 何か具体的なものを示してください。

T:一番よく例に出されるのは、そよ風ですね。
 そよ風は一定の強さではなく、
 強くなったり弱くなったりゆらいでいます。
 それから、小川のせせらぎとか、
 音楽も時間と共に音の高低や大小が変化しているので、
 ゆらぎとみる事もできます。
 人間の心拍数や体温の変化もゆらぎの一つですね。

2 1/fゆらぎとは

S:では、1/fゆらぎとはなんでしょうか。

T:まず、ゆらぎとは時間と共に変化するある量の状態なので、
 これを時間tの関数f(t)と表すことにします。
 このとき、そのゆらぎに関わる要素として
 「強さ(パワー)」と「周期性」に注目してみます。   
 例えば、f(t)が次のようなグラフで表された場合を考えます。

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(時間と共に変化する気温)

 この波は、以下の4つのサインカーブ、
 コサインカーブに分解できます。
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 y=sin2πt

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 y=-3sin4πt

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 y=2cos6πt

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 y=2sin10πt

S:つまり、
 f(x)=sin2πt-3sin4πt+2cos6πt+2sin10πt
 ということなのですね。 どのようにすれば
 このように分解できることがわかるのですか。

T:それにはフーリエ級数の考えを用いますが、
 その説明は後にします。
 ここでおさえて欲しいことは、
 ある区間内で書かれたどんなグラフも
 三角関数の無限和によって
 表すことができるということです。
 この考えはフランスの数学者
 ジョージ・フーリエによって示されました。
 さて、そうすると、先ほどの関数は、
 周期1 , 1/2 , 1/3 , 1/5つまり、
 周波数 1 , 2 , 3 , 5 の関数で表されます。   
 このとき、各周波数に対する波の強度をパワースペクトルといいます。   
 周波数をf、パワースペクトルをPとしたときに、
 P=1/fの関係が成り立つとき、1/fゆらぎというのです。
 つまり、周波数が2倍になると、パワーが半分になる、
 3倍になるとパワーが1/3になる、ということですね。

S:なんとなくわかったような気がするのですが、
 パワースペクトルというのはどのようにして求めるのでしょう。

T:例えば、波の強さとして、「振幅」を考えることができますね。
 上の例では、波の強さは順に1,3,2,2と考えることができます。   
 ただ、これはパワースペクトルとは少し違います。
 これも後でフーリエ級数のところで話しましょう。

S:少し難しいので、もっと簡単な例で説明してくれませんか。

T:そうですね。では、少し乱暴になるかもしれませんが、
 先日カズヒサ君と話したときの方法で説明しましょう。

3 1/fゆらぎの超アバウトな説明

T:ええと。では、バスケットボールの話しをしたいと思います。
 今、A君が、バスケットボールのフリースローを何度も行ったとします。
 入ったときを○、はずしたときを×とすると、
 時間と共に変化する1つの系列を作ることができますね。
 これを時系列といいます。   
 例えば、結果が、
 ○○×○×○××○○○×××○××○×○○×○○○○○×○×○××○
 という結果だったとします。
 これのゆらぎを調べてみます。
 まず、周期を無理やり導入してみましょう。
 ○○○…と、ずっと○が続くのを周期1とします。   
 また、○×○×…と、1回おきに○が起こるものを周期2とします。
 次に、○××○…と2回おきに○が起こるものを周期3としましょう。

 このように「周期」を定義すると、上の結果から、
 各周期ごとにその回数はどうなるでしょう。

S:つまり、周期1は、○○という状態が
 何回起きているか調べればよいのですね。      

 yuragi06.png

 上の表のようになりました。

T:ここで、周期sと出現回数Pをグラフに表すとどのようになりますか。

S:図の様になります(実際はx軸y軸は、s軸P軸となる)。
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 なるほど、P=1/sのグラフになっているので、
 これが1/fゆらぎということですね。

T:先ほどあなたが作った表が、
 いわゆる、周波数ごとの波の強さを
 スペクトル分解して分析したということになります。   
 そして、スペクトルの強さはここでは、
 「出現回数」ということにしましたが、
 一般にはパワースペクトル密度とよばれるものを
 計算することになるのです。

S:なるほど。そして、そのグラフを見ると、
 シュートをした人の特性がわかるのですね。

T:例えば、光は波ですが、太陽の光をプリズムを通すと、
 赤橙黄緑青藍紫の7色に分かれますね。
 光の色は波長(周波数)に対応するので、
 プリズムで投影された色の幅の太さが
 その波長の強さを表しています。
 太陽光の場合だと、色の幅が均等になりますね。

 このようにスペクトルを分析することで、
 様々な性質を知ることができるのです。   

 しかし、そよ風や、音などのゆらぎは、
 プリズムを通してスペクトル分析ができないので、
 周波数(振動数)と振幅を調べることで
 パワースペクトル密度を考えようというのです。

4 フーリエ級数

T:では、最後にフーリエ級数の話しをします。   
 先ほど少し話をしましたが、ある区間内で描かれた
 任意の(有界な)関数f(x)は、
 必ず三角関数を用いて表すことができます。    
 具体的には、
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 とあらわせます。   
 関数として式で表されなくても、
 例えば下図のような手書きの任意の図形だって、   
 三角関数で表されるのです。
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 さて、私達は、上のようなゆらぎのグラフから、
 どの周期の三角関数が、どれだけの強さで
 入っているかということが知りたいわけです。   
 ということは、f(x)内における、すべてのnに対しての
 sin nxとcos nx の係数を求める必要がでてきます。    

 ところで、ここで、とても素晴らしいことに、
 cos nx とsin nxとの係数、an , bnは、
 なんと、次の積分によって表されてしまうのです。

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  これをそれぞれフーリエコサイン係数、
  フーリエサイン係数といいます。

S:難しいですね。具体例で示してもらえませんか。

T:例えば、f(x)=3sin2x+2cosxという関数を考えます。   
  今、sin2xの係数である3を求めるには、  

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 を計算すればよいわけです。   
 実際、

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 となり係数3に一致しますね。   
 関数が不明のときも、数値のデータから
 区分求積の手法で積分計算していけば
 係数を決めることができるのです。

S:では、そうやって求めた an , bnから
 パワースペクトル密度はどうやって計算するんでしょうか。

T: 

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 を計算します。ただし、この値は、ある区間でのものですね。
 ですから、その区間の長さTで割って、

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 としておきます。f(x)はその区間をすぎても
 またグラフは続いていますので、
 また次の幅Tの区間で、同じように
 
yuragi14.png

 を計算し、それを平均したものを
 パワースペクトル密度とするのです。   
 この方法ではかなり時間がかかるので、
 実際はFFT(高速フーリエ変換)という手法で
 それぞれの周波数に対する
 パワースペクトル密度を求めていきます。


 

桜雲祭スタート 

本日から第47回桜雲祭が始まりました。

本日ご来場いただいた皆様、
ありがとうございます。

先日、一日体験入学の挨拶の中で、
花巻北高校の特長を「かきくけこ」で表現しました。

今回は、それにならって
桜雲祭の見所をまとめてみます。

「か」は感動です。

文化祭は感動の場です。
この日のために、生徒達が、仲間と共同し、
感動を生み出すための様々な企画を行ってきました。
生徒の主体的な行動が桜雲祭で
存分に発揮されることと思います。

主体的に行動すると、楽しい気持ちになります。
その気持ちが連なれば感動を生み出します。

来校される皆様も、その感動の輪の中に入って
一緒に楽しんでいただければと思います。

「き」は希望です。

今年のテーマは「Fly to the Future」。

高校は進路選択の場でもあります。
でも卒業後の出口だけではなく、
その先の未来を見据えて、
希望をもって前向きに取り組んでいる
生徒達の姿が、
桜雲祭で知ることができるでしょう。

文化祭の最大の展示物は、
希望に溢れるそんな生徒達の姿です。

「く」はクラブ活動。

吹奏楽部、合唱部、軽音部の演奏、
放送部、写真部、美術部、文芸部、
英語部、科学部の発表。
囲碁将棋部、茶道部の体験コーナー、
また、音楽、美術、書道、家庭科の
日頃の活動の成果も展示されています。

そして、花高応援団のステージも見逃せません。

生徒達の精一杯のパフォーマンスに
大きな声援をいただければ幸いです。

「け」は研究です。

体育館で行う「総学バトル」の他に、
今年度の新たな企画として、
全校生徒が取り組んでいる
自由研究のポスタープレゼンテーションを、
学校を壮大なポスターギャラリーにして
行うことにいたしました。

まだ研究の途中ではありますが、
生徒ならではのユニークな発想、
大学等と連携した研究など、
60本を超えるポスターが一斉に展示、
発表されます。ぜひ足をお運びください。

最後に、「こ」は国際です。

国際感覚、グローバルリテラシーを
身につけることは、
翻って、郷土の良さを見つめ、
発信していくことでもあります。

地球規模で考えつつ、自らが、
他者や地域のためにできる一歩を
踏み出そうとする花高生の志と、
「おもてなしマインド」が、
桜雲祭でも発揮されることと確信しております。

桜雲祭は明日も公開です。
多くの皆様のご来場をお待ちしております。

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「あなたと夜と数学と」開催

昨日は(もう一昨日になってしまいました)、
大井町の「きゅりあん」で、
「あなたと夜と数学と」のイベントを、
午後の部、夜の部の二部構成で
行わせていただきました。

きゅりあん画像齋藤02LT

きゅりあん画像齋藤03LT

きゅりあん画像齋藤01LT
(写真は齋藤みずほ先生のFBサイトからいただきました)


午後、夜の両方参加された方もいらっしゃったので、
内容を変えて、併せて約8時間にわたる
セッションになりました。

不思議ですね。

数学の話題になると、
何時間でも楽しく話をすることができます。

高校の数学の先生、情報の先生、大学の先生、
大学院生、民間企業の方、起業家、
小学生と彼のお母さんなど、
参加メンバーは多彩でしたが、
皆さん数学を楽しもうという気持ちが強い方ばかりでした。

そんな皆さんのおかげで、
澄み切って透明な対話空間が生まれ、
素敵な時間が流れていったような気がしました。

参加された皆さんありがとうございました。

さて、夜の部の最後に、
「賢い市民になるために」というテーマで、
次のような問いを取り上げました。

きゅりあん画像06

実際に、フェルトボールを使って実験したところ、
8組中3組が2個ずつに分けていました。

つまり、割合は3/8ですね。

さて、この問題の答はどうなるのでしょうか。

標本空間を

(0,4)(1,3)(2,2)(3,1)(4,0)

とすれば、(2,2)になる場合は、
5つのうちの1つなので
求める確率は1/5となります。

しかし、一方、フェルトボール1個ずつに対して、
Aさんが持つかBさんが持つかを
1/2の確率で決めていくと考えれば、
(2,2)の選び方は

4C2=6通りで、

それぞれの確率は
(1/2)^4=1/16なので、
求める確率は6/16=3/8ですね。

(以下参照)

①②・③④・・・1/16
①③・②④・・・1/16
①④・②③・・・1/16
②③・①④・・・1/16
②④・①③・・・1/16
③④・①②・・・1/16

さて、では1/5と3/8は
どちらが「正解」なのでしょう。

実験結果では3/8になりましたが、
それを正解としてよいのでしょうか。


ここで、皆さんとの話の中で導かれた結論は、
「どちらも正解とは言えない」ということでした。

つまり、「どのような決め方で分配したか」
によってその確率は変化するのです。

例えば、(0,4)(1,3)(2,2)(3,1)(4,0)の
5つのパターンを頭に描いて、
それらから
「どれを選ぶかを平等に(同様に確からしく)」
選ぶという行為によって分配すれば、
確率は1/5といえるでしょうし、

しかし、1個ずつ、ジャンケンでもしながら
どちらが持つかを決めていけば、
その確率は3/8になると考えられます。

そうです。

数学は「答えは一つ」ではなかったのです。

問題は、「どういう条件の下で」試行するのか、
「何を標本空間として捉えるか」
「何が同様に確からしいとみるか」
によって、答は変化するのです。

だからこれは、数学というより
心理の問題でもあるのかもしれませんね。

そうすると、このことは、
前提条件の決め方によって
結論をコントロールすることにも繋がります。

その流れで、この後、オックスフォード大の
マイケルオズボーン氏らの
「未来雇用(THE FUTURE OF EMPLOYMENT)」
についての話を取り上げました。

「今後10年から20年程で、約47%の仕事が
自動化される可能性が高い」


というアレです。


この話は、いろんな人が
新しい働き方について述べる時に、
引き合いに出すようになって久しいので、
今や耳にタコではあるかと思います。

因みに、これと並んで、
いまだによく出てくる話は次のものですね。

「子どもたちの65%は大学卒業後、
今は存在していない職業に就く」
(キャッシー・デビットソン)


「2030年までには、週15時間程度働けば
済むようになる」(ジョン・メイナード・ケインズ)



さて、巷で、当然の事実であるかのように

「今後、約47%の仕事がAIにとって代わられる」

とささやかれているわけですが、
それを真実とする根拠は何でしょうか。

彼がオックスフォード大という
権威に属しているからでしょうか。

そもそも、この話を語る人たちは
彼らの論文を読んだことがあるのでしょうか。

以前私は、彼らの発表に興味を持ち、
彼らの論文を読んだことがありました。

すると、それは、AI(人工知能)が
追いつけない知性について3つの指標を選び、
それに照らし合わせて702の職業に対して、
ソーティングをしたものに
過ぎないものだとわかりました。

その指標とは以下に示すものです。

オズボーン01

Perception and Manipulation task(手先の器用さなど)
Creative Intelligence task(創造的知性)
Social Intelligence task (社会的知性)

このような、AIが追いつけないような
仕事特性を3つに大きく分類し、その視点で、
職業のランキング表を作ったというわけです。

そのランキングの一部を抜粋したのが下の図です。

オズボーン02

消えてしまう職業は、
操作や技能一辺倒のものが多いようですね。
「マスマティカルテクニッシャン」が
消えてしまうのは気になりますね。

そういえば、今回の会に参加された沼崎先生に
「ウルフラムα」というサイトの
紹介もしていただきました。

これは、数学の高度な計算やグラフィクスなど
全部自動計算してしまう優れもののソフトウェアです。

これを手元に置いて数学の授業を行うとすれば、
従来の、公式や解法テクニックを教える先生は
いらなくなるかもしれませんね。

話しを戻して、今度は残る確率の高い
職業を見てみましょう。

「リクレーションセラピスト」
「ダイエッティティシャン」
「インストラクショナルコーディネーター」など、
人間の心理や態度、人生について
コンサルする職業が多いように思います。

でも、それって、当然だと思いませんか。

元々、彼は「創造的知性」「社会的知性」などの
要素を数量化し序列化するという「前提」で
この分類を行っているわけですからね。

だから、彼によって導かれた結論は、
あくまで彼の前提の下のものであることに
注意しなければなりません。

さて、私は、今回の、この活動を通して
言いたかったことは2つあります。

一つは、フェルトボールの確率の問題同様、
最初の前提、条件設定の仕方次第で、
結論は如何様にも変わるものであること。

だから、そこで出た結論に「なぜ?」を唱えることなく
「○○なんだってよ」と
付和雷同しない方がいいということです。

それは、しばしばマイノリティに対するバッシングや、
権威への盲従になってしまう可能性があるからです。

ですから、つねに「なぜ?」を唱え、
批判的に見つめようという、
数学的態度が私たちには
必要ではないかということです。

もう一点は、マイケルオズボーンの視点です。
彼は、最初から「知識や技能を機械的に、
一方的に教えることでは道がなくなる」
ということを警鐘しようとしていたのではないか
と私は思うのです。

そして、これからの仕事は、
創造的知性や社会的知性などが
必要になるということを、
世界に示そうとしてこのような研究発表を
したのではないかとも思うのです。

うがちすぎかもしれませんが。

そういう意味で、
「47%がなくなる」という
ショッキングなキャッチフレーズが踊ることは、
創造的知性・社会的知性の必要性を説いていくには
十分に効果的であると思うのです。


さて、オズボーン氏の
消えない職業のリストを見ながら、
今回、このようなイベントを企画され、
私の背中を押してくださった
キャリアクエストの齋藤 みずほ先生のことを
思い出しました。

みずほ先生には、この会のプランニングの
一切を行っていただきました。

スカイプカウンセリングで私の思いを吸い上げ、
FBを効果的に使い、
集客や事前の学びの場をつくるなど、
様々な取組を企画され、
ブランディングしていただきました。

優れたコーディネーターとは、
企画力・判断力・決断力と、
「つなぐ力」を持った人物なのだと思います。

そして、その根底に、人をもてなす心遣いや、
他者をエンパワーする思いがあることが、
まさにオズボーン氏が指摘する、
AIと共存しつつ、未来をリードしていく
プロフェッショナルなのでしょう。

そう。それは、まさに、みずほ先生のように。

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大和町での講演より

今日は宮城県大和町で
小中学校の先生方への講演を行いました。

大和町は人口3万人の町ですが、
そこにある全小中学校の先生方
160人が参加されていました。

私は高校の教師なので、
義務教育の先生方へのアクティブラーニングの話しは
かみ合わない面もあったかもしれません。

でも、ALのムーヴメントが、
このような校種の垣根を越えた交流を生み出しているのは
非常に良いことではないかと思いました。

いろいろなお話をしましたが、
その中から3つほどブログで取り上げておこうと思います。


1 夢と手段という側面からALを語ってみる

以前、このブログで、植松電機専務の植松努氏の、
以下の様な夢と手段の話を紹介しました。

「自分の夢が、夢か手段かを判断するためには、
その夢にプランBがあるかどうか考えてみるとわかります。
プランBが思いつかない場合、
それは夢ではなく手段であり、
その向こう側に夢がある」


例えば、植松氏は、
医者になりたいという子どもに対して、
次のように問いかけます。

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「なぜ」を掘り下げることで、
夢は医者になることではなく、
「人の命を救うこと」という言葉を導き出したのですね。

つまり「人の命を救う」という夢に対しては、
いくつものプランが存在するのです。

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この話を、アクティブ・ラーニングに
当てはめて考えてみましょう。

yume-uematsu03.png


今、「アクティブ・ラーニング」を、
「子どもたちが主体的に学びに向かうこと」と定義します。

これは、教師の夢(目標)かもしれません。

そして、それを実現するためには、
いくつもの手段が考えられます。

例えば、発信する場を設ける、
グループでの学びあいを配置する、
課題研究活動を行う、
学びを深める問いを立てる、等々。

これらは、アクティブ・ラーニングではなく、
アクティブ・ラーニングが実現するための手段です。

ところが、多くの教員は、
その手段そのものをアクティブ・ラーニング
と感じているのではないでしょうか。

2 ALの視点・論点

日本型ALは、トップダウン、草の根運動など、
百家争鳴の中で議論百出の様相を呈しています。

私は、ALが語られる中で、
その定義が何であるかに拘泥するよりも、
学校を変革する、教師のマインドを変える、
学校経営に位置付ける、総がかりで行う、自分事とする、
という骨太の理念が
生まれつつあることの方に興味があります。

ALの論点

3 足し算ではなく、引き算でALを語る

毎日ALを行うのは大変だ、という話がよく聞かれます。

それは、従来のマインドセットはそのままで、
新たに、新奇な活動を
組み入れようとするからではないでしょうか。

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私は、アクティブな学びの状態とは、
「普通の状態」「健全な状態」であると思います。

つまり、教師が手を加えて、
何らかの状態に持っていく「足し算」ではなく、
無意識のうちに、生徒の健全な状態を殺いでしまう
教師の言動や教育システムを
「引き算」すると考えればいいのではないか。

例えば、アリバイづくり的問い、
強迫的な発問をやめてみる。

TMTT(too much teacher’s talk)にならないよう、
教師のしゃべりの時間を管理してみるとか。

hikizanAL-02.png
(引き算した上にビルドされた新しいマインド)



教えるとは、知識を生徒に与えることではなく、
生徒がはじめからわかっていることを、
自分自身で掴み取るように導くことと私は考えたい。



最後に一つ今日ちょっと思ったこと。

私たちが、私たち自身の病巣に気づいていないことが、
ALが進展していかない理由なのかもしれない。


いつか時間があれば、
講演の全体をまとめておきたいと思います。

 

全国国際教育研究大会

今日から第53回全国国際教育研究大会
(高知大会)がスタートしました。

高知大会02

受付に来てまずびっくり。

参加者全員に配られたお土産がこれ。

高知大会07

高知大会04

高知大会08


春野高校が作った手作り濃縮ジュースに、
伊野商業高校の「土佐和紙同好会」が
作った和紙のメッセージカードが
添えられています。

更に、追手前高校が提供した英字新聞で、
春野高校の生徒達が手提げバックをつくる
というコラボ企画だそうです。

受付にいた伊野商業高校のメチャ明るい生徒。
ブログへのアップ快く承諾してくれました。

高知大会06


高知県は今、県全体が家族であるということで、
「高知家」というキャッチコピーを流通させています。

そんな高知の先生方の「おもてなし」の
心意気に本当に感心してしまいました。

今日は、英語弁論9本と、
日本語弁論8本のスピーチが行われました。

どの生徒も素晴らしかったですが、
特に、印象に残ったのは、
茨城県立竹園高校の高橋さんの
シリア難民についての発表。

説得力のある、思いのこもった語り口。

最後のセンテンスで、胸が熱くなりました。

Living in a world of technology we have lost our ability
to understand humanity, and as a consequence,
the people in places like Syria are losing their lives.

We must go back in time -70 years- to the point in history
where people actually helped each other.

We must rediscover the meaning of the word “compassion”
and put an end to this global refugee crisis.

The time to change is now.
The time could not be more critical.
It’s time to give our tomorrow for their today.


70年前の戦後の人々の姿、世界の対応が、
シリアなどの難民問題を解決する糸口がある、
という彼女の主張に共感しながら、
ふと未来と過去を反転させて考えてみたら、
大野高校のことを思い出しました。

大野高校のような危機に面している地域が、
存続を求めて、工夫を凝らすことは、
日本の未来の学びを前向きに展望していることと
等価なのだといっていたことを。

なお、高橋さんの弁論は、
文部科学大臣賞を受賞しました。

日本語発表では、外務大臣賞を受賞した、
和歌山県の橋本高校の
アンさんの話がとても面白かったです。

彼女は、J-POPがきっかけで、
日本に興味を持ち始めたそうですが、
その後、日本の和歌や方言に触れたことで、
日本語の良さを掘り下げ、発見していきます。

その過程がとても面白く語られました。

私が、なるほど、これは鋭い視点だなあと
感心した部分はこちらです。

世界の殆どの国は、「サランヘヨ」「I love you」みたいに、
「あなたが好きです」といいます。
ここで、気づいた方はいませんか? 

そうです。日本では「あなた」じゃなく
「あなたのこと」が好きなのです。

私は、この言葉を思うと、相手が好きすぎて、
相手だけじゃなくて相手の隣のことまで
好きになっちゃった感じがします。

そう考えると、この言葉が
好きにならずにはいられません。


この日の夜行われたレセプションの
中締めの挨拶を頼まれたので、
早速使わせていただきました。

高知の人のおもてなし文化にふれ、
高知が好きになりました。いや、間違えました。
高知の「こと」が好きになりました。


何と、大うけでした。
やっぱり皆さんも、彼女の発表の
この部分が気になっていたのですね。


高知県民は日本一お酒を飲むのだそうです。
キリンビールの消費量も日本一。

高知大会05


発表の後の生徒交流会も、さすがに皆さん、
共感力を発揮しあって、
初対面なのに一瞬で意気投合していました。

高知国際09


明日の最終日、また新たな出会いや
発見があるかと思うとワクワクしますね。